少し前のポスト”超高使用頻度語の<あう>の分析”の続き。実はこれはあとから気がついたことで、このポストを書いたのが記憶になく、あらたに書き始めたので、重複部分は少ない。
<XXあう>は英語に訳すと<xx each other>となるが、日本語の<XXあう>の使用頻度は<xx each other>よりはるかに多い。<あう>は each other より短く母音二音節にすぎない。もとっとも日本語の基本動詞の多くは二音節だ。区別、判別には簡単すぎるともいえるが、効率は極めていい。
愛しあう
言いあう、言いあい
いがみあう、いがみあい
打ちあう、打ち合い、撃ちあう、撃ちあい
押しあう、押しあい、押しあいへしあい
落ち合う
折りあう、折りあい
かけあう、かけあい; 声をかけあう
重(かさ)なりあう
語りあう
噛みあう(歯車)
からみあう、からみあい
競(きそ)い合う
切りあう、切りあい、斬りあう、斬りあい
食(く)いあう、食いあい
組みあう、組合(くみあい)
蹴(け)りあう、蹴りあい
混みあう
殺しあい、殺しあい
さぐりあう、さぐりあい
刺しあい、刺しあい
しあう。xxしあう、試合(しあい)
しのぎあう、しのぎあい
知りあう、知りあい
すれあう
攻めあう、攻めあい
責(せ)めあう
せめぎあう、せめぎあい
せりあう、せりあい
助けあう、助けあい
たたきあう、たたきあい
立ちあう、立ちあい
だましあう、だましあい
つかみあう、つかみあい
つきあう、つきあい
突(つ)きあう、突きあい
つつきあう、つつきあい
出あう、出あい
取っ組みあう、取っ組みあい
取りあう、取りあい; 取りあわない
投げあう、投げあい
なめあう、あめあい (キズのなめあい)
なぐさめあう
なぐりあう、なぐりあい
なめあう、なめあい (キズのなめあい)
似あう
にくみあう
にらみあう、にらみあい
ののしりあう、ののしりあい
乗りあう、乗りあい(バス)
ばかしあう、ばかしあい
はげましあう
(はたしあう)、はたしあい
話しあう、話しあい
張りあう、張りあい; 張りあいがない
引きあう、引きあい 慣用的ないくつか違った意味がある。
引っ張(ぱ)りあう、引っ張(ぱ)りあう
触れあう、触れあい
響(ひび)きあう
ぶつかりあう、ぶつかりあい
ほめあう
混(ま)ざりあう
見あう、見あい(見合)
見つめあう
向きあう; 向かいあう、向かいあい
めぐりあう、めぐりあい
持ちあう、持ちあい
やりあう、やりあい
ゆずりあう、ゆずりあい
寄せあう、寄せあい
寄りあう、寄りあい <寄りあい>は最近はあまり使われようだが集まり、会合のこと。
わかちあう
わかりあう
分けあう
割りあう(割にあう)、割りあい、割り(に)あわない
(追加予定。いくらでもある)
以上は慣用的な言い方が多い。また元の意味からずれているものがある。<XXあう>の中立的な言い方は可能だ。以上の例では<愛しあう>以外は大和言葉になっているが、漢語を使った<xx しあう>
軽蔑しあう
遠慮しあう
尊敬しあう
理解しあう
(追加予定。これもいくらでもありそう)
は中立的なのが多く、また体言(名詞)形はあまり使われないようだ。
慣用的な言い方の<XXあう>では意味や使われ方にパターンがあるようだ。
1)戦い、スポーツ、けんかでの相(あい)対した動作
2)非難、口げんか
が目立つ。一方、これらの日本語を英語に訳すと、ほとんど取り立てて言う以外は each other はいらない。言い換えると英語の場合には動詞に each other の意が内包されているともいえる。これは日本語より効率がいいといえるが、言葉は効率が良ければいいというものでもないだろう。
これらは against each other。ただし対立的な言動とは限らず
折りあう、助けあう、なぐさめあう、ほめあう、ゆずりあう
と協調的な言い方も日常よく使う。 これらは for each other。
以上は<互いに(each other)>の意味以外に強調というか、それ以上に口調のよさが加わると言えそうだ。
上記以外に
与えあう
歌いあう
語りあう
からかいあう
混みあう
出しあう
食べあう
なぐさめあう
泣きあう
読みあう
分けあう (いまはやりの to share だ)
笑いあう
などは<互いに(each other)>だが二人の間の言動とは限らず<皆で互いに(each other)>、さらには<互いに>が抜けた<皆で>の状況が想像される。これらは each other ではなく together だ。
相性の<相>は大和言葉の<あい>だ。<あう>と相性の悪い動詞をさがしてみる。
純自動詞
遊び(あう)
歩き(あう)
かおり(あう)
聞こえ(あう)
ころがり(あう)
ころび(あう)
疲れ(あう)
におい(あう)
回り(あう)
見え(あう)
ただし状況により例外はありそう。
自動詞は相手を必要としないのでこうなるのだろう。逆にいえば <あう>は純自動詞をさがすリトマス試験紙になる。
出あう、出会い
ややこしいが<あう>は<合う>以外に<(人に)会う>の意味もある。だが<合う>も<会う>も<ふたつの違ったもの(ひと)が近づく、一緒になる>では共通している。共通はしているが微妙な違いがあるようだ。
会う - to meet
落ちあう、出あう、めぐり合う
<落ちる>、<出る>は自動詞。<めぐる>は<xx をめぐる>で他動詞
XX(いつ)YY(どこで)落ちあおう。
だが
XX(いつ)YY(どこで)落ちあわせよう。
でもいい。
<出あわせる>は<出あわす>が普通。<xxに出あわす>で<予期しないで会う>の意。
<めぐりあう>と<めぐりあわす>は微妙に違う。別途検討予定。
似(に)あうー <似る>は自動詞 - to fit、 to meet、形容詞では becoming。これは<会う>というよりは<合う>だ。
好き(あう)
きらい(あう)
<XXあう>と似て非なる<XXあわせる>があるが、これもおもしろく別途検討予定。
例
しあわせとのめぐりあい(めぐりあわせ)。
<しあわせ>は<しあわす>由来だ。<xx しあわす>とは<たまたまする>の意で、<ありあわあせ(たまたまある)>、<居あわせる(たまたまいる)>、<乗りあわせる(たまたま一緒に乗る>の類だ。
<めぐりあい>と<めぐりあわせ>は微妙に違い。
sptt
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