Friday, February 20, 2026

<動詞連用形+かける>の複合動詞

 

<かける>についてはだいぶ前に検討したことがある。

かける, 掛ける、懸ける、 駆ける、賭ける、掻く、書く November 19, 2012


<かける>は相当にいろいろ違った意味があり、調べるとまるでワンダーランドにはいり込んでしまったような感覚になる。

今回は<動詞連用形+かける>の複合動詞をチェックしてみる。日本語の複合動詞は英語の動詞イディオム、動詞述語に相当すると言えるかもしれない。過去にいくつかの複合動詞をチェックしたことがあるが、<動詞連用形+かける>はチェックし忘れたようで、みつからない。<かける>自体相当にいろいろ違った意味があるが、<動詞連用形+かける>の<欠ける>もいろいろ違った意味があり、これまたワンダーランドにはいり込んでしまったような感覚になる。分類は後回しにして、ほぼ思いつくままに並べてみる。この<かける>は汎用性が高く、かなり自由にいろいな動詞につき、際限がない。よく使われる、なじみのあるモノものをとりあげる。

見かける  見かけ、見せかけ

 <見かける>は難しい。あとから出てくるが、一般的には複合動詞<動詞連用形+かける>については次のことが言える。

【意味】

① 何かをし始めて、まだ終わっていない状態

② もう少しで~の状態になった (なる)

ーーーーー

  1. あるものに及ばせる。
    • 話しかける
  2. し始める。
    • 本を読みかけたところで電話が鳴った。
  3. もう少しでし始めるところでしないままにする。しそうになる。
    • 事故を起こしかけた。

では説明がつかない。

<話かける> は<だれだれに話かける>で、<を>を取らないないので自動詞になるが、他動詞っぽい。to talk over ではない。一方<見かける>は<だれだれを見かける>で、<を>を取るので他動詞なるが、意識的に<見る>のではなく、むしろ<ちらっと見える、みえた>で自動詞っぽい。<見かける>は一瞬のことだ。瞬間的な動作はあとでとるあげるが、上記以外の意味がある。

瞬間的な動作

立ちかける
座りかける
開けかける   ドアを開けかける
閉めかける  ドアを閉めかける
おぼれかける

<瞬間的な動作の動詞+かける>は

始まったが、まだ完了していない状態を示す。完了は重要なコンセプトだ。

だが<見かける>は

始まったが、まだ完了していない状態を示す。

ではない。 <見かける>は

昨日近所のコンビニで花子を見かけた。 

と、過去形が多いようだが

近くのコンビニでは太郎をよく見かける。

とも言える。

<xxかける>は<かける、掛ける>由来と思われるが、自動詞の<かかる、掛かる>も流用されているようだ。<見かける>の場合は<見かかる>が実質的な意味のようだ。上記の<自動詞っぽい>。さらに話を進めると、あるモノ、あるコトを<掛けた>、あるモノ、あるコトが<掛った>あとは外 (はず) さないと<掛ったままになっている>。<見かける>にはこの<掛ったままになっている>の意味が隠されている。

見かけ

見かけが悪い

見かけはわるいが、品質はいい。 

見かけがいい

見かけがいいが、すぐ故障する。

 <見かけ>の<かけ>は<見かける>由来だろう。

<ちょっと見せかけところ (では)>の意、で説明ができる。

見せかけ

<見せかけ> も<見せかける>由来で<見せかける>は<ちょっと見せる>が原意。

xxのように見せかける

 という言い方がある。

見せかけにだまされてはいけない。

は<ちょっと見せる>と<xxのように見せかける>の両義が重なっているようでもある。
 

言いかける
しゃべりかける
話しかける
語 (かた) りかける
呼びかける

<言いかける>、<しゃべりかける>は

し始める

 一方<話しかける>、<語りかける>、<呼びかける >は

あるものに及ばせる

で<言う>、<しゃべる>と<話す>、<語る>の違いをきわだたせている。


やりかける   やる  to do
しかける    する  to do

し始める

行きかける  行きがけ  行きがけにちょっと太郎のところ寄ってみる
帰りかける  帰りがけ  帰りがけにちょっと花子のところ寄ってくる

 <行きかける>、<帰りかける>は

し始める

 <行きがけ>、<帰りがけ>は意味がずれている。 <行き始め>、<帰り始め>ではない。

<行きがける>、<帰りがける> とはほとんど言わない。やはり<掛っている>状態な (完了していない) のだが、<始まり>でも<もう少しでし始めるところ>でもない。

出かける  慣用表現

し始める

の意になる。

 出かけるときに母に呼び止められた。

だが

 出かけようとするときに母に呼び止められた。

と言いそう。

し始めるでは<出しな (に)>,<出がしら (に)>という慣用表現もある。

入 (はい) りかける    入 (はい) りかけた時にドアが自然に開いた

し始める


食べかける   食べかけがまだ残っている
飲みかける   飲みかけのビール
書きかける   書きかけの手紙を、また書きだす。
読みかける   読みかけの小説を、また読み出す。 

以上は

し始める

投げかける
ふりかける  <ふりかけ>という食品がある。動作、情況をみると<振る>、<降る>の意味が相当する

以上は

あるものに及ばせる

押しかける
おどしかける

これらも

あるものに及ばせる

と言えよう。


乗りかける  乗りかかった船  慣用表現

 すでに乗り終えているので (完了) <し始める>ではない。

 

たたみかける    慣用表現

ふろしきを畳みかかける

では<し始める>.。だが

畳みかけるように説明して、納得させた。

では

  1. あるものに及ばせる。
    • 話しかける
  2. し始める。
    • 本を読みかけたところで電話が鳴った。
  3. もう少しでし始めるところでしないままにする。しそうになる。
    • 事故を起こしかけた。

 で説明がつかない。

<たたむ>は大体短時間の繰り返し動作だ。折りたたむ。そして、すぐ終わる。たたみ終える。

ふろしきをたたむ
布団をたたむ
衣服をたたむ

<たたみかける>は

すぐに終わらず、しばらく<たたむ動作>が続く状態。だが大体はたたみ終える。完了。次の<未完>参照。

 

終わり、<中断>関連の語

終わりかける   会議はもう終わりかけている
死にかける
朽 (く) ちかける
崩 (くず) れかける
止まりかける
やめかける
あきらめかける
忘れかける

終わりに近いが、まだ完全には終わってい状態を示す。 未完。

 

始まり関連

始まりかける  会議はもう始まりかけている。
思い出しかける

し始める

思いかける、思いがけない

あるものに及ばせる

瞬間的な動作


立ちかける
座りかける
開けかける   ドアを開けかける
閉めかける  ドアを閉めかける
おぼれかける
眠りかける  <眠る>は継続 (無意識) 行為だが、細かくいえば<眠りにつきかける>の意と解釈する。

<瞬間的な動作の動詞+かける>は

始まったが、まだ完了していない状態を示す。完了は重要なコンセプトだ。

 

参考

 

 複合動詞に使われる<かける>をネットで調べてみると


https://japaneseexercises.com/2024/11/23/%E3%80%90jlpt-n3-%EF%BD%9E%E3%81%8B%E3%81%91%E3%80%80%E6%96%87%E6%B3%95%E8%A7%A3%E8%AA%AC%E3%83%BB%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%80%91/#google_vignette


【意味】

①何かをし始めて、まだ終わっていない状態

②もう少しで~の状態になった (なる)

【英語訳】

①Use “~かけ” when you say that you have started something and are not finished with it yet.

②Use “~かけ” when you want to express that something almost happened but did not actually occur.


Wiki

動詞:欠ける

かけるける, ける, ける, ける】

  1. 一部失われて完全でなくなる。
    • 茶碗の縁が欠ける。怪我でメンバー欠ける
  2. 不足している。
  3. (月が)ほそなっていく。

動詞:掛ける

かけるける、ける、ける、ける】

  1. (ものを高い場所などに)とりつける。懸架する。
    • 壁に時計をかける
  2. 上からかぶせるように
    1. 布などをかぶせる。一部または全体をおお
      • 寝た子に毛布をかける
    2. 眼鏡装着する。
    3. (架ける)両端を固定して中央は浮かせた状態にする。
      • 橋を架ける
    4. (架ける)2点をつなぎ、応答ができる状態にする。
  3. びせる
    • 熱湯をかける
  4. すわ。腰を下ろす。
    • 椅子にかけてお待ち下さい。
  5. 機械使つか
    • 掃除機をかける
  6. 影響を与える。
  7. 消費する、ついやす
    • 子供の教育に手間をかける
    • そこに行くまで、3時間もかける
    • そこに行くのに、10000円もかける
  8. 議題に上げる。
    • この件については次の会議にかけよう。
  9. (数学)じる。乗算する。接続詞も参照。
    • 2に3をかけると6になる。
  10. 交配させる。
    • 馬とロバをかけるとラバが生まれる。
  11. (「にかけ」「にかけて」などの形で)場所や時間が及んで。
    • 午後から翌日にかけて猛吹雪となるでしょう。
  12. (「にかけては」などの形で)ある特徴や話題について。において。
    • 足の速さにかけては右に出る者がいない。
  13. (動詞の連用形の後ろにつく)
    1. あるものに及ばせる。
      • 話しかける
    2. し始める。
      • 本を読みかけたところで電話が鳴った。
    3. もう少しでし始めるところでしないままにする。しそうになる。
      • 事故を起こしかけた。

 

<欠ける>には<不完全>の意味があるので

①何かをし始めて、まだ終わっていない状態

②もう少しで~の状態になった (なる)

 に関連するが複合動詞構成の<欠ける>で歯ないだろう。

以上の<かける>には<宙ぶらりん>の状態を表すものがある。

 (架ける)両端を固定して中央は浮かせた状態にする。

  • 橋を架ける。13 が複合動詞に使われる<かける

13 が複合動詞に使われる<かける>。

一番目の英語対訳つきの説明では

  1. あるものに及ばせる。
    • 話しかける

が抜けている。この<かける>は<ける、ける、ける>の原意が残っている。

以上で大体カバーできるが、カバーできないものもある。 

慣用表現としておこう。


見かける
出かける


sptt

Tuesday, February 17, 2026

動詞 -> 形容詞、xxしい、xxわしい

 

前回のポスト " 形容詞+<しむ>による動詞化 " で

形容詞 -> 動詞  xxしむ

をざっと見たが、

動詞 -> 形容詞

をこれまたざっと見てみる。前回のポストと同じく、主に感情表現だが、細かく言えば心理表現も含む。アイウエオ順。

(?)  -> いかがわしい

いたむ ー> いたましい   痛む

いとしむ ー> いとおしい

いむ ー> いまわしい、いまいましい。<いましい>という言い方はない。忌む

うたがう ー> うたがわしい  疑う

うとむ ー> うとましい   

うらむ ー> うらめしい。なぜか<うらましい>とならない。恨む

うらやむ ー>うらやましい

(?)  -> うるわしい   

おそれる ー> おそろしい  恐れる

(おぞむ)  ー> おぞましい

かがやく ー> かがやかしい  輝く

かぐ ー> かぐわしい    匂いをかぐ

このむ ー> このましい  好む

さわぐ -> さわがしい   騒ぐ

すさむ ー> すさまじい

たのむ ー> たのもしい。 なぜか<たのましい>とならない。頼む

なげく ー> なげかわしい  嘆く

にくむ ー> にくましい  あまり聞かない。普通は<にくい>、<にくたらしい>。憎む、憎い

(につく)  ー> につかわしい

ねたむ ー> ねたましい

のぞむ ー> のぞましい   望む

まぎる、まぎれる ー> まぎらわしい

めずる ー> めずらしい   

やむ -> やましい   病む

わずらう ー> わずらわしい


1)<xxむ>が多い。この<xxむ>は別のポストでもっと一般的に検討したことがある。

2)xxわしい

(?)  ー> いかがわしい

いむ ー> いまわしい

うたがう ー> うたがわしい

(?)  -> うるわしい

かぐ ー> かぐわしい

なげく ー> なげかわしい

(につく)  ー> につかわしい 

まぎる、まぎれる ー> まぎらわしい

わずらう ー> わずらわしい    

感情 / 心理表現でないものも多い。    

3)すく、好く / きらう、嫌う (好き / 嫌い)は形容動詞になる。

好く -> 好きな / だ  <だ>がない<好き>でもいい。

嫌う -> 嫌いな / だ  <だ>がない<嫌い>でもいい。


sptt

Monday, February 16, 2026

形容詞+<しむ>による動詞化

 

 <しむ>は古語の使役助詞だが (末尾参照) 、今でも無意識に使われている。特に<形容詞+しむ>による動詞化は独立した一語となっている。だが<形容詞+しむ>による動詞化は限られて、一般性があるとは言えない。主に感情表現。アイウエオ順並べてみる。

あやしい  ー あやしむ

(いつくしい) ー> いつくしむ

うらやましい ー いらやましむ  ダメ

うれしい ー うれしむ  ダメだが、<何をうれしんでいるのだ?>は可能か。普通は<何をうれしがっているのだ?> <うれしがる>

おかしい ー おかしむ   ダメ <何をおかしむ、おかしんでいる?>はダメで、<何をおかしがっている?>。<おかしがる>

<おかしい>は<おもしろい>と<何か変だと思う>の違った二つの意味がある。

惜 (お) しい ー 惜しむ

おそろしい ー おそろしむ  ダメ

おもしろい  ー おもしろしむ  ダメ

悲 (かな) しい ー 悲しむ

くやしい ー くやしむ   何をくやしんでいる?

苦 (くる) しい ー 苦しむ

さみしい ー  さみしむ  ダメ

なつかしい ー なつかしむ

むなしい ー むなしむ  ダメ

はずかしい ー はずかしむ  ダメ  だが、純使役の<誰だれをはずかしむ、しめる>は可能。

やましい ー やましむ  ダメ

よろこばしい ー  よろこばしむ  ダメだが、純使役の<誰だれをよろこばしむ、しめる>は古文調だが可能。

 

けっこう複雑だ。

ここで注意したいのは、形容詞+<しむ>による動詞化だが、他動詞となることだ。これはかなりの変換だ。

惜 (お) しい ー 惜しむ   xxを惜しむ

悲 (かな) しい ー 悲しむ  xxを悲しむ

苦 (くる) しい ー 苦しむ  xxを苦しむ。ダメ。これは例外で普通は<xxに苦しむ>で自動詞。

なつかしい ー なつかしむ  xxをなつかしむ

ここで、さらに注意したいのは、この他動詞化だが、 <私は>で主体が変わらないこと。<しむ>は元来使役だが、以上の例では使役の相手が出てこない。使役相手が自分自身とすると

私は惜 (お) しい ー 私は自分自身を惜しむ 

私は悲 (かな) しい ー 私は自分自身を悲しむ

私は苦 (くる) しい ー 私は自分自身を苦しむ 

私はなつかしい ー 私は自分自身をなつかしむ

になるが、変な日本語だ。<自分自身>がないのが自然だ。


ダメなものは<xxがる>が可能なものがある。

うらやましい ー いらやましむ  ダメ  -> うらやましがる

おそろしい ー おそろしむ  ダメ  -> おそろししがる

くやしい ー くやしむ   何をくやしんでいる? ー> くやしがる

やましい ー やましむ  ダメ   -> やましがる これはほぼダメ。 

<がる>は別のポストで、日本語野特徴として取り上げたことがあるので、ここでは話を進めない。

 

末尾

学研全訳古語辞典

しむ

助動詞下二段型

《接続》活用語の未然形に付く。

①〔使役〕…せる。…させる。

出典徒然草 三八

「愚かなる人の目をよろこばしむる楽しみ、またあぢきなし」

[訳] 愚かな人の目を楽しませる快楽(というの)も、同様につまらないものだ。

② 略

③ 略

語法

使役の「しむ」 尊敬語・謙譲語を伴わないで単独で用いられる「しむ」は、①の使役の意味で、上代にはほとんどこの意味で用いられた。

注意

「しめ給ふ」には二とおりあり、「…に」に当たる使役の対象の人物が文脈上存在する場合は使役、そうでない場合は最高敬語(二重敬語)と見てよい。

語の歴史

中古の使役表現では、和文体で「す」「さす」が用いられ、漢文訓読調の文章では「しむ」が用いられた。使役の「しむ」は中世以降は和漢混交文に用いられている。③は、中古末期以後、主として男性の会話文で用いられた。

 

sptt 

 

Monday, December 29, 2025

<つく>、<つける>について、自動詞、他動詞

 

 <つく>は多義語でかなり前のポスト

<つく>(突く、着く、付く )について ( Nov 10, 2012) で


突く
着く
付く   自動詞、関連語:他動詞 付ける
就く (任務に就く)
衝く (的を絞って突く、攻撃する)
尽 く 、関連語:尽きる、尽くす
憑く (もののけが(とり)つく)
搗く (こめ、もちなどをつく)
点く (火がつく、電気がつく)
 
適当な漢字がないようだが、まりをつく;杖をつく、手をつく; 息をつく もある。漢字を使うとこれだけの区別があるが、かなだけ、あるいはもっと現実的 に耳で聞いたり話したりするときはこれらの区別はない。いいかえれば、中国語の漢字では発音上これらの区別があるが、日本語では区別がなく、すべて<つく>なの だ。
正確には、<く>(<つ>にアクセントがある-着く、付く、就く、尽 く、憑く、点く )と<つ>(<く>にアクセントがある-突く、衝く)の区別がある。中国語の四声に似た区別だ。
漢字を使うと意味が違う、あるいは微妙に違うようだが、大和言葉としての<つく>はかなり大雑把な動詞、よくいえば、かなり一般化、抽象化された語だ。もとの大きな意味は共通している(同源とか同根というが、いわば<ur- つく>だ)。<ある場所にに近づく、近づける>といったような意味だ。
 

” 

と書いている。さて、よく使われるものを自動詞と他動詞に分けてみる。


着く 自動詞  東京に着く、小包が着く、まもなく東京に着ける (可能) 、車を壁に着ける (車を壁に近づける) (他動詞)

付く 自動詞  汚れが服に付く、汚れを服に付ける (他動詞)

就く 自動詞  任務に就く、任務に就ける (可能)、太郎を任務に就ける (他動詞)

点く 自動詞  火がつく、電気がつく、火を / 電気をつける (他動詞)。<点 (つ) く>はいかにも当て字だ。 

 

突く 他動詞   槍を突く、壁を槍で突く、この槍は壁を (が) 突ける (可能)

<突く>は<つく>でもイントネーションが違う。

もちをつく 他動詞    (太郎は) もちつける (可能)   もちつける (自動詞)  もちがつけた、もちがつき上がった、もちができ上がった

まりをつく 他動詞    (花子は) まりつける (可能)

杖 (つえ) をつく 他動詞    (その老人は) 杖つける (可能)

息をつく 他動詞    これでやっと息つける (可能)

 

以上の例では、自動詞では<xく>が<xける>で可能、他動詞になる。 一方、当然だが他動詞<xく>の<ける>による他動詞化はない。これらは規則といえる。

<可能>は 

 <五段活用 -> 下一段活用>変換による可能動詞化

というのがあり、以上の例ではこれがあてはまる。

また<可能>は普通は<誰だれがxxできる>で、人が主語、主体になる。だが例外もある、

塩は水に溶 (と) ける。 

これまた<だが>だが、この<溶ける>は他動詞<溶く>の自動詞化ともいえる。

もちをつく 他動詞    (太郎は) もちつける (可能)   もちつける (自動詞)  もちがつけた

の<もちがつける>の<つける>も他動詞<つく>の自動詞化といえる。

 

sptt

 

Sunday, December 28, 2025

<動く>、<動かす>、to move、Let the chair move. は可能か?

 

日本語では自動詞<動く>、他動詞<動かす>が使い分けられている。一方英語の to move は自他兼用動詞。やや現実離れしているところがあるが

椅子が動く  The chair moves.

(誰かが、何かが)椅子を動かす  (someone, something) moves the chair.

カッコ内の(誰かが、何かが)、(someone, something)は必要で

太郎が / は椅子を動かす。Taro moves the chair.

ところで英語で

Let the chair move. という言い方は可能か? ビートルズの歌に<Let it be>というのがある。

Let the chair move. は<椅子を動かさす>でもいいが、正確には<誰かに椅子を動かさす>の<誰かに>を省いたものか?

だが、これは Let someone move the chair. が正しいだろう。

 

sptt

 


Thursday, December 25, 2025

他動詞<受ける>、自動詞<受かる>と<まる―める>動詞

 

少し前のポスト

おもしろい日本語の自動詞、他動詞<受ける>、自動詞<受かる>ー2

ヘンテコな他動詞<受ける>、自動詞<受かる> 

で他動詞<受ける>、自動詞<受かる> を検討したが、分析は半ば (なかば)で終わった。上記二つのポストのもともとの疑問、概略は


ところで

自動詞<受かる> 試験に受かる 

は<を>をとらないので自動詞か?

試験が受かる

なら自動詞でいいが、こうはいわない。<試練が受かる>、<いじめが受かる>もダメ。

<受ける>は<を>をとるので他動詞だが、やや特殊で、意味としては<与えられる>で受身的だ。

A ーー 試験 ーー> B

Aは与える。Bは与えられる。またはBは<受ける>

受身は対象が主語で

試験が与えられる 

これからすると

<受ける>は<を>をとるから他動詞といえるか? 少なくとも能動的に<試験に働きかける<わけではない。

英語で<受ける>は to receive で、to receive xx で他動詞。だが 

<試験を受ける>は to receive an exam とはいわず、to take an exam.

to receive も to take も他動詞だが、英語でも to receive は受身的だ。

An exam is taken. はなんとかなるが、An exam is received.とはまず言わないだろう。A gift is received. ならいい。

つまるとこころは<試験を受ける>がおかしいようだ。さらには<試験に受かる >はややこしい。

受 (う) く(古語)  受かる ー 受ける

試験に受かる  試験に受かっている (状況)。<受かる>は可能の意味もある。

試験を受ける

以上に関しては下記の<まる―める>動詞群が参考にななる。

収 (おさ) む(古語)  収まる ー 収める

カネが金庫に収まっている (状況)。カネが金庫に収まる(可能)

カネを収める   カネを金庫に収める  

埋 (う) む(古語)     埋まる ー  埋める

カネが地中に埋まっている (状況)。
カネを地中に埋める

溜 (た) む(古語)     溜まる ー  溜める

雨水が桶に溜まる  
雨水を桶に溜める

貯 (た) む(古語)     貯まる ー  貯める

小銭が貯金箱に貯まる
小銭を貯金箱に貯める

詰 (つ) む(古語)     詰まる ー  詰め

ゴミがゴミ袋に詰まっている (状況)。
ゴミをゴミ袋に詰める

嵌 (は) む(古語)     嵌まる ー  嵌める 

指輪が指にうまく嵌っている、指輪が指にうまく嵌らない (可能の否定)
指輪を指に嵌める 

他動詞<xxめる>は意味がつかみやすいが、自動詞<<xxまる>は少しやっかいだ。

試験に受かる

に近いものを探すと

カネが金庫に収まる

カネが金庫に収まっている (状況)。 カネが金庫に収まる(可能)

これは<(金庫が) カネを受ける>ことになる。これは<収める>と授受関係になる。その他も見方では授受関係になる。

授受関係では<まる―める>動詞でなくとある。<ク行>で

授 (さず) く(古語)     授かる ー  授ける

授かる   大金を授かる、名誉を授かる、(お褒 (ほ) め授かる)

授ける   大金を授ける、名誉を授ける

預(あず) く(古語)    預かる ー  預ける

預かる  大金を授かる、貴重品を授ける

お褒 (ほ) め預かる

という言い方がある。<お褒 (ほ) め預かる>はほとんど聞かない。<試験に受かる>と関連があるか?

預ける  大金を授かる、貴重品を授ける

これは<試験を受ける>と授受関係が逆になる。

試験

 I

 V

受ける 

大金

 I

授ける

さて

<お褒 (ほ) め預かる>と<試験に受かる>と関連があるか?

だが、<預かる>は

お褒 (ほ) め

 I

 V

預かる

で<受かる>と同じ授受関係になる。<試験に受かる>を

試験の合格に預かる

とすれば何とかなるが、こじつけがましい。<試験に受かる>はやっかいだ。

 

sptt

Sunday, December 21, 2025

咲く、咲かす、咲かせる

 

咲く (自動詞)  花が咲く、咲かす(他動詞)、花を咲かす、咲かせる(他動詞、可能) 花を咲かせる、使役:咲かさす/ させる

のようだが、実際に例文を作ってみると

爺さんが桜の花咲かす(他動詞)、咲かせる(他動詞)

爺さんは桜の花が咲かせる(可能) この<咲かせる>は他動詞ではない。

爺さんに桜の花を咲かさす/ させる(使役)

 

で<咲かせる>がやっかいだ。

日本語では<可能動詞>というのがある。 べつのポストで引用したことがあるが

”い。Wiki には<可能動詞>として次のような長い解説がある。



可能動詞
(かのうどうし)とは、現代日本語共通語)において五段活用の動詞を下一段活用の動詞に変化させたもので、可能(行為をすることができること)の意味を表現する。



行く 自動詞  ー> 行ける
買う 他動詞 ー> 買える
書く 他動詞 ー> 書ける
住む 自動詞 ー> 住める
立つ 自動詞  ー> 立てる  <立てる>は自動詞<立つ>に対応する他動詞の<立てる>がある。
取る 他動詞  ー> 取れる  <取れる>は他動詞<取る>に対応する自動詞の<取れる>がある。
飲む 他動詞  ー> 飲める
引く 他動詞  ー> 引ける
増す 自動詞 ./  他動詞 ー> 増せる          川の水が増す(自動詞)、  人の数を増す(他動詞)
読む 他動詞 ー> 読める 

自動詞、他動詞に関係なく成り立つ。見事な 変換と言える。しかも活用全体の変換なのだ。

これを<咲かす>に当てはめると

咲かす 他動詞 五段活用

咲かない
咲か
咲か(終止形)
咲か
咲か

下一段活用にすると、

咲かない
咲か
咲かる(終止形)
咲かるとき
咲かれば
咲かよう

<咲かない>は<咲かすことできない>の意味になる。不可能、可能の否定、

お爺さんは花咲かせない。

これは

お爺さんは花咲かせない。

でもよさそう。

<咲かて>は<咲かすことができて>の意味にならない。

お爺さんは花咲かせている。

お爺さんは花咲かせている。

はおかしい。

<咲かる (終止形) >は可能の意がない他動詞とも可能動詞ともとれる。

爺さんが桜の花咲かせる(他動詞)

爺さんは桜の花咲かせる(可能) この<咲かせる>は他動詞ではない。

<を>と<が>の違いがある。

 

<咲かるとき>は

爺さんが花咲かせるとき

他動詞。

無理に可能にしたければ

爺さんが花咲かせるとき

となる。 

 

<咲かれば>は可能の意がない他動詞とも可能動詞ともとれる。

爺さんが花咲かせれば

は他動詞とも可能動詞ともとれる。

爺さん咲かせれば

は可能。

爺さん咲かせれば

も可能だが、変な感じがある。

爺さんもし花咲かせれば

は変な感じがない。

 

<咲かよう>も可能の意がない他動詞とも可能動詞ともとれる。

爺さん咲かよう。 

変な日本語で

爺さん咲かせる。でいい。

爺さんこれから花咲かせる。

以上他動詞。

爺さん咲かよう。

これまた変な日本語で

爺さん花が咲かせる。でいい。

爺さんはこれからは花が咲かせる。

以上可能。


一方五段活用<読む>の 下一段活用は

読めない
読めて
読める(終止形)
読めるとき
読めれば
読めよう  

は一貫して<可能>の意だ。ただしこれらの場合、<を>ではなく<が>をとる。<を>は間違い。

英語が読めない
英語が読めて
英語が読める(終止形)
英語が読めるとき
英語が読めれば
英語が読めよう  

 

<咲かせる>が複雑なのはどうしたことか?

 

sptt