<が>は不定、<は>不定の問題について一考察。
<xxがある> は英語の there is xx, there are xx に相当。
一方<xxはある> は英語の xx exists, xx exist に相当。
何がありますか?
<何はありますか?>とは言わない。 <何>は疑問すなわち<不定>だ。
さて、次の表現はどうか?
これがわかりますか?
<これ>は明らかに<定>だが、<が>をとる。
<これはわかりますか?>といえるが、<は>は限定あるいは対比用法で一般的ではない。
<これがわかりますか?> で明らかに<定>の<これ>に<が>がつく理由はこの表現が疑問文だからだろう。疑問文自体は<不定>だ。そして疑問文の<不定>は<これ>の<定>より優先するのだ。大げさに言うと、ここに<定><不定>の階層性、二重構造がみられる。
では否定表現はどうか。
これがありません。
太郎がいません。(太郎も<定>)
これがわかりません 。
<これはありません>、<太郎はいません>、<これはわかりません >はやはり限定あるいは対比用法で一般的ではない。
したがって、 否定は<不定>で、しかも<これ>、<太郎>の<定>より優先するのだ。
ところで上記三つの否定表現を英語で言うとどうなるか?
これがありません。 I do not see (cannot find) this.
太郎がいません。(太郎も<定>) I cannot find Taro. I do not see Taro.
これがわかりません 。 I cannot understand this.
1)英語では<I>(主語、主体)を用いて表現するのが普通。
2)<これ>、<太郎> は目的語(対象)になる。
逆に1)、2)から日本語表現を見ると<これがわかりません>の<これ>は<が>がついているが主語、主体ではなく目的語、対象だ。一方<これがありません>の<これ>、<太郎がいません>の<太郎>はく目的語、対象>とは言えないが、それでは100%主語、主体かというとそうでもなさそうで、これは<不定>が関連しているのではないか。微妙なところだが、文法のおもしろいいところだ。
There is not it. この英語は違反だが、<これがありません>に近い。
Taro is not (here). 太郎はいません。
Taro does not exist. 太郎という人物はいません。
There is not Tara. これも違反のようだが、<太郎がいません>に近い。
sptt
No comments:
Post a Comment