Tuesday, February 24, 2026

<動詞連用形+かかる>の複合動詞

 

前回のポスト  " <動詞連用形+かける>の複合動詞 " に続いて

<動詞連用形+かかる>の複合動詞 

をチェックしてみる。前回のポストで


乗りかける  乗りかかった船

では

1)まだ乗り終えていないが (未完) 乗り始めている。

2)すでに乗り終えていて (完了) 乗り始める>ではない。

 の二つの場合が考えられる。

 <乗りかかった船>は慣用表現で、もとは<乗りかける>ではなく<乗りかかる>。<乗りかけた船>でも通じるが、慣用的に<乗りかかった船>という。

と書いたが、<動詞連用形+かかる>をザっと調べてみたが、<xxかける>でも<xxかる>でも、ほぼ同じような意味になるものがある。

xxと言いかけて、言うのをやめた。
xxと言いかかって(xxと言いかかったが)、やめた、 

<かける>は他動詞、<かかる>は自動詞。

あえて違いを探せば

<xxと言いかけて>には意思が感じられるが、<xxと言いかかって>にはあまり意思が感じられず、自然のなりゆき的だ。一方<言う>は<xxと言う>で<と>を取るが、他動詞と見ていいだろう。明らかに他動詞になるのは

ウソを言う。

<xxかける>でも<xxかる>でも、ほぼ同じような意味になるもの。微妙な違いはある。

やりかける   仕事をやりかけたところに太郎が遊びに来た。

やりかかる   仕事やりかかったところに太郎が遊びに来た。
        仕事やりかかったところに太郎が遊びに来た。
        仕事やりかかったところで太郎が遊びに来た。

上の<やりかかる>は何かおかしい。この<やる>は<xxをやる>で他動詞。一方<掛る>は自動詞。<何かおかしい>のはこのやめか?

<やる>は<する>の意だが、<しかける>、<しかかる>には慣用用法がある。

しかける

仕事をしかけたところに太郎が遊びに来た。

罠 (わな) をしかける。慣用用法

しかかる

<しかかり品 (仕掛品) >は未完成品。<しかけ品>というのはほとんど聞かないが<しかけ中の製品>だ。これも<しかかり中の製品>と言いそう。<する>は<xxをする>で他動詞だが自動詞の<かかる>と相性がいいようだ。あるいは<しかける>が別の意味を持つためか。

機械を止めかけた時に、また仕事が入ってきた。

止める 他動詞、かける 他同種

燃料切れで機械が止まりかかる

止まる 自動詞、かかる 自同種  

だが

機械を止め (他動詞) かかった (自動詞) 時に、また仕事が入ってきた。

燃料切れで機械が止まり (自動詞) かける (他動詞)

でも問題なさそう。

古い家が倒れかけている
古い家が倒れかかっている

病気の老人が死にかけている
病気の老人が死にかかっている

以上の例もほぼ同じような意味になるもの。

仕事を終えかける
仕事が終わりかける

は普通の言い方だが

仕事を終わりかける   
仕事が終えかける

でも間違いではないだろう。個人差があろう。


取りかかる  慣用表現

取りかける

何かをし始めて、まだ終わっていない状態

だが<取りかかる>は

何かをし始めて、まだ終わっていない状態

であるが、<始める>に重点があり<まだ終わっていない状態>はほとんど意識されていない。


追いかける

の<かける>は<駆ける>ではない。

走りかける

もたれかかる
よりかかかる


 

 


 

以上の例もほぼ同じような意味になるもの。

 



 



 

Friday, February 20, 2026

<動詞連用形+かける>の複合動詞

 

<かける>についてはだいぶ前に検討したことがある。

かける, 掛ける、懸ける、 駆ける、賭ける、掻く、書く November 19, 2012


<かける>は相当にいろいろ違った意味があり、調べるとまるでワンダーランドにはいり込んでしまったような感覚になる。

今回は<動詞連用形+かける>の複合動詞をチェックしてみる。日本語の複合動詞は英語のイディオム動詞、熟語動詞、phrasal verb に相当すると言えるかもしれない。過去にいくつかの複合動詞をチェックしたことがあるが、<動詞連用形+かける>はチェックし忘れたようで、みつからない。<かける>自体相当にいろいろ違った意味があるが、<動詞連用形+かける>の<かける>もいろいろ違った意味があり、これまたワンダーランドにはいり込んでしまったような感覚になる。この<かける>は汎用性が高く、かなり自由にいろいな動詞につき、際限がない。よく使われる、なじみのあるモノものをとりあげる。

見かける  見かけ、見せかけ

<見かける>は難しい。あとから出てくるが、一般的には複合動詞<動詞連用形+かける>については次のことが言える。末尾参照

【意味】

① 何かをし始めて、まだ終わっていない状態

② もう少しで~の状態になった (なる)

ーーーーー

  1. あるものに及ばせる。
    • 話しかける
  2. し始める。
    • 本を読みかけたところで電話が鳴った。
  3. もう少しでし始めるところでしないままにする。しそうになる。
    • 事故を起こしかけた。

では説明がつかない。

<話かける> は<だれだれに話かける>で、<を>を取らないないので自動詞になるが、他動詞っぽい。to talk over ではない。一方<見かける>は<だれだれを見かける>で、<を>を取るので他動詞なるが、意識的に<見る>のではなく、むしろ<ちらっと見える、見えた>で自動詞っぽい。<見かける>は一瞬のことだ。一般的に

瞬間的な動作

立ちかける
座りかける
開けかける   ドアを開けかける
閉めかける  ドアを閉めかける
おぼれかける

<瞬間的な動作の動詞+かける>は

① 何かをし始めて、まだ終わっていない状態

始まったが、まだ完了していない状態を示す。ここで、完了は重要なコンセプトだ。

これは上記の

① 何かをし始めて、まだ終わっていない状態

し始める。

に近い。

だが<見かける>は

始まったが、まだ完了していない状態を示す。

ではない。 <見かける>は

昨日近所のコンビニで花子を見かけた。 

と、過去形が多いようだが

近くのコンビニでは太郎をよく見かける。

とも言える。

<xxかける>は他動詞<かける、掛ける>由来と思われるが、自動詞の<かかる、掛かる>も流用されているようだ。<見かける>の場合は<見かかる>が実質的な意味のようだ。上記の<自動詞っぽい>。さらに話を進めると、あるモノ、あるコトを<掛けた>、あるモノ、あるコトが<掛かった>あとは外 (はず) さないと<掛ったままになっている>。<見かける>にはこの<掛ったままになっている>の意味が隠されている。 記憶に残っている。

見かけ

見かけが悪い

見かけはわるいが、品質はいい。 

見かけがいい

見かけがいいが、すぐ故障する。

 <見かけ>の<かけ>は<見かける>由来だろう。

<ちょっと見せかけところ (では)>の意、で説明ができる。

見せかけ

<見せかけ> も<見せかける>由来で<見せかける>は<ちょっと見せる>が原意。

xxのように見せかける

 という言い方がある。

見せかけにだまされてはいけない。

は<ちょっと見せる>と<xxのように見せる>の両義が重なっているようでもある。
 

言いかける
しゃべりかける
話しかける
語 (かた) りかける
呼びかける

<言いかける>、<しゃべりかける>は

し始める

 一方<話しかける>、<語りかける>、<呼びかける >は

あるものに及ばせる

で<言う>、<しゃべる>と<話す>、<語る>の違いをきわだたせている。


やりかける   やる  to do
しかける    する  to do

し始める

<しかける>には別の意味もある。

罠 (わな) をしかける、爆弾をしかける



行きかける  行きがけ  行きがけにちょっと太郎のところ寄ってみる
帰りかける  帰りがけ  帰りがけにちょっと花子のところ寄ってくる

<行きかける>、<帰りかける>は

し始める

 <行きがけ>、<帰りがけ>は意味がずれている。 <行き始め>、<帰り始め>ではない。

<行きがける>、<帰りがける> とはほとんど言わない。やはり<掛っている>状態な (完了していない) のだが、<始まり>でも<もう少しでし始めるところ>でもない。

出かける  慣用表現

し始める

の意になる。

出かけるときに母に呼び止められた。

だが

出かけようとするときに母に呼び止められた。

と言いそう。

出かけるときには車に注意。 

には<し始める>の意がない。

し始めるでは<出しな (に)>,<出がしら (に)>という慣用表現もある。さらには<出かかる>も可能だろう。

<出かける>の<かける>には一般的な<かける>の意味はなく、この意味を出そうとすると

出かけかける
出かけかかる 

になる。

 

入 (はい) りかける    入 (はい) りかけた時にドアが自然に開いた

し始める


食べかける
飲みかける
書きかける
読みかける

以上は

し始める 

でもいいが

食べかけがまだ残っている
飲みかけのビール
書きかけの手紙を、また書きだす。
読みかけの小説を、また読み出す。

では

① 何かをし始めて、まだ終わっていない状態

の後半、未完の状態が重視されている。中断している状態とも言える。

投げかける
ふりかける  <ふりかけ>という食品がある。動作、情況をみると<振る>、<降る>の意味が相当する

以上は

あるものに及ばせる

 

押しかける
おどしかける

これらも

あるものに及ばせる

と言えよう。


乗りかける  乗りかかった船

では

1)まだ乗り終えていないが (未完) 乗り始めている。

2)すでに乗り終えていて (完了) 乗り始める>ではない。

 の二つの場合が考えられる。

 <乗りかかった船>は慣用表現で、もとは<乗りかける>ではなく<乗りかかる>。<乗りかけた船>でも通じるが、慣用的に<乗りかかった船>という。

 

たたみかける    慣用表現

ふろしきを畳みかかける

では<し始める>.。だが

畳みかけるように説明して、納得させた。

では

  1. あるものに及ばせる。
    • 話しかける
  2. し始める。
    • 本を読みかけたところで電話が鳴った。
  3. もう少しでし始めるところでしないままにする。しそうになる。
    • 事故を起こしかけた。

 で説明がつかない。

<たたむ>は大体短時間の繰り返し動作だ。折りたたむ。そして、すぐ終わる。たたみ終える。

ふろしきをたたむ
布団をたたむ
衣服をたたむ

<たたみかける>は

すぐに終わらず、しばらく<たたむ動作>が続く状態。だが大体はたたみ終える。完了。次の<未完>参照。

 

終わり、<中断>関連の語

終わりかける   会議はもう終わりかけている
死にかける
朽 (く) ちかける
崩 (くず) れかける
止まりかける
やめかける
あきらめかける
忘れかける

終わりに近いが、まだ完全には終わってい状態を示す。 未完。

 

始まり関連

始まりかける  会議はもう始まりかけている。
思い出しかける

し始める

思いかける、思いがけない

あるものに及ばせる


末尾

参考

 複合動詞に使われる<かける>をネットで調べてみると


https://japaneseexercises.com/2024/11/23/%E3%80%90jlpt-n3-%EF%BD%9E%E3%81%8B%E3%81%91%E3%80%80%E6%96%87%E6%B3%95%E8%A7%A3%E8%AA%AC%E3%83%BB%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%80%91/#google_vignette


【意味】

①何かをし始めて、まだ終わっていない状態

②もう少しで~の状態になった (なる)

【英語訳】

①Use “~かけ” when you say that you have started something and are not finished with it yet.

②Use “~かけ” when you want to express that something almost happened but did not actually occur.


Wiki

動詞:欠ける

かけるける, ける, ける, ける】

  1. 一部失われて完全でなくなる。
    • 茶碗の縁が欠ける。怪我でメンバー欠ける
  2. 不足している。
  3. (月が)ほそなっていく。

動詞:掛ける

かけるける、ける、ける、ける】

  1. (ものを高い場所などに)とりつける。懸架する。
    • 壁に時計をかける
  2. 上からかぶせるように
    1. 布などをかぶせる。一部または全体をおお
      • 寝た子に毛布をかける
    2. 眼鏡装着する。
    3. (架ける)両端を固定して中央は浮かせた状態にする。
      • 橋を架ける
    4. (架ける)2点をつなぎ、応答ができる状態にする。
  3. びせる
    • 熱湯をかける
  4. すわ。腰を下ろす。
    • 椅子にかけてお待ち下さい。
  5. 機械使つか
    • 掃除機をかける
  6. 影響を与える。
  7. 消費する、ついやす
    • 子供の教育に手間をかける
    • そこに行くまで、3時間もかける
    • そこに行くのに、10000円もかける
  8. 議題に上げる。
    • この件については次の会議にかけよう。
  9. (数学)じる。乗算する。接続詞も参照。
    • 2に3をかけると6になる。
  10. 交配させる。
    • 馬とロバをかけるとラバが生まれる。
  11. (「にかけ」「にかけて」などの形で)場所や時間が及んで。
    • 午後から翌日にかけて猛吹雪となるでしょう。
  12. (「にかけては」などの形で)ある特徴や話題について。において。
    • 足の速さにかけては右に出る者がいない。
  13. (動詞の連用形の後ろにつく)
    1. あるものに及ばせる。
      • 話しかける
    2. し始める。
      • 本を読みかけたところで電話が鳴った。
    3. もう少しでし始めるところでしないままにする。しそうになる。
      • 事故を起こしかけた。

 

<欠ける>には<不完全>の意味があるので

①何かをし始めて、まだ終わっていない状態

②もう少しで~の状態になった (なる)

 に関連するが複合動詞構成の<欠ける>で歯ないだろう。

以上の<かける>には<宙ぶらりん>の状態を表すものがある。

 (架ける)両端を固定して中央は浮かせた状態にする。

  • 橋を架ける。13 が複合動詞に使われる<かける

13 が複合動詞に使われる<かける>。

一番目の英語対訳つきの説明では

  1. あるものに及ばせる。
    • 話しかける

が抜けている。この<かける>は<ける、ける、ける>の原意が残っている。

以上で大体カバーできるが、カバーできないものもある。 

慣用表現としておこう。


見かける
出かける
たたみかける 


sptt

Tuesday, February 17, 2026

動詞 -> 形容詞、xxしい、xxわしい

 

前回のポスト " 形容詞+<しむ>による動詞化 " で

形容詞 -> 動詞  xxしむ

をざっと見たが、

動詞 -> 形容詞

をこれまたざっと見てみる。前回のポストと同じく、主に感情表現だが、細かく言えば心理表現も含む。アイウエオ順。

(?)  -> いかがわしい

いたむ ー> いたましい   痛む

いとしむ ー> いとおしい

いむ ー> いまわしい、いまいましい。<いましい>という言い方はない。忌む

うたがう ー> うたがわしい  疑う

うとむ ー> うとましい   

うらむ ー> うらめしい。なぜか<うらましい>とならない。恨む

うらやむ ー>うらやましい

(?)  -> うるわしい   

おそれる ー> おそろしい  恐れる

(おぞむ)  ー> おぞましい

かがやく ー> かがやかしい  輝く

かぐ ー> かぐわしい    匂いをかぐ

このむ ー> このましい  好む

さわぐ -> さわがしい   騒ぐ

すさむ ー> すさまじい

たのむ ー> たのもしい。 なぜか<たのましい>とならない。頼む

なげく ー> なげかわしい  嘆く

にくむ ー> にくましい  あまり聞かない。普通は<にくい>、<にくたらしい>。憎む、憎い

(につく)  ー> につかわしい

ねたむ ー> ねたましい

のぞむ ー> のぞましい   望む

まぎる、まぎれる ー> まぎらわしい

めずる ー> めずらしい   

やむ -> やましい   病む

わずらう ー> わずらわしい


1)<xxむ>が多い。この<xxむ>は別のポストでもっと一般的に検討したことがある。

2)xxわしい

(?)  ー> いかがわしい

いむ ー> いまわしい

うたがう ー> うたがわしい

(?)  -> うるわしい

かぐ ー> かぐわしい

なげく ー> なげかわしい

(につく)  ー> につかわしい 

まぎる、まぎれる ー> まぎらわしい

わずらう ー> わずらわしい    

感情 / 心理表現でないものも多い。    

3)すく、好く / きらう、嫌う (好き / 嫌い)は形容動詞になる。

好く -> 好きな / だ  <だ>がない<好き>でもいい。

嫌う -> 嫌いな / だ  <だ>がない<嫌い>でもいい。


sptt

Monday, February 16, 2026

形容詞+<しむ>による動詞化

 

 <しむ>は古語の使役助詞だが (末尾参照) 、今でも無意識に使われている。特に<形容詞+しむ>による動詞化は独立した一語となっている。だが<形容詞+しむ>による動詞化は限られて、一般性があるとは言えない。主に感情表現。アイウエオ順並べてみる。

あやしい  ー あやしむ

(いつくしい) ー> いつくしむ

うらやましい ー いらやましむ  ダメ

うれしい ー うれしむ  ダメだが、<何をうれしんでいるのだ?>は可能か。普通は<何をうれしがっているのだ?> <うれしがる>

おかしい ー おかしむ   ダメ <何をおかしむ、おかしんでいる?>はダメで、<何をおかしがっている?>。<おかしがる>

<おかしい>は<おもしろい>と<何か変だと思う>の違った二つの意味がある。

惜 (お) しい ー 惜しむ

おそろしい ー おそろしむ  ダメ

おもしろい  ー おもしろしむ  ダメ

悲 (かな) しい ー 悲しむ

くやしい ー くやしむ   何をくやしんでいる?

苦 (くる) しい ー 苦しむ

さみしい ー  さみしむ  ダメ

なつかしい ー なつかしむ

むなしい ー むなしむ  ダメ

はずかしい ー はずかしむ  ダメ  だが、純使役の<誰だれをはずかしむ、しめる>は可能。

やましい ー やましむ  ダメ

よろこばしい ー  よろこばしむ  ダメだが、純使役の<誰だれをよろこばしむ、しめる>は古文調だが可能。

 

けっこう複雑だ。

ここで注意したいのは、形容詞+<しむ>による動詞化だが、他動詞となることだ。これはかなりの変換だ。

惜 (お) しい ー 惜しむ   xxを惜しむ

悲 (かな) しい ー 悲しむ  xxを悲しむ

苦 (くる) しい ー 苦しむ  xxを苦しむ。ダメ。これは例外で普通は<xxに苦しむ>で自動詞。

なつかしい ー なつかしむ  xxをなつかしむ

ここで、さらに注意したいのは、この他動詞化だが、 <私は>で主体が変わらないこと。<しむ>は元来使役だが、以上の例では使役の相手が出てこない。使役相手が自分自身とすると

私は惜 (お) しい ー 私は自分自身を惜しむ 

私は悲 (かな) しい ー 私は自分自身を悲しむ

私は苦 (くる) しい ー 私は自分自身を苦しむ 

私はなつかしい ー 私は自分自身をなつかしむ

になるが、変な日本語だ。<自分自身>がないのが自然だ。


ダメなものは<xxがる>が可能なものがある。

うらやましい ー いらやましむ  ダメ  -> うらやましがる

おそろしい ー おそろしむ  ダメ  -> おそろししがる

くやしい ー くやしむ   何をくやしんでいる? ー> くやしがる

やましい ー やましむ  ダメ   -> やましがる これはほぼダメ。 

<がる>は別のポストで、日本語野特徴として取り上げたことがあるので、ここでは話を進めない。

 

末尾

学研全訳古語辞典

しむ

助動詞下二段型

《接続》活用語の未然形に付く。

①〔使役〕…せる。…させる。

出典徒然草 三八

「愚かなる人の目をよろこばしむる楽しみ、またあぢきなし」

[訳] 愚かな人の目を楽しませる快楽(というの)も、同様につまらないものだ。

② 略

③ 略

語法

使役の「しむ」 尊敬語・謙譲語を伴わないで単独で用いられる「しむ」は、①の使役の意味で、上代にはほとんどこの意味で用いられた。

注意

「しめ給ふ」には二とおりあり、「…に」に当たる使役の対象の人物が文脈上存在する場合は使役、そうでない場合は最高敬語(二重敬語)と見てよい。

語の歴史

中古の使役表現では、和文体で「す」「さす」が用いられ、漢文訓読調の文章では「しむ」が用いられた。使役の「しむ」は中世以降は和漢混交文に用いられている。③は、中古末期以後、主として男性の会話文で用いられた。

 

sptt 

 

Monday, December 29, 2025

<つく>、<つける>について、自動詞、他動詞

 

 <つく>は多義語でかなり前のポスト

<つく>(突く、着く、付く )について ( Nov 10, 2012) で


突く
着く
付く   自動詞、関連語:他動詞 付ける
就く (任務に就く)
衝く (的を絞って突く、攻撃する)
尽 く 、関連語:尽きる、尽くす
憑く (もののけが(とり)つく)
搗く (こめ、もちなどをつく)
点く (火がつく、電気がつく)
 
適当な漢字がないようだが、まりをつく;杖をつく、手をつく; 息をつく もある。漢字を使うとこれだけの区別があるが、かなだけ、あるいはもっと現実的 に耳で聞いたり話したりするときはこれらの区別はない。いいかえれば、中国語の漢字では発音上これらの区別があるが、日本語では区別がなく、すべて<つく>なの だ。
正確には、<く>(<つ>にアクセントがある-着く、付く、就く、尽 く、憑く、点く )と<つ>(<く>にアクセントがある-突く、衝く)の区別がある。中国語の四声に似た区別だ。
漢字を使うと意味が違う、あるいは微妙に違うようだが、大和言葉としての<つく>はかなり大雑把な動詞、よくいえば、かなり一般化、抽象化された語だ。もとの大きな意味は共通している(同源とか同根というが、いわば<ur- つく>だ)。<ある場所にに近づく、近づける>といったような意味だ。
 

” 

と書いている。さて、よく使われるものを自動詞と他動詞に分けてみる。


着く 自動詞  東京に着く、小包が着く、まもなく東京に着ける (可能) 、車を壁に着ける (車を壁に近づける) (他動詞)

付く 自動詞  汚れが服に付く、汚れを服に付ける (他動詞)

就く 自動詞  任務に就く、任務に就ける (可能)、太郎を任務に就ける (他動詞)

点く 自動詞  火がつく、電気がつく、火を / 電気をつける (他動詞)。<点 (つ) く>はいかにも当て字だ。 

 

突く 他動詞   槍を突く、壁を槍で突く、この槍は壁を (が) 突ける (可能)

<突く>は<つく>でもイントネーションが違う。

もちをつく 他動詞    (太郎は) もちつける (可能)   もちつける (自動詞)  もちがつけた、もちがつき上がった、もちができ上がった

まりをつく 他動詞    (花子は) まりつける (可能)

杖 (つえ) をつく 他動詞    (その老人は) 杖つける (可能)

息をつく 他動詞    これでやっと息つける (可能)

 

以上の例では、自動詞では<xく>が<xける>で可能、他動詞になる。 一方、当然だが他動詞<xく>の<ける>による他動詞化はない。これらは規則といえる。

<可能>は 

 <五段活用 -> 下一段活用>変換による可能動詞化

というのがあり、以上の例ではこれがあてはまる。

また<可能>は普通は<誰だれがxxできる>で、人が主語、主体になる。だが例外もある、

塩は水に溶 (と) ける。 

これまた<だが>だが、この<溶ける>は他動詞<溶く>の自動詞化ともいえる。

もちをつく 他動詞    (太郎は) もちつける (可能)   もちつける (自動詞)  もちがつけた

の<もちがつける>の<つける>も他動詞<つく>の自動詞化といえる。

 

sptt

 

Sunday, December 28, 2025

<動く>、<動かす>、to move、Let the chair move. は可能か?

 

日本語では自動詞<動く>、他動詞<動かす>が使い分けられている。一方英語の to move は自他兼用動詞。やや現実離れしているところがあるが

椅子が動く  The chair moves.

(誰かが、何かが)椅子を動かす  (someone, something) moves the chair.

カッコ内の(誰かが、何かが)、(someone, something)は必要で

太郎が / は椅子を動かす。Taro moves the chair.

ところで英語で

Let the chair move. という言い方は可能か? ビートルズの歌に<Let it be>というのがある。

Let the chair move. は<椅子を動かさす>でもいいが、正確には<誰かに椅子を動かさす>の<誰かに>を省いたものか?

だが、これは Let someone move the chair. が正しいだろう。

 

sptt

 


Thursday, December 25, 2025

他動詞<受ける>、自動詞<受かる>と<まる―める>動詞

 

少し前のポスト

おもしろい日本語の自動詞、他動詞<受ける>、自動詞<受かる>ー2

ヘンテコな他動詞<受ける>、自動詞<受かる> 

で他動詞<受ける>、自動詞<受かる> を検討したが、分析は半ば (なかば)で終わった。上記二つのポストのもともとの疑問、概略は


ところで

自動詞<受かる> 試験に受かる 

は<を>をとらないので自動詞か?

試験が受かる

なら自動詞でいいが、こうはいわない。<試練が受かる>、<いじめが受かる>もダメ。

<受ける>は<を>をとるので他動詞だが、やや特殊で、意味としては<与えられる>で受身的だ。

A ーー 試験 ーー> B

Aは与える。Bは与えられる。またはBは<受ける>

受身は対象が主語で

試験が与えられる 

これからすると

<受ける>は<を>をとるから他動詞といえるか? 少なくとも能動的に<試験に働きかける<わけではない。

英語で<受ける>は to receive で、to receive xx で他動詞。だが 

<試験を受ける>は to receive an exam とはいわず、to take an exam.

to receive も to take も他動詞だが、英語でも to receive は受身的だ。

An exam is taken. はなんとかなるが、An exam is received.とはまず言わないだろう。A gift is received. ならいい。

つまるとこころは<試験を受ける>がおかしいようだ。さらには<試験に受かる >はややこしい。

受 (う) く(古語)  受かる ー 受ける

試験に受かる  試験に受かっている (状況)。<受かる>は可能の意味もある。

試験を受ける

以上に関しては下記の<まる―める>動詞群が参考にななる。

収 (おさ) む(古語)  収まる ー 収める

カネが金庫に収まっている (状況)。カネが金庫に収まる(可能)

カネを収める   カネを金庫に収める  

埋 (う) む(古語)     埋まる ー  埋める

カネが地中に埋まっている (状況)。
カネを地中に埋める

溜 (た) む(古語)     溜まる ー  溜める

雨水が桶に溜まる  
雨水を桶に溜める

貯 (た) む(古語)     貯まる ー  貯める

小銭が貯金箱に貯まる
小銭を貯金箱に貯める

詰 (つ) む(古語)     詰まる ー  詰め

ゴミがゴミ袋に詰まっている (状況)。
ゴミをゴミ袋に詰める

嵌 (は) む(古語)     嵌まる ー  嵌める 

指輪が指にうまく嵌っている、指輪が指にうまく嵌らない (可能の否定)
指輪を指に嵌める 

他動詞<xxめる>は意味がつかみやすいが、自動詞<<xxまる>は少しやっかいだ。

試験に受かる

に近いものを探すと

カネが金庫に収まる

カネが金庫に収まっている (状況)。 カネが金庫に収まる(可能)

これは<(金庫が) カネを受ける>ことになる。これは<収める>と授受関係になる。その他も見方では授受関係になる。

授受関係では<まる―める>動詞でなくとある。<ク行>で

授 (さず) く(古語)     授かる ー  授ける

授かる   大金を授かる、名誉を授かる、(お褒 (ほ) め授かる)

授ける   大金を授ける、名誉を授ける

預(あず) く(古語)    預かる ー  預ける

預かる  大金を授かる、貴重品を授ける

お褒 (ほ) め預かる

という言い方がある。<お褒 (ほ) め預かる>はほとんど聞かない。<試験に受かる>と関連があるか?

預ける  大金を授かる、貴重品を授ける

これは<試験を受ける>と授受関係が逆になる。

試験

 I

 V

受ける 

大金

 I

授ける

さて

<お褒 (ほ) め預かる>と<試験に受かる>と関連があるか?

だが、<預かる>は

お褒 (ほ) め

 I

 V

預かる

で<受かる>と同じ授受関係になる。<試験に受かる>を

試験の合格に預かる

とすれば何とかなるが、こじつけがましい。<試験に受かる>はやっかいだ。

 

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