Monday, June 30, 2025

日本語の動詞活用、下一段活用


前々回のポスト

日本語の動詞活用、五段活用、上一段 / 下一段活用

の下一段活用の部分で


さて<寝る>は自動詞、<染める>は他動詞だ。 <寝る>に対応す他動詞はないが、<染める>に対応する自動詞は<染まる>。<染まる>は<染ま>を語幹とし<る>の部分が五段活用する。

と書いた。<染める>以外では、手元の辞書では<植える>、<受ける>、<捨てる>が紹介されている。すべて他動詞だ。

染める 他動詞 ー 染まる 自動詞

他動詞<染める>の下一段活用は

未然形 染めーない
連用形 染めーて、染めーます
終止形 染めーる
連体形 染めーるーとき、染めーるーところ
仮定形 染めーれば
命令形 染めーろ

語幹の<染め>は変化がない。<め>は<ま、み、む、、も>の<め>。

一方、自動詞<染まる>の五段活用は

未然形 染まーらーない
連用形 染まーりーて->染まって (音便) 、染まーりーます
終止形 染まーる
連体形 染まーるーとき、染まーるーところ
仮定形 染まーれば
命令形 染まーれ

語幹の<染ま>は変化がない。活用部の<ら、り、る、れ、ろ>の<ろ>がないが、 <ろ>は第二の未然形となっている。これは未然形に付く意思、推量の<う> (古語では<む>) が<ろ>につく。<染まろう>はひと昔は<染まらう> (古語では<染まらむ>) になっていた。

したがって

未然形 染まーらーない

未然形 染まーらーない、染まーろーう

としないと<ら、り、る、れ、ろ>の五段活用にならない。

命令形 染まーれ

の下に

推量、意思形 染まーろーう

を加えれば

<ら、り、る、れ、ろ>になる。

さて、下一段活用の動詞に戻ると

植える  他動詞 ー 植わる 自動詞  庭にxx植わっている。

受ける  他動詞 ー (受かる) 自動詞  試験に受かる。<受かる>は自動詞だが、他動詞<受ける>にそのままは対応しない。

捨てる 他動詞 ー 自動詞 ? 

でどうも下一段活用動詞は統一がとれていない、規則的でない。 これらだけでは不十分で、もう少し調べてみる。

得 (え) る

未然形 得 (え) ーない
連用形 得 (え) ーて
終止形 得 (え) ーる
連体形 得 (え) ーるーとき
仮定形 得 (え) ーれば
命令形 得 (え) ーろ 

<得 (え) る>の古語形は<ア行下二段活用>で

活用{え/え/う/うる/うれ/えよ}

未然形 得 (え) ーない
連用形 得 (え) ーて、得 (え) ーます
終止形 得 (う)
連体形 得 (う) ーるーときi
已然形 得 (う) ーれば
命令形 得 (え) ーろ

<う>と<え>があるので二段活用。<得 (う)>はもうほとんど使わないが、<得 (う) るとき>は今でも使うことがありそう。

XXえる

和 (あ) える (料理)  他動詞 ー ? (和う)

与 (あた) える 他動詞 ー ?

与 (あた) える

未然形 与 (あた) え ーない
連用形 与 (あた) え ーて
終止形 与 (あた) え ーる
連体形 与 (あた) え ーるーとき
仮定形 与 (あた) え ーれば
命令形 与 (あた) えーろ

与 (あた) える>の古語形は<与ふ>で<ハ行下二段活用>。

活用{へ/へ/ふ/ふる/ふれ/へよ}

未然形 与 (あた) へ ーず
連用形 与 (あた) へ ーて
終止形 与 (あた) ふ
連体形 与 (あた) ふ ーるーとき
已然形 与 (あた) ふ ーれば
命令形 与 (あた) へーよ

古語では

未然形<与 (あた) へ>+<れば>は今の仮定形<与 (あた) えれば>。発音は同じだ。一方已然形<与 (あた) ふ>+<れば>で意味が違う。現代語では<与えるので、与えたので>となる。

甘 (あま) える 自動詞 ー ?

未然形 甘 (あま) え ーない
連用形 甘 (あま) え ーて
終止形 甘 (あま) え ーる
連体形 甘 (あま) え ーるーとき
仮定形 甘 (あま) え ーれば
命令形 甘 (あま) えーろ

甘 (あま) える>の古語形は<ヤ行下二段活用>で

活用{え/え/ゆ/ゆる/ゆれ/えよ}

未然形 甘 (あま) え ーず
連用形 甘 (あま) え ーて
終止形 甘 (あま) ゆ
連体形 甘 (あま) ゆ ーるーとき
已然形 甘 (あま) ゆ ーれば
命令形 甘 (あま) えーよ 

<xxゆ>由来の<xxえる>は多い。

癒 (い) える 自動詞 (癒ゆ)ー 癒 (いや) す 他動詞

植 (う) える  他動詞 ー 植わる 自動詞  庭にxxが植わっている。

未然形 植 (う) え ーない
連用形 植 (う) え ーて
終止形 植 (う) え ーる
連体形 植 (う) え ーるーとき
仮定形 植 (う) え ーれば
命令形 植 (う) えーろ

植 (う)える>の古語形はややこしい。<ワ行下二段活用>で 

活用{ゑ/ゑ/う/うる/うれ/ゑよ}

未然形 植 (う) ゑ ーない
連用形 植 (う) ゑ ーて
終止形 植 (う)
連体形 植 (う) う ーるーとき
已然形 植 (う) う ーれば
命令形 植 (う )ゑーよ 

<ゑ>は見慣れない平仮名だが、昔は

wa, wi, u, we, wo

という発音があったようで、これは別の書き方をすれば

ua,  ui,  uu,  ue,  uo

つまりは

<u> + <a>、<i>、<u>、<e>、<o>

という音の組み合わせ。<u>は<a>や<e>に比べると、発音するのに力がいる。おそらく、このため使われなくなったのだろう。つまりは終止形、連体形、已然形の<植 (う) う>は発音しずらい。まだ結論ではないがe>は下一段活用で活躍する。

見慣れない平仮名がたくさん出てくる (とと思われる) 古語のワ行4段活用はない。また現代語のワ行五段活用は、ワ行とは言うが<わ>の一字しか出てこない。

買う

未然形 買わーない、買おう (*) 
連用形 買いてー>買って、買いーます
終止形 買う
連体形 買うーとき、もの
仮定形 買えば
命令形 買え

 (*)  <買おう>はワ行であれば<う>でもよさそうだが、ダメのようだ。

飢 (う) える

未然形 飢 (う) え ーない
連用形 飢 (う) え ーて
終止形 飢 (う) え ーる
連体形 飢 (う) え ーるーとき
仮定形 飢 (う) え ーれば
命令形 飢 (う) えーろ

飢 (う) える>の古語形は上の<植 (う)え る>に準じる。ワ行下二段活用飢 (う) える>は自動詞だ。

終 (お) える 他動詞 ー 終わる 自動詞

未然形 終 (お) え ーない
連用形 終 (お) え ーて
終止形 終 (お) え ーる
連体形 終 (お) え ーるーとき
仮定形 終 (お) え ーれば
命令形 終 (お) えーろ

終 (お) え る>の古語形はややこしい。終止形は<を・ふ 【終ふ】>で、自動詞 / 他動詞ハ行下二段活用。ハ行下二段活用活用は<与 (あた) える>で出てきた。{へ/へ/ふ/ふる/ふれ/へよ}

ネットでは<自動詞ハ行下二段活用>と<他動詞ハ行下二段活用>なっているが、これは間違いで他動詞ハ行下二段活用だけだろう。

自動詞 ハ行下二段活用の例。

https://kobun.weblio.jp/content/%E3%82%92%E3%81%B5


万葉集 一七六

「天地(あめつち)と共にをへむと思ひつつ仕へ奉(まつ)りし心違(たが)ひぬ」

[訳] 天地(が終わる)とともに(奉仕も)終わろうと思いつづけてお仕え申し上げた志とは違ってしまった。

訳文では<(奉仕も)終わろう>となっているが<(奉仕を)終えよう>という意味だろう。

つまりは<終 (お) える>が<終 (を) ふ>だ。 反対に言えば<終 (を) ふ>が<終 (お) える>に変わっていったのだ。これは大きな変化だ。さらに他動詞<終 (お) える>に対応する自動詞は<終わる>。<終わる>は古語では<終 (を) はる>。これはラ行四段活用。

未然形 終 (を) へ ーず
連用形 終 (を)) へ ーて
終止形 終 (を) ふ
連体形 終 (を) ふ ーるーとき
已然形 終 (を) ふ ーれば
命令形 終 (を) へーよ
 
未然形<終 (を) へ>+<れば>は今の仮定形<終 (お) えれば>。発音は同じだ。一方已然形<終 (を) ふ+<れば>は現代語では<終 (お) えるので、終えたので>となる。 ところで、已然形というのは、Wiki によれば
 

(いぜんけい)

  1. (文法) 日本語文語における用言助動詞活用形の一つ。六活用形の五番目におかれる。已然とは「すでにそうなっている」の意であり、助詞「」「」「ども」などを伴い順接逆接確定条件を表す。係り結びで「こそ」を受けるときにも表れる。

 ”

ということで、<順接や逆接の確定条件を表す>で、<終 (お) えるので>というよりは<終 (お) えたので、終えあるので>となるか。これはおもしろい問題だ。

さらに、古語<終 (を) はる>が<終わる>と、表記では<は>ー><わ>に変わっていることにも注意。他動詞、下一段活用<xxえる>ー 自動詞 五段活用<xxわる>は。これからでてくる。

おびえる (怯える)   (おびゆ)  自動詞 ー 

変 (か) える 他動詞 (変ふ)ー 変わる 自動詞 ー 上記<終える>参照
抱 (かか) える 他動詞 (抱 ふ)ー ?  かかわる(関わる)(かかはる)

<かかわる>(関わる、係る)という語があるが<抱 (かか) える>とは関係ないように見えるが、<関わる、係る>と漢字を使わずに<かかわる>とすれば (耳で聞けば同じだ) 、<かかえる>ー<かかわる>とすれは、<抱 (かか) える>が原意といえるのではないか。

数 (かぞ) える 他動詞 (数ふ)ー ? 

自動詞<数わる>はないようだが、少数派だが<植わる>はあるので、<植わっている>ー<植えられている>)、<数わる>ー<数えられている>でよさそう。少なくとも<数わる>は<数えられている>より簡潔だ。

かなえる (かなへる)  他動詞 ー かなう (かなふ) 自動詞

<かなえる>、<かなう>はややこしい。

<夢をかなえる>、<望みをかなえる>で他動詞。<望みにかなう>、<理にかなう>、<要求にかなう>で自動詞。さらに<かなわない>という言い方がある。<この相手にはかなわない>。<かなわない>の肯定は<かなう>で<対抗できる>といった意味だが、<毎日こう暑くてはかなわない>(主語がない、というか省略されている)といった言い方もある。

意味は

<かなえる>は<夢、望みを実現させる>。

<かなう>は自動詞だが<望みを、理 (道理) を、要求を満足させる>といった他動詞的な意味にもなる。  だが基本的な意味は<対応する>のようだ。

構える 他動詞 (構ふ)ー ? 

古語<構ふ>は他動詞ハ行下二段活用で、上に<与える、与ふ>ででてきた。現代語<構える>は<与える>に準じ

未然形 構え ーない
連用形 構え ーて
終止形 構え ーる
連体形 構え ーるーとき
仮定形 構 え ーれば
命令形 構 えーろ 

なのだが、<かまわない>という言い方があり、<構えない>とは違う。<かまう>は別の語で、 <かかわる>といった意味で、ワ行五段活用 活用形。これに対応する古語は<構ふ>だが、こちらはハ行四段活用で、活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}。現代語の<かまう>は<わ>がでてくるのでワ行五段活用。上の<買う>で出てきたが

未然形: かまわ(ない)、かまお(う)
連用
: かまい(ます)、かまっ(た、て)
終止
: かま
連体
: かまう(こと)
仮定
: かまえ(ば)
命令
: かまえ 

この<かまう>は日常よく使う。ややこしく自他両用動詞のようだ。下一段活用ではないので、これ以上は話を進めない。(別途検討)


消 (き) える (消ゆ)  自動詞 ー 消す 他動詞
越 (こ) える (越ゆ) 自動詞 ー 越す 自動詞 (移動動詞)

古語<越ゆ>は自動詞となっている。もっとも現代語<越 (こ) える>も<を>をとる移動動詞扱いで自動詞。すぐ上の

消 (き) える (消ゆ)  自動詞 ー 消す 他動詞

からすると<越す>は他動詞のようだが、これも<を>をとる移動動詞で自動詞扱いのようだ。<す>の使役性、他動詞化性から検討してもいいのではないか。移動動詞については、これまでいろいろ書いているが、とりあえずの結論めいたものは

<越える>、<越す>は自動詞はたまた他動詞 ー 移動動詞 - 4May 21, 2025

 のポストで、最後に

 

 <を>をとる移動動詞とは

1)基本的に自動詞
2)<を>は (通過点) 通過場所、通過物、場合によっては通過物そのものあらわし (示し)、動詞が働きかける対象 のような目的語を示すわけではない。

2)は思い切ってもっと簡単に

<を>は動詞内容が行われる場所を示す格助詞。

と言える。場所を示す格助詞では<へ>と<に>だが、<を>も移動動詞では場所を示す格助詞になるということだ。

” 

と書いている。

聞 (きこ) える (聞 (きこ) ゆ)  自動詞 ー 聞く 他動詞

これは

見える (見ゆ)  自動詞 ー 見る 他動詞

とともに重要な動詞だ。 世界の認識の根本で、これまでにも別のポストで何度か取り上げて詳しく検討している。

<聞 (きこ) える>は<なしえる>、<行ける>などからの連想から可能の<聞くことができる>の意にもとれるが、<自然と耳に入る>、他動詞<聞く>に対応する自動詞と見た方がいいだろう。<聞 (きこ) える>は古語の<聞 (きこ) ゆ) >由来で、<聞 (きこ) ゆ) >には可能の意はない。<聞 (きこ) ゆ) >はャ行下二段活用。ャ行下二段活用の代表と言ってもいい。

未然形 聞 (きこえ) ーず
連用形 
聞 (きこえ) ーて
終止形 
聞 (きこ) ゆ
連体形 
聞 (きこ) ゆ ーるーとき
已然形 
聞 (きこ) ゆ ーれば
命令形 
聞 (きこ) えーよ

聞 (きこ) ゆ、聞 (きこ) ゆ ーるーとき

はやや古臭いが、耳に入る響きはいい。 

肥 (こ) える (肥ゆ)  自動詞 ー 肥やす 他動詞
答 (こた) える (答ふ)  自動詞 ー ?

冴 (さ) える (冴ゆ)  自動詞 ー 冴 (さ)やす 他動詞 (聞いたことはない)

<頭が冴える> とは言うが<頭を冴やす>とは言わない。<頭が冷える>とは言わないが<頭を冷やす>と言う。

支 (ささ) える  (支ふ )  他動詞 ー ?
従 (したが) える  (従ふ)   他動詞 ー 従う  (従ふ)  自動詞

古語では他動詞従ふ>はハ行下二段活用で、活用{へ/へ/ふ/ふる/ふれ/へよ}

①  服従させる。従わせる。
②  引き連れる。後について来させる。

 で<従わせる>の意味もあったようだ。

一方、自動詞従ふ>はハ行四段活用で、活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}。

現代語の<従う>は<わ>がでてくるので、 ワ行五段活用 活用形。これも古語の<与ふ><構ふ>と同じく、ハ行四段活用 (活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ) ー>現代語のワ行五段活用への移行だ。

未然形: 従わ(ない)、従お(う)
連用形: 従い(ます)、従っ(た、て)
終止形: 従う
連体形: 従う(こと)
仮定形: 従え(ば)
命令形: 従え

<従う>は<xxに従う>以外に、<応じる>の意でxxに従って (従いて) >、独立して<したがって、xxxx>という言い方がある。

据 (す) える 他動詞 (据う) ー 据 (す) わる、座る 自動詞

<据 (す) える>の古語は<据う>で、ワ行下二段活用。<植 (う) う>と同じ。

活用{ゑ/ゑ/う/うる/うれ/ゑよ}

で<わ>の字、そして<わ>の音は出てこない。なにか変な感じだ。

ところが、古語では<据う>以外に<他動詞 ヤ行下二段活用>の<据ゆ>がある。

活用{え/え/ゆ/ゆる/ゆれ/えよ}

現代語の自動詞<据 (す) わる>は

肝 (きも) がすわっている。度胸がすわっている。

という言い方があるが、あまり一般的ではない。一方、関連語の<座る>は日常語で毎日のように使われている。<据わる>、<座る>は文字で書くと違いが読んだり、言ったりする時は<すわる>で同じだ。

添 (そ) える  (添ふ)  他動詞 ー 添 (そ) わる 自動詞

<添 (そ) わる>はほとんど聞かないが

<植わっている>と同じように<添えられている> の代わりに<添わっている>で使える。

花子には気品が添わっている。

<添 (そ) える>は上の<従 (したが) える>と似かよった意味がある。

xxに従って
xxに沿 (そ) って

だが、こちらの方は<沿 (そ) う>でワ行五段活用。

備 (そな) える  (備ふ)  他動詞 ー 備わる 自動詞 xxが備わっている

古語の<備ふ>は他動詞ハ行下二段活用。<備わる 自動詞> の古語は<備はる>で、ラ行四段活用で

活用{ら/り/る/る/れ/れ}

未然形 備はら ーず
連用形 備はり ーて
終止形 備はる
連体形 備はる ーとき
已然形 備はれ ーば
命令形 備はれ  (自動詞の命令形)

現代語の 自動詞<備わる>は頻繁ではないが、<xxが備わっている>などで使われる。<備えられている>より少し簡潔で日本語的だ。

そびえる (そびゆ)  自動詞 ー 
揃 (そろ) える (そろふ)他動詞 ー 揃う 自動詞

古語<そろふ>はややこしい。自動詞<そろふ>はハ行四段活用で

活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}

他動詞<そろふ>はハ行下二段活用で

活用{へ/へ/ふ/ふる/ふれ/へよ}

現代語の他動詞<揃 (そろ) える>は他動詞<そろふ>ハ行下二段活用由来だ。これは上の<備 (そな) ふ>に準じる。一方、現代語の自動詞は<揃 (そろ) う>は、古語の自動詞<そろふ>ハ行四段活用由来だ。これはラ行四段活用の備 (そな) はる>に準じない。くり返しになるが

未然形 備 (そな) はら ーず
連用形 備はり ーて
終止形 備はる
連体形 備はる ーとき
已然形 備はれ ーば
命令形 備はれ  (自動詞の命令形)

に対して

未然形 揃 (そろ) は ーず
連用形 揃 (そろ) ひ ーて
終止形 揃 (そろ) ふ
連体形 揃 (そろ) ふ ーとき
已然形 揃 (そろ) へ ーば
命令形 揃 (そろ) へ (自動詞の命令形)

現代語の自動詞<揃 (そろ) う>はワ行五段活用

未然形 揃 (そろ) わ ーず
連用形 揃 (そろ) い ーて、揃って
終止形 揃 (そろ) う
連体形 揃 (そろ) う ーとき
仮定形 揃 (そろ) え ーば
命令形 揃 (そろ) え (自動詞の命令形)

自動詞の命令形はまれにしか使わないだろう。

絶 (た) える (絶ゆ)自動詞 ー 絶やす 他動詞

<絶やす>の古語はやや複雑で

絶えす

[一] 自動詞サ行変格活用

活用{せ/し/す/する/すれ/せよ}

[二] 他動詞サ行四段活用

活用{さ/し/す/す/せ/せ}

ここではこれ以上詮索しない。

耐 (た) える (耐ふ)自動詞 ー ?

<耐える>は普通<xxに耐える>で自動詞だが、<xxを耐える>でもよさそう。また<xxが耐える>という純自動詞的なあまり聞かない。別途検討


たずさえる (たづさふ)他動詞 ー たずさわる 自動詞

これもややこしい。他動詞<たずさえる>と自動詞<たずさわる>では意味にズレがある。

意味のズレでは、後で出てくるが

受ける  他動詞 ー 受かる 自動詞

が顕著。 

従 (したが) える  他動詞 ー 従う  (従ふ)  自動詞  (したがって)

もややズレがある。

ズレがあまりない動詞もある。上で出てきたが

植 (う) える  他動詞 ー 植わる 自動詞  庭にxxが植わっている。
備 (そな) える 他動詞 ー 備わる 自動詞  xxが備わっている

これから出てくる 

つかまえる 他動詞 ー つかまる 自動詞 (これもややズレがある)
伝 (つた) える 他動詞 ー 伝わる 自動詞

現代語の<たずさわる>は<かかわり合う。関係する>といった意味だが、これに関連しては、上の方に

抱 (かか) える 他動詞 (抱ふ)ー ?  かかわる(関わる)(かかはる)
 
というのがある。 <?>マークつきだが、<関わる>の漢字にだまされてはいけない。もっとも、後から出てくるが
 
掛 (か) ける 他動詞 ー 掛かる 自動詞
 
という動詞がある。
 
称 (たた) える (称ふ)他動詞 ー ?
仕 (つか) える (仕ふ)自動詞 ー ?
(ドブが、通路が、言葉が / に)つかえる (つかふ) 自動詞 ー ? 
 
関連語に<さしつかえる>がある。
 
https://www.weblio.jp/content/%E3%81%95%E3%81%97%E3%81%A4%E3%81%8B%E3%81%88%E3%82%8B
 
デジタル大辞泉 

[動ア下一[文]さしつか・ふ[ハ下二都合悪いことが起こる。支障生じる。また、妨げとなる。「明日仕事に—・える」

 <さしつかえる>は自動詞で

(今日の疲労) が明日の仕事に差し支える 

のように使える。

つかまえる 他動詞 (つかまふ) ー つかまる 自動詞 <つかむ>という他動詞がある。

<つかまふ>はハ行下二段活用。活{へ/へ/ふ/ふる/ふれ/へよ}

未然形 つかまへ ーず
連用形 つかまへ ーて
終止形 つかまふ
連体形 つかまふ ーるーとき
已然形 つかまふ ーれば
命令形 つかまへーよ

古語<つかまふ>の意味は現代語の<つかまえる>の意のようだが、<つかまる>、<つかむ>の古語が見当たらない。

同じ様な意味では<とらえる>、古語<ろらふ>がある。

<つかまる>は<xxにつかまる>で、たとえば

手すりにつかまる

自動詞のようだが、<xxがつかまる>では

泥棒、犯人がつかまる

泥棒、犯人がつかまえられる

の意味になってしまう。

<つかまる>は<つかむ>の自動詞形といえそう。一方<つかむ>の受身形は<つかまれる>。 なにかややこしい。

伝 (つた) える(つたふ)他動詞 ー 伝わる(伝はる)自動詞

古語<つたふ>はネット辞典でチェックしてみると、自動詞用法と他動詞用法がある。

https://kobun.weblio.jp/content/%E4%BC%9D%E3%81%B5

学研全訳古語辞典

つた・ふ 【伝ふ】

[一] 自動詞ハ行四段活用  活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}

ある物に沿って移る。伝わる。

出典 万葉集 一八二六

「鶯(うぐひす)の木末(こぬれ)をつたひ鳴きつつもとな」

[訳] うぐいすがこずえに沿って飛び移りながらむやみに鳴いている。

(この自動詞用法は<を>をとる移動動詞賭していいだろう。<こずえを移る>←<家を移る>。現代語訳に<伝わる>がある)

[二] 他動詞ハ行下二段活用 活用{へ/へ/ふ/ふる/ふれ/へよ}

① 伝え残す。伝言する。伝授する。

出典 徒然草 一八

「これをいみじと思へばこそ、記(しる)しとどめて世にもつたへけめ」

[訳] これをすばらしいと思ったからこそ、記録にとどめて世に伝え残したのだろう。

② 伝え受ける。受け継ぐ。教わる。

出典 方丈記 

「父方の祖母(おほば)の家をつたへて」

[訳] 父方の祖母の家を受け継いで。

 一方古語<伝はる>の方は

https://kobun.weblio.jp/content/%E4%BC%9D%E3%81%AF%E3%82%8B

学研全訳古語辞典
 
つたは・る 【伝はる】
自動詞ラ行四段活用 活用{ら/り/る/る/れ/れ}

① 続く。ずっと…する。

出典源氏物語 桐壺

「三代(みよ)の宮仕へにつたはりぬるに」
[訳] 三代の天皇にずっとお仕えしたが。

②(昔から、また他のところから)伝わる。

出典源氏物語 橋姫

「御耳とまるばかりの手などは、いづくよりか、ここまではつたはり来(こ)む」

[訳] 御耳にとまるほどの琴の奏法などは、どこから、ここまで伝わって来るだろうか。

 伝 (つた) える(つたふ)他動詞 ー 伝わる(伝はる)自動詞

は他動詞、自動詞であまり意味のズレがない。

ニュースを伝える
ニュースが伝わる

とだえる(とだゆ)自動詞 ー ? (とだやす)

とだえる(とだゆ)は上の

絶 (た) える (絶ゆ)自動詞 ー 絶やす 他動詞 

に接頭辞<と>がついたものだが、対応する<とだやす>は使われないようだ。

唱 (とな) える (唱ふ)他動詞 ー ?

言う (言ふ) 、歌う (歌ふ) は元の音が残っているが、<唱 (とな) ふ>は<唱う>ではなく<唱える>に変わっている。

古語<言ふ>、<歌ふ>は他動詞ハ行四段活用で

活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}

(<言ふ>は自動詞ハ行四段活用もあるがやや特殊)

一方<唱 (とな) ふ> はハ行下二段活用で

活用{へ/へ/ふ/ふる/ふれ/へよ}

つまりは古語時代から活用が違うのだ。

言う (言ふ) 、歌う (歌ふ) と元の音が残っているのは、たとえば<言ふ>、<言う>は

未然形 言は ーず (古語の仮定は未然形を用いて<言はーば>
連用形 言ひ ーて
終止形 言ふ
連体形 言ふ ーとき
已然形 言へ ーば
命令形 言へ

現代語の自動詞<言う>はワ行五段活用

未然形 言わ ーず
連用形 言い ーて、言って
終止形 言う
連体形 言う ーとき
仮定形 言え ーば
命令形 言え
 
<下一段活用>の動詞は多いが、日本語の活用の基本は<五段活用>だろう。古語では<四段活用>。理由は<母音部>、すなわち
- a
- i
- u 
- e
- o  (四段活用ではこの母音部がない)
 
で異なる母音部を目いっぱい使っているので、動詞活用の差別化が容易(聞いてわかりやすい)だからだ。
 
実際には終止形、連体形の<- u  >は発音上は一番力がいる。さらに、おそらく終止形は、活用の代表みたいにあつかわれているが、一番使用頻度が低いのではないか。
 
 いずれにしても、基本的には古語の四段活用から現代語の五段活用への移行は表面的で、実際には変化、移行なしとも言える。

一方<唱 (とな) ふ>は上述のように他動詞ハ行下二段活用

未然形 唱へ ーず
連用形 唱へ ーて
終止形 唱ふ
連体形 唱ふ ーるーとき
已然形 唱ふ ーれば
命令形 唱 へーよ

現代語<唱える>は他動詞ア下一段活用で

未然形 唱え ーない
連用形 唱え ーて
終止形 唱え ーる
連体形 唱え ーるーとき
仮定形 唱え ーれば
命令形 唱えーろ 

古語の四段活用から現代語の五段活用への移行に比べると古語の下二段活用から現代語の下一段活用への変化、移行はかなり根本的な変化が起きている。

変化と言えばに、それこそ大昔に四段活用から下二段活用への変化、移行があったと考えられる。上述のように、日本語の活用の基本は<四段活用>(現代語では<五段活用>)で、これが下二段活用への変化、移行したと考えられる四段活用と下二段活用を比べてみると

未然形 言は ーず (古語の仮定は未然形を用いて<言はーば>
連用形 言ひ ーて
終止形 言ふ
連体形 言ふ ーとき
已然形 言へ ーば
命令形 言へ

未然形 唱へ ーず
連用形 唱へ ーて
終止形 唱ふ
連体形 唱ふ ーるーとき
已然形 唱ふ ーれば
命令形 唱 へーよ

下二段活用でも終止形では<唱ふ>が残っている。<唱へる>、あるいは<唱ふる>ではないのだ。だが、これも上で述べたが、実際終止形は一番使用頻度が低いようなので、四段活用のかすかな名残りにちかい。四段活用の下二段活用ヘの変化はかなりドラスティックだ。

さて、 古語の下二段活用から現代語の下一段活用への変化の話にもどると、繰り返しになるが、現代語<唱える>は他動詞ア下一段活用で

未然形 唱え ーない
連用形 唱え ーて
終止形 唱え ーる
連体形 唱え ーるーとき
仮定形 唱え ーれば
命令形 唱えーろ  
 
で、太字部も未然形、連用形の<-e>音に他つられて<-e>音になっている。これは<母音部>の多様性を放棄したことになる。言語の歴史ではこのようなこと (一般的には多様性の放棄) がよく起る。特にこの場合は徹底しており、下二段活用と比べてみると
 
未然形 唱へ ーず (仮定は<唱へ ーば>)
連用形 唱へ ーて
終止形 唱ふ
連体形 唱ふ ーるーとき
已然形 唱ふ ーれば
命令形 唱 へーよ
 
で、<ふ (ウ音) >が<エ音>に変わり、すべて<エ音>になっている。多様性の放棄は代償がともなうが、簡易化の利点 (簡単なこと) が代償を上回った、ということだろう。そして、この場合特に大きな問題はなかったようだ。
 
終止形に比べると連用形、連体形、そして仮定形は使用頻度が高い。過渡期では
 
連体形 唱 (とな) え ーるーとき
 
になるまで、古臭い言い方として

連体形 唱 (とな) う ーるーとき
 
 が使われていたのではないか?
 
 
捉 (とら) える 他動詞 ー ?  とらわる、とらわれる 自動詞
 
<捉 (とら) える>の受身は<捉えられる>。他動詞<捉える>の関連自動詞として<とらわる>、<とらわれる>がある。<とらわる>はあまり使われないが、<とらえらる>の意として使える。同じような意味で
 
つかまえる 他動詞 ー つかまる 自動詞 
 
がある。<つかまる>は <つかまえらる>の意トしてよく使われる。<つかまえらる>より簡潔だ。だが、<つかまる>は上でも取りあげたが

手すりにつかまる
 
という用法、意味がある。
 
一方<とらわれる>は 意味がズレていて
 
劣等感にとらわれる
旧習にとらわれる
 
などと使われる。意味は<とらえられる>とほぼ同じだが、対象が抽象的なものようだ。<とらえられる>よりは少し簡潔だ。
 
敵ににとらわれる
 
はダメだろう。
 
萎 (な) える (萎ゆ)自動詞 ー 
煮える(煮ゆ)自動詞 ー 煮る 他動詞

生 (は) える (生 (は) ゆ)自動詞 ー 生やす 他動詞

これは少しややこしい。古語<生ゆ>はヤ行下二段活用で、 

未然形 生 (は) え ーず
連用形 生 (は) え ーて
終止形 生 (は) ゆ
連体形 生 (は) ゆ ーるーとき
已然形 生 (は) ゆ ーれば
命令形 生 (は) えーよ

<xxゆ>由来の<xxえる>は多いのだが、現代語の他動詞が<生やす>のようになるのは、これまで取りあげた動詞では

甘 (あま) える (甘ゆ)自動詞 ー 他動詞?
癒 (い) える (癒ゆ)自動詞 ー 癒 (いや) す 他動詞
消 (き) える (消ゆ)  自動詞 ー 消す 他動詞
聞 (きこ) える (聞ゆ)  自動詞 ー 聞く 他動詞
越 (こ) える (越ゆ) 自動詞 ー 越す 自動詞 (移動動詞)
肥 (こ) える (肥ゆ)  自動詞 ー 肥やす 他動詞
冴 (さ) える (冴ゆ)  自動詞 ー 冴 (さ)やす 他動詞 (聞いたことはない)
そびえる (そびゆ)  自動詞 ー そびやかす 他動詞
据 (すえ) る(据ゆ) 他動詞 ー
絶 (た) える (絶ゆ)自動詞 ー 絶やす 他動詞
とだえる(とだゆ)自動詞 ー ? (とだやす)
萎 (な) える (萎ゆ)自動詞 ー 
煮える(煮ゆ)自動詞 ー 煮る 他動詞  

これから出てくるのでは

映 (は) える (映ゆ)  自動詞 ー 
冷 (ひ) える (冷ゆ)  自動詞 ー 冷やす 他動詞
増 (ふ) える (増 ゆ) 自動詞 ー 増やす 他動詞
吠 (ほ) える (吠ゆ)  自動詞 ー
燃 (も) える (燃ゆ) 自動詞 ー 燃やす 他動詞

したがって

生 (は) える (生 (は) ゆ)自動詞 ー 生やす 他動詞

 は一般化されていると言える。

 <xxす>は使役的な意味があり、接続は

未然形+す

五段活用であれば

行かす、書かす、済ます、富ます、泣かす、読ます

下一段活用の場合は

未然形 生 (は) え ーず ー> 生 (は) え ーす

になるのだが、こうはならず<生やす> 。その他も同じ。

癒 (い) えす ダメ  癒 (いや) す
肥 (こ) えす ダメ  肥やす

(以下略)

したがって<生やす>は下一段活用 (古語では下二段活用) 由来というよりは、独自の他動詞形成だろう。

映 (は) える (映 (は) ゆ)自動詞 ー  (映 (は) やす)、映 (は) えさす 他動詞
冷 (ひ) える (冷 (ひ) ゆ) 自動詞 ー 冷やす 他動詞
控 (ひか) える (控ふ)  他動詞 / 自動詞
ふえる (増える) (ふゆ) 自動詞 ー ふやす 他動詞

<増ゆ>という古語は使用頻度が少ないようだ。<増 (ま) す>は自動詞 / 他動詞兼用。

踏 (ふ) まえる (踏まふ) 他動詞 ー ?
震 (ふる) える (震ふ) 自動詞 ー 震わす 他動詞
吠 (ほ) える (吠ゆ) 自動詞 ー

迷 (まよ) える (迷ふ)自動詞 ー 迷わす 他動詞 
燃 (も) える (燃ゆ)自動詞 ー 燃やす 他動詞
もだえる (もだゆ)自動詞 ー ?

わきまえる (わきまふ)他動詞 ー ?

<xxえる>はややこしい。古語にさかのぼれば

XXふ ー ハ行下二段活用
XXゆ ー ヤ行下二段活用
XXう ー ワ行下二段活用

由来の三つがある。

また、<える>には可能用法がある。

使える
取りえる ー> 取れる
行きえる ー> 行ける
勝ちえる ー> 勝てる

 ーーーー

XXける

明 (あ) ける 自動詞 ー 明かす 他動詞  夜が明ける / 夜を明かす
空ける 他動詞 ー 空く 自動詞  席を空ける、席があく
上 (あ) げる 他動詞 ー 上がる 自動詞
あざける 他動詞 ー ?
預 (あず) ける (預かる)  他動詞 ー ?
荒 (あら) げる 他動詞 ー ?  声を荒げる
生 (い) ける 他動詞 花を生ける ー ?
いじける 自動詞 ー ?
受ける  他動詞 ー (受かる) 自動詞  これはややこしい。別途検討。
おじける  (おじる)  自動詞 ー 
おどける 自動詞 ー 

かかげる (掲げる)  他動詞 ー ?
掛ける  他動詞 ー 掛かる 自動詞
賭ける 他動詞 ー 賭かる 自動詞
駆ける 自動詞 ー 
欠ける 自動詞 ー 欠く、欠かす 他動詞
陰 (かげ) る 自動詞 ー ?
かたげる (かたぐ)  自動詞 ー ?  方言か?
かまける 自動詞 ー ?
からげる 他動詞 ー  からがる 自動詞
くじける  自動詞 ー くじく 他動詞
こける 自動詞 ー ?  づっこける
焦げる  自動詞 ー 焦がす 他動詞
ころげる、ころがる  自動詞 ー ころがす 他動詞  笑いころげる

ささげる (捧げる)  他動詞 ー ?
さずける (授ける) 他動詞 ー ?
さける (割ける) 自動詞 ー 割く 他動詞
下 (さ) げる 他動詞 ー 下がる 自動詞
避ける  他動詞 ー ?
さばける 自動詞 ー さばく(裁く)  さばけやつだ。<さばける>と<裁く>は相当ズレがある。<裁ける>は<裁く>の可能形。

妨 (さまた) げる  他動詞 ー ?
湿気 (しけ) る 自動詞 ー ?
しげる (茂る) 自動詞 ー ?
しいたげる  他動詞 ー ?
しょげる 自動詞 ー ?   しょげかえる
しらける 自動詞 ー ?
透 (す) ける 自動詞 ー 透かす 他動詞
すすける 自動詞 ー ?
ずるける 自動詞 ー ?
削 (そ) げる 自動詞 ー 削ぐ 他動詞
そむける 他動詞 ー そむく 自動詞 <そむける>、<そむく>は意味が異なる。顔をそむける。上司にそむく。

たいらげる 他動詞 ー ?
たける 自動詞 ー ?   たけり狂う
助ける 他動詞 ー 助かる 自動詞
たまげる 自動詞 ー ?   方言か?
だらける 自動詞 ー ?
たわける 自動詞 ー ?

付 (つ) ける 他動詞 ー 付く 自動詞
xxつける

押しつける、くくりつける、取りつける、はりつける、見つける、盛りつける、割りつける

つなげる、つなぐ 他動詞 ー つながる 自動詞

続ける 他動詞 ー 続く 自動詞
てなづける 他動詞 ー ?
溶 (と) ける 自動詞 ー 溶かす 他動詞
どける (どかす)  他動詞 ー どく 自動詞
届ける 他動詞 ー 届く 自動詞
捉 (とら) える (とらふ)他動詞 ー  自動詞 捉 (とら) わる(とらはる)
とろける 自動詞 ー とろかす 他動詞

投げる 他動詞 ー ?
なまける  他動詞 
にやける 自動詞 ー ?
逃 (に) げる 自動詞 ー 逃がす 他動詞  (逃 (の) がれる 自動詞 ー 逃 (の) がす 他動詞)
抜 (ぬ) ける 自動詞 ー 抜く 他動詞
のける 他動詞 ー のく 自動詞

はける 自動詞 ー はく 他動詞  在庫がはける / 在庫をはく
はげる  自動詞 ー はがす 他動詞  頭がはげる。ペンキがはげる
化 (ば) ける 自動詞 ー 化かす 他動詞
弾 (はじ) ける 自動詞 ー 弾く 他動詞
肌ける (はだける)
ひける 自動詞 ー 引く 他動詞  <引ける>は<引く>の可能だが、<学校がひける>、<洪水 (大水) がひける>という言い方がある。
ひしゃぐ、ひしゃげる  自動詞 ー ?  方言か?
広げる 他動詞 ー 広がる 自動詞

形容詞+<ける、げる>

形容詞は大体形容詞+<まる、める>

広める 他動詞 ー 広まる 自動詞
せばめる 他動詞 ー せばまる 自動詞
高める 他動詞 ー 高まる 自動詞

広げる 他動詞 ー 広がる 自動詞

は例外だ。 また

広める 他動詞 ー 広まる 自動詞

また意味は似ているがが少しずれているようだ。

うわさを広げる ー うわさが広がる
うわさを広める ー うわさがまる

キリスト教を広げる ー キリスト教が広がる
キリスト教を広める ー キリスト教が広まる

疫病を広げる ー 疫病が広がる
疫病を広める ー 疫病が広まる 


ふける (老いる)  自動詞 ー ?
ふける 自動詞 ー ふかす 他動詞  芋がふける / 芋をふかす
ふざける 自動詞 ー ?
ぶつける 他動詞 ー ぶつかる 自動詞
ふやける 自動詞 ー ふやかす 他動詞
ぼける 自動詞 ー ぼかす 他動詞  <ぼける>と<ぼかす>は意味が違うが、同根だろう。古 (ふる) ぼける。

ほどける 自動詞 ー ほどく 他動詞
ぼろける 自動詞 ー ?

負 (ま) ける 自動詞 ー 負かす 他動詞
向 (む) ける 他動詞 ー 向く 自動詞
むける 自動詞 ー むく 他動詞  リンゴん皮をむく
もげる 自動詞 ー もぐ 他動詞  リンゴをもぐ、もぎとる

焼 (や) ける 自動詞 ー 焼く 他動詞
やわらげる 他動詞 ー やわらぐ 自動詞
揺 (ゆ) らげる 他動詞 ー 揺らぐ 自動詞 (揺らす 他動詞 ー 揺れる 自動詞)
よける (避ける) 他動詞 ー

分 (わ) ける 他動詞 ー 分かれる、別れる 自動詞

カ行五段活用

書かない、書こう
書きてー>書いて(音便)
書く
書くとき
書け

可能形は<書ける>。ネットでは


https://www.kokugobunpou.com/%E7%94%A8%E8%A8%80/%E5%8B%95%E8%A9%9E-10-%E5%8F%AF%E8%83%BD%E5%8B%95%E8%A9%9E/#gsc.tab=0

五段活用動詞の未然形+「れる」が1語の動詞になったもの

(例) 読ま五段未然れる読める

というのがあるが、 <まれる>が可能の意で、<読まれる>ー><読める>と変化した、ということだが、上の<xxえる>の最後で

<える>には可能用法がある。使える
取りえる ー> 取れる
行きえる ー> 行ける
勝ちえる ー> 勝てる

と書いた。これが応用できるだろう。

読みえる (得る)  ー> 読める

が自然だ。だが、実情はもっと複雑のようで、Wiki には<可能動詞>として次のような長い顔説がある。

可能動詞
(かのうどうし)とは、現代日本語共通語)において五段活用の動詞を下一段活用の動詞に変化させたもので、可能(行為をすることができること)の意味を表現する。「書く」に対する「書ける」、「打つ」に対する「打てる」の類をいう。室町時代に発生し、次第に元来の可能の助動詞「〜れる」を用いる語法に取って代わった。

可能動詞の例

五段活用動詞 可能動詞
あ行  会う・買う・扱う  会える・買える・扱える
か行  行く・書く・歩く  行ける・書ける・歩ける
が行  漕ぐ・研ぐ・泳ぐ   漕げる・研げる・泳げる

以下略

五段活用の動詞を下一段活用の動詞に変化させたもの、とあり、このポスト<日本語の動詞活用、下一段活用と大いに関係がある)

「行くことができる」という可能を表す表現には、「行ける」のほかに「行かれる」もある。「行ける」が可能のみを表すのに対し、「行かれる」は自発尊敬受身の意味でも使われる。

(「行かれる」を「行くことができる」の意で使うことはまでれだ。自発の「行かれる」とはどういう意味か? <行く>は自動詞なので、受身の「行かれる」もよくわからない。<太郎に行かれては困る>という言い方がある。これは<夜中に赤ん坊に泣かれて困った>の類の言い方で、迷惑表現と言える。)

「行かれる」のような「~れる・られる」の形は、古語の「~る・らる」の形から変化したものだが、「行ける」のような可能動詞はそれとの関係は不明である。由来には大きく2説があり、「知るる(知れる)」等からの類推で、従来からあった四段(後に五段)活用動詞に対する下二段(後に下一段)段活用の自発動詞が一般化した(類似の動詞の項を参照)という説[1]と、「行き得(る)」のような「連用形+得(る)」の表現が変化したという説[2]とがある。

下二段(後に下一段)段活用の自発動詞が一般化した、の箇所も下一段活用と大いに関係がある。ここで<自発動詞<とは自動詞のことだろう。だが複雑のようだ。<「行き得(る)」のような「連用形+得(る)」の表現が変化したという説>がだ妥当と思われる。)


可能表現の変化

元来は可能動詞を使わず、動詞の可能を表すには助動詞「る・らる」(現代の「れる・られる」)を用いていた。今は「読む」のような五段活用動詞の可能を表すには、専ら可能動詞を使って「読める」とするが、鎌倉時代頃には「読まるる(読まれる)」の形のみが認められていたのである。

可能動詞の発生は室町時代まで遡るが、多く用いられるようになったのは近代に至ってからである。

そうして可能動詞の使用が一般に広まるにつれ、逆に旧来の可能表現「れる」が耳慣れないという理由だけで疑問視されるような風潮も現われてくる。例えば「○○方面へは行かれません」という道路標識を見て「間違いではないか?」と行政に問い合わせることなどがある[要出典]。しかし「行かれる」など一部の「動詞+れる」については、これを可能の意味で使うことはしばしば行われている[3]


類似の動詞

可能動詞と別に、五段活用に対する下一段活用(古くは下二段活用)の自発動詞も数は少ないが存在する。例えば「切る」に対する「切れる」や、「裂く」に対する「裂ける」などがある。「気が置けない」という慣用句も、「気を置くことができない」ではなく、「気が置かれない」という意味である。

(切る」に対する「切れる」、裂く」に対する「裂ける」が自発動詞トなっているが、「切れる」、「裂ける」は自動詞と見た方がいい。)

注)カッコ内はsptt

 さてカ行五段活用に戻ると

書かない、書こう
書きてー>書いて(音便)
書く
書くとき
書け

Wiki の解説では<書ける>は 

五段活用の動詞を下一段活用動詞に変化させたもの

ということで<書く>を下一段活用動詞に変化させると

未然形 書けーない
連用形 
書けーて、書けーます
終止形 
書けーる
連体形 
書けーるーとき
仮定形 
書けーれば
命令形 
書けーろ 

書け>がややおかしいが、<書く>の可能動詞化と言える。<xく>、<xxく>動詞は少ない。アイウエオ順に並べてみる。

<xく>

あく(空く、開く、飽く、明く)
空く 自動詞 ー 空ける 他動詞   <空ける>に可能の意はない。
開 (あ) く 自動詞 ー 開(あ) ける 他動詞   可能 開かる,開からない
飽く、飽きる 自動詞 ー 飽かす 他動詞   可能 
明く、明ける 自動詞 ー 明かす 他動詞   <明ける>に可能の意はない。 
行く 自動詞   可能 行ける、行けない
置く 他動詞   可能 置ける、置けない

書く 他動詞   可能 書ける、書けない
聞く 他動詞   可能 聞ける、聞けない

効く 自動詞   可能 <効く>自体に能力、可能の意味がある。
割 (さ) く 裂く 他動詞 ー 割ける、裂ける 自動詞、 可能 割ける、割けない、使役 割かす

咲く 自動詞 ー 咲かす 他動詞、使役

避く、避ける 他動詞

急 (せ) く 自動詞/ 他動詞  気がせく、気をせく、息をせく ー 急 (せ) かす 使役

炊 (た) く 他動詞 ー 炊ける 自動詞  可能 炊ける、炊けない 使役 炊かす
付く 自動詞 ー 付ける 他動詞

着く 自動詞 ー 着かす 使役   可能 着ける、着けない 
解く 他動詞 ー 解ける 自動詞  可能 解ける、解けない

溶く 他動詞 ー 溶ける 自動詞  可能 溶ける、溶けない

泣く、鳴く 自動詞 ー 泣かす、鳴かす 使役  可能 鳴ける、鳴けない
抜く 他動詞 ー 抜ける 自動詞  可能 抜ける、抜けない

履 (は) く 他動詞   可能 履ける、履けない

吐く 他動詞   可能 吐ける、吐けない
ひく (引く、曳く、弾く、惹く )

引く 他動詞   可能 引ける、引けない  <気がひける>の<ひける>は自動詞。
曳く 他動詞   可能 曳ける、曳けない
弾く 他動詞   可能 弾ける、弾けない
惹く 他動詞   可能 惹ける、惹けない  <気をひく>の<ひく>。だが<気がひける>の<ひける>とは違うようだ。普通は<気が惹かれる>だろう。

吹く(噴く) 他動詞 ー 吹かす 使役  可能 吹ける、吹けない

拭く 他動詞   可能 拭ける、拭けない

撒 (ま) く向く 他動詞   可能 撒ける、撒けない
剥 (む) く (皮を剥く) 他動詞   可能 剥 (む) ける、剥 (む) けない

焼く 他動詞 ー 焼ける 自動詞   可能 焼ける、焼けない

沸く(湧く) 自動詞 ー 沸かす(湧かす) 他動詞、使役

嗅 (か) ぐ  他動詞   可能 嗅 (か) げる、嗅 (か)げない
漕 (こ) ぐ 他動詞   可能 漕げる、漕げない
削 (そ) ぐ 他動詞   削 (そ) げる 自動詞   可能 削げる、削げない
継 (つ) ぐ 他動詞   可能 継げる、継げない
研 (と) ぐ 他動詞   可能 研げる、研げない
剥 (は) ぐ  剥 (は)ぐる  他動詞 ー 剥 (は) げる 自動詞  可能 剥げる、剥げない、剥ぐれる、剥ぐれない

<道にはぐれる>は別物か? <離れる>の意は同根。

もぐ (梨をもぐ) 他動詞 ー もげる 自動詞   可能 もげる、もげない

問題は自動詞 (Wiki では自発動詞) と可能動詞が同形になる場合だ。

<xxく>、<xxxく>についても少しチェックしてみる。

仰ぐ  可能 仰げる、仰げない
あばく 可能 あばける、あばけない
歩く  可能 歩ける、歩けない
急ぐ  可能 急げる、急げない
動く   可能 動ける、動けない
うずく  
泳ぐ  可能 泳げる、泳げない 

かせぐ 可能 かせげる、かせげない 
かつぐ 可能 かつげる、かつげない 
くじく 他動詞 ー くじける 自動詞

くどく 可能 くどける、くどけない

さばく(裁く) 可能 裁ける、裁けない
そむく  可能 そむける、そむけない   上で取り上げたが<顔をそむける>というい方がある。

たたく 可能 たたける、たたけない
たじろぐ
嫁 (とつ) ぐ  可能 嫁げる、嫁げない 
届く  自動詞 ー 届ける 他動詞  <届く>自体に能力、可能の意味がある。
とどろく(轟く)

なびく 可能 なびける、なびけない
除く  可能 除ける、除けない
のぞく(覗く) 可能 覗ける、覗けない

はじく(弾く) 他動詞 ー はじける 自動詞  可能 はじける、はじけない
はたく  可能 はたける、はたけない
働く   可能 働ける、働けない
省 (はぶ) く  可能 省ける、省けない
ひしめく
響 (ひび) く
ひらめく
ふさぐ(塞ぐ)  他動詞 ー 塞がる 自動詞  可能 塞げる、塞げない
防 (ふせ) ぐ  可能 防げる、防げない

みつぐ(貢ぐ)  可能 貢げる、貢げない

やぶく  他動詞 ー やぶける 自動詞  可能 やぶける、やぶけない

ゆるぐ

問題は自動詞 (Wiki では自発動詞) と可能動詞が同形になる場合だが、以外と少ない。

ところで、<xxける>動詞にはおもしろい動詞がすくない。 アイウエオ順に並べてみると

あざける 他動詞
いじける 自動詞
おじける  (おじる)  自動詞
おどける 自動詞

かまける 自動詞  仕事にかまけて、家庭をおろそかにする
こける 自動詞  づっこける
ころげる、ころがる  自動詞 ー ころがす 他動詞  笑いころげる

しょげる 自動詞   しょげかえる
しらける 自動詞
すすける 自動詞
ずるける 自動詞
そむける 他動詞たいらげる 他動詞

たいらげる 他動詞 ー ?
たまげる 自動詞  方言か?
だらける 自動詞
たわける 自動詞

なまける  他動詞 他動詞 ー 届く 自動詞
にやける 自動詞

はげる  自動詞 ー はがす 他動詞  頭がはげる、ペンキがはげ

ばける (化ける) 自動詞 ー 化かす 他動詞
ひしゃげる、ひしゃぐ  自動詞  方言か? <押しつぶされる>の意。
ふける (老いる)  自動詞
ふざける 自動詞 
ふやける 自動詞
ぼける 自動詞
ほどける 自動詞 ー ほどく 他動詞
ぼろける 自動詞   ぼろけた家、ぼろけた車

むける 自動詞 ー むく 他動詞  一皮 (ひとかわ) むける、リンゴん皮をむく
もげる 自動詞 ー もぐ 他動詞  リンゴをもぐ、もぎとる

共通事項

1)人の否定的、非難的、ほめられたものではない言動を示す自動詞が多い。

あざける
いじける
おじける
おどける
かまける
しょげる
ずるける
だらける
たわける
なまける
にやける
はげる
ふける (老いる)
ふざける
ぼける
ぼろける

2)必要以上の弛緩 (リラックス)、主に人の言動関連 (重複あり)

おどける
しらける
だらける
たわける
なまける
にやける
ふざける
ぼける
ほどける 

3)上の 2) に関連するが  正常、本来からの離脱、変形  (重複あり)

かまける
こける  づっこける
ずるける
だらける
たわける
とける (溶ける)
どける
とろける
なまける
のける
はげる
ばける (化ける)
ひしゃげる
ふける (老いる)
ふやける
ぼける
ほどける
むける (皮がむける)
もげる

2)、3)はある意味ではユーモアの源泉といえる。

4)強調っぽいもの

たいらげる

 ーーーーー

XXせる

あせる 自動詞 ー ?
あびせる 他動詞 ー ?
失 (う) せる 自動詞 ー ?
知らせる 他動詞 ー ? 

済ませる(済ます) 他動詞 ー ?

乗せる 他動詞 ー 乗る 自動詞  バスに乗る
載せる 他動詞 ー 荷物を車に載せる、荷物を棚に載せる
馳 (は) せる(馳す)自動詞 ー ?
伏 (ふ) せる (伏す) 他動詞 ー ? 身を伏せる、身を伏す

<身を>は省略できる。 省略すると自動詞のように見える。

待ち伏せる 他動詞 ー ? これは<待つ>にひかれたものか?
任 (まか) せる (任す) 他動詞 ー ?
ませる 自動詞 ー ?  ませた子
見せる(見す)他動詞 ー ?
むせる 自動詞 ー ?
痩 (や) せる 自動詞 ー ?
寄せる(寄す) 自動詞 / 他動詞  波が寄せる(寄す)。身をを寄せる(寄す)

混 (ま) ぜる 他動詞 ー 混ざる 自動詞 

注)<せる>は使役の助動詞で、未然形+<せる>は使役となるので、これと区別しないといけない。  

行かせる
言わせる
書かせる
させる
立たせる
泣かせる  これは例外で使役とは言い難い。
履かせる
読ませる
割らせる

多様性と言えるが、以上は<xxす>、場合によっては<xxさせる>で 置き換えられる。

行かせる、行かす、行かさせる
言わせる、言わす、言わさせる
書かせる、書かす、書かさせる 

(以下略)

ややこしいのは上の<xxける>で紹介したが "可能動詞" というのがあり (Wiki)

可能動詞(かのうどうし)とは、現代日本語共通語)において五段活用の動詞を下一段活用の動詞に変化させたもので、可能(行為をすることができること)の意味を表現する。

というもので

押す ー 押せる
貸す ー 貸せる
消す ー 消せる
越す ー 越せる
こなす ー こなせる
指す、刺す ー  指せる、刺せる
足す ー 足せる
出す ー 出せる
干す ー 干せる
燃す ー 燃せる

さらに、これまたややこしいが

<xxせる>、 <xxす>が両立する動詞がある。使役ではない。<xxす>はやや古い言い方だ。

済ませる ー 済ます  他動詞
馳 (は) せる ー 馳す 自動詞
伏せる  ー 伏す  他動詞
任せる ー 任す   他動詞
寄せる ー 寄す  自動詞 / 他動詞

さらに、漢語+<す (る) >の場合はもっとややこしくなる。

一語漢語+<す (る)>

愛す(る) ー 可能 愛せる、 否定 愛さない (<愛しない>はダメ)
圧す(る) ー 可能 圧せる、 否定 圧さない / 圧しない
案ず(る)(案じる)ー 可能 案ぜる(ダメ)、案じられる (可能、自発)、否定 案じない
介す(る) ー 可能 介せる、介せられる (可能、受身)、否定 介さない  意に介さない
課す (る) ー  可能 課せる、 否定 課さない (<課しない>はダメ)
感ず (る)(感じる) 可能 感ぜる(ダメ)、 感じられる (可能、自発)、感じれる (可能)、否定 感じない
帰す (る) ― 可能 帰せる、帰せられる (可能、受身)、帰せれる (可能)、 否定 帰さない / 帰しない供す (る) (供じる) 可能 供せる、供せられる (可能、受身)、供せれる (可能)、 否定 供さない / 供しない
禁ず (る)(禁じる) 可能 禁ぜる(ダメ)、 禁じられる (可能、受身)、禁じれる (可能)、否定 禁じない
決す (る)  可能 決せる、 決せられる (可能)、決せれる (可能)、否定 決しない
献ず (る)(献じる) 可能 献ぜる(ダメ)、献じられる (可能、受身)、献じれる (可能)、 否定 献じない
参ず (る)(参じる) 可能 参ぜる(ダメ)、参じられる (可能)、参じれる (可能)、 否定 参じない
称する  可能 称せる、称せられる (可能、受身)、称せれる (可能)、 否定 称さない
信ず (る)(信じる) 可能 信ぜる(ダメ)、信じられる (可能)、参じれる (可能)、 否定 信じない
制す (る)  可能 制せる、制せられる (可能、受身)、 否定 制さない / 制しない
煎ず (る)(煎じる) 可能 煎ぜる(ほぼダメ)、煎じられる (可能、受身)、煎じれる (可能)、 否定 煎じない
先ず (る)(先じる) 可能 先ぜる(ほぼダメ)、先じられる (可能、受身)、先じれる (可能)、 否定 先じない
損ず (る)(損じる) 可能 損ぜる(ダメ)、損じれる (可能)、 否定 損じない
達す(る)  可能 達せる(ダメ)、達せられる (可能、受身、自発)、達せれる (可能)、 否定 達しない (達さない)
徴す(る)  可能 徴せる、徴せられる (可能、受身)、徴せれる (可能)、否定 徴さない / 徴しない
呈す(る)  可能 呈せる、呈せられる (可能、受身)、呈せれる (可能)、否定 呈さない / 呈しない
徹す(る)  可能 徹せる、徹せられる (可能、受身)、徹せれる (可能)、否定 徹しない
任ず (る) (任じる) 可能 任ぜる(ほぼダメ)、任じられる (受身)、任じれる (可能)、否定 任じない
排す (る)  可能 排せる、排せられる (受身)、排せれる (可能)、否定 排さない 
免じる(免じる) 可能 免ぜる(ほぼダメ)、免じられる (可能、受身)、免じれる (可能)、免じられる (受身)、否定 免じない
要す(る) 可能 要せる、要せられる (可能、受身)要せれる (可能)、否定 要さない / 要しない

一語漢語+<す (る)>は相当ややこしい。<ややこしい>理由の一つは大和言葉+<す>との混乱だろう。

<する>は古語の<す>由来。ともにサ行変格活用で 

古語の<す>

未然形 せーず、せーば(仮定)
連用形 し―て
終止形 す
連体形 するーときi
已然形 すーれば
命令形 せ ーよ 

<する>

未然形 しーない、される(受身)
連用形 し―て、しーます
終止形 する
連体形 するーとき
仮定形 すれーば
命令形 し ーろ

例えば

愛す(る) ー 可能 愛せる、 否定 愛さない (<愛しない>はダメ)
課す (る) ー  可能 課せる、 否定 課さない (<課しない>はダメ)
介す(る) ー 可能 介せる、介せられる (可能、受身)、否定 介さない  意に介さない<意に介しない>はほぼダメ。
供す (る) (供じる) 可能 供せる、供せられる (可能、受身)、供せれる (可能)、 否定 供さない / 供しない
称する  可能 称せる、称せられる (可能、受身)、称せれる (可能)、 否定 称さない  / 称しない  
制す (る)  可能 制せる、制せられる (可能、受身)、 否定 制さない (<制しない>はほぼダメ)
徴す(る)  可能 徴せる、徴せられる (可能、受身)、徴せれる (可能)、否定 徴さない / 徴しない  
排す (る)  ー 可能 排せる、排せれる (可能)、排せられる (受身)、否定 排さない / 排しない
要す(る) 可能 要せる、要せられる (可能、受身)要せれる (可能)、否定 要さない / 要しない 

以上は可能<xxせる>がOK。すなわち、五段活用の動詞を下一段活用の動詞に変化させた可能形とみなせる。たとえば、愛す(る) の可能形は

未然形 愛せーない
連用形 
愛せーて、愛せーます
終止形 
愛せーる
連体形 
愛せーるーとき
仮定
形 愛せーれば
命令形 

ところで、愛す(る) の標準形は、サ行変格活用<する>を使うと
 
未然形 しーない、される(受身)
連用形 し―て、しーます
終止形 する
連体形 するーとき
仮定形 すれーば
命令形 し ーろ
 
ところが
 
愛す(る) ー 可能 愛せる、 否定 愛さない (<愛しない>はダメ)

で、<愛しない>はダメなのだ。これはどうしたことか?
 
現代語ではサ行五段活用というのがある。

Wiki

話す
hanasu
- - - - - - -

これを応用すると

未然形 さーない、される(受身)、ーそう (意思)
連用形 し―て、しーます
終止形 する
連体形 するーとき
仮定形 せーば
命令形 
(意思形 ーそう)
 
これからすると<する>はサ行五段活用。
 
課す (る)、介す(る)も同様。だが曖昧なのもある。
 
供さない / 供しない
称さない / 称しない
徴さない / 徴しない 
排さない / 排しない
要さない / 要しない   
 
 
ニ語漢語+<せる>は可能にならない。
 
考慮す (る) 考慮せる
詮索す   詮索せる
探索す   探索せる
難航す   難航せる
排除す   排除せる
判断す   判断せる
満足す   満足せる
免除す   免除せる
憂慮す   憂慮せる

 ニ語漢語+<す (る)>の可能は

考慮できる
詮索できる

(以下略)

のように<できる>となるようだ。

ニ語漢語+<せる>は一語漢語+<せる>に比べ、簡単、規則的なようだ。

ーーーーー

XXてる

当てる 他動詞 ー 当たる 自動詞
あわてる 自動詞 ー ?
おだてる 他動詞 ー ?
企 (くわだ)てる 他動詞 ー ?
捨てる 他動詞 ー ?
育てる 他動詞  ー 育つ 自動詞
立てる 他動詞 ー 立つ 自動詞
果てる 自動詞 ー 果たす 他動詞 <果たす>は<果てる>に対応していない。
ばてる 自動詞  口語 ー ?
隔 (へだ) てる 他動詞 ー 隔 (へだ) たる 自動詞
ふてる 自動詞  口語 ー ?  ふてくされる
ほてる (火照る)  自動詞 ー ?
満てる 他動詞 ー 満 (みち) る 自動詞  <満 (みち) る>は<満てる>に対応していない。

ーーーーー

出る 自動詞 ー 出す 他動詞

かなでる 他動詞 ー ?
なでる (撫でる)  他動詞
茹 (ゆで) る 他動詞 ー ゆだる 自動詞


ーーーーー

<勝てる>は<勝ち得る>由来と思われるが、<勝つ>が基本語でタ行五段活用。タ行五段活用 (xxつ) には

うがつ (穿つ)  ー 可能 うがてる
打つ ー 可能 打てる
かこつ ー 可能 かこてる(ほぼダメ)
勝つ 自動詞 ー 可能 勝てる
育つ 自動詞 ー 育てる 他動詞、可能 育てる(ダメ)
立つ 自動詞 ー 立てる 他動詞 旗を立てる、可能 立てる(自分で立つことができる) 
建つ 自動詞 ー 建てる 他動詞 可能 建てる(ダメ) 可能 建てえる  <建つ>は<立つ>と字が違うが同じ意味だろう。だが、可能<建てる>がダメだ。
断つ 他動詞 ー 可能 断てる
経 (た) つ 自動詞 時間、日が経つ ー 可能 経 (た) てる(ダメ)
保 (たも) つ ー 可能 保てる
放 (はな) つ  ー 可能 放てる
待つ ー 可能 待てる
満つ 自動詞 ー 可能 満てる(ダメ) <満つ>は古語っぽい。現代語は<満ちる>か。他動詞は<満たす>でややこしい。
持つ ー 可能 持てる
分 (わ) かつ ー 可能 分 (わ) かてる

普通は

分ける 他動詞 ー 分かれる 自動詞

これは上で何度か述べた五段活用の動詞を下一段活用の動詞に変化させた可能形とみなせる、がなり立つと言える。

<落><満つ (る)>は古語で。現代語は<落ちる>、<満ちる>。<落ちる>、<満ちる>は上一段活用だ。

未然形 落ちーない、される(受身)、落ちーそう (推量)
連用形 
落ち―て、落ちーます
終止形 
落ち
連体形 
落ちるーとき
仮定形 
落ちれーば
命令形 
落ちーろ
 
<xxてる>動詞、タ行五段活用動詞 (xxつ) は少ないといえる。 一方
 
立つ 自動詞 = 立てる 他動詞
 
の関連語は多い。アイウエオ順に並べられる。
 
立つ 自動詞
 
(あら) 立つ  自動詞 ー 荒立てる 他動詞
泡立つ 自動詞
いきり立つ 自動詞
色めき立つ 自動詞
いら (だ) つ 自動詞
浮き立つ 自動詞
降 (お) り立つ  自動詞
 
切り立つ  自動詞  切り立った山々
際 (きわ) 立 (だ) つ   自動詞
けしき立 (だ) つ  自動詞
 
ざわめき立つ  自動詞
そそり立つ  自動詞  そそり立つ高層ビル
そびえ立つ 自動詞  そびえ立った山々
 
波立つ 自動詞 ー 立てる 他動詞
なり立つ 自動詞 ー なり立たす 他動詞
 
ふるい立つ 自動詞 ー ふるい立てる、ふるい立たす 他動詞
 
目立つ 自動詞 ー 目立てる (可能)、立たす 他動詞
 
沸 (わ) き立つ 自動詞 
 
=====
 
立てる 他動詞 

あばき立てる
言い立てる
打ち立てる
うなり立てる
うめき立てる

飾り立てる
駆 (か) り立てる
組み立てる
くわ立 (だ) てる(企てる)

けし立てる

騒 (さわ) ぎ立てる
仕立てる
責 (せ) め立てる
そば立てる  耳をそば立てる

取り立てる

煮立てる

引き立てる

吠え立てる

まくし立てる
見立てる
盛り立てる

わめき立てる

ーーーーー

XXねる

寝る 自動詞 ー ?  

うねる 自動詞 ー ?  
おもねる 自動詞 ー ?  

重 (かさ) ねる 他動詞 ー 重なる 自動詞
兼 (か) ねる 他動詞 ー ?
くねる 自動詞 ー ?
くすねる 他動詞 ー ?
こねる 他動詞 ー ?

すねる  自動詞 ー ?
そこねる(損なう)他動詞 ー ?

訪 (たず) ねる 他動詞 ー ?
尋 (たず) ねる 他動詞 ー ?  
束 (たば) ねる  他動詞 ー ?
つねる  他動詞 ー ?
連 (つら) ねる  他動詞 ー 連なる 自動詞

跳 (は) ねる  自動詞 ー ?  
ひねる  他動詞 ー ?  

まねる (真似る)  他動詞 ー ?  

委 (ゆだ) ねる  他動詞 ー ?

ナ行五段活用動詞は、現代語では<死ぬ>だけ。古語では<往ぬ去ぬ>があった。これはめずらしいことと言える。これは古後で助動詞の<ぬ>があったためではないか。

未然形 死なーない、される(受身)、死のーう (推量形、意思形)
連用形 
死に―て、音便 死んで、死にます
終止形 
死ぬ
連体形 
死ぬーとき
仮定形 
死ねーば
命令形 
死ね
 
未然形の<死なされる(受身)>は普通は<殺される>だろう。<死ぬ>は自動詞なので、受身は変だ。
 
可能形は<死ねる> で、規則的にナ行下一段活用になる。
 
未然形 死ねーない、死ねられる、死ねれる(受身)、死ねーよう (推量形、意思形)
連用形 
死ね―て、死ねます
終止形 
死ね
連体形 死ねーとき
仮定形 
死ねれーば
命令形 
死ね
 
Wiki 
 

古典日本語 
 
助動詞

  1. (完了) 物事が完了したことをしめす。―してしまった。

活用: 古語: 完了

連用形接続
未然形連用形終止形連体形已然形命令形
ぬるぬれ
 
 ”
 
未然形 夏来なーば (夏が来れば)
連用形 夏来にーて
終止形 夏来ぬ 
連体形 夏来ぬる―とき
已然形 夏来ぬれーば (夏が来るので、夏が来たので) 

ーーーーー

 XXへる

古語<xxふ>由来、関連で、現代語では<xxえる> 。始めの方の<XXえる>参照。

XXべる

浮かべる 他動詞 ー 浮かぶ 自動詞
くべる  他動詞  まきをくべる ー ?  
比 (くら) べる  他動詞 ー ?
しゃべる  自動詞 / 他動詞 ー よくしゃべる / フランス語をしゃべる
調 (しら) べる  他動詞 ー ?
滑 (すべ) る  他動詞 ー ?
食べる 他動詞 ー ?
並 (なら) べる  他動詞 ー 並ぶ 自動詞
寝 (ね) そべる  自動詞 ー ?  
述 (の) べる  他動詞 ー ?
侍 (は) べる  自動詞 ー ?  

五段活用動詞<xxぶ>を下一段活用の動詞に変化させた可能形

遊ぶ  自動詞 ー 可能 遊べる
浮かぶ  自動詞 ー 可能 浮かべる(ダメ) 浮かべられる、浮かべれる
選ぶ  他動詞 ー 可能 選べる
及ぶ  自動詞 ー 可能 及べる(ほぼダメ)
ころぶ  自動詞 ー 可能 ころべる (?)
忍 (しの) ぶ  他動詞 ー 可能 忍べる
すさぶ  自動詞 ー 可能 ?
飛ぶ  自動詞 ー 可能 飛べる
尊 (とうと) ぶ   他動詞 ー 可能 尊べる
運 (はこ) ぶ  他動詞 ー 可能 運べる
滅 (ほろ) ぶ 自動詞 ー 可能 滅べる (?)
学ぶ 他動詞 ー 可能 学べる
結ぶ 他動詞 ー 可能 結べる
喜 (よろこ) ぶ  自 / 他動詞 ー 可能 喜べる

自動詞は<xxべる>可能形になりにくい。

 ーーーーー

 XXめる

温 (あた) める、暖める 他動詞 ー 温まる、暖まる 自動詞 
収 (おさ) める、治める 他動詞 ー 収 (おさ) まる、治まる 自動詞 
からめる 他動詞 ー からまる 自動詞
したためる  他動詞 ー ?
染める 他動詞 ー 染まる 自動詞
とどめる 他動詞 ー とどまる 自動詞  
眺 (なが) める 他動詞 ー ?
ぬくめる (温める)  他動詞 ー ぬくまる 自動詞

別のポスト

まる-める動詞 - II October 24, 2018

で詳しくチェックしてある。 <xxめる>は下一段活用になり。<xxめる>動詞はいくらでもる。

基本的には

<xxめる>は他動詞、<xxまる>は自動詞。<xxめる>も< 五段活用の動詞を下一段活用の動詞に変化させた可能形>をチェックしてみる。

A. 形容詞の動詞化(自動詞-他動詞の組み)

丸(まる)い - まるまる(まるくなる) - まるめる(まるくする)
高い - 高まる - 高める
低い - 低まる(低くなる) - 低める(低くする)
はやい(早い、速い) - はやまる - はやめる
遅い(おそ) - (遅まる)遅くなる - (遅める)遅くする
広い - 広まる - 広める  (広がる - 広げる、というのもある。)
せまい - せばまる - せばめる  (これは発音からは例外だ)
近い - 近まる(近くなる)- 近める(近くする)、近づける
遠い - 遠まる(遠くなる) - 遠める(遠くする)、遠ざける
固(かた)い、 - 固まる - 固める
浅(あさ)い - 浅くなる - 浅くする
深(ふ)い - 深まる(深くなる) - 深める(深くする)
薄(うす)い - 薄まる(薄くなる) - 薄める(薄くする)
厚(あつ)い - 
まる(くなる) - める(くする)
清い - 清まる - 清める
きたない -  きたなくなる - きたなくする

赤(あか)い - 赤まる(赤くなる) - 赤める(赤くする) 

五段活用の動詞(xxまる)を下一段活用の動詞(xxめる)に変化させたものだが規則的に可能形にならない


B. 形容動詞

あたたかな - あたたむ - あたたまる - あたためる
あらたな - あらたむ - あらたまる - あらためる (改まる - 改める)
しずかな - (静む) - しずまる - しずめる

例がすくないが、上の形容詞と同様


五段活用の動詞(xxまる)を下一段活用の動詞(xxめる)に変化させたものだが規則的に可能形にならない

C. <xむ>、<xxむ>動詞の変化

<xむ>動詞

うむ(埋む)- 埋まる - 埋める
きむ(決む) - 決まる - 決める
こむ(込む) - (こまる、困る) - 込める
しむ(閉む、締む) - しまる -  しめる  
そむ(染む) - 染まる - 染める
たむ(貯む) - たまる - ためる
つむ(詰む) - 詰まる - 詰める
とむ(止む) - 止まる - 止める
はむ(嵌む) - はまる - はめる
やむ(已む、止む) - やまる - やめる  雨がやむ、痛みがやむ(やまる)

例外
せむ(攻む) - (迫る) - 攻める  
せむ(責む) - (  ) - 責める
(なむ) - なまる(訛る) - なめる(舐める)
つむ(積む) - 積まる - 積める   
<積む>は他動詞、<積まる>自動詞、可能は<積める>自/他動詞、可能。


<xxむ>動詞

おさむ -おさまる(収、納、治、修まる) - おさめる(収、納、治、修める)
かがむ - かがまる - かがめる
かたむ(固む) - かたまる - かためる
からむ(絡む) - からまる - からめる     <絡>の字を使わず、平仮名がいい。
きわむ - きわまる - きわめる
くるむ - くるまる - くるめる     首をすくめる
さだむ(定む) - 定まる - 定める
しずむ(沈む) - しずまる - しずめる    <-- しずかな (形容動詞)
すくむ - すくまる - すくめる  
首をすくめる 

つとむ(務む) - つとまる - つとめる   <つとまる>は自発、可能
ぬるむ - ぬるまる - ぬるめる  
とどむ(留む) - 留まる - 留める
はじむ(始む) - 始まる - 始める
やすむ - やすまる - やすめる    <やすまる>は自動詞、自発、可能 。意味も<やすむ>とズレがある。
ゆるむ - ゆるまる - ゆるめる      <ゆるまる>は自発度が高いか。

左側の<xxむ>は大体古語だ。

すずむ - すずまる - すずめる 可能
なごむ - なごまる - なごめる
 可能   
みとむ(認む) - (認まる) - 認める

<xむ>動詞、<xxむ>動詞はかなりあるが<まるーめる>組(ペア)は限られている。別のポスト ” うらみ、つらみの<xx む(mu)>動詞 “ 参照。

動詞に関しては、少ないが
下一段活用の動詞(xxめる)で可能形になるものがある。別途検討予定。

ーーーーー 

XXれる

あきれる  自動詞 ー ?
あこがれる  自動詞 ー ?
あばれる  自動詞 ー ?
いかれる (ダメになる)   自動詞 ー ?
浮 (う) かれる  自動詞 ー ?
恐 (おそ) れる  他動詞 ー ? 

枯 (か) れる  自動詞 ー 枯らす 他動詞
かすれる  自動詞 ー かすらす、かすれさす 他動詞
くずれる (崩れる)  自動詞 ー くずす 他動詞
けがれる  自動詞 ー けがす 他動詞
こすれる  自動詞 ー こする 他動詞 
壊 (こわ) れる  自動詞 ー 壊す 他動詞

しおれる (萎れる)  自動詞 ー しおらす  他動詞
擦 (す) れる  自動詞 ー 擦る 他動詞
それる (反れる、外れる) 自動詞 ー そらす 他動詞

垂 (た) れる 自動詞 ー 垂らす 他動詞
だれる 自動詞 ー
てれる (照れる)  自動詞 ー

とれる 自動詞 ー とる (取る) 他動詞  ボタンがとれる

発音は同じだが、<取れる>は可能。背が高いので棚の上のモノが取れる。

<とる>は多義語。

とれる 自動詞 ー とる (獲る) 他動詞  ここは魚がよくとれる。魚をとる

流 (なが) れる 自動詞 ー 流す 他動詞
濡 (ぬ) れる 自動詞 ー 濡らす 他動詞

はぐれる  自動詞 ー はぐらかす 他動詞  意味がズレている。
晴 (は) れる  自動詞 ー 晴らす 他動詞  意味がズレている。
腫 (は) れる  自動詞 ー 腫らす 他動詞  目を腫らす(能動的に腫らすわけではない。腹がすくー 腹をすかす)

ばれる  自動詞 ー ばらす 他動詞  秘密がばれる、秘密をばらす (口語) 

<ばらす>は<ばらばらにする>の意もある。 (口語)
剥 (は) がれる  自動詞 ー 剥 (は) がす他動詞
触 (ふ) れる  自動詞 ー  xxに触れる 英語の to touch は他動詞
へこたれる  自動詞 ー 

蒸 (む) れる  自動詞 ー 蒸す、蒸らす 他動詞
漏 (も) れる  自動詞 ー 漏らす 他動詞  

<漏る>は自動詞。<漏る>、<漏れる>は全く同様ではない。

水が漏れる、水が漏る
噂 (うわさ) が漏れる、噂が漏る(ダメ)

もつれる  自動詞 ー

やつれる  自動詞 ー やつす 他動詞 身をやつす

汚 (よご) れる  自動詞 ー 汚す 他動詞

割 (わ) れる  自動詞 ー 割る 他動詞

忘 (わす) れる 他動詞 ー ?  

<xxれる>は圧倒的に自動詞だ。

注)<れる>は受身の助動詞で、未然形+<れる>は受身となるので、これと区別しないといけない。

五段活用未然形+れる

くずす 他動詞 ー くずされる 受身
壊 (こわ) す 他動詞 ー 壊される 受身
取る 他動詞 ー 取られる 受身
流す 他動詞 ー 流される 受身
濡らす 他動詞 ー 濡される 受身
汚す 他動詞 ー 汚される 受身
割る 他動詞 ー 割られる 受身

以上は<受身>というよりは<被害>だ。 繰り返しなるが五段活用を下一段活用にすると可能形になる。

くずす 他動詞 ー くずせる
壊す 他動詞 ー 壊せる
取る 他動詞 ー 取れる
流す 他動詞 ー 流せる
濡らす 他動詞 ー 濡せる
汚す 他動詞 ー 汚せる
割る 他動詞 ー 割れる 可能、自動詞

基本的に、自動詞の受身形はない。割れられる (ダメ)、割られる。

 ーーーーー

相当長くなってしまったが、以上からすると、下一段活用動詞は

1)上一段活用動詞に比べ格段に多い。

これは<e>の方が<i>に比べて発音しやすい (発音が楽な) ためではないか?

2)自動詞、他動詞が入りま混じっているが<xxねる>、<xxめる>は他動詞が多い。一方<xxれる>は自動詞が多い。<れる>は受身、自発の助動詞。

3) 五段活用の動詞を下一段活用の動詞に変化させた可能形が多く認められる。これはこのポストを書いているうちに見つけた。相当の規則性がある。

 

sptt

 

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