Wednesday, January 16, 2013
日本語の自動詞、他動詞-3、移動動詞
以前に<場のアスペクト-<行く>と<来る>>というタイトルで移動動詞について書いた。
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アスペクト(Aspect)を拡大解釈して移動動詞の場のアスペクトを考えてみる。
移動動詞を 移動に関係する動詞とすると<歩く>、<走る>、<飛ぶ>、<流れる>、<泳ぐ>、<移る>、<動く>、<運ぶ(他動詞)>などある。以上は方向性がない。さらにもっともよく使う<行く>、<来る>があり、<上(あが)る>、<下がる>さらには<入る>、<出る>がある。以上は方向性がある。
<上がる>、<下がる>、<入る>、<出る>も場のアスペクトの要素を持っているが、<行く>、<来る>が場のアスペクトの代表だろう。
<行く>、<来る>の視点は英語の<to go>、<to come>とほぼ同じだ。<行く>、<来る>は純粋に移動だけを示す以外に<方向>が含まれている。
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場のアスペクトをさら検討してみる。ここでは中国語の趨勢補語を使わしてもらう。ここは中国語文法の正式な説明ではなく、勝手に使わしてもらう。動詞に見えるが 中国語文法ではすべて<補語>として扱われている。日本語文法では正式ではないが<複合動詞>と呼ばれているようだ。日本語の<場のアスペクト>は<複合動詞>の中の移動、方向関連の動詞が関連している。
1)中国語文法の単純型方向補語
来 -くる to come 補語というよりは主動詞
去 -いく to go 補語というよりは主動詞
上 -上がる、のぼる。 英語では動詞ではなく方向を示す副詞<up, upward>が使われる。
下 -下がる、くだる、降りる。 英語では副詞<down, downward>が使われる。
进 -入る。 英語では副詞<in, inward>が使われる。
出 -出る。 英語では副詞<out, outward>が使われる。
回 -戻る、返る、帰る。 英語では副詞<back, backward>が使われる。
过 -過ぎる、越す、渡る。 英語では副詞<across, over>が使われる。 过马路 - 道を渡る。
起 -起きる。 英語では副詞<up, upward>が使われる。
开 -離れる・広がる。 英語では副詞<apart、away>が使われる。
上記の中国語の補語に相当する日本語が<を>をとる自動詞かどうかを調べてみる。
簡単なチェック方法: <ここを>または<この道を>を動詞の前に置く。
例えば、移動動詞の<移動>の<移る>と<動く>を例にとると
ここを移る、この道を移る
ここを動く、この道を動く
<この道を移る>がややおかしいが、まあいいとして、
くる - ここを来る。この道を来る。
いく - ここを行く。この道を行く。
上(あ)がる - ここを上がる。この道を上がる。
のぼる - ここをのぼる。 この道をのぼる。(屋根にのぼる)
下(さ)がる -ここを下がる。 この道を下がる。
くだる - ここをくだる。 この道をくだる。
降りる - ここを降りる。 この道を降りる。
入る - ここを入る。 この道を入る。(部屋に入る)
出る - ここを出る。 この道を出る。
戻る - ここを戻る。 この道を戻る。
過ぎる - ここを過ぎる。 この道を過ぎる。
起きる - ここを起きる。 この道を起きる。 - ダメ
離れる -ここを離れる。 この道を離れる。
少し変な表現もあるが、地図を見ながらの会話と思えばよい。ダメなのは<起きる>だ。<起きる>は動作動詞だが、瞬間的な動作なので、移動動詞とは言いにくい。ただし<入る>、<出る>、<過ぎる>、<離れる>も瞬間的な動作が意識にあり、時間の経過がからむ移動動詞とは言いにくい。したがって移動動詞とは<を>をとる自動詞というのは100%正しいわけではない。一方<屋根にのぼる>、<部屋に入る>に注目すると、これらは目的地がある。これに対し<を>とる自動詞は目的地が意識されていない。この方が重要なのではないか。
街をぶらつく。
街を歩く。
果てしなき道を行く。
角をまがる。
運動場のトラックを回る。
sptt
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