Thursday, November 28, 2013

分詞構文と日本語の連用形、連体形


1. 分詞構文と日本語の連用形

太郎が来てから花子は出かけた。

この日本語の文章を分詞構文的に理解してみる。前半の<太郎が来てから>が主語付きの分詞構文で主文は<花子は出かけた>だ。分詞構文を使って英語に直してみる。

After Taro having arrived Hanako left.

文法的には間違いないし便利のようだが実際こうは言わないのだ。文章ではこのように書くかもしれない。普通は

After Taro had arrived Hanako left.

英語の場合は時制が厳格。太郎の到着と花子の出発に時間的なずれがあり、英語ではこの差を表している。ただし<After Taro arriving Hanako left.>でも間違いではないだろう。日本語の方は時制に関してはややいい加減で<来から>ですましている。<きてしまってから>とはまずいわない。<て>はつなぎ(これが肝心)の助詞だがを完了を含む助詞と見てもいい。<た>は完了の助動詞、あるいは<た>は連用形がないが<た>の連用形とみてもいい。もう一つ。

太郎は宿題を終えてから遊びにいった。

Taro, after finishing his homework, went out to play.
Taro, after having finished his homework, went out to play.

この二つの英文はこのように発話しておかしくない。一方日本語の方は<終えて>の<終える>に完了の意味があり<て>は連用形に付くつなぎ助詞で、副詞句を導くといえる。さらにもう一つ。

太郎が本を読んでいるところに花子が入ってきた。

Taro being reading a book Hanako came in.

分詞構文(現在形分詞構文)を使って英語に直してみたものだが、英語の時制はややあやしくなっている。先の例と同じで、文法的には間違いないし便利のようだが実際こうは言わない。<Taro reading a book Hanako came in.>は間違いだろう。 <being reading>は<-ing>が重なるのでこのましくないが<Taro reading a book Hanako came in.>とすると<読んでいるところ(とき)に>という意味がなくなる。普通は

When Taro was reading a book Hanako came in.

おまけにもう一つ。

花子は本を読みながら料理をしている。

Hanako reading a book is cooking.

これも文法的には間違いではないがこうは言わず、

Hanako is reading a book while cooking.
または意味は少し違ってくるが
Hanako is cooking while reading a book.

例が少ないが、これくらいにして話を進める。

1)太郎が来てから花子は出かけた。
2)太郎は宿題を終えてから遊びにいった。
3)太郎が本を読んでいるところに花子が入ってきた。
4)花子は本を読みながら料理をしている。

1)と3)は分詞構文部分<太郎が来てから>、<太郎が本を読んでいるところに>の主語と主文の主語が違う。この場合、分詞構文部分の主語は助詞<が>をとる。<は>を使うと

1)太郎来てから花子は出かけた。
2)太郎本を読んでいるところに花子が入ってきた。

となりになり正しい日本語でなくなる。これは文法ルールだろう。ところで、分詞構文部分は名詞句で置き換えられる。

1)太郎の到着後に花子は出かけた。
2)太郎の読書中に花子が入ってきた。

ただし、おそらく日常会話ではこうは言わないだろう。 またいろいろ試してみたが大和言葉ではこの名詞句化ができない。さらにまた、この名詞句化で助詞<の>が出てくるが助詞<が>との近似が見られる。

我(わ)が国、わが友

以上は前置き。本題の分詞構文と日本語の連用形の関係だ。

1)太郎が来てから花子は出かけた。
2)太郎は宿題を終えてから遊びにいった。
3)太郎が本を読んでいるところに花子が入ってきた。
4)花子は本を読みながら料理をしている。

以上の例ではいずれも分詞構文部分の動詞が連用形を取ることに注目したい。

1)太郎が来(き)てから
2)太郎は宿題を終えてから遊びにいった。
3)太郎が本を読んでいるところに花子が入ってきた。(音便なしで言えば<読みて>)
4)花子は本を読みながら料理をしている。

前の方で書いたが、助詞<て>が key だ。 <て>は一般的、代表的(接続)順接の助詞と見られ

次郎は朝起きて、朝飯を食べて、学校に行って、勉強、運動して家に帰ってきた。

と動詞の連用形に付く。<そして>、<そうして>は順接としてよく使い、ほぼ接続詞扱いだ。時間的な順序を強調するときには<xxてから>になるが

次郎は朝起きてから、朝飯を食べてから、学校に行ってから、勉強してから、運動してから家に帰ってきた。

とはいえず、前後二つの出来事をのべるのがせいぜいのようだ。

次郎は朝起きてから、朝飯を食べた。
学校に行ってから、勉強した。
運動して家に帰ってきた。

なお、<から>は動詞の終止形(連体形?、形容動詞は終止形)に付くと理由、原因を表すことになる。これもたいていの場合時間の前後関係が意識されているようだ。もっとも因果関係といえば時間は順方向だ。

いま行くから、待っててくれ。
すぐするから、かんべんしてくれ。
こんなことをするから、しかられるのだ。
---
花子はいつも静かだから、いるのかいないのかわからない。

4)の(接続)助詞<ながら>も動詞は連用形になる。<ながら>は順接とはいえないが逆接、譲歩でもないので、順接グループに入るだろう。ほぼ同じ意味だが助詞<つつ>も連用形をとる。

以上は順接だが、逆接、譲歩の場合はどうか。

逆接は微妙なところがあり、少なくともコントラリ(反対)とコントラスト(対照)の区別は必要だろう。

太郎は行くが、花子は行かない。 - コントラリ(反対)
太郎は今行くが、花子は後(あと)から行く。  - とコントラスト(対照)

いずれの場合にも<は>を<が>に換えて

太郎が行くが、花子は行かない。
太郎が今行くが、花子は後(あと)から行く。  

とは言えない。文法ルール。

また(接続)助詞<が>は動詞の終止形(連体形?)をとる。英語であえて分詞構文にすると

太郎は行くが、花子は行かない。
While Taro going, Hanako does not go (will not go).

太郎は今行くが、花子は後(あと)から行く。
While Taro going now, Hanako goes (will go) later.

となり接続詞 while が必要のようだ。もっともこうは言わないだろう。文法的に間違いか。

While Taro goes, Hanako does not go (will not go).
While Taro goes now, Hanako goes (will go) later.

譲歩の場合も英語では分詞構文は使わず、ちゃんとした複文になるようだ。

太郎がどんなに努力しても英語では花子にかなわない。

No matter how hard Taro studies he cannot beat Hanako in English.
<No matter how hard Taro studying cannot beat Hanako in English>はダメ。

譲歩の助詞<ても>は<努力し>で動詞は連用形になる。<太郎がどんなに努力しても>は日本語では分詞構文と言える。構造的には分詞構文という言い方だが、意味内容を考えると副詞句だ。


2. 分詞構文と日本語の連体形

英語では現在分詞、過去分詞、特に過去分詞が活躍するが、日本語文法では<分詞(particles)>という見方はない。ないが、相当活躍しているといえる。

Taro is interested in mathematics.

この文で interested 過去分詞になっているが

Taro interested in mathematics does not like English Grammar.
(Taro being interested in mathematics does not like English Grammar. とはあまり言わない)

では interested は形容詞とも過去分詞とも言える。英語では形容詞は原則として名詞の前に来て名詞を修飾するので、interested が名詞の後に来る場合は分詞といったほうがよさそうだ。 名前は過去分詞だが

<Taro interested in mathematics >

は<数学に興味があった太郎xxx>とはならない。これは

Taro interested in mathematics did not like English Grammar.

と換えても、

英語でも<数学に興味があった太郎英文法がきらいだった>とはならないようだ。

この辺は日本語の方が理論的、かつ便利に出来ているようだ。

数学に興味がある太郎
数学に興味があった太郎

<ある>を<あった>に変えるだけで<現在>分詞が<過去分詞>(過去を表す分詞)になる。

ここで<ある>、<あった>を分詞と表現したが、日本語では動詞<ある>、助動詞<た>の連体形だ。 あまりに簡単なために便利さに気づいていないようだ。

なお、interesting は形容詞とも現在分詞とも言える。形容詞(an interesting book)の場合はいいが、
現在分詞の場合は元の動詞 to interest (興味を抱かせる)の能動的な意味がないとダメだ。

This book interesting me is very expensive.

となるが、こうはまずこうは言わず、関係代名詞を使って

This book which interests me is very expensive.

となる。関係代名詞がない日本語では、翻訳調になるが

私に興味を抱かせるこの本は値段が高い。

となる。<抱かせる>の<せる>は助動詞<せる>の連体形だ。構造的には関係代名詞がない分

This book interesting me is very expensive.

に近くなる。


順序が最後になってしまっが、 現在分詞でよく使われるのは<同格>用法だ。

Taro, being a school boy, does not like studying very much. は関係代名詞を使った

Taro, who is a school boy, does not like studying very much. とほぼ同じ意味だが、

現在分詞の方が文章語法で関係代名詞を使ったほうがどちらかといえば口語的で、実際このように言う。訳文的日本語は

学生(生徒)である(ところの)太郎は勉強があまり好きでない。

<学生(生徒)の太郎は勉強があまり好きでない>はややおかしい。


sptt






















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