前回のポスト "<好かれる>、<嫌われる>の文法分析 " では主に中国語の<討>を使ったやや特殊な<好き、嫌い>について書いたが、どちらかというと文書語だ。口語ででは圧倒的に<喜欢xx><不喜欢xx>が使われる。<喜欢><不喜欢>の後に目的語がくるので、英語の to like xx、not like xx 相当だ。直訳すると
xxを好む
xxを嫌う
になるが、日本語でまずこうは言わず
xxが好きだ
xxを嫌いだ
このような日本語の使い方が特殊なのかと言うと、必ずしもそうではない。
イタリア語では日常的に
Mi piace il gelato. I like ice cream. 我喜欢冰淇淋 。私はアイスクリームが好きだ。
Mi piace il gelato. 文字通りでは<アイスクリームは私をたのしくする>で、悪くない表現だ。イタリア語(文法)では il gelato が主語。日本語の<私はアイスクリームが好きだ>では<アイスクリーム>は主語ではない。<アイスクリームは私をたのしくする>では<アイスクリーム>は主語だろう。
(注) 興味があれば、かなり長いポスト ” 私はチョコレートが好きだ。 主語はないのか? ” 参照。
否定は
Non mi piacciono gli spinaci. I don’t like spinach.
という言い方をする。
さて、
<嫌>は人につき(嫌他)、モノにはつかない。<嫌 (吃) 冰淇淋>はダメということだ。
你嫌我 我就走。我不喜欢这个电影。(我嫌这个电影。- ダメ)
<嫌他>は簡単だが、文法構造的にもっと複雑な表現ができる。複雑な構造の表現の場合はモノ / コトを目的語にとれ、さらにこの目的語の状態の形容が続く。
例文
白水社 中日辞典
大家都嫌价钱太贵,没人买。=皆値の高いのを嫌がって,買う人がいない.
你不嫌我家穷吗?=私の家が貧乏でも構わないのですか?
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她嫌做饭太麻烦。
彼女は炊事がきらいだ、面倒だから。
彼女は炊事は、面倒だから、きらいだ。
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