Tuesday, May 19, 2026

英語の形容詞の名詞化、名詞の形容詞化

 

このポストは中学、高校英語の復習。

1. 英語の形容詞の名詞化

1)形容詞+ness

 kind ー> kindness

親切な、親切だ、は形容動詞。 親切が名詞で、 名詞<親切>+な / だ、が形容動詞。また<親切>は漢語だ。これは、日本語での一つのパターン。

lazy ー>  laziness       lazy の一語の形容詞は日本語にない。Taro is lazy. は普通<太郎は怠 (なま) け者だ>になる。また Taro is lazy. は習慣の<太郎はなまける>でもいいが<太郎はよくなまける>が<太郎は怠 (なま) け者だ>に近い。laziness は<なまけ>になるが、動詞<怠ける>の連用形の体言 (名詞) 用法。<なまけ>だけではあまり聞かない。太郎の怠けはひどい。

crazy ー>  craziness    crazy の一語の形容詞は日本語にない。Taro is crazy. は普通<太郎は気ちがいだ>になる。<太郎はく狂っている>、<太郎は頭がおかしい>とも言う。<頭がおかしい>は句とも一文ともいえる。似たようなのに、Taro is hungry. <太郎はおなかがすいている>がある。

<太郎は気ちがいだ>は

親切な、親切だ、は形容動詞。 親切が名詞で、 名詞<親切>+な / だ、が形容動詞。

に似ているが<気ちがいな>という言い方はない。

hungry.の名詞形は hunger で  hungriness もあるが、意味、使い方が違う。

angry.の名詞形は anger。 angriness もあるが、意味、使い方が違う。

the state or quality of being angry (Collins)
 
anger は<怒 (いか) り>そのもの。一方 angriness は <angry であること>といった感じだが、これは何のことだか。 angriness はほとんど聞かない。 上の hungriness も同じような感じだ。
 
angry は普通<おこっている>と訳される。 anger は<怒 (いか) り>なので、<いかっている>がいいは、こちらはあまり聞かない。<おこる>は漢字では<怒る>と書くが、これは普通<いかる>と読む。<おこっている>は<おこる>の現在進行形ではなく<状態、様子を示して>おり、形容詞的だが、<おこっている>=形容詞とは呼べない。このような例はたくさんある。例えば上の<太郎はく狂っている>。 
 
ugly   ー> ugliness

ugly には anger, anger のような名詞がない。

ugliness the quality or state of being ugly  -  Webster

日本語では

ugly=みにくい  形容詞  ugliness=みにくさ で みにくさ>は the quality or state of being ugly に近い。

pretty ー> prettiness

pretty は<かわいい>、<うつくしい>で形容詞。a pretty woman <はかわいい女性>、<うつくしい女性>で問題ない。<きれいな / だ>は形容動詞。prettiness は<かわいさ>、<うつくしさ> 。<きれいさ>はあまり聞かない。 <うつくしい>には beautiful ガあるが、これは名詞 beauty に形容詞語尾 <+ ful> ガついたもので、後で取り上げる。

cozy    ー> coziness 

cozy は<心地よい>、部屋のことを形容する場合が多いので<居心地がいい>になるが、こうなると一語の形容詞ではなくなる。<よい>、<いい>は純形容詞だが<心地よい>どうか。住みよい>も同じようなことが言える。cozinessは<居心地がいいこと>だが、<居心地のよさ>とも言える。coziness はあまり聞かない。

lonely    ー> loneliness 

lonely は語尾が<-ly>だが、副詞で歯なく形容詞。とネット辞典では<寂 (さび) しい, 孤独な>と出てくるが<さび)しい>は心情で lonely はもっと客観的だ。 lonely =<さび)しい>は間違いだろう。<孤独な>、<一人ぼっちな / の>がいい。lone という形容詞がある。昔 Loan Ranger というアメリカのテレビドラマがあったような気がする。loan も<孤独な>、<一人ぼっちな / の>でさび)しい>の意は全くないと言っていい。loneliness の方はネット辞典で 孤独(感), 寂しさ>と出てくるが、loneliness はなぜか<寂 (さび)しさ>でもよさそう。さらには<わびしさ>という解説もある。

loneliness ILongman)

lone‧li‧ness J7 /ˈloʊnlinɪs/ []U   

 1 孤独(感), 寂しさa sense of loneliness 孤独感

 He spoke of his loneliness. 彼は孤独感を訴えた. 

 2 わびしさ

the loneliness of the big city 大都会に暮らすわびしさ 

the loneliness of life without him 彼がいない生活のわびしさ 

 3 人里離れていること

happy ー> happiness

happy

は大和言葉の<しあわせな / だ>と漢語を使った<幸福な / だ>があるが、いずれもが形容動詞。happiness は<しあわせ>でも<幸福>でもいいが、大和言葉が好まれ、多く使われるようだ。中国語では簡易ネット辞書では<快乐的>とでてくるが、日常生活ではほとんど聞かない。<快乐 (的)>は

Happy Birthday, Happy New Year

の訳語として使われる。生日快乐。新年快乐。 开心 も happy と出てくる。これが日常生活では一番使われる、I am happy = 我开心 でいい。幸福も使われるが日常生活ではほとんど聞かない。

 good ー> goodness

good は<よい>、<いい>で形容詞。名詞形は<よい ./ いいこと>以外に簡潔な<良さ>がある。<形容詞+さ>は普通程度を表わすが、<よさ>は<よい ./ いいこと>、<よい ./ いいところ>もわ表す。問題は英語の goodness で、これはほとんど<Oh my goodness!>として使われる。簡易ネット辞書では

 goodness= 善良さ

と出てくるが、His goodness = 彼の善良さ、いいところ

というのはほとんど聞いたことがない。だがこの意味で通じるだろう。

bad ー> badness

bad は<悪い>で形容詞。badness はほとんど聞かないが<悪い状態>、<悪さ>、<ひどさ>。<悪いこと>は<悪、あく>で evil という語がある。

ill ー> illness

illness は病気。形容詞の ill は He is ill. で<彼は病気だ>。an ill person <病気な人>ではな<病気の人>。一方 a healthy person は<健康な人>、<元気な人>で<健康の人>、<元気の人?とはいわない。この違いは難しい。<健康な / だ>、<元気な / だ>は形容動詞。<病気の人>の<病気の>は形容動詞の語尾変化ではなく、<病気>+属性を示す助詞<の>と解釈する。<病気だ>は<病気>+断定の助動詞<だ>。断定の助動詞<だ>は問題があり、この説明マヤカシとも言える。中国語では<有病>。<病気の人>は<病人>で、日本語でも<病人>と言い、<太郎は病人だ>と言える。

sick ー> sickness

これは上の<ill ー> illness> に準じると言えるだろう。イギリス人は ill を、アメリカ人はsick を多くく使う。

mad ー> madness

bad は普通<気が /  頭が狂っている>と文、句で表される。hungry = お腹 (なか) が空いている、thirsty = のどが渇 (かわ) いている、の類だ。漢語を使って<気ちがいだ>とも言える。a mad person は<気ちがい>そして<気ちがいな人>、<気ちがいの人>とも言わす<<気ちがい>ですます。madness は<気ちがい>はダメで<気ちがい状態>。漢語を使って<狂気>と言える。

full ー> fullness

full は普通<いっぱいな / だ>と訳される。<いっぱい>は<一杯>で漢語。だが中国語の<一杯>は<コップ一杯分の水>の<一杯>で full の意味はない。<いっぱいな>、<いっぱいだ>は形容動詞。<一杯>が名詞で、 名詞<一杯>+な / だ、で形容動詞。

small ー> smallness

small は<小さい>で形容詞。smallness は<小さいこと>でいいが、<the quality or state of being small >にならって<小さいという状態、程度>とも言える。日本語では<小ささ>という言い方がある。これは形容詞の語幹、<小さ>+<さ>でパターン化されていて、汎用性がある。<小ささ>は<小さい (ことの) 程度>の意が強い。これもパターン化されていて、汎用性がある。

big ー> bigness
large ー> largeness  

big は元の英語、large はラテン語由来 ( Latin larga, feminine of largus “ample, generous” - dictionary.com)。使い分けを考えた人は少ないだろう。副詞をつけて

very big, extremely big, enormously big, extraordinarily big
very large, extremely large, enormously large, extraordinarily large

としてもほぼ同じような大きさだろう。 だが名詞形の bigness と largeness を比べてみると、bigness は大きいこと、 largeness <大きいこと>というよりは<大きさ>だ。簡易ネット辞典でチェックしたところ、<bigness =巨大さ>と出てきた。

一般にサイズを言うのに、日本語では<大きさ>といい<小ささ>とは言わない。これは、これから出てくる

長い  短い
広さ  狭さ
高さ  低さ
深さ  浅さ
速さ  遅さ、のろさ
多さ  少なさ

でも同じようなことが言える。

long ー> length, longness
wide ー> width, wideness
high  ー> height, highness
deep  ー> depth, deepness

以上の四つは共通したところがある。

長い -> 長さ、長いこと
高い -> 高さ、高いこと
広い -> 広さ、広いこと
深い -> 深さ、深いこと

に相当するが、英語で寸法を言う場合は特徴があり

10 meter long (10 meter length ではない、以下同じ)
10 meter high
10 meter wide
10 meter deep

英語の試験に出てきたら、注意しよう。

wide は単に<広い>というよりは <幅が大きい>(幅が広い、とはあまり言わないようだ)。反義語はどうか?


短い -> 短さ、短いこと
低い -> 低さ、低いこと
狭い (せま) い -> 狭さ、狭いこと
浅い -> 浅さ、浅いこと

英語の方は

short -> shortness
low -> lowness
narrow -> narrowness
shallow -> shallowness

で length, width, height, depth に相当する語がない。

これからして、英語の形容詞の名詞化で、形容詞+ness は汎用性が高いと言える。

多さ  少なさ

many ー>  manyness

manyness はほとんど聞かない、見ない。

Webster

noun
 
many·​ness
 
the quality or state of being many : multiplicity

the quality or state of being many>とあるが、むしろ<manyness>という語があった場合の説明に見える。<the quality or state of being xxx(形容詞) >は<of being xxx(形容詞) + ness>は辞書の解説で頻繁に出てくる。<xxx(形容詞) である状態, 程度>と訳せよう。

日本語では

い -> さ、いこと

日本語では質問するときに

どのくらい長い?
どのくらい高い?
どのくらい広い?
どのくらい深い?

で長さ、高さ、広さ、深さを聞くことになる。英語も同じで

How long ?
How high ?
How wide ?
How deep ?

many も

How many ?

でいいが、日本語では

どのくらい多い?

はダメ。 <どのくらい多い?>は<Aと比べてBはどのくらい多い?>で比較になる。<どのくらい長い?>も場合によっては、このような比較になる。 

どのくらい長い?
どのくらい高い?
どのくらい広い?
どのくらい深い?

は普通の本語では

長さはどのくらい?
高さはどのくらい?
広さはどのくらい?
深ささはどのくらい?

と言うだろう。これも

多さはどのくらい?

は何か変だ。

a few  ー>  fewness

少ない  ー> 少なさ、少ないこと

fewness はほとんど聞かない。a few は数えられるモノ、コトに使い、数えられないモノ、コト、量には使えない。量には

a little  ー>  littleness

が使われる。<little> には<小さい>の意味もあり、<a little girl>は<小さい女の子>。<女の子>は数えられる。したがって<littleness>には<量の少なさ、少ないこと>と<小ささ、小さいこと>の意味がある。

 

enough  ー>  enoughness

十分な  ー>  十分さ、十分にあること

<十分な / だ>は形容動詞。<十分>は漢語由来で、中国語には<形容動詞>の類はない。<十分>の二語だけで<十分な>の形容詞、<十分さ、十分にあること>の名詞になる。日本語でも<だ>のない<これで十分。>といういいかたがある。漢語二字がみなこうなるかtというとそうではない。

これで満足 (だ) 。 <満足なxx>はある。
これが平和 (だ) 。 <平和なxx>はある。
これが悲惨 (だ) 。 <悲惨なxx>はある。
彼が臆病 (だ) 。 <臆病なxx>はある。

これが戦争 (だ) 。 <戦争なxx>はない。
これで終了 (だ) 。 <終了なxx>はない。
これは失敗 (だ) 。 <失敗なxx>はない。
彼が犯人 (だ) 。 <犯人なxx>はない。

 

great  ー>  greatness 

"Make America Great Again" (MAGA)

great は形容詞で<偉大な>だが、ここでは to make があって<偉大する>。英語と日本語ではズレがある。日本語では<偉大な>は<偉大な / で>形容動詞。<偉大なアメリカ>と言える。greatness は<偉大さ>。

 

2)形容詞+ty

able  ー> ability

acid  ー> acidity

active  ー> activity

brutal  ー> brutality

complex  ー> complexity

continuous / continual   ー>  continuity

(continuous と continual の違いに注意) 

cruel   ー> cruelty

difficult  ー>  difficulty

generous  ー>  generosity

long  ー> longevity (長寿)

necessary   ー> necessity

novel (目新しい、形容詞) ー> novelty

original   ー> originality

possible  ー>  possibility

probable  ー> probablity


prosperous  ー> prosperity

rigid  ー> rigidity

special ー> specialty

simple  ー> simplicity

stupid  ー> stupidity

 

抽象的な語が少なくない。高校英語か。

 

3)形容詞+th

true  ー> truth

上で取り上げたが

long ー> length
wide ー> width
high  ー> height
deep  ー> depth

strong  ー> strength

英語では少ないが母音交代があるものがある。

 

 

2. 英語の名詞詞の形容詞化 

1) 名詞+full

beauty ー>   beautiful

peace ー>   peaceful

skill ー>   skillful 

pity  ー>   pitiful 

regret  ー>   regretful 

pain  ー>   painful

thought  ー>  thoughtful 

 

2) 名詞 + less

care  ー>   careless

meaning  ー>   meaningless

 

 <名詞 + less>は初めの

1. 英語の形容詞の名詞化

1)形容詞+ness

に似たところがある。<+ness>と<+less>で韻を踏む。

 

 

 


 

 

Sunday, May 17, 2026

形容動詞の特徴

 形容動詞の活用は、特に現代語の活用はメチャクチャだ。活用は文法サイトにだが、任せるとして、具体的なの例をチェックしてみる。

形容動詞の代表は<静かだ>で、これは終止形。語幹は<静か>。これは動かせないモノとしたいが、漢語+<だ>の<活発だ>も 形容動詞という見方が普通。漢語、とくに二字漢語はやたらあり、形容動詞はこれまたやたらあることになる。<静か>との違いは<活発だ>の<活発>はこれで体言 (名詞) と独立しているが、<静かだ>の語幹<静か>独立していないように見える。だが実際の日本語では

花子は静かだ。  終止形
太郎は活発だ。

花子は静かでない。 未然形

 一般動詞は<未然形 (いまだxxない>に<ない>がつくが形容動詞では連用形の<静かで> について<静かでない>となる。<で>はクセモノで現代語の形容動詞活用の混乱要因の一つ。昔は<静かならず>といっていた。これは<静かなら>+<ず>と分ける。<ら、ra>音が使われている。一般動詞の<行く>の未然形は<行か、ka>で、<行か>+<ない>。昔は<行かず>で、現代語でも<行か、ka>が使われている。

太郎は活発でない。 

花子は静かにして、いる。  花子は行って <ー 花子は行きて <行き>は連用形。
太郎は活発にして、いる。

静かな花子。  連体形
活発な太郎。 

次は文法書にはないが、

花子には静かさがある。  形容動詞語幹+<さ> <静かさ>と<静けさ>は違う。
太郎には活発さがある。  <活発>が<活発だ>の語幹というのは抵抗がある。

抵抗があるのは、<静か>は

 <静か>とは <静かなことである>。

 でいいが、<活発>は

<活発>とは <活発なことである>。

は何か変だ。微妙だが、漢語由来なので<活発> 自体独立性が高いのだ。<独立>という漢語 (和製漢語か) はもっと独立性が高いようで

太郎は独立だ。太郎は独立でない。独立な太郎。太郎には独立さがある。

は相当へんだ。 上で

漢語、とくに二字漢語はやたらあり、形容動詞はこれまたやたらあることになる。

と書いたが、制限があるようだ。また上で

花子は静かにして、いる。  
太郎は活発にして、いる。

 の例をあげたが、形容動詞語幹+<に>は副詞となる

花子は静かに本を読んでいる。
太郎は活発に動き回る。 太郎は活発に選挙運動をしている。

さて、以上は前置きで、本題はこれから。形容動詞の特徴を調べるため、例をできるだけ示すことにする。アイウエオ順。大和言葉が主。<静かだ>に準じて<xxかだ>。

あざやかだ
あでやかだ
うららかだ
おおらかだ
おごそかだ
おだやかだ

かろやかだ
きらびやかだ

さわやかだ
しとやかだ
しなやかだ
しめやかだ   主に<しめやかに>で使う。
すこやかだ   主に<すこやかに>で使う。
すみやかだ   主に<すみやかに>で使う。

つややかだ

なごやかだ
なだらかだ
なめらかだ
にぎやかだ
にこやかだ

のどかだ
のびやかだ

ふくよかだ
ほがらかだ

まろやかだ

やすらかだ   主に<やすらかに>で使う。
ゆるやかだ

以上ほめ言葉を並べたようだが、特に意識して選んだわけではない。

すこやかに育ち、なごやかな家庭を持ち、おだやかに生活し、老後はのどかに過ごし、
やすらかに天国へ行く。

 

例外的と言えるほど少ないが、よくない意味のものもある。

あさはかだ
おろかだ
おろそかだ   主に<おろそかに>で使う。

中立

わずかだ
はるかだ  主に<はるかに>、<はるかかなただ>で使う。
ひそかだ  主に<ひそかに>で使う
ひそやかだ  主に<ひそやかに>で使う。  ほとんど聞かないが、昴 (スバル) という歌の歌詞の中で<ひそやかに>が出てくる。

せめて密 (ひそ) やかに この身 (み) を照 (てら) せよ 

この歌では<あざやかに>も出てくる。

 せめて鮮 (あざ) やかに その身 (み) を終(お) われよ

ーーーーー

<xxかだ>以外では<xxげだ>というのがある。


うれしげだ   <ー うれしい
おそろしげだ   <ー おそろしい
おぼろげだ

たのしげだ   <ー たのしい
たのもしげだ   <ー たのもしい

ものほしげだ

 

sptt


Wednesday, May 13, 2026

形容詞語幹+み、形容詞語幹+さ

 

<美しい>の大和言葉の名詞形を探しているが、なかなか見つからない。<美しさ>というのがあるが、これはどちらかと言うと<美しい>の程度を表わす。<美しみ>は<美しい>、<美しいこと>そのものを表わすと思われるが、ほとんど聞かない。<美しい>そのものを表わすのは漢語の<美、び>。<美しいこと>は<美しい>が抽象化されてはいるがが簡潔な<美、び>にはかなわない。

<美しみ>はほとんど聞かないが、味覚、臭覚では<形容詞語幹+み>が普通に使われる。
 

甘い ー 甘み ー 甘さ
しょっぱい  ー しょっぱみ ー しょっぱさ
すっぱい  ー すっぱみ ー すっぱさ
辛い ー 辛み ー 辛さ
苦い ー 苦み ー 苦さ
渋い ー  渋み ー  渋さ

うまい ー うまみ ー うまさ
まずい ー (まずみ) ー まずさ

臭覚

くさい ー  くさみ ー  くささ
こうばしい ー  (こうばしみ) ー  こうばしさ  <こうばしい>は<香ばしい>で漢語<香>+ばしいのようだが、大和言葉で<かぐわしい>の意で<かぐわしい>の<か>は<香>で、<香ぐ>、><香る>、<香り>の仲間だ。ひと昔前に流行った歌に<シクラメンのかほり>というのがあった。<かほり>は<かおり。香り>と読む。

たとえば

甘い ー 甘み ー 甘さ 

で<甘さ>は<甘い> 程度を表わす。一方<甘み>は<甘いこと>ではなく、<甘い>の属性を抽象化したものと言える。あとで触れるが、<甘み>も<み>は漢語の<味覚、みかく>の<<味、み>ではないか? 意味は<あじ>だ。したがって<甘み>は<甘いあじ>のことだ。これだと臭覚の<くさみ>が説明でぃない。

味覚、臭覚の形容詞は<xxい><xxみ><xxさ>と<きれいな>パターンを示しているが、他の形容詞はどうか? 

一般的な形容詞


高い (高み) 高さ
低い (低み) 低さ

広い (広み) 広さ
狭 (せま) い (狭み) 狭さ

速い (速み) 速さ
のろい (のろみ) のろさ

早い (早み) 早さ
遅い (遅み) 遅さ

固い (固み) 固さ
柔らかい  柔らかみ  柔らかさ

軽い (軽み) 軽さ
重い  重み  重さ   <重み>と<重さ>は違う。

あらい(粗い) (あらみ)  あらさ
細かい (細かみ)  細かさ

古い (古み) 古さ
新しい (新しみ) 新しさ  <新しみ>は使う人がいるかもしれない。この作品には<新しみ>がある。だが、この作品には<新しさ>がある、もほぼ同じような意味だ。

若い (若み) 若さ
おさない (おさなみ)  おさなさ 

英語では an old man というが、日本語では<古いひと>はダメで、<老い (おい) たひと>。英語でも an aged man と言う言い方がある。

易 (やさ) しい  (易しみ) 易しさ
難しい (難しみ) 難しさ

人の性格が<やさしい>は 

やさしい  (やさしみ) やさしさ

だが、<やさしみ> は使う人がいるかもしれない。

強い  強み  強さ  <強み>と<強さ>は違う。
弱い  弱み  弱さ  <弱み>と<弱さ>も微妙に違う。

もろい (もろみ) もろさ

大きい (大きみ) 大きさ
小さい (小さみ) 小ささ 

多い (多み) 多さ
少ない (少なみ) 少なさ

長い (長み) 長さ
短い (短み) 短さ

丸い  丸み  丸さ

するどい (するどみ) するどさ
にぶい (にぶみ)  にぶさ

暗い (暗み) 暗さ
明るい 明るみ  明るさ   <明るみ>と<明るさ>は、まったく違う。<明るみ>は<明るいところ>で、後から出てく<深み>=<深いところ>に似ている。

良い (良み) 良さ
悪い (悪み) 悪さ

正しい (正しみ) 正しさ

寒い (寒み) 寒さ
暑い (暑み) 暑さ
暖 (あたた) かい 暖かみ  暖かさ
涼 (すず) しい (涼しみ) 涼しさ   <涼しみ方>という言い方があるが、これはは動詞<涼しむ>由来。

熱い (熱み) 熱さ
冷たい (冷たみ) 冷たさ

厚い  厚み  厚さ   <厚み>と<厚さ>も微妙に違う。 
薄い (薄み) 薄さ

濃い (濃み) 濃さ
薄い (薄み) 薄さ

深い  深み  深さ  <深み>は<深いところ>をさすが、比喩的用法もある。<読みが深い>。
浅い  浅み  浅さ  <浅み>は<浅いところ>をさすようだが、普通は<浅瀬>だ。

貧しい (貧しみ)  貧しさ 

 

以上の例から<形容詞語幹+み>が成り立つのは

柔らかみ
強み、弱み
暖かみ
厚み
深み、浅み

取りあげた例に比べて<形容詞語幹+み>はかなり少ないと言える。味覚、臭覚の形容詞の<xxい><xxみ><xxさ>のパターンはない、と言える。

柔らかみ
強み、弱み
丸み    
暖 (あたた) み
厚み
深み、浅み

に共通していることはあるか?

<柔らかみ>と<柔らかさ>の違いは微妙だ。<暖 (あたた) み>は比喩で、実際の温度や気温の場合は<暖 (あたた) さ>だ。もっとも<暖 (あたた) さ>も比喩的に使える。

花子には暖 (あたた) みがある。花子には暖 (あたた) さがある。

太郎には冷たさがある。 太郎には冷たみがある、はダメ。 太郎には冷たいとことがある、はOKだ。

<強さ>、<弱さ>は程度を表わすが。<強み>、<弱み>は<強いところ>、<弱いところ>となる。

<丸みがある>、<厚みがある> が普通で、<丸さがある>、<厚さがある>はややおかしい。だが、程度を問題にして<丸さがたりない>、<厚さがたりない>とはいえる。だが、これも<丸みがたりない>、<厚みがたりない>とも言える。

 

今回<形容詞語幹+み>をチェックしていて発見したことがある。感情関連、病理表現、人の性格表現形容詞に関してだ。アイウエオ順に書き出してみると



あさましい (あさましみ) あさましさ
あつかましい (あつかましみ) あつかましさ
荒い (荒み)  荒さ
ありがたい  ありがたみ  ありがたさ   <ありがたみ>の意味はむずかしい。ネット辞書で

実用日本語表現辞典

ありがたさのこと。感謝の気持ち。「親の有難味」「季節の有難味」などといった具合に使う。

と言う解説がある。<み>は<味>となっている。これは「親の有難味」=「親への感謝の気持ち」、季節の有難味」=「季節へ感謝の気持ち」。「親のありがたさ」、「季節のありがたさ」でもよさそう。<み>は<ありがたい>と<感じる>ことだろう。<甘み>は<甘さ>を<感じる>ことだ。

いさましい (いさましみ) いさましさ
いじらしい (いじらしみ) いじらしさ
いそがしい (忙しい) (いそがしみ) いそがしさ  
痛い  痛み  痛さ   これも<痛み>は<痛さ>を<感じる>ことだ。
いたましい (いたましみ) (いたましさ)  <いたましい>は<痛い、痛み>そして動詞の<痛む>関連。先取すれば<<痛み>は動詞<痛む>の連用形の体言 (名詞) 用法。

いやしい (いやしみ) いやしさ
いやらしい (いやらしみ) いやらしさ
うかがわしい  (うかがわしみ) (うかがわしさ) <うかがわしさ>はほとんど聞かない。

うとましい (うとましみ) うとましさ
うらやましい (うらやましみ) うらやましさ
うるさい  (うるさみ) うるささ    <うるさい>の古語は<うるさし>。意味違っていた。

うるわしい  (うるわしみ) うるわしさ
うれしい (うれしみ)  うれしさ
おかしい  おかしみ  おかしさ  これも<おかしみ>は<おかしさ>を<感じる>ことだ。だが。上のの<うれしみ>は<うれしさ>で<感じる>ことの意でほとんど使われない。

おこがましい (おこがましみ)  おこがましさ  <おこがましい>は死語に近く、正確な使い方がよくわからない。

おぞましい (おぞましみ) おぞましさ  <おこがましい>はも死語に近く、正確な使い方がよくわからない。<嫌 (いや) な>の強調としておく。<嫌 な>は形容動詞。

恐ろしい (恐ろしみ) 恐ろしさ

悲しい  悲しみ  悲しさ   <悲しみ>は<悲しむ>の連用形の体言 ( 名詞) 用法だが<悲しむこと>の意ではない。むしろ<悲しさ>を<感じる>で説明できないか? ここは重要。

とくやしい  くやしみ  くやしさ    <くやしみ>の使用はまれだが、可能。まだくやしみが残っている。

苦しい  苦しみ  苦しさ     上の<悲しみ>と同じく、<苦しみ>は<苦しむ>の連用形の体言 ( 名詞) 用法だが<苦むこと>の意ではない。むしろ<苦しさ>を<感じる>で説明できないか?

 
こわい  こわみ  こわさ  <こわみ>の使用はまれだが、可能。どことなくこわみがる。

さみしい (さみしみ)  さみしさ

しおらしい (しおらしみ) しおらしさ   <しおらしい>は<しおれる>由来だろう。<しおれる>は否定的な意味だが、<しおらしい>は肯定的な意味に変わっている。似たような意味の動詞に<しなびる>という動詞があるが、語源はよぅわからない。派生させると<ひなびる>、<いなかびる>、<古びる>がある。

したしい (親しい)   親しみ   親しさ  <親しさ>よりも<親しみ>が優勢。普通は<親しみがある>。 これも動詞<親しむ>ー><親しむこと>ではなく<親しさ>を<感じる>の<み>だろう。

ずるい  (ずるみ)  ずるさ
せつない  (せつなみ)  せつなさ
そそかしい  (そそかしみ)  そそかしさ

たくましい (たくましみ)  たくましさ
正しい  (正しみ)  正しさ
たのもしい (たのもしみ)   たのもしさ
楽しい  楽しみ  楽しさ   これも動詞<楽しむ>ー><楽しむこと>ではなく<楽しさ>を<感じる>の<み>だろう。

だるい  だるみ  だるさ   <だるみ>の使用もまれだが、可能。どことなく体にだるみがる。これも<だるさ>を<感じる>の<み>。もっとも<だるむ>という動詞はない。<だるみ>は<たるみ>の兄弟語のようだが

(たるい)  たるみ  (たるさ)

で<たるい>という形容詞はない。 <たるみ>は動詞<たるむ>由来だ。これは<たるさ>を<感じる>の<み>では説明がつかない。<たるむこと>でもなく<たるのんでいること>、<たるのんでいるさま>だろう。

なつかしい (なつかしみ)   なつかしさ   普通は<なつかしさがある>と言う。

にくい  (にくみ)にくみ   にくさ   <にくむ>という動詞はあるが<にくしむ>という動詞はない。<にくみ>はどこからきたのか?

はかない (はかなみ) はかなさ
はがゆい (はがゆみ) はがゆさ
恥ずかしい (恥ずかしみ) 恥ずかしさ

まぎらわしい (まぎらわしみ)  まぎらわしさ
貧しい (貧しみ)  貧しさ
みすぼらしい (みすぼらしみ)  みすぼらしさ
めずらしい (めずらしみ)  めずらしさ
みにくい  (みにくみ)  みにくさ

やかましい  (やかましみ) やかましさ
やましい  (やましみ) やましさ
ゆかしい  (ゆかしみ) ゆかしさ   <ゆかしい>は古語<行 (ゆ) かし>で<行きたい>が語源。<心がひかれる>という意味だ。

わびしい  ( わびしみ)  わびしさ

 

<感情関連、病理表現、人の性格表現形容詞>の精確な分類は簡単ではない。だが、ここでの作業のポイントは<形容詞語幹+み>が成り立つかどうかだ。

<形容詞語幹+み>が成り立つものを並べてみる。 

痛い  痛み  痛さ
おかしい  おかしみ  おかしさ
悲しい  悲しみ  悲しさ
くやしい  くやしみ  くやしさ
苦しい  苦しみ  苦しさ
こわい (怖い)   こわみ  こわさ 
したしい (親しい)   親しみ  親しさ  
楽しい  楽しみ  楽しさ
なつかしい  なつかしみ   なつかしさ
にくい  ( にくみ)にくしみ   にくさ

 取りあげた例に比べて、また予想に反して<形容詞語幹+み>はかなり少ないと言える。<予想に反して>というのは、感情関連では<悲しみ>、<苦しみ>、<楽しみ>から<形容詞語幹+み>が多いと思っていたからだ。さらには

<悲しみ>は関連の動詞<悲しむ>の、<苦しみ>は動詞<苦しむ>の、<楽しみ>は動詞<楽しむ>の連用形の体言 (名詞) 化用法、説明する予定だった。

いやしい (いやしみ) いやしさ

関連の動詞<いやしむ>、連用形の体言用法 <いやしみ>

なつかしい (なつかしみ)  なつかしさ 

関連の動詞<なつかしむ>、連用形の体言用法 <なつかしみ>

はかない (はかなみ) はかなさ  

関連の動詞<はかなむ>、連用形の体言用法 <はかなみ>

はがゆい (はがゆみ) はがゆさ 

関連の動詞<はがゆむ>、連用形の体言用法 <はがゆみ>

<いやしみ>、<なつかしみ>、<はかなみ>、<はがゆみ>はほとんど使われず<いやしさ>、<なつかしさ>、<はかなさ>、<はがゆさ>が使われる。これは形容詞の体言 (名詞) 化用法の<形容詞語幹+さ>が優勢ということだろう。<形容詞語幹+さ>は普通

強い、強さ
広い、広さ
深い、深さ

のように形容詞の形容内容の<程度>を示すが、<形容詞語幹+さ>、すなわち

<いやしさ>、<なつかしさ>、<はかなさ>、<はがゆさ>で<程度>を示す以上に、さらに抽象化していると言える。

いやしさ = いやしいこと
なつかしさ = なつかしいこと
はかなさ = はかないこと
はがゆさ = はがゆいこと

 

さて、まだ認知されていないようだが、強調形容詞と呼べるべき形容詞がある。

おびただしい (おびただしみ) おびただしさ
すごい  すごみ  すごさ
すさまじい (すさまじみ)  すさまじさ
はなはだしい (はなはだしみ)  はなはだしさ
ひどい (ひどみ)  ひどさ

<すごみがある>は聞くが<すごさがある>はまれ。意味が違う。<おびただしさがある>、<すさまじさがある>とはあまり言わない。<形容詞語幹+み>はダメ。

さらにまだ認知されていないようだが、擬態語 / 擬態語形容詞と呼べるべき形容詞がある。

荒々 (あらあら) しい  (荒々しみ)  荒々しさ
いまいましい  (いまいましみ)  いまいましさ
重々しい (おもおも) しい  (おももししみ)  おももししさ

軽々 (かるがる) しい  (かるがるしみ)  かるがるしさ
けばけばしい  (けばけばしみ)  けばけばしさ

ずうずうしい  (ずうずうしみ)  ずうずうしさ
すがすがしい  (すがすがしみ)  すがすがしさ
そうぞうしい (騒々しい) (そうぞうししみ)  そうぞうししさ
そらぞらしい  (そらぞらしみ)  そらぞらしさ

たどたどしい  (たどたどしみ)  たどたどしさ

なれなれしい (馴れ馴れしい) (なれなれしみ)  なれなれしさ

はなばなしい (はなばなしみ)  はなばなしさ
ふくぶくしい (福々しい)  (ふくぶくしみ)  ふくぶくしさ
ふてぶてしい   (ふてぶてしみ)  ふてぶてしさ

まめまめしい (まめまめしみ)  まめまめしさ
みずみずしい (みずみずしみ)  みずみずしさ
めめしい  (めめしみ)  めめしさ
ものものしい (ものものしみ)  ものものしさ

若々しい  (若々しみ)  若々しさ

これらも<形容詞語幹+み>はダメ。

 

色の形容詞

色の形容詞は複雑で、別途取り上げた方がよさそうだが、ここでは簡単にまとめてみる、色は視覚だ。

色の形容詞はややこしい。

白い
黒い
赤い
青い

はいいが (純色形容詞はこの四つだけのようだ)

<黄色い>は<色、いろ>が必要。<黄い>とは言えそうだがほとんど聞かない。

<灰色>も<色、いろ>が必要だが、<灰>自体<色>ではなく<灰の色>だ。

 <茶色>も同じで<茶>自体<色>ではなく<加工した茶の色>だ。

<桃色>も同じで<桃>自体<色>ではなく<成熟した桃の果実の色>だ。

みどり(緑)   <緑い>とはいえず、緑色 (の)  

むらさき(紫) <紫い>とはいえず、紫色 (の) 

金色 <金い>、<金色い>とはいえず、金色 (の) または 金 (の)

銀色 <銀い>、<銀色い>とはいえず、銀色 (の) または 銀 (の)

英語では、white, black, red, blue, gray, brown, pink, green, purple, gold, silver

さらには baige (ベージュ色), vermillion (朱色) がある。

白みの魚、 赤みの肉というが、卵の黄み、白みというが、これらは<身、み>のことだろう。

白みがかった肉、頬 (ほほ) 、 白みがかった肉、頬というが、この<白み>、<赤み>の<み>は何か?

白い、黒い、赤い、青い

の四つだけというのは、上の感情形容詞の多さに比べる、いかにも貧弱だ。


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