Thursday, July 18, 2024

うらみ、つらみの<xx む(mu)>動詞ー2

 

かなり前(2018年)に ” うらみ、つらみの<xx む(mu)>動詞 ” というポストを書いているが、<xx む>動詞に再度挑戦。2018年のポストはほとんど参考にしていない。

<xむ>、<xxむ>動詞を機械的<あいうえお順>に並べてみる。

<xむ>

あむ 編む
いむ 忌む
うむ 生む、倦む
笑む <笑む>はほぼ死語で<ほほ笑む>。<笑みを浮かべる>

かむ 噛む、咬む、     鼻を<かむ>
きむ 決む(決める)
くむ 組む、汲む
こむ 込む(込める)、混む

しむ 沁みる
すむ 住む、済む、澄む
せむ 攻む(攻める)、責む(責める)
そむ 染む(染まる、染める)

たむ 貯む(貯める)、矯む(矯める)
つむ 積む、摘む、詰む(詰める)
とむ 富む、止む(止める)

なむ 舐む(舐める)
のむ 飲む

はむ 食む
ふむ 踏む
ほむ ほめる(誉める)

もむ 揉む

やむ 已む(已める)、病む
よむ 読む 

以上からは特に<む>の語感は感じられない。

<xxむ>だと多くなる。

<あ行>

あおむ  青む、赤む、白む、黒む
あがむ  あがめる(崇める)  おがむ(拝む)と関係がありそう
あぐむ
(あざむ) あざむく(欺く)
(あやむ) あやめる(殺める)
あゆむ  歩む

いがむ  いがみあう
いさむ  勇む、勇ましい、勇み足
いじむ  いじめる
いたむ  痛む、いたましい、悼む
(いとむ)いとめる(射止める)
いどむ  挑む


(うすむ)薄む  薄まる、薄める、薄い
うずむ  うずめる(埋める)
うとむ  疎む  これを、<うとむ>と読める人は少ないだろう
うらむ  恨む  うらめしい
うるむ  潤む  これを、<うるむ>と読める人は少ないだろう

え(?)

おがむ  拝む
おさむ  おさめる (治める、収める、納める)
おしむ  惜しむ


<か行>


かがむ  屈む  これを、<かがむ>と読める人は少ないだろう。 <しゃがむ>は方言か。
かこむ  囲む
かさむ  嵩む  これを、<かさむ>と読める人は少ないだろう
かすむ  霞む    かすめる (掠める)
(かたむ)  固む  固まる、固める、固い
かゆむ  かゆい (痒い)
からむ  絡む


きざむ  刻む
きしむ  軋む  これを、<きしむ>と読める人は少ないだろう
きばむ  黄ばむ  黄+ばむ、青ばむ、黒ばむ
きわむ  きわめる(極める)


くすむ  くすんだ色
くぼむ  窪む
くらむ  目がくらむ   暗い
くるむ  包む   これを、<くるむ>と読む人は少ないだろう

け(?)

このむ  好む  好ましい
こばむ  拒む   これを、<こばむ>と読める人は少ないだろう

 

<さ行> 

さだむ  さだめる(定める)

しかむ  しかめる(<顰める>が読める人はまずいないだろう)
(しがむ)  しがみつく
しくむ  し組む
しずむ  沈む
しとむ  しとめる(し留める、し止める)
しぼむ  萎む  これを、<しぼむ>と読める人は少ないだろう

すくむ  竦む  これを、<すくむ>と読める人は少ないだろう
すごむ  すごい
すすむ  進む
すずむ  すずしい
すぼむ  すぼめる   口をすぼめる

せがむ  なぜか漢字が出てこない
せばむ  せばめる(狭める)

そねむ  これは漢字が出てこない。 ねたみそねみ。

 

<た行>

たのむ  頼む
たたむ  畳む
たゆむ  これを、<たゆむ>と読める人は少ないだろう。弛むことなく、弛まず
たるむ  弛む  これを、<たるむ>と読める人は少ないだろう


たわむ  撓む  これを、<たわむ>と読める人は少ないだろう

ちぢむ  縮む

つかむ  掴む
つぐむ  口をつぐむ 
つつむ  包む
つとむ  つとめる 努める、務める 
つまむ  摘まむ
つるむ  弦む これを、<つるむ>と読める人は少ないだろう、弦(弦)由来

て(?)

とがむ (咎む) とがめる、咎める(咎む、咎める、<とがむ><とがめる>と読める人は少ないだろう)
とどむ  とどめる
とろむ        とろける、<まどろむ>は<目がとろむ>

<な行>

ながむ  ながめる (眺める)
なごむ  和む これを、<なごむ>と読める人は少ないだろう
なじむ  馴染む
なずむ  泥む これを、<なずむ>と読める人は少ないだろう

なずむ〔なづむ〕【▽泥む/▽滞む】 1 そのことに心がとらわれる。こだわる。執着する。
2 物事がはかばかしく進まないでいる。進むのに難渋する。とどこおる。<暮れなずむ>は<なかなか暮れない、という意味か?>

なだむ なだめる (宥める) これを、<なだめる>と読める人は少ないだろう

にくむ  憎む  にくい、にくらしい
にじむ  滲む

にらむ  睨む  これを<ぬるむ>と読める人は少ないだろ

ぬすむ  盗む
ぬるむ  温む  これを<ぬるむ>と読める人は少ないだろ、ぬるい

ねたむ  妬む  これを<ねたむ>と読める人は少ないだろ

のぞむ  望む

<は行>


はさむ  挟む
はじむ  はじめる (始める)
はずむ  弾む
はばむ  阻む  これを、<はばむ>と読める人は少ないだろう
はらむ  孕む

ひがむ  僻む  これを、<ひがむ>と読める人は少ないだろう
ひずむ  歪む  <ゆがむ>とも読める。<歪>は<ひずみ>、<歪み>は<ゆがみ>
ひそむ  潜む   
ひるむ  怯む  これを、<ひるむ>と読める人は少ないだろう
ひろむ  ひろめる(広める) 

ふくむ  含む

へこむ

ほそむ  ほそめる(細める)

<ま行>

まとむ  まとめる (纏める) まとまる

みとむ  認める

むくむ  これは漢字がなさそう。<浮腫む>むりやりな漢字だ。

めぐむ  恵む

めざむ  目+覚む  (目覚める)

もとむ  求む  (求める)

 <や行>

やすむ  休む  (休まる、休める)

ゆがむ  歪む
ゆるむ  緩む  これを、<ゆるむ>と読める人は少ないだろう

よどむ  淀む

 

<わ行>

 ?

 
ーーーーー

今回<xx む>動詞に再挑戦しようと思ったのは、よく出くわす中国語の<委屈>という語に関連して<うらむ>(うらみつらみ)、<ねたむ>、<そねむ>(ねたみそねみ)などの曲折した negative な感情表現の動詞に<xx む>が多いのではないか、という疑問がわいてきたからだ。以上調べた限りでは<委>も<屈>も出てこない。

<あ行>
(あざむ) あざむく(欺く)

いじむ  いじめる  (これは曲折した negative な感情が関連した行動だ。)
いたむ  痛む、いたましい

うとむ  疎む  これを、<うとむ>と読める人は少ないだろ
うらむ  恨む  うらめしい

おしむ  惜しむ 

<か行>

こばむ  拒む

<な行>

にくむ  憎む  にくい、にくらしい

ねたむ  妬む  これを<ねたむ>と読める人は少ないだろ

<は行>

ひがむ  僻む  これを、<ひがむ>と読める人は少ないだろう
ひずむ  歪む  <ゆがむ>とも読める。<歪>は<ひずみ>、<歪み>は<ゆがみ>

 <や行>

ゆがむ  歪む

よどむ  淀む

が目立つ程度。

<うらみつらみ>の<つらみ>は<つらむ=つらい、つらく思う>由来だが<つらむ>はほとんど聞かない。

<ねたみそねみ>の<そねみ>は<そねむ>由来だが<そねむ>もほとんど聞かない。

一方 positive な<xxむ>もけっこうある。

いさむ  勇む  は必ずしもいい意味ではない。  勇み足

いどむ  挑む

このむ  好む

すすむ  進む

なごむ  和む
なじむ  馴染む  

のぞむ  望む

めぐむ  恵む

 

意外な発見-1

ある意味ではやまとことば物理、工学用語がすくなくない。

たるむ  弛む  たるみ
たわむ  撓む  たわみ
ちぢむ  縮む  ちぢみ
はずむ  弾む  はずみ
ひずむ  歪む  ひずみ
へこむ  へこみ
ゆがむ  歪む  ゆがみ
ゆるむ  緩む  ゆるみ

漢字は使わない方がよさそう。また多くは<曲折した negative>ではないが、変形する、正常でなくなる状態になる、とは言える。

 

意外な発見-2

顔、身体の表情表現

かがむ、しゅがむ
目がくらむ
顔を(しかむ)しかめる
口をすぼむ、すぼめる
にらむ
手足がむくむ
顔がゆがむ、顔をゆがめる

 

意外な発見-3

これは大いに文法に関係している。

<xxむ>は自動詞<xxまる>と他動詞<xxめる>に<進化>したものが少なくない。これまで<xxまる><xxめる>。<まる><める>動詞として幾度かとりあげているが、ここでは以前のポストは見ないで話しを進める。

うずむ  うずまる(埋まる) 砂にうづまる、うずめる(埋める) 身を砂にうづめる
かがむ  かがまる、 かがめる  身をかがめる
すくむ  すくまる 身がすくむ、身がすくまる、 すくめる 身をすくめる
くるむ  くるまる、布団にくるまる、 くるめる 身を布団にくるめる
ちぢむ  ちぢまる 身がちぢまる、  ちぢめる 身をちぢめる
ひそむ  潜む、  ひそめる(潜める) 身をひそめる

以上

身を砂に埋める は <砂に埋まる>こと
身をかがめる は <かがまる>こと
身をすくめる は <(身が)すくむ>こと
身を布団にくるめる は<布団にくるまる>こと
身を潜める は <潜む>こと 

で他動詞ー>自動詞変換だ。もっともこれは<xxむ>に限ったことではない。

身を隠(かく)す  隠れる
目をさます  目がさめる   <目を覚ます>は自分が自分の目をさますことではない。

ーーーー

形容詞+<まる><める>

あおむ  青む、赤む、白む、黒む

は 青くなる、赤くなる、etc となる。

 ひろむ (ひろまる) ひろめる(広める)

 は 広くなる、広くする

同じように

(高む) 高まる、高める

は 高くなる、高くする

形容詞の連用形+なる ー 自動詞
形容詞の連用形+する ー 他動詞

 で一般性がある。(文法上重要)。またかなり昔から使われてきたとようだ。

一方、語幹+<まる>、語幹+<める>はこの一般性がない。だが

青い ー 青める、青める
固い ー 固まる、固める
薄い ー (薄む)薄まる、薄める 

などの言い方もあり、形容詞+なる、形容詞+する、よりは一音節短いの省力化になり、また<語感>が違う。

 

sptt

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