Monday, June 30, 2025

日本語の動詞活用、下一段活用


前々回のポスト

日本語の動詞活用、五段活用、上一段 / 下一段活用

の下一段活用の部分で


さて<寝る>は自動詞、<染める>は他動詞だ。 <寝る>に対応す他動詞はないが、<染める>に対応する自動詞は<染まる>。<染まる>は<染ま>を語幹とし<る>の部分が五段活用する。

と書いた。<染める>以外では、手元の辞書では<植える>、<受ける>、<捨てる>が紹介されている。すべて他動詞だ。

染める 他動詞 ー 染まる 自動詞

他動詞<染める>の下一段活用は

未然形 染めーない
連用形 染めーて、染めーます
終止形 染めーる
連体形 染めーるーとき、染めーるーところ
仮定形 染めーれば
命令形 染めーろ

語幹の<染め>は変化がない。<め>は<ま、み、む、、も>の<め>。

一方、自動詞<染まる>の五段活用は

未然形 染まーらーない
連用形 染まーりーて->染まって (音便) 、染まーりーます
終止形 染まーる
連体形 染まーるーとき、染まーるーところ
仮定形 染まーれば
命令形 染まーれ

語幹の<染ま>は変化がない。活用部の<ら、り、る、れ、ろ>の<ろ>がないが、 <ろ>は第二の未然形となっている。これは未然形に付く意思、推量の<う> (古語では<む>) が<ろ>につく。<染まろう>はひと昔は<染まらう> (古語では<染まらむ>) になっていた。

したがって

未然形 染まーらーない

未然形 染まーらーない、染まーろーう

としないと<ら、り、る、れ、ろ>の五段活用にならない。

命令形 染まーれ

の下に

推量、意思形 染まーろーう

を加えれば

<ら、り、る、れ、ろ>になる。

さて、下一段活用の動詞に戻ると

植える  他動詞 ー 植わる 自動詞  庭にxx植わっている。

受ける  他動詞 ー (受かる) 自動詞  試験に受かる。<受かる>は自動詞だが、他動詞<受ける>にそのままは対応しない。

捨てる 他動詞 ー 自動詞 ? 

でどうも下一段活用動詞は統一がとれていない、規則的でない。 これらだけでは不十分で、もう少し調べてみる。

得 (え) る

未然形 得 (え) ーない
連用形 得 (え) ーて
終止形 得 (え) ーる
連体形 得 (え) ーるーとき
仮定形 得 (え) ーれば
命令形 得 (え) ーろ 

<得 (え) る>の古語形は<ア行下二段活用>で

活用{え/え/う/うる/うれ/えよ}

未然形 得 (え) ーない
連用形 得 (え) ーて、得 (え) ーます
終止形 得 (う) ーる
連体形 得 (う) ーるーときi
已然形 得 (う) ーれば
命令形 得 (え) ーろ

<う>と<え>があるので二段活用。<得 (う) る>は今でも使うことがあり、使う人がいる。

XXえる

和 (あ) える (料理)  他動詞 ー ? (和う)

与 (あた) える 他動詞 ー ?

与 (あた) える

未然形 与 (あた) え ーない
連用形 与 (あた) え ーて
終止形 与 (あた) え ーる
連体形 与 (あた) え ーるーとき
仮定形 与 (あた) え ーれば
命令形 与 (あた) えーろ

与 (あた) える>の古語形は<与ふ>で<ハ行下二段活用>。

活用{へ/へ/ふ/ふる/ふれ/へよ}

未然形 与 (あた) へ ーず
連用形 与 (あた) へ ーて
終止形 与 (あた) ふ
連体形 与 (あた) ふ ーるーとき
已然形 与 (あた) ふ ーれば
命令形 与 (あた) へーよ

古語では

未然形<与 (あた) へ>+<れば>は今の仮定形<与 (あた) えれば>。発音は同じだ。一方已然形<与 (あた) ふ>+<れば>で意味がちがう。現代語では<与えたので>となる。

甘 (あま) える 自動詞 ー ?

未然形 甘 (あま) え ーない
連用形 甘 (あま) え ーて
終止形 甘 (あま) え ーる
連体形 甘 (あま) え ーるーとき
仮定形 甘 (あま) え ーれば
命令形 甘 (あま) えーろ

甘 (あま) える>の古語形は<ヤ行下二段活用>で

活用{え/え/ゆ/ゆる/ゆれ/えよ}

未然形 甘 (あま) え ーない
連用形 甘 (あま) え ーて
終止形 甘 (あま) ゆ
連体形 甘 (あま) ゆ ーるーとき
已然形 甘 (あま) ゆ ーれば
命令形 甘 (あま) えーよ 

<xxゆ>由来の<xxえる>は多い。

癒 (い) える 自動詞 (癒ゆ)ー 癒 (いや) す 他動詞

植 (う) える  他動詞 ー 植わる 自動詞  庭にxxが植わっている。

未然形 植 (う) え ーない
連用形 植 (う) え ーて
終止形 植 (う) え ーる
連体形 植 (う) え ーるーとき
仮定形 植 (う) え ーれば
命令形 植 (う) えーろ

植 (う)える>の古語形はややこしい。<ワ行下二段活用>で 

活用{ゑ/ゑ/う/うる/うれ/ゑよ}

未然形 植 (う) ゑ ーない
連用形 植 (う) ゑ ーて
終止形 植 (う)
連体形 植 (う) う ーるーとき
已然形 植 (う) う ーれば
命令形 植 (う )ゑーよ 

<ゑ>は見慣れない平仮名だが、昔は

wa, wi, u, we, wo

という発音があったようで、これは別の書き方をすれば

ua,  ui,  uu,  ue,  uo

つまりは

<u> + <a>、<i>、<u>、<e>、<o>

という音の組み合わせ。<u>は<a>や<e>に比べると、発音するのに力がいる。おそらく、このため使われなくなったのだろう。つまりは終止形、連体形、已然形の<植 (う) う>は発音しずらい。まだ結論ではないがe>は下一段活用で活躍する。

見慣れない平仮名がたくさん出てくる (とと思われる) 古語のワ行4段活用はない。また現代語のワ行五段活用は、ワ行とは言うが<わ>の一字しか出てこない。

買う

未然形 買わーない、買おう (*) 
連用形 買いてー>買って、買いーます
終止形 買う
連体形 買うーとき、もの
仮定形 買えば
命令形 買え

 (*)  <買おう>はワ行であれば<う>でもよさそうだが、ダメのようだ。

飢 (う) える

未然形 飢 (う) え ーない
連用形 飢 (う) え ーて
終止形 飢 (う) え ーる
連体形 飢 (う) え ーるーとき
仮定形 飢 (う) え ーれば
命令形 飢 (う) えーろ

飢 (う) える>の古語形は上の<植 (う)え る>に準じる。ワ行下二段活用飢 (う) える>は自動詞だ。

終 (お) える 他動詞 ー 終わる 自動詞

未然形 終 (お) え ーない
連用形 終 (お) え ーて
終止形 終 (お) え ーる
連体形 終 (お) え ーるーとき
仮定形 終 (お) え ーれば
命令形 終 (お) えーろ

終 (お) え る>の古語形はややこしい。終止形は<を・ふ 【終ふ】>で、自動詞 / 他動詞ハ行下二段活用。ハ行下二段活用活用は<与 (あた) える>で出てきた。{へ/へ/ふ/ふる/ふれ/へよ}

ネットでは<自動詞ハ行下二段活用>と<他動詞ハ行下二段活用>なっているが、これは間違いで他動詞ハ行下二段活用だけだろう。

自動詞 ハ行下二段活用の例。

https://kobun.weblio.jp/content/%E3%82%92%E3%81%B5


万葉集 一七六

「天地(あめつち)と共にをへむと思ひつつ仕へ奉(まつ)りし心違(たが)ひぬ」

[訳] 天地(が終わる)とともに(奉仕も)終わろうと思いつづけてお仕え申し上げた志とは違ってしまった。

訳文では<(奉仕も)終わろう>となっているが<(奉仕を)終えよう>という意味だろう。

つまりは<終 (お) える>が<終 (を) ふ>だ。 反対に言えば<終 (を) ふ>が<終 (お) える>に変わっていったのだ。これは大きな変化だ。さらに他動詞<終 (お) える>に対応する自動詞は<終わる>。<終わる>は古語では<終 (を) はる>。これはラ行四段活用。

未然形 終 (を) へ ーず
連用形 終 (を)) へ ーて
終止形 終 (を) ふ
連体形 終 (を) ふ ーるーとき
已然形 終 (を) ふ ーれば
命令形 終 (を) へーよ
 
未然形<終 (を) へ>+<れば>は今の仮定形<終 (お) えれば>。発音は同じだ。一方已然形<終 (を) ふ+<れば>は現代語では<終 (お) えるので>となる。 ところで、已然形というのは、Wiki によれば
 

(いぜんけい)

  1. (文法) 日本語文語における用言助動詞活用形の一つ。六活用形の五番目におかれる。已然とは「すでにそうなっている」の意であり、助詞「」「」「ども」などを伴い順接逆接確定条件を表す。係り結びで「こそ」を受けるときにも表れる。

 ”

ということで、<順接や逆接の確定条件を表す>で、<終 (お) えるので>というよりは<終 (お) えたので、あるので>となるか。これはおもしろい問題だ。

さらに、古語<終 (を) はる>が<終わる>と、表記では<は>ー><わ>に変わっていることにも注意。他動詞、下一段活用<xxえる>ー 自動詞 五段活用<xxわる>は。これからでてくる。

変 (か) える 他動詞 (変ふ)ー 変わる 自動詞 ー 上記<終える>参照
抱 (かか) える 他動詞 (抱 ふ)ー ?  かかわる(関わる)(かかはる)

<かかわる>(関わる、係る)という語があるが<抱 (かか) える>とは関係ないように見えるが、<関わる、係る>と漢字を使わずに<かかわる>とすれば (耳で聞けば同じだ) 、<かかえる>ー<かかわる>とすれは、<抱 (かか) える>が原意といえるのではないか。

数 (かぞ) える 他動詞 (数ふ)ー ? 

自動詞<数わる>はないようだが、少数派だが<植わる>はあるので、<植わっている>ー<植えられている>)、<数わる>ー<数えられている>でよさそう。少なくとも<数わる>は<数えられている>より簡潔だ。

かなえる (かなへる)  他動詞 ー かなう (かなふ) 自動詞

<かなえる>、<かなう>はややこしい。

<夢をかなえる>、<望みをかなえる>で他動詞。<望みにかなう>、<理にかなう>、<要求にかなう>で自動詞。さらに<かなわない>という言い方がある。<この相手にはかなわない>。<かなわない>の肯定は<かなう>で<対抗できる>といった意味だが、<毎日こう暑くてはかなわない>(主語がない、というか省略されている)といった言い方もある。

意味は

<かなえる>は<夢、望みを実現させる>。

<かなう>は自動詞だが<望みを、理 (道理) を、要求を満足させる>といった他動詞的な意味にもなる。  だが基本的な意味は<対応する>のようだ。

構える 他動詞 (構ふ)ー ? 

古語<構ふ>は他動詞ハ行下二段活用で、上に<与える、与ふ>ででてきた。現代語<構える>は<与える>に準じ

未然形 構え ーない
連用形 構え ーて
終止形 構え ーる
連体形 構え ーるーとき
仮定形 構 え ーれば
命令形 構 えーろ 

なのだが、<かまわない>という言い方があり、<構えない>とは違う。<かまう>は別の語で、 <かかわる>といった意味で、ワ行五段活用 活用形。これに対応する古語は<構ふ>だが、こちらはハ行四段活用で、活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}。現代語の<かまう>は<わ>がでてくるのでワ行五段活用。上の<買う>で出てきたが

未然形: かまわ(ない)、かまお(う)
連用
: かまい(ます)、かまっ(た、て)
終止
: かま
連体
: かまう(こと)
仮定
: かまえ(ば)
命令
: かまえ 

この<かまう>は日常よく使う。ややこしく自他両用動詞のようだ。下一段活用ではないので、これ以上は話を進めない。(別途検討)


消 (き) える (消ゆ)  自動詞 ー 消す 他動詞
越 (こ) える (越ゆ) 自動詞 ー 越す 自動詞 (移動動詞)

古語<越ゆ>は自動詞となっている。もっとも現代語<越 (こ) える>も<を>をとる移動動詞扱いで自動詞。すぐ上の

消 (き) える (消ゆ)  自動詞 ー 消す 他動詞

からすると<越す>は他動詞のようだが、これも<を>をとる移動動詞で自動詞扱いのようだ。<す>の使役性、他動詞化性から検討してもいいのではないか。移動動詞については、これまでいろいろ書いているが、とりあえずの結論めいたものは

<越える>、<越す>は自動詞はたまた他動詞 ー 移動動詞 - 4May 21, 2025

 のポストで、最後に

 

 <を>をとる移動動詞とは

1)基本的に自動詞
2)<を>は (通過点) 通過場所、通過物、場合によっては通過物そのものあらわし (示し)、動詞が働きかける対象 のような目的語を示すわけではない。

2)は思い切ってもっと簡単に

<を>は動詞内容が行われる場所を示す格助詞。

と言える。場所を示す格助詞では<へ>と<に>だが、<を>も移動動詞では場所を示す格助詞になるということだ。

” 

と書いている。

肥 (こ) える (肥ゆ)  自動詞 ー 肥やす 他動詞
答 (こた) える (答ふ)  自動詞 ー ?

冴 (さ) える (冴ゆ)  自動詞 ー 冴 (さ)やす 他動詞 (聞いたことはない)

<頭が冴える> とは言うが<頭を冴やす>とは言わない。<頭が冷える>とは言わないが<頭を冷やす>と言う。

支 (ささ) える  (支ふ )  他動詞 ー ?
従 (したが) える  (従ふ)   他動詞 ー 従う  (従ふ)  自動詞

古語では他動詞従ふ>はハ行下二段活用で、活用{へ/へ/ふ/ふる/ふれ/へよ}

①  服従させる。従わせる。
②  引き連れる。後について来させる。

 で<従わせる>の意味もあったようだ。

一方、自動詞従ふ>はハ行四段活用で、活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}。

現代語の<従う>は<わ>がでてくるので、 ワ行五段活用 活用形。これも古語の<与ふ><構ふ>と同じく、ハ行四段活用 (活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ) ー>現代語のワ行五段活用への移行だ。

未然形: 従わ(ない)、従お(う)
連用形: 従い(ます)、従っ(た、て)
終止形: 従う
連体形: 従う(こと)
仮定形: 従え(ば)
命令形: 従え

<従う>は<xxに従う>以外に、<応じる>の意でxxに従って (従いて) >、独立して<したがって、xxxx>という言い方がある。

据 (す) える 他動詞 (据う) ー 据 (す) わる、座る 自動詞

<据 (す) える>の古語は<据う>で、ワ行下二段活用。<植 (う) う>と同じ。

活用{ゑ/ゑ/う/うる/うれ/ゑよ}

で<わ>の字、そして<わ>の音は出てこない。なにか変な感じだ。

ところが、古語では<据う>以外に<他動詞 ヤ行下二段活用>の<据ゆ>がある。

活用{え/え/ゆ/ゆる/ゆれ/えよ}

現代語の自動詞<据 (す) わる>は

肝 (きも) がすわっている。度胸がすわっている。

という言い方があるが、あまり一般的ではない。一方、関連語の<座る>は日常語で毎日のように使われている。<据わる>、<座る>は文字で書くと違いが読んだり、言ったりする時は<すわる>で同じだ。

添 (そ) える  (添ふ)  他動詞 ー 添 (そ) わる 自動詞

<添 (そ) わる>はほとんど聞かないが

<植わっている>と同じように<添えられている> の代わりに<添わっている>で使える。

花子には気品が添わっている。

<添 (そ) える>は上の<従 (したが) える>と似かよった意味がある。

xxに従って
xxに沿 (そ) って

だが、こちらの方は<沿 (そ) う>でワ行五段活用。

備 (そな) える  (備ふ)  他動詞 ー 備わる 自動詞 xxが備わっている

古語の<備ふ>は他動詞ハ行下二段活用。<備わる 自動詞> の古語は<備はる>で、ラ行四段活用で

活用{ら/り/る/る/れ/れ}

未然形 備はら ーず
連用形 備はり ーて
終止形 備はる
連体形 備はる ーとき
已然形 備はれ ーば
命令形 備はれ  (自動詞の命令形)

現代語の 自動詞<備わる>は頻繁ではないが、<xxが備わっている>などで使われる。<備えられている>より少し簡潔で日本語的だ。

そびえる (そびゆ)  自動詞 ー 
揃 (そろ) える (そろふ)他動詞 ー 揃う 自動詞

古語<そろふ>はややこしい。自動詞<そろふ>はハ行四段活用で

活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}

他動詞<そろふ>はハ行下二段活用で

活用{へ/へ/ふ/ふる/ふれ/へよ}

現代語の他動詞<揃 (そろ) える>は他動詞<そろふ>ハ行下二段活用由来だ。これは上の<備 (そな) ふ>に準じる。一方、現代語の自動詞は<揃 (そろ) う>は、古語の自動詞<そろふ>ハ行四段活用由来だ。これはラ行四段活用の備 (そな) はる>に準じない。くり返しになるが

未然形 備 (そな) はら ーず
連用形 備はり ーて
終止形 備はる
連体形 備はる ーとき
已然形 備はれ ーば
命令形 備はれ  (自動詞の命令形)

に対して

未然形 揃 (そろ) は ーず
連用形 揃 (そろ) ひ ーて
終止形 揃 (そろ) ふ
連体形 揃 (そろ) ふ ーとき
已然形 揃 (そろ) へ ーば
命令形 揃 (そろ) へ (自動詞の命令形)

現代語の自動詞<揃 (そろ) う>はワ行五段活用

未然形 揃 (そろ) わ ーず
連用形 揃 (そろ) い ーて、揃って
終止形 揃 (そろ) う
連体形 揃 (そろ) う ーとき
仮定形 揃 (そろ) え ーば
命令形 揃 (そろ) え (自動詞の命令形)

自動詞の命令形はまれにしか使わないだろう。

絶 (た) える (絶ゆ)自動詞 ー 絶やす 他動詞

<絶やす>の古語はやや複雑で

絶えす

[一] 自動詞サ行変格活用

活用{せ/し/す/する/すれ/せよ}

[二] 他動詞サ行四段活用

活用{さ/し/す/す/せ/せ}

ここではこれ以上詮索しない。

耐 (た) える (耐ふ)自動詞 ー ?

<耐える>は普通<xxに耐える>で自動詞だが、<xxを耐える>でもよさそう。また<xxが耐える>という純自動詞的なあまり聞かない。別途検討


たずさえる (たづさふ)他動詞 ー たずさわる 自動詞

これもややこしい。他動詞<たずさえる>と自動詞<たずさわる>では意味にズレがある。

意味のズレでは、後で出てくるが

受ける  他動詞 ー 受かる 自動詞

が顕著。 

従 (したが) える  他動詞 ー 従う  (従ふ)  自動詞  (したがって)

もややズレがある。

ズレがあまりない動詞もある。上で出てきたが

植 (う) える  他動詞 ー 植わる 自動詞  庭にxxが植わっている。
備 (そな) える 他動詞 ー 備わる 自動詞  xxが備わっている

これから出てくる 

つかまえる 他動詞 ー つかまる 自動詞 (これもややズレがある)
伝 (つた) える 他動詞 ー 伝わる 自動詞

現代語の<たずさわる>は<かかわり合う。関係する>といった意味だが、これに関連しては、上の方に

抱 (かか) える 他動詞 (抱 ふ)ー ?  かかわる(関わる)(かかはる)
 
というのがある。 <?>マークつきだが、<関わる>の漢字にだまされてはいけない。もっとも、後から出てくるが
 
掛 (か) ける 他動詞 ー 掛かる 自動詞
 
という動詞がある。
 
称 (たた) える (称ふ)他動詞 ー ?
仕 (つか) える (仕ふ)自動詞 ー ?
(ドブが、通路が、言葉が / に)つかえる (つかふ) 自動詞 ー ? 
 
関連語に<さしつかえる>がある。
 
https://www.weblio.jp/content/%E3%81%95%E3%81%97%E3%81%A4%E3%81%8B%E3%81%88%E3%82%8B
 
デジタル大辞泉 

[動ア下一[文]さしつか・ふ[ハ下二都合悪いことが起こる。支障生じる。また、妨げとなる。「明日仕事に—・える」

 <さしつかえる>は自動詞で

(今日の疲労) が明日の仕事に差し支える 

のように使える。

つかまえる 他動詞 (つかまふ) ー つかまる 自動詞 <つかむ>という他動詞がある。

<つかまふ>はハ行下二段活用。活{へ/へ/ふ/ふる/ふれ/へよ}

未然形 つかまへ ーず
連用形 つかまへ ーて
終止形 つかまふ
連体形 つかまふ ーるーとき
已然形 つかまふ ーれば
命令形 つかまへーよ

古語<つかまふ>の意味は現代語の<つかまえる>の意のようだが、<つかまる>、<つかむ>の古語が見当たらない。

同じ様な意味では<とらえる>、古語<ろらふ>がある。

<つかまる>は<xxにつかまる>で、たとえば

手すりにつかまる

自動詞のようだが、<xxがつかまる>では

泥棒、犯人がつかまる

泥棒、犯人がつかまえられる

の意味になってしまう。

<つかまる>は<つかむ>の自動詞形といえそう。一方<つかむ>の受身形は<つかまれる>。 なにかややこしい。

伝 (つた) える(つたふ)他動詞 ー 伝わる(伝はる)自動詞

古語<つたふ>はネット辞典でチェックしてみると、自動詞用法と他動詞用法がある。

https://kobun.weblio.jp/content/%E4%BC%9D%E3%81%B5

学研全訳古語辞典

つた・ふ 【伝ふ】

[一] 自動詞ハ行四段活用  活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}

ある物に沿って移る。伝わる。

出典 万葉集 一八二六

「鶯(うぐひす)の木末(こぬれ)をつたひ鳴きつつもとな」

[訳] うぐいすがこずえに沿って飛び移りながらむやみに鳴いている。

(この自動詞用法は<を>をとる移動動詞賭していいだろう。<こずえを移る>←<家を移る>。現代語訳に<伝わる>がある)

[二] 他動詞ハ行下二段活用 活用{へ/へ/ふ/ふる/ふれ/へよ}

① 伝え残す。伝言する。伝授する。

出典 徒然草 一八

「これをいみじと思へばこそ、記(しる)しとどめて世にもつたへけめ」

[訳] これをすばらしいと思ったからこそ、記録にとどめて世に伝え残したのだろう。

② 伝え受ける。受け継ぐ。教わる。

出典 方丈記 

「父方の祖母(おほば)の家をつたへて」

[訳] 父方の祖母の家を受け継いで。

 一方古語<伝はる>の方は

https://kobun.weblio.jp/content/%E4%BC%9D%E3%81%AF%E3%82%8B

学研全訳古語辞典
 
つたは・る 【伝はる】
自動詞ラ行四段活用 活用{ら/り/る/る/れ/れ}

① 続く。ずっと…する。

出典源氏物語 桐壺

「三代(みよ)の宮仕へにつたはりぬるに」
[訳] 三代の天皇にずっとお仕えしたが。

②(昔から、また他のところから)伝わる。

出典源氏物語 橋姫

「御耳とまるばかりの手などは、いづくよりか、ここまではつたはり来(こ)む」

[訳] 御耳にとまるほどの琴の奏法などは、どこから、ここまで伝わって来るだろうか。

 伝 (つた) える(つたふ)他動詞 ー 伝わる(伝はる)自動詞

は他動詞、自動詞であまり意味のズレがない。

ニュースを伝える
ニュースが伝わる

とだえる(とだゆ)自動詞 ー ? (とだやす)

とだえる(とだゆ)は上の

絶 (た) える (絶ゆ)自動詞 ー 絶やす 他動詞 

に接頭辞<と>がついたものだが、対応する<とだやす>は使われないようだ。

唱 (とな) える (唱ふ)他動詞 ー ?

言う (言ふ) 、歌う (歌ふ) は元の音が残っているが、<唱 (とな) ふ>は<唱う>ではなく<唱える>に変わっている。

古語<言ふ>、<歌ふ>は他動詞ハ行四段活用で

活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}

(<言ふ>は自動詞ハ行四段活用もあるがやや特殊)

一方<唱 (とな) ふ> はハ行下二段活用で

活用{へ/へ/ふ/ふる/ふれ/へよ}

つまりは古語時代から活用が違うのだ。

言う (言ふ) 、歌う (歌ふ) と元の音が残っているのは、たとえば<言ふ>、<言う>は

未然形 言は ーず (古語の仮定は未然形を用いて<言はーば>
連用形 言ひ ーて
終止形 言ふ
連体形 言ふ ーとき
已然形 言へ ーば
命令形 言へ

現代語の自動詞<言う>はワ行五段活用

未然形 言わ ーず
連用形 言い ーて、言って
終止形 言う
連体形 言う ーとき
仮定形 言え ーば
命令形 言え
 
xxxxxx (説明予定)

一方<唱 (とな) ふ>は上述のように他動詞ハ行下二段活用

未然形 唱へ ーず
連用形 唱へ ーて
終止形 唱ふ
連体形 唱ふ ーるーとき
已然形 唱ふ ーれば
命令形 唱 へーよ

現代語<唱える>は他動詞ア下一段活用で

未然形 唱え ーない
連用形 唱え ーて
終止形 唱え ーる
連体形 唱え ーるーとき
仮定形 唱え ーれば
命令形 唱えーろ 

xxxxxx (説明予定)


 

 


捉 (とら) える 他動詞 ー ?  とらわる、とらわれる 自動詞

生 (は) える 自動詞 ー 生やす 他動詞
映 (は) える 自動詞 ー 
冷 (ひ) える 自動詞 ー 冷やす 他動詞
控 (ひか) える 他動詞 / 自動詞
増 (ふ) える 自動詞 ー 増やす 他動詞
踏 (ふ) まえる 他動詞 ー ?
震 (ふる) える 自動詞 ー 震わす 他動詞
吠 (ほ) える 自動詞 ー

迷 (まよ) える (迷う) 自動詞 ー 迷わす 他動詞 
燃 (も) える 自動詞 ー 燃やす 他動詞
もだえる 自動詞 ー ?

わきまえる 他動詞 ー ?

<xxえる>はややこしい。古語にさかのぼれば

XXふ ー ハ行下二段活用
XXゆ ー ヤ行下二段活用
XXう ー ワ行下二段活用

由来の三つがある。

また、<える>には可能用法がある。

使える
取りえる ー> 取れる
行きえる ー> 行ける
勝ちえる ー> 勝てる

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明 (あ) ける 自動詞 ー 明かす 他動詞  夜が明ける、夜を明かす
あざける 他動詞 ー ?
生 (い) ける 他動詞 花を生ける ー ?
受ける  他動詞 ー (受かる) 自動詞  これはややこしい。別途検討。

おどける 自動詞 ー   

駆 (か) ける 自動詞 ー ?
欠 (か) ける 自動詞 ー 欠く、欠かす 他動詞
掛 (か) ける 他動詞 ー 掛かる 自動詞  絵を壁に掛ける、絵が壁に掛かっている
賭 (か) ける 他動詞 ー 賭かる 自動詞  命を賭ける、命が賭かる
砕 (くだ) ける 自動詞 ー 砕く 他動詞
こける (ころぶ)  自動詞 ー ?

避ける  他動詞 ー ?
湿気 (しけ) る 自動詞 ー ?
透 (す) ける 自動詞 ー 透かす 他動詞

付 (つ) ける 他動詞 ー 付く 自動詞
溶 (と) ける 自動詞 ー 溶かす 他動詞
どける (どかす) 他動詞 ー どく 自動詞
捉 (とら) える (とらふ)他動詞 ー  自動詞 捉 (とら) わる(とらはる)

抜 (ぬ) ける 自動詞 ー 抜く 他動詞
のける 他動詞 ー のく 自動詞

はける 自動詞 ー はかす 他動詞  在庫がはける / 在庫をはかす (履く)

ふける (老いる)  自動詞 ー ?
ふける 自動詞 ー ふかす 他動詞  芋がふける、芋をふかす
ふざける 自動詞 ー ?
ぶつける 他動詞 ー ぶつかる 自動詞

負 (ま) ける 自動詞 ー 負かす 他動詞
向 (む) ける 他動詞 ー 向く 自動詞

焼 (や) ける 自動詞 ー 焼く 他動詞
よける (避ける) 他動詞 ー

分 (わ) ける 他動詞 ー 分かれる、別れる 自動詞


上 (あ) げる 他動詞 ー 上がる 自動詞

下 (さ) げる 他動詞 ー 下がる 自動詞

さまたげる 他動詞

しいたげる 他動詞 ー 

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あせる 自動詞 ー ?
あびせる 他動詞 ー ?
失 (う) せる 自動詞 ー ?
乗せる 他動詞 ー 乗る 自動詞  バスに乗る
伏 (ふ) せる (伏す) 身を伏せる、身を伏す 他動詞 ー ?

馳 (は) せる 自動詞 ー ?
伏 (ふ) せる 自動詞 ー ?
待ち伏せる 自動詞 ー ?
任 (まか) せる 他動詞 ー ?
むせる 自動詞 ー ?

痩 (や) せる 自動詞 ー ?

注)<せる>は使役の助動詞で、未然形+<せる>は使役となるので、これと区別しないといけない。  

混 (ま) ぜる 他動詞 ー 混ざる 自動詞 

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当てる 他動詞 ー 当たる 自動詞
捨てる 他動詞 ー ?
立てる 他動詞 ー 立つ 自動詞
果てる 自動詞 ー 果たす 他動詞 <果たす>は<果てる>に対応していない。
ばてる 自動詞 ー ?
隔 (へだ) てる 他動詞 ー ? 
ほてる (火照る)  自動詞 ー ?

出る 自動詞 ー 出す 他動詞
かなでる 他動詞 ー ? 
茹 (ゆで) る 他動詞 ー ゆだる 自動詞

<勝てる>は<勝ち得る>

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寝る 自動詞 ー ?  
うねる 自動詞 ー ?  
おもねる 自動詞 ー ?  
兼 (か) ねる 他動詞 ー ?
こねる 他動詞 ー ?
すねる  自動詞 ー ?  
訪 (たず) ねる 他動詞 ー ?
尋 (たず) ねる 他動詞 ー ?  
束 (たば) ねる  他動詞 ー ?
つねる  他動詞 ー ?
跳 (は) ねる  自動詞 ー ?  
ひねる  他動詞 ー ?
まねる (真似る)  他動詞 ー ?  
委 (ゆだ) ねる  他動詞 ー ?

ーーーーー

くべる  他動詞 ー ? まきをくべる
比 (くら) べる  他動詞 ー ?
調 (しら) べる  他動詞 ー ?
並 (なら) べる  他動詞 ー ?
寝 (ね) そべる  自動詞 ー ?  
述 (の) べる  他動詞 ー ?
侍 (は) べる  自動詞 ー ?  

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温 (あた) める、暖める 他動詞 ー 温まる、暖まる 自動詞 
収 (おさ) める、治める 他動詞 ー 収 (おさ) まる、治まる 自動詞 
からめる 他動詞 ー からまる 自動詞
したためる  他動詞 ー ?
染める 他動詞 ー 染まる 自動詞
とどめる 他動詞 ー とどまる 自動詞  
眺 (なが) める 他動詞 ー ?
ぬくめる (温める)  他動詞 ー ぬくまる 自動詞

別のポスト

まる-める動詞 - II October 24, 2018

で詳しくチェックしてある。 <xxめる>は下一段活用になり。<xxめる>動詞はいくらでもる。

基本的には

<xxめる>は他動詞、<xxまる>は自動詞。

ーーーーー

あきれる  自動詞 ー ?
あこがれる  自動詞 ー ?
あばれる  自動詞 ー ?
いかれる (ダメになる)   自動詞 ー ?
浮 (う) かれる  自動詞 ー ?

枯 (か) れる  自動詞 ー 枯らす 他動詞
かすれる  自動詞 ー ?
けがれる  自動詞 ー けがす 他動詞
こすれる  自動詞 ー こする 他動詞 
壊 (こわ) れる  自動詞 ー 壊す 他動詞

しおれる (萎れる)  自動詞 ー 壊す 他動詞
擦 (す) れる  自動詞 ー 擦る 他動詞
それる (反れる) 自動詞 ー そらす 他動詞

垂 (た) れる 自動詞 ー 垂
だれる 自動詞 ー
てれる (照れる)  自動詞

慣 (な) れる 自動詞 ー 慣らす 他動詞
流 (なが) れる 自動詞 ー 流す 他動詞
濡 (ぬ) れる 自動詞 ー 濡らす 他動詞

はぐれる  自動詞 ー はぐらかす 他動詞  意味がズレている。
晴 (は) れる  自動詞 ー 晴らす 他動詞  意味がズレている。
腫 (は) れる  自動詞 ー 
触 (ふ) れる  自動詞 ー 腫らす 他動詞

蒸 (む) れる  自動詞 ー 蒸らす 他動詞
漏 (も) れる  自動詞 ー 漏らす 他動詞
もつれる  自動詞 ー

やつれる  自動詞 ー
汚 (よご) れる  自動詞 ー 汚す 他動詞

割 (わ) れる  自動詞 ー 割る 他動詞

忘 (わす) れる 他動詞 ー ?  

 

注)<れる>は受身の助動詞で、未然形+<rる>は受身となるので、これと区別しないといけない。

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上記のように、下一段活用動詞は

1)下一段活用動詞に比べ格段に多い。

これは<e>の方が<i>に比べて発音しやすい (発音がらくな) ためではないか?

2)自動詞、他動詞が入りま混じっているが<xxねる>、<xxめる>は他動詞が多い。一方<xxれる>は自動詞が多い。<れる>は受身、自発の助動詞。

 

 

sptt

 

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