Sunday, March 8, 2026

<見つける>と<見つかる>

 

前回のポスト

<見かける>と<見せかける>

に続いて<見つける>と<見つかる>についてチェックしてみる。

<見つける>は<xxを見つける>と<を>をとるので他動詞。一方<見つかる>は<xxが見つかる>で自動詞。

太郎をはなくした財布を見つけた。
なくした財布が見つかった。 

特に意識せずに過去形になったが、現在形ではどうか?

太郎をはなくした財布を見つける。

は実際言いそうにないが、日本語の現在形は未来も表すので

太郎をはなくした財布を間もなく見つける。(予言)

なくした財布が間もなく見つかる。 (予言)

でよさそう。

また英語と同じく、現在形は習慣、繰りかえしの言動も表すので

花子は太郎の仕事上のミスをよく見つける。(習慣、繰りかえし)

でいいが

太郎の仕事上のミスが / は花子によく見つかる。

は何か変だ。 

太郎の仕事上のミスが / は花子によく見つけられる。

と<見つける>の受身を使うと何とかなりそうだが、翻訳調だ。

 

なくした財布が間もなく見つかる。  

は自動詞で、意思とは関係ない。一方

太郎をはなくした財布を間もなく見つける。

は意思 (この場合、普通は太郎の意思だが、そうとは限らない) が関与していそうだが、これまたそうとは限らない。

英語では<見つける>は to find が相当するが、 意思が強く関与する場合は

to try to find

となる。

Taro tries to find his lost wallet.

意思が強く関与しない場合は

to find  

でもよさそうだが

Taro finds his lost wallet.

は何かおかしい。<習慣、繰りかえし>になってしまうのだ。<なくした財布を見つける>のは基本的に一度だけだ。だが

花子は太郎の仕事上のミスをよく見つける。

は成り立つので、発話の内容によるか。

<見つけ出す>、to find out という言い方が、日本語に英語にもある。これはそこそこの意思が含まれているといえよう。

<見つける>関連では

to look for, to be looking for 

で<見つけようとする>、<さがす>、<さがしている>となる。

to search という動詞があるが、これは他動詞で

to  search something

となる。これも<見つけようとする>、あるいはは<見つけようとしてさがす>で<見つける>が目的のようになっている。

 <見つける>は<見る+つける>由来と思われるが、<つける>は<近づける>、<付着させる>、なんとなく<見つける>はそんな感じがある。<見る>対象に<近づいている>、着いている>状況だ。

一方<見つかる>は<見る+つかる>では何のことだかわからない。 <見つかる>は<見つける>の自動詞化だろう。

 

sptt

 



Friday, March 6, 2026

<見かける>と<見せかける>

 

最近 <動詞連用形+かかる、かける>の複合動詞を調べているが、いろいろ疑問がでてきて、どうも際限がない。

少し前に

他動詞<受ける>、自動詞<受かる>と<まる―める>動詞

というタイトルで<受ける>と<受かる>を比較しているが

試験を受ける

試験に受かる 

の関係をうまく説明するのは難しい。

試験を受ける to take an exam
試験に受かる to pass the exam

は全く違うと言っていい。自動詞<受かる>が他動詞<受ける>の自動詞化 (自然と<受ける>)でも、他動詞<受ける>が自動詞<受かる>の他動詞化 (<受からす>) でもない。自動詞<受かる>が他動詞<受ける>の受身 (受けられる) でもない。

これはさておき

<見かける>と<見せかける>を比較してみる。

見かける

きのう近所のスーパーで花子を見かけた。

<見かける>は<を>をとるので他動詞だが、他動詞っぽくない。

きのう近所のスーパーで花子を見た。

<見る>は他動詞で<花子を見た> で他動詞っぽいが、<花子を見かけた>は<目にした>とも言えるが<<目にした>も<を>をとる。<花子を目にした>も他動詞っぽくない。<花子を目にした>は<花子が目にはいった>とも言え、このような意味だが、これは<を>とらない。

一方<かかる>は自動詞で<見かかる>という言い方も無理をすればできなくはなく、意味としては<目にはいる>なるが、

きのう近所のスーパーで花子が見かかった。

とはまず言わない。 

きのう近所のスーパーで花子に見かかった。

もダメだろう。

英語では

to look at xx

で to look は直接目的語をとらず (at が必要) で自動詞。一方 to see は直接目的語をとり他動詞。

I saw Hanako at a nearby supermarket yesterday.

きのう近所のスーパーで花子を見た。

でも

きのう近所のスーパーで花子を見かけた。

でもいい。(これは重要だ)

I looked at Hanako at a nearby supermarket yesterday.

は一般的には

きのう近所のスーパーで花子を見た。

にならない。しいて訳せば

きのう近所のスーパーで花子をじっと見た。

 

結論が出ていないが次に<見せかける>について検討する。<見せかける>

<見せかける>は<見せる>+<かける>。

<見せる>は、英語では、to see でも to look (at) でもなく to show で、 to see、to look (at) とはまったく別の動詞と言える。

<見せかける>は意味としては<xxのように見えさす>。<かける>は多義語で、前の

<動詞連用形+かける>の複合動詞

から抜き出すと

 Wiki

  1. (動詞の連用形の後ろにつく)
    1. あるものに及ばせる。
      • 話しかける
    2. し始める。
      • 本を読みかけたところで電話が鳴った。
    3. もう少しでし始めるところでしないままにする。しそうになる。
      • 事故を起こしかけた。


 <見せかける>の<かける>は

  1. あるものに及ばせる。
    • 話しかける

 関連だが

<見せて><あるものに及ばせる>ではすぐには何のことだかわからない。

<見せて><そのようにさす>とすると少しマシだが、まだダメだ。

(動詞の連用形の後ろにつく)ではなく<かける>独立では

 Wiki

上からかぶせるように)く。 布などをかぶ)せる。一部または全体をおお)う。
寝た子に毛布をかける。

)びせる
熱湯をかける。

影響を与える。
迷惑をかける。

の意味がある。

<見せて><影響を与える>はかなりいい線だ。<影響を与える>心理、意図が強いとプロパガンダになる。

 

名詞の<見かけ>と<見せかけ>の違いもおもしろいが、これは別途検討。


sptt