Friday, January 1, 2016

譲歩文(xx にもかかわらず)


譲歩文(節)というのが文法にでてくる。英文法で初めて出会うほうが多いだろう。よほど真面目に勉強しないと理解度はよくて半分くらいだろう。容認文(節)というのもある(相良独和大辞典)。

内容的には

なるほど xx だが、 yy だ。
たしかに xx だが、 yy だ。
xx にもかかわらず、 yy だ。

といった言い方の前半部が<純>譲歩文(節)。文法的に言い換えると<逆説が後につづく確定文(節)>とも言える。

どんなに xx しても、 yy だ。
たとえ xx しても、 yy だ。
なにがなんでも、  yy だ。

といった言い方も前半部が譲歩文(節)扱いのようだ。以上3例は<逆説が後につづく仮定文(節)>とも言える。<譲歩>の言葉の内容からして<仮定>は含めない方がいいだろう。また<仮定>は<仮定>で文法上は<譲歩>以上に詳しく説明される。この辺が譲歩文(節)の理解を浅くしている原因だろう。

後半部の内容は前半部から推測されることとは反対のことを述べる。前半部で一旦は譲歩(容認)するが、 後半部でそれを打ち消す内容を述べるのだ。<だが>、<ても(でも)>は逆説の語だ(接続助詞か)。ここで取り上げたいのは<かかわらず>という言い方だ。 <xx にもかかわらず>は英文法教科書によく出てくるせいか翻訳調っぽい。いつごろから使い出したのか?

<かかわる>は大体<関係する>、<関与する>の意で、<xx に関係(関与)せず>ともいえそうだが、あまり聞かない。英文法教科書ではやまとことばの< xx にもかかわらず>が圧倒的に多い。 <xx に関係(関与)せず>が文語的(古くさい)、かしこまりすぎているからだろう。

話の順序が逆になるが< xx にもかかわらず>に対応する英語は although, even though (even if) で、この英語に対応するドイツ語に obwohl といのがあるが他にもにもいくつかあるようだ。trozdem は主に<xxxx, trozdem >という言い方のようだ。ob は <xx かどうか>の意の whether (if) で wohl は well(good の副詞形)の意だ。英語の方はよくわからないが、ドイツ語の方は一旦は<いい(well)のではないか>という譲歩(容認)の意を強く残している。

一方中国語では<虽然(suiran、ピンイン無視)>が譲歩文(節)をつくるが、辞書や文法書では<转(転)接>という語がつかわれている。<转接>は<逆接>とほぼ同じ。ここで注意したいのは、同じ转接でも

<虽然>は

虽然 xxxx  -  xxxx にもかかわらず、なるほど xxxx だが

と英語の (al)though xxxx と同じ語順であることだ。これは日本語にはない。したがって、個人差があるが、使えるようになるには慣れが必要で時間が少しかかる。

一方

但是、不过は

(不过) xxxx  - しかし(ながら)、だが xxxx

で日本語と同じ語順で、これは特に慣れのための時間はいらないので、英語の<But xxx>と同じように、<但是(不过) xxx>とすぐに使い出せるようだ。

<しかし(ながら)、だが xxxx >は but、 however が相当するが、少し重々しくしたければ、nevertheless というのがある。


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