Friday, May 31, 2024

中国語の<好き、嫌い>、<xxのキライがある>

 

前回のポスト "<好かれる>、<嫌われる>の文法分析 " では主に中国語の<討>を使ったやや特殊な<好き、嫌い>について書いたが、どちらかというと文書語だ。口語ででは圧倒的に<喜欢xx><不喜欢xx>が使われる。<喜欢><不喜欢>の後に目的語がくるので、英語の to like xx、not like xx 相当だ。直訳すると

xxを好む
xxを嫌う

になるが、日本語でまずこうは言わず

xxが好きだ
xxを嫌いだ

このような日本語の使い方が特殊なのかと言うと、必ずしもそうではない。

イタリア語では日常的に

Mi piace il gelato. I like ice cream. 我喜欢冰淇淋 。私はアイスクリームが好きだ。

Mi piace il gelato. 文字通りでは<アイスクリームは私をたのしくする>で、悪くない表現だ。イタリア語(文法)では il gelato が主語。日本語の<私はアイスクリームが好きだ>では<アイスクリーム>は主語ではない。<アイスクリームは私をたのしくする>では<アイスクリーム>は主語だろう。

(注) 興味があれば、かなり長いポスト ” 私はチョコレートが好きだ。 主語はないのか?    ” 参照。

否定は

Non mi piacciono gli spinaci. I don’t like spinach.

という言い方をする。

さて、中国語の<嫌、xián > を少し調べてみたが、古語、文章語のようで、日常会話ではまず使われないようだ。<xxのキライがある>の<キライ>は二字の漢語に聞こえるが、<嫌い>の<きらい>で大和言葉だ。<嫌>の原意は嫌疑の<嫌=疑>で、<xxのキライがある>ではこの原意が残っている。

さて、

<嫌>は人につき(嫌他)、モノにはつかない。<嫌 (吃) 冰淇淋>はダメということだ。

你嫌我 我就走。
我不喜欢这个电影。(我嫌这个电影。- ダメ)

<嫌他>は簡単だが、文法構造的にもっと複雑な表現ができる。複雑な構造の表現の場合はモノ / コトを目的語にとれ、さらにこの目的語の状態の形容が続く。

 例文

白水社 中日辞典

大家都嫌价钱太贵,没人买。=皆値の高いのを嫌がって,買う人がいない.
你不嫌我家穷吗?=私の家が貧乏でも構わないのですか?

ーーーー
她嫌做饭太麻烦。

彼女は炊事がきらいだ、面倒だから。
彼女は炊事は、面倒だから、きらいだ。

 

sptt

 

 

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