Friday, June 13, 2025

日本語の<xxれる>自動詞ー他動詞ペア、英語の自動詞、他動詞、他動詞の受身形

 

前回のポスと ” 自発動詞、<xxれる>動詞 ” で


英語では他動詞の受身形がよく使われるが、日本語では英語ほどはなく、自動詞―他動詞ペアが多く、このペア自動詞が英語の他動詞の受身形に相当する場合があるが、英語の自動詞に相当する場合もある。ここが肝心。例えば

英語の他動詞   ー  受身

to take (取る) ー  to be taken (取られる) ー 自発的な<取れる>
to destroy (こわす) ー  to be destroyed (こわされる) ー 自発的な<こわれる>
to break は日本語に似たところがあり
to break (こわす) ー  to be broken (こわされる) ー 自発的な to break (自動詞)<こわれる> 

自発的な<取れる>は<ボタンがとれる>の<とれる>で、英語では、the button comes off ( takes off、 is taken off でがない)或いは the button is off. <ボタンがとれている>。to take は自動詞用法もある。The plane takes off. 飛行機が離陸する。

to be destroyed は<こわされる>の意味が残っているが、to be broken の方は<こわされている>、<こわれている>といった意味合いが強い。一方自動詞の to break は、 

The machi8ne broke down yesterday.

といった言い方で、自発に近い。

もう少し例文をチェックしてみる。

to sell (売る) ー  to be sold (売られる) ー 自発的な<売れる>

to sell は to break と同じで、英語では to sell が他動詞にも自動詞にもなる。

Hanako sells flowers. This flower sells well.

to cut (切る) ー  to be sold (切られる) ー <切れる>

This knife cuts paper well. This knife cuts well.

<切れる>は自発とは言い難い。This knife cuts well. は日本語に訳すと<このナイフはよく切れる>になる。自発でないとすると、なにか? 可能、能力、性質を示すと考えられるが,

This knife cuts paper well. も可能、能力、性質を示す。しいて違いをさがせば、This knife cuts well. は具体的な目的語 (knife) がない分一般的記述と言えなくもない。だが This knife cuts anythings well.とすれば一般的記述になる。ところで

This knife cuts paper well.  

を日本語に直訳すると

このナイフは紙をよく切る。

になるが、こうはまず言わない。普通は

このナイフは紙がよく切れる。

で<切れる> が出てくる。これは<像は鼻が長い>構文に似ている。違いは<長い>が形容詞、<切れる>が動詞である点だ。<切れる>は<切る>に比べ動詞性が弱い。<切れる>は様態を示す形容詞と言えないこともない。

隠 (かく) れる ー 隠す

英語の to hide は自動詞と他動詞がある。

Taro hides in the closet. Hanako hides her jewels in the closet. 

Taro hides in the closet. は

太郎は物置部屋 (押し入れ) に隠れる。

だが、自発とは言い難い。これは

太郎は物置部屋 (押し入れ) に身を隠す。

も自然な日本語だ。一方英語も 

Taro hides himself in the closet.と他動詞表現もできる。これは一つの日本語―英語表現のパターンで、他にもありそう。

 

疲れる

<疲れる>は自発っぽい。

I get tired.

to get は<xxになる、to become>。だが、日本語では

<私は疲れる>とはまず言わない。<私は疲れた>ならいい。

<疲れた>は形容詞っぽい。I get tired easily.は<私は疲れやすい>だろう。<疲れやすい>は、少し長いが、状態を示す形容詞っぽい。動詞は to get だ。上の

<切れる>は様態を示す形容詞と言えないこともない。 

が参考になる。to get xxxxed よく使われる。

to get bored  あきる(自動詞)
to get disappointed  がっかりする(自動詞)

一方 tired、bored、disappointed は他動詞の受身形だ。だが他動詞用法もあり、こちらの方が英語的。

This work tires me.
His speech bores me.
The answer 'No' disappointed me. 

その他

to get hungry  お腹がすく  これは短いが文だ。<すく>は自動詞
to get angry  怒る <怒る>は自動詞

という言い方がある。

to get は人、人体関連とは限らない。

to get wet  濡れる
to get dry   乾く (自動詞)
to get hot   熱くなる (自動詞)

これらは

英語 to get 形容詞 ー 日本語自動詞でパターン化できそう。

 

なる

to get (to become) は日本語で言えば、自動詞に代表とも言える<なる>だ。

xxがyyになる

が full sentence だが、日本語では<xx>が 明らかな場合、たいていは<xx が>は省略されて<xxになる>となる。

<なる>は自動詞なので、使役形<xxにならす>、<xxにならせる>、<xxにならさせる>はあるが、受身形の<ならされる>はない。

無理やり社長になられた。

は尊敬。

無理やり社長にならされた。

は<社長にならす> 受身形。

この辺はややこしい。

<(xxが)yyになる>は

さなぎが蝶になる。
医者になる。
偉くなる。 

で自発性は弱い。

自動詞<なる>に関連する他動詞 としては<なす>があるが、<なす>は<なる>の単純な対応する他動詞ではない。

さなぎを蝶になす。(ダメ)
医者になす。
偉くなす。 (ダメ)

<なる>と並ぶ自動詞の代表は

起きる、起こる(発生する)

英語では to happen が連想されるが、同義語には

to occur, to take place, to come up などがある。また

I happened to see Hanako at the park near the school yesterday afternoon. 

という言い方がある。

日本語では<起こる ー 起こす>の自他ペアがある。

戦争が起きる (起こる)  ー 戦争を起こす
火事が起きる ー 火事を起こす
事故が起きる ー 事故を起こす 

to happen は<思いいがけないことが><起きる>ではいいが

A war happened. ややおかしい。A war happened unexpectedly. ならいい。

一方このような場合の<起こす>は、英語では to cause。日本語の方は、くどくなるが<引き起こす>が相当する。

現 (あらわ) れる

<現れる>も自動詞の代表と言える。

英語では to appear が連想されるが、同義語には

to become visible, to come into sight, to be seen などがある。
 
to appear の別の用法としては、日本語の<のように見える>相当の言い方がある。
 
Hanako sppears to be shocked.

日本語では<現れるー現す>の自他ペアがる。 

xxを現す> は

姿を現す。正体を現す。

のように使うが自動詞っぽい。

<姿を見せる、正体を見せる>で置き換えられる。<見せる>は to show。

 

<知 (し) れるー知る>の自他ペアもややこしい。

 <知れる>は<知る>の受身形<知られる>は微妙に違う。

<知れる>は自発っぽいところがある。

そんなことは知れている。知れたことだ。あたりまえだ。

 <そんなことは知られている>はダメだ。

<かもしれない>は常套句だが、これも<かも知られない>はダメ。<知れない>とはどういう意味か? <知れない>は<知れる>の否定、<知れている>の否定は<知れていない>だが<かも知れていない>はダメ。

<知れわたる>という言い方がある。<知られわたる>はダメ。<知れわたる>は<広く知られている>という意味なのだが<知られわたる>はダメなのだ。<知れる>は<知られている>という意味なのだが、どうも微妙に違うようだ。

上で

to be destroyed は<こわされる>の意味が残っているが、to be broken の方は<こわされている>、<こわれている>といった意味合いが強い。

と書いたが 

<知れる>は<こわれている>相当。経過は問わない。現状の様態。

<知られる>、<知られている>は<こわされている>相当。現状の様態だが、経過が少しからんでいる。だが微妙な違いだ。

と言えないか?


恐 (おそ) れる ー (   ) ー 恐れさす、恐れさせる。

<恐れる>は自動詞っぽいが<xxを恐れる>で他動詞だ。英語では to fear があり、チェックしてみると to fear xx とはあまりいわず、to fear for xx、あるいは I fear that xxxx というようだ。つまりは自動詞っぽい。よく使われる <恐れ>の程度は弱まるが、be afraid of、to be afraid that 相当だ。afraid は形容詞だ。他動詞の受身形では

be frightened

be frightened by xx ではなく be frightened of xx. これからすると frightened は形容詞だ。他動詞としては

A cockroach frightens me.


sptt



 

 

 

 

 

 


 


 

 



 

 

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