Tuesday, August 8, 2017

外国人には難しい<ので>、<のに>


このポストは”外国人には難しい助詞の<の>” の続編。<の>が外国人には難しい助詞とするとこれまたよく使う<の>がつく<ので>、<のに>も外国人には難しいことになる。


1.ので

<ので>は原因や理由を述べるときに、日本人であれば無意識で使う。英語の because ほどの強い<原因や理由>の拘束力が常にあるというわけではなく、後から言う結論のつけたし説明程度のこともある。<から>の方が<原因や理由>の拘束力が強いようだ。

花子が行くので(から)、太郎も行く。
この数学問題は難しいので、 花子には解けない。(この数学問題は難しいから、 花子には解けないだろう。) <ので>はどちらかと言うと一般的な説明口調。一方<から>は理由の意が強まるようだ。
これから行くので(から)、待っていてくれ。
疲(つか)れたので(から)、すこし休ませてもらう。
いま忙しいので(から)、後にしてくれ。

この<ので>と<から>は過去のこと述べる場合には様相が違ってくる。

花子が行ったので、太郎も行った。
 この数学問題は難しかったので、 花子には解けなかった。

花子が行ったから、太郎も行った。
この数学問題は難しかったから、 花子には解けなかった

<ので>の方が自然だ。<ので>には<原因や理由>を示す以外に断定、確定の意味があるが、<から>にはない。<ので>の奥が深いところだ。

おもしろい言葉に漢語由来の<以上>がある。

花子が行く以上、太郎も行く。

これは

花子が行くから、太郎も行く。

以上に<原因や理由>の拘束力が強いようだ。さらには少し変だが

花子が行く以上、少なくとも太郎も行く。

とも言える。<以上>は大和言葉では<少なくとも>だ。

以上=minimum
少なくとも = at least、 minimum

君、やれる以上は、少なくともやるべきだ。

はおかしくない。


2.のに

<のに>は譲歩条件を述べるときに使う。英語の in spite of (despite)、even though (にもかかわらず)ほどの強い<譲歩条件>の拘束力はない。これまた日本人であれば無意識で使い分けるが、下記の例文からは、どうも<期待、予想、忠告に反して>の意が多く、接続法がらみで文法的にはおもしろい分析対象だ。したがって過去のことを述べるのが多いか?

花子が行くのに、太郎は行かない。
この数学問題は難しいのに、 花子は解いてしまった。
幾度も言ったのに、聞かないから(ので)、こういう結果なるのだ。 (この場合<ので>でははやや弱い)
この製品、価格は(が)高いのに、すぐこわれる。
この製品、価格は(が)高かったのに、すぐこわれてしまった。

話がずれるが、上記二例の<は>と<が>の違いも外国人には難しい。

<は>は説明口調。価格(が高い)の強調。
<が>は報告口調。

(喫煙が体に悪いのは)わかっているのに、やめられない。

以上いずれも<のに>は<にもかかわず>で言い換えられるのはわずか二つの助詞だが<のに>の威力を示す。


sptt

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