このポストは前回のポスト”<が>は不定、<は>定の階層性、二重構造”の続き。
欧米語では非人称表現というのがある。英文法の学習では必ずある。学習ではあまりおもしろくないが、日本語の助詞<が>、<は>との対比で見るとにわかにおもしろくなる。
英文法の学習では
It rains. (It's raining が普通だろう)が代表だが、前回のポストで取り上げた
<xxがある> は英語の there is xx, there are xx に相当
も 非人称表現に近い。there は<そこ>ではない。
It rains. 雨がふる。
It thunders. カミナリがなる。
There is a book (on the desk). (机の上に)本がある。
There are apples(in the fridge). (冷蔵庫のなかに)りんごが(いくつか)ある。
以上の表現で<が>を<は>で置き換えられるが、<は>は限定あるいは対比用法で一般的ではない。英語も同じで下記の表現は可能。
Rain falls. 雨はふる。(雨についての解説)
Thunder sounds カミナリはなる。(カミナリについての解説)
The book is (on the desk). (その)本は(机の上に)ある。
The apples are (in the fridge). (例の)りんご(複数、二個以上)は(冷蔵庫のなかに)ある。
英語は人称を用いた表現が圧倒的だ。前回ポストで取り上げた例。
これがありません。 I do not see (cannot find) this.
太郎がいません。(太郎も<定>) I cannot find Taro. I do not see Taro.
これがわかりません 。 I cannot understand this.
以外に、
I am hungry. (私は)おなかがすいている。<私はおなかがすいている>は日本語としておかしい。<おれ、はらががすいている(男性)>, <わたし、おなかすいてるの(女性)>ならよさそう。
I feel cold. (私は)寒い。<私は寒い>は日本語としておかしい。<私、寒い>ならよさそう。
以上で<は>がいらないのは(<は>を使うとおかしい(変)なのは<私>が<おなかがすいている>、<寒い>という状況が<は>と結びつかないからだろう。<私、おなかがすいている感じ>とか<私、寒い感じ>は学生風、現代風、女性風だが、理論的によさそう。また<は>をつけると解説調になる。<私は怒っている>がおかしいのと同じだ。
I see many people in the park today. 今日公園にひとがたくさんいる。
Can you hear that? (きみ)あれがきこえるかい?
I like (find) this better. (私)これがいい。
さて非人称表現に戻ると、
It rains. 雨がふる。
It thunders. カミナリがなる。
There is a book (on the desk). (机の上に)本がある。
There are apples(in the fridge). (冷蔵庫のなかに)りんごが(いくつか)ある
のように<が>を使うのが一般だ。なぜ<が>かというと<が>は不定と関連していいる。<It rains>の it は定ではなく不定だ。英語では主語のない<Rains>とはいえないので<やむなく> it を使っているのだ。<Rains>は<雨だ>に相当するか?
sptt
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