Friday, January 24, 2014

感覚動詞-2)聴覚、臭覚、味覚、触覚 日本語、英語、ロシア語

感覚動詞の第二弾-聴覚、臭覚、味覚、触覚

 聞こえる(自動詞) - 聞く(他動詞)

XXが聞こえる
XXを聞く

<見える>と同じくこれも使用頻度は日常では<聞こえる>がはるかに多い。

3)臭覚

におう(匂う、臭う)、かお(香)る(自動詞) - 嗅ぐ(他動詞)

XXがにおう、XXがかお(香)る
XXをかぐ(ただし、普通はXXのにおいをかぐ、XXの香りをかぐ)

<におう>が悪臭用、<かおる>が芳香(ほうが)用とは限らない。<におう>が一般的で、日常の使用頻度も多い。

4)味覚

(xxの)味がする(自動詞用法)- 味わう (他動詞)

<味がする>は一つの動詞ではない。

5)触覚

触れる(自動詞)- 触れる (他動詞)

XXがYYに触れる(小枝が顔に触れる)
XXにYYを触れる(作品に手を触れないでください)

おもしろいことだが、 <触れる>は自動詞、他動詞の二刀使いだ。


 2.英語、ロシア語


to hear

English -->Russian

hear  

  ( heard    pt, pp  )
      vt   слышать (услышать    perf  )  ,   (lecture, concert)    слушать    (impf)  ,   (LAW, case)   слушать (    impf  )  
to hear about      слышать (услышать    perf  ) о    +prp     
did you hear about the move?      Вы слышали о переезде?   
なぜか<hear about>となっている
to hear from sb      слышать (услышать    perf  ) от кого-н    
hear の目的語がない。
I can't hear you      Вас не слышно  
I've never heard of that book      я никогда не слышал об этой книге  <hear of >だと hear は自動詞になる。
I wouldn't hear of it!      я и слышать об этом не хочу!  


to listen

English -->Russian

listen

      vi  
to listen (to sb/sth)      слушать    (impf)   (кого-н/что-н)  
to listen to sb or sb's advice      слушать (послушать    perf  ) кого-н  
I'm listening out for him      я прислушиваюсь, не идёт ли он  <
I'm listening out for himは可能か?
listen!      послушайте! 




слышать

, -у,-ишь  
      несов неперех   to hear  
      перех     ( услышать    perf  )
to hear  

слышать $ о $      (impf), +prp  
to hear about  

и слышать об этом не хочу      I won't hear of it  
он плохо слышит      he's hard of hearing  
   слышаться  
      несов возв   to be heard



слушать

, -ю  
      несов перех     (музыку, речь)    to listen to,   (ЮР)   to hear  ,   (курс лекций)    to attend   ( послушать    perf  )   (совет)    to listen to   ( выслушать    perf  )   (сердце, лёгкие)    to listen to
слушайте!      разг   listen!  
   слушаться  
      несов возв     ( послушаться    perf  )
слушаться $      +gen  
to obey  
,   (совета)    to follow
слушаюсь!      yes, sir!
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最後は日本語でも<先生(親)の言うことを聞く>という言い方がある。



sptt

Thursday, January 23, 2014

感覚動詞-1)視覚、<見る>、<見える>、日本語、英語、ロシア語


だいぶ前のポスト<自動詞、他動詞-6 日本語の他動詞、自動詞の作られ方>の中で感覚動詞、五感動詞に簡単に述べた。末尾参照。けっこう複雑なので再度検討してみる。、まずは視覚の<見る>、<見える>について。


見える(自動詞) - 見る(他動詞)

XXが見える
XXを見る

日本人だと気づきにくいが、<見える>と<見る>は発音はかなり似ている。また使用頻度は日常では<見える>がはるかに多い。

英語はどうか?

<見える>に相当する英語は自動詞 to seem が考えられるが、同じではない。to be seen が<見える>に近い。他動詞 to see の受身形だ。また自動詞、他動詞の区別をしなければ to see が<見える>に相当する場合が多い。

あそこに教会が見える。

The church seems over there. - これは間違い。
The church is seen over there. - これは間違いではないがやや客観的、第三者的な感じがする。文法的には、主語は The church で to see の受身形が使われている。
I see the church over there. - 英語ではこれがが普通だろう。<あそこに教会が見える>が相当する日本語だ。<私はあそこに教会が見える>とすると可能の意味を含んでくる。変な日本語だが<私にはあそこに教会が見える>としてもほぼ同じだ。
<I see the church over there.>と発話するとき<私はあそこに教会を見る>とか<私はあそこに教会を見ている>という意識は薄く、あるのは<あそこに教会が見える>の潜在意識だ。<私はあそこ教会を見る>とか<私はあそこ教会を見ている>とも違う。

英語では to see 以外に to look があるが、これは日本語の<見る>に近い。ややこしいのは to see は他動詞だが to look は自動詞で前置詞 at (場合によっては into など)が必要。自他が日本語と逆になる。また<見れども見えず>は<Looking at it but cannot see it>で、英語では動詞が違い、したがって意味に差が出る。日本語の方も<見れ><見え>で似かよってはいるが、<見れども>の<見れ>は他動詞<見る>の仮定形、<見えず>の<見え>は自動詞<見える>の未然形。<見れども見られない、見れない、(見ることができない)>でもよさそうだが、<見れども見えず>だ。<見えず>は<見ることができない>の意味にはなる。


Taro is looking at the church over there. 太郎あそこの教会を見ている。

(注)the church は a church でもいいが意味は違ってくる。

<XXのように見える>という言い方があるが、英語では

to seem XX (or like XX)
to look XX (or like XX)

The building over there seems (looks) like the church. あそこのたてもの(例の)教会らしい。
The building over there seems (looks) like a church. あそこのたてもの教会らしい。

(注)<the> と<a>、<が>と<は>の違いに注意。

英語では<見る>関連に to see、to look 以外に to watch、to view、to regard があるがこれらは他動詞。また<見せる>に相当する英語は to show で話がややこしくなる。 to show は<見せる者>と<見せられる者>の関係があり、<見せられる者>が見ることになる。

いずれにしても日本語では<見る>の関連動詞<見える>、<見せる>ですべてをまかなっており、経済的だが、日本語学習者には難しいところではないか?

日本語や英語にはないが、ドイツ語やロシア語には reflective verb という語法がある。

1)мне привиделся страшный сон.

2)I had a terrifying dream.

3)私は怖い夢を見た。

2)の英語と3)の日本語は文法的に同じ構造。1)のロシア語は直訳すると<怖い夢が私に見えた>となる。мне привиделся の下線部が reflective verb 語法。夢は見ようとして見るものではないので<(私に)夢が見えた>と自動詞を使ったの方が理にかなっているのだが、英語の影響を受けてか<夢を見た>と他動詞を使うのが普通になっている。

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<末尾>

<自動詞、他動詞-6 日本語の他動詞、自動詞の作られ方>

5. 五感動詞

<わかる> は知覚動詞と言えるが、感覚動詞、五感動詞はどうか? けっこう複雑だ。

自動詞 - 他動詞

見える - 見る。 <見える>の使役は<見えさせる>、<見えさす>だがほとんど使われず<見せる>となる。<見る>の使役は<見らせる>、<見さす>で<見るようにさせる>だがこれらもほとんど使われず<見せる>となる。
また<見える><見る>の未然形<見>+<得る>で可能の意がある。<見る>は他動詞なので自発の意はない。だが古語形<見ゆ>は自動詞(<見える>の意)で<見ゆ>の未然形は<見え>で、<見える>に自発の意が出てくる。被害、迷惑の場合は<見られる>となる。


sptt