Wednesday, April 20, 2016

<にくい>形容詞、<くるしい>形容詞


<xx にくい>は一般的に動詞の連用形について形容詞をつくる。

読みにくい(小説)
書きにくい(字、紙)
住みにくい(家)
言いにくい(こと)
食べにくい(肉、パン)

例はいくらでもありそう。意味は<xx(するの)が難しい>で、英語でいえば difficult という形容詞に相当するだろう。

a difficult novel to read
a difficult letter to write
a difficult house to live (これは少しおかしい)
a difficult thing to say
a difficult piece of meat (bread) to eat

さて次はどうか?

1)見にくい字
2)見にくいアヒルの子

1)は

見にくい(小さい)字
見にくい(かすれかかった)字
見にくい(きたない)字

であれば一般的な用法と言える。<見るのが難しい>だ。だが

発音は同じだが<見にくい(きたない)字>と<醜(みにく)い字 >は微妙に違う。<醜(みにく)い字 >は2)見にくいアヒルの子、のグループだ。

<見にくいアヒルの子>は9割がた書く場合は<醜いアヒルの子>となるだろう。また意味上も9割がた物理的に<見るのがが難しい><アヒルの子>ではない。


ところで日本語では<食べにくい>は普通<まずい>の意にならないが、私が住む香港の広東語では<難食>は料理が<まずい>の意だ。したがって同じような現象が中国語にもあることになる。

<あいにく>は副詞だが、だぶん<合いにくい>の副詞形。<速い>--><速く>。


さておもしろいのは<xx くるしい>という言い方の形容詞だ。それほど多くはなく、また<xxにくい>形容詞ほどは一般化しておらず限定的だ。思いつくまま書きあげてみる。

動詞の連用形+ぐるしい

見ぐるしい
聞きぐるしい
寝ぐるしい


ごく自然な日本語を話す友人の韓国人が<思いぐるしい>と言うのを何度か聞いたことがあるので、彼の頭のなかでは<xx ぐるしい>が一般化しているのかもしれない。


名詞(体言)+ぐるしい

息ぐるしい
心ぐるしい

 <愛くるしい>は<愛>+<苦しい>の意味ではない。

形容詞の語幹+くるしい

狭(せま)くるしい - せまっくるしい (関東方言)
暑(あつ)くるしい - あつっくるしい (関東方言)


不明+くるしい

むさくるしい

<むさ>がよくわからないが、<蒸(む)し暑い>、<むしゃくしゃする>が関連するか?


さて<xx ぐ(く)るしい>の意味だが、<息ぐるしい>を除けば、物理的な<苦しい>というよりは不快感、閉塞感をあらわしているようだ。

<追加>

別のポスト ” <苦しい>形容詞 ” から

 

<xxくるしい>、<xxぐるしい>と言い方がある。調べてみたが、期待に反してそれほど多くはない。

暑(あつ)苦(くる)しい
息(いき)苦ぐる)しい
かた苦(ぐる)しい  この<かた>は多分<堅(かた)い、固(かた)い>の<かた>だろう。
(お)聞(き)き苦(ぐる)しい   耳障(ざわ)り
こころ苦(ぐる)しい
せま苦(くる)しい   これは<苦(ぐる)しい>と濁らない。
寝(ね)苦(ぐる)しい
(お)見(み)苦(ぐる)しい   目障(ざわ)り
むさ苦(くる)しい   これは<苦(ぐる)しい>と濁らない。

めまぐるしい   調べてみたがこれは<くるしい>ではない。 <目まぎる、めまぎれる(紛れる)>の意だ。

 
sptt

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