<xx
る>動詞は言うまでもなく日本語動詞の基本で数も格段に多い。<ら、り、る、れ、ろ>が言葉の頭に来ないのがやまとことばの一大特徴であることを考えると、<る>は動詞を作るために使われる専用音と言える。
さて<xx る>動詞を調べてみたことがある。
日本語動詞の基本、<xx る>動詞 May 20, 2018
何事も調べてみないとわからない。言い換えると、実際に調べてみてはじめてわかる。
かなり長いので読み切ってくれた人はまずいないだろう。 時間をかけて調べたので、これを使わしてもらう。
日本語動詞の基本、<xx る>動詞のコピー / ペイスト
”
二音節動詞
ある(在る、有る)
いる(入る、射る、煎る、炒る、鋳る)
いる(居る、要る)-上の<いる>とイントネーションが違う。
うる(得る)
うる(売る)-上の<うる>とイントネーションが違う。
える(得る、選る)
おる(折る、織る、居る)
かる(刈る、駆る、狩る)
きる(切る)
きる(着る)-上の<きる>とイントネーションが違う。
くる(来る)
くる(繰る)-上の<くる>とイントネーションが違う。
ける(蹴る)
こる(凝る)
さる(去る)
しる(知る)
する(擦る)
する(する)-上の<する>とイントネーションが違う。
せる(競る)
そる(剃る、反る)
たる(足る)
ちる(散る)
つる(吊る、釣る)
てる(照る)
とる(取る)
なる(成る)
なる(鳴る)-上の<なる>とイントネーションが違う。
にる(煮る、似る)
ぬる(塗る)
ねる(練る)
ねる(寝る)-上の<ねる>とイントネーションが違う。
のる(のる:<のるかそるか>の<のる>)
のる(乗る)-上の<くねる>とイントネーションが違う。
はる(張る、貼る)
ひる(くそを<ひる>)
ふる(降る)
ふる(振る)-上の<くふる>とイントネーションが違う。
へる(経る)
へる(減る)-上の<くへる>とイントネーションが違う。
ほる(掘る、彫る)
まる
みる(見る)
むる(<水がむる>は<みずが漏(も)る>のなまりか?)
める
もる(漏る)
もる(盛る) -上の<くもる>とイントネーションが違う。
(注)<まる>、<める>はそのままでは二音節動詞にはないが<xxまる>(自動詞)、<xxめる>(他動詞)の動詞製造語尾で活躍する。<まる><める>動詞ということで別のところで調べてポストを書いたことがある。 そのままでは動詞にならないので助動詞候補だ。
赤まる-赤める、白まる-白まる、薄まる-薄める、清まる-清める、高まる-高める、
広まる-広める、狭(せば)まる-狭める、固まる-固める、丸まる-丸める、
暖(温)まる-、暖(温)める、ぬくまる-ぬくめる
形容詞がらみだけではない。
からまる-からめる、貯まる-貯める、止まる-止める、はまる-はめる、休まる-休める
といくらでもある。
やる(やる:<する>の意の<やる>と<与える>の意の<やる>がある。さらに<遣る>がある)
ゆる(揺る) <揺る>は古語か?
よる(撚る、糸を撚る)
よる(寄る、依る、拠る、因る) -上の<くよる>とイントネーションが違う
わる(割る)
<xる>動詞はさすがに多い。同音多義語が多いので、イントネーションの違いは区別のためだろう。上記のイントネーションの同じ、違いは関東方言による。大きな特徴は二音節動詞に
ある(在る、有る)
いる(居る、要る)
する(する)
なる(成る)
やる(=する)
の超一般 (汎用) 動詞が含まれていること。<る>には抽象化した動詞を作る働きがあることになるが、これははじめにのべた<<る>は動詞を作るために使われる専用音と言える>に関連する。いいかえると<る>はとりたてて音からくる(音による)意味をもっていないのだ。動詞を作る機能に特化している、と言える。また二音節ということは省力化が進んでいること。発音するのに時間も労力もかなり省(はぶ)けるということだ。省けるが<る>、<ら>、<り>、<れ>などの存在によって動詞であることが即座にわかる。もっともこれは三音節以上の動詞でもいえる。
”
以上のなかには現代語でないものがある。
いる(入る) ー> はいる
<いりぐち (入口) >とは言うが<はいりぐち>はまれにしか聞かない。
うる(得る)ー> える (得る)
かる(駆る)
1 追いたてる。せきたてて追う。「牛を―・ってさくの中に追い込む」2 速く走らせる。急がせる。「車を―・って現場へ急ぐ」
3 ある行動を取らなければならないような気持ちにする。また、ある感情をますます強くする。「好奇心が探求へと―・る」「うわさが人々を不安へと―・った」→駆られる
例文は現代文だが、実際にはほとんど使わないだろう。
< 駆 (か) ける (走る) >は上の<駆る>とは関係なさそう。
かる(狩る)
<狩る>は実生活離れしていて、殆ど使わない。<狩りをする>が普通の言い方だろう。<かりうど (狩人、猟人) >も実生活離れしているが、童話などで出てきて,意味が保たれている。<狩る>は上の<駆る>と似たようなところがあり、<かる>でもとは同じだったのではないだろうか。
たる(足る)ーー> 足りる
ゆる(揺る) <揺る>は古語か?
デジタル大辞泉
[動ラ五(四)]
1 揺り動かす。ふるい動かす。ゆすぶる。
「背広の肩を抑えて、前後に―・りながら」〈漱石・それから〉
2 (「淘る」「汰る」とも書く)水の中などで、ふるい動かして選び分ける。「砂金を―・る」
3 物が揺れ動く。特に、地震が起こる。
「地震が―・る度に」〈漱石・吾輩は猫である〉
1、2は他動詞、3は自動詞。
これからすると
ゆる(揺る) ―>ゆする (他動詞)
ゆる(揺る) ―>ゆれる (自動詞)
さて今回、このポストでは
<xる、xれる、xらす>について調べてみる。特に自動詞と他動詞の違いに注目している。これ (自動詞と他動詞の違い) に関してはこれまでいろいろ書いている。例えば
ある(在る、有る)ー あれる(在れる、有れる)ー あらす(在らす、有らす)
< ある(在る、有る)>は自動詞。大動詞で自動詞の大代表と言える。
<xれる>には、これから見るように、受身化、自発化、他動詞の自動詞化の働きがあり、自動詞< ある(在る、有る)>の受身化、自発化、他動詞の自動詞化はいわばナンセンスで、<あれる(在れる、有れる)>とはまず言わない。これは肝心なことだ。
< xらす>は、これまたこれから見るように、使役化の働きがある。使役の意味、定義はっきりしていないが、自動詞の他動詞化でもある。
使役とは<誰だれに何かをさせる>としておく。では
あらす(在らす、有らす)は使役か、という問題がでてくる。
< ある(在る、有る)>は 人の場合には<いる (居る>、場合のよっては<おる>になる。
花子に (家に) あらす
はダメだが
花子に (家に) いらす
は使役になる。自動詞の使役化は可能、ということだ。
いる(射る)は、<矢を射る>、<的を矢で射る>で他動詞。
いる(射る)ー いれる(射れる)ー いらす(射らす)
<いる (煎る、炒る) <も<豆を煎る、炒る>で他動詞。
いる(煎る、炒る)ー いれる(煎れる、炒れる)ー いらす(煎らす、炒らす)
<いる (鋳る >はあまり使わないが、
デジタル大辞泉
いる【鋳る】 [動ア上一][文][ヤ上一]
溶かした金属を鋳型に流し込んで器物をつくる。鋳造する。「鐘をいる」
刀は鋳造ではなく鍛造。鋳造されるものは鋳物 (いもの) という。
Wiki
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日本の鋳物
日本に鋳物技術が伝わったのは弥生時代と推測され、銅鐸や銅鏡、銅剣などが出土している。古墳時代や飛鳥時代以降、各種の器や工芸品、仏像などが作られた。
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<いる(鋳る>は古い言葉で
いる 【鋳る】活用{い/い/いる/いる/いれ/いよ}
金属を溶かし、鋳型に入れて器物を造る。鋳造する。
出典更級日記 鏡のかげ
「母一尺の鏡をいさせて」
<いる(鋳る>も他動詞で
いる(鋳る)ー いれる(鋳れる)ー いらす(鋳らす)
いれる(射れる)、いれる(煎れる、炒れる)、いれる(鋳れる)はいずれも可能(xxできる>の意になる。
いらす(射らす)、いらす(煎らす、炒らす)、いらす(煎らす、炒らす)はいずれも<誰だれにさせる>で使役の意味だ。同音多義語だが、意味は統一がとれている。
入 (い) る ー 入 (い) れる ―(入らす)
はいる ー はいれる ― はいらす
はややこしい。
<入 (い) れる>は他動詞。現在<入 (い) る>、<入らす>はほとんど使わない。
<はいれる>は可能。<はいらす >は使役のパターン。
古語をチェックしてみると
学研全訳古語辞典
い・る 【入る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
① はいる。はいってゆく。
出典伊勢物語 九
「宇津の山に至りて、我がいらむとする道は、いと暗う細きに」
[訳] 宇津の山について、自分たちがはいってゆこうとする道は、たいそう暗く細いうえに。
以下略
[二] 他動詞ラ行下二段活用
活用{れ/れ/る/るる/るれ/れよ}
① 入らせる。入れる。
出典古今集 雑上・伊勢物語八二
「あかなくにまだきも月の隠るるか山の端(は)にげていれずもあらなむ」
[訳] ⇒あかなくに…。
以下略
終止形はいずれも<入る>。現代語の他動詞<入れる>は古語の[二] 他動詞ラ行下二段活用由来だろう。
未然形 入れず連用形 入れて
現代語<入れる>はラ行下一段活用で古語の<入る>他動詞ラ行下二段活用を踏襲していることになる。
はいる ー はいれる ― はいらす
<はいる>は<這い入る>由来というがクエスチョンマークだ。古語の<入る>は多使用語で、さらに上述の<射る、煎る、炒る、鋳る>、さらにまた<居る>、<要る>も<いる>で<いる>は多すぎる。<はいる>の<は>は区別のために接頭語として付いたのではないか?
<はいる> はラ行五段活用で
はいらない
はいりて ー>はいって
はいる
はいるとき
はいれば
<はいれる>は可能動詞でラ行下一段活用。
はいれないはいれて
はいれる
はいれるとき
はいれれば
あとで述べるが日本語には
<五段活用 -> 下一段活用>変換による可能動詞化
というのがある。話が横道にそれて何が何だかわからなくなっているが、もとに戻ると
いる(居る、要る)
居る ― 居れる ー 居らす
<居る>は自動詞だが<居れる>は可能の意だ。<居らす>は使役。
<居る>はア行上一段活用
<五段活用 -> 下一段活用>変換による可能動詞化
を応用すると
居れます
居れる
居れれば
上で書いたが
ある(在れる、有れる) ー> あれる(在れる、有れる) -> あらす(在らす、有らす)
の<あれる(在れる、有れる)> はダメだ。<ある>はラ行五段活用。
あらず
ありて ->あって、あります
ある
あるとき
あれば
だが
<五段活用 -> 下一段活用>変換による可能動詞化
あれないあれます
あれる
あれるとき
あれれば
がダメだ。
一方<おる>もラ行五段活用の動詞で、こちらの方は
おらない
おります、おりて(なのかおかしい)
おる
おるとき
おれば
<五段活用 -> 下一段活用>変換による可能動詞
おれないおれます、おれて(なのかおかしい)
おれる
おれるとき
おれれば
はなんとか可能。どうもややこしい。<居る>、<おる>は似たところがある。<ある>は別格なのだ。
いる(要る)
<要る>は<xxが要る>で自動詞。英語では to need は
I need some money.
で他動詞。
<私はカネを要る>はダメ。<私はカネを必要とする>もまずこうは言わない。
形容詞の necessary は
Some money is necessary. カネが必要。カネが要る。
で自動詞的になる。
要る ― 要れる ー 要らす
<要れる>も<要らす >もダメで、限定的だ。逆に限定的なところがおもしろい。
デジタル大辞泉では
い・る【要る】
[動ラ五(四)]《「入(い)る」と同語源》費用・品物・時間などが必要になる。入用である。「資本が—・る」「暇が—・る」「お世辞は—・らない」
という解説がある。
<カネが入り用だ>が普通だが
カネが入 (にゅう) 用だ
とも言う。この<用>は何だかよくわからない。<入 (にゅう) 用>は<入り用>の書き言葉由来だろう。
得 (う) る
うる (得る) は古語ではなく古語は<得 (う) >。現代語は<得る、える>だが<得 (う) る>で代替可能。<得 (う) る>は古語のように聞こえる。
成しえる。成しうる
学研全訳古語辞典
う 【得】
える(得る)
デジタル大辞泉
2 納得する。理解できる。悟る。「要領をえない質問」「よくその意をえない」
3 好ましくないものを身に受ける。「罪をえる」「病をえる」
4 (多く、活用語の連体形に助詞「を」を添えた形に付いて)可能である、の意を表す。…できる。「そうせざるをえない」「ようやく監視の目を逃れることをえた」
5 (動詞の連用形に付いて)
㋐…できる。「微笑を禁じえない」
㋑そのようになる可能性がある。「交渉決裂もありえる」「起こりえない事故」
4.5はおもしろい。
可能と可能性は違う。英語でははっきり違う。
可能性 ― かもしれない could、may (be)、might
中国語でもはっきり違う。
可能 ― 可以、能、会 (それぞれ使い分けがある)可能性 ― 可能、也许 (副詞)
<得 (え) る>はア行下一段活用で
得 (え) ない
得 (え) て
得 (え) る
得 (え) るとき
得 (え) れば
可能は<得 (え) れる>、使役は<得 (え) さす>
<得 (う) る>(文語) は古語の<得 (う) >に準じた活用で
う 【得】. [一]他動詞ア行下二段活用. 活用{え/え/う/うる/うれ/えよ}
純古語の<得 (う) >の活用は
得 (え) ず
得 (え) て
得 (う)
得 (う) るとき
已然形 得 (う) れば 得たので
<得 (う) る>(文語) は
得 (え) ない
得 (え) て
得 (う) る
得 (う) るとき
得 (う) れば
となるか。
可能<得 (う) れる>、使役<得 (う) さす>はダメだ。<得 (う) られる>もダメ。
<得 (え) る>はア行下一段活用なので、<五段活用 -> 下一段活用>変換による可能動詞化、が使えないが
<得れる>は可能で
得 (え) れない
得 (え) れて
得 (え) れる
得 (え) れるとき
得 (え) れれば
だが一般には<得られる>で
得 (え)られない
得 (え)ら れて
得 (え) られる
得 (え) れれるとき
得 (え) られれば
える(選る)
<選 (え) る> はあまり使われない。<選り好み (する)>するくらいか。普通は<選 (えら) ぶ>が使われる。<選 (え) る>は<得 (え) る>と混同するので<選 (えら) ぶ>が使われるようになったのか。
おる(折る、織る、居る)
折る ー 折れる ― 折らす
<折れる>は自動詞、可能の両義がある。
織る ー 織れる ― 織らす
<織れる>は可能。
居 (お) る ー 居 (お) れる ― 居 (お) らす
<居 (お) れる>は可能。 <居 (お) らす>は使役。
上記のうち
折る ー 折れる ― 折らす
<折れる>は自動詞、可能の両義がある。
を検討してみる。
<折る>は他動詞で<折れる>は自動詞。<れる>は他動詞の自動詞化と言える。
先取することになるが
切る ー 切れる ― 切らす
反 (そ) る ー 反 (そ) れる ― 反 (そ)らす
割る ー 割れる ― 取らす
振 (ふ) る ー 振 (ふ) れる ― 振 (ふ) らす
漏 (も) る ー 漏 (も) れる ― 漏 (も) らす
割る ー 割れる ― 割らす
が同様だ。
ーーーーー
かる(刈る、駆る、狩る)
きる(切る)
きる(着る)-上の<きる>とイントネーションが違う。
くる(来る)
くる(繰る)-上の<くる>とイントネーションが違う。
ける(蹴る)
こる(凝る)
さる(去る)
しる(知る)
する(擦る)
する(する)-上の<する>とイントネーションが違う。
せる(競る)
そる(剃る、反る)
たる (足る)
たる (足る) ー たれる (足れる) (ダメ) ー たらす (足らす)
三音節動詞(四音節動詞)
xある 三音節動詞が見つからない。二音節動詞<ある>が多用されるため混同をさけるためか?
おいる(老いる、老ゆ) - 上一段活用
くいる(悔いる、悔ゆ) - 上一段活用
しいる(強いる) - 上一段活用
はいる(入る、這入る)
まいる(参る)
xうる 可能をあらわす接尾語的な<うる>がついた<xうる>(しうる、耐うる、見うる)以外の純三音節動詞が見つからない。二音節<うる>は<売る>と<得(う)る>があるが<得(う)る>は<得(え)る>に取って代わられている。接尾語的な<xうる>も同じでおおかた<xえる>に代わってしまっている(しえる、耐える、見える)。<うる(uru)>はやや発音しにくい。
おえる(終える)
かえる(変える、替える、代える)
かえる(帰る、返る)-上の<くかえる>とイントネーションが違う。
きえる(消える、消ゆ)
こえる(越える、超える、越ゆ)
さえる(冴える、冴ゆ)
すえる(据える、据ゆ)
そえる(添える)
たえる(耐える、絶える、絶ゆ)
なえる(萎える、萎ゆ)
にえる(煮える、煮ゆ)
はえる(生える、生ゆ、映える、映ゆ)
ひえる(冷える、冷ゆ)
ふえる(増える、増ゆ)
ほえる(吠える、吠ゆ)
もえる(燃える、萌える、燃ゆ、萌ゆ)
<かえる(帰る、返る)>以外は 下一段活用。これはどういうわけか?
<うる>とは対照的に<える>はきわめて多用される。上記はに他動詞以外は自発的な自動詞で多くはもともと<xxゆ>だ。<xxゆ>動詞については別のところで検討した。<xxえる>で多いのは<可能>で、会える、追える、買える、食える、吸える、縫える、見える などがある。もともとは、会いえる、追いえる、買いえる、食いえる、吸いえる、縫いえる。これらは上記に含めていない。四音節動詞で<可能>の意がないまたは薄いものをいくつか挙げると、
あたえる(与える)
あまえる(甘える、甘ゆ)
おさえる(押さえる)
おしえる(教える)
おぼえる(覚える、覚ゆ)
かかえる(抱える)
かぞえる(数える)
かなえる(叶える)
かまえる(構える)
きたえる(鍛える)
くわえる(加える、犬が骨をくわえる)
こさえる(こしらえる)
こたえる(答える)
こらえる
さかえる(栄える、栄ゆ)
ささえる(支える)
そなえる(備える)
そびえる(聳える、聳ゆ)
たがえる(違える)
たたえる(称える)
たとえる(例える)
ちがえる(違える)
つかえる(ものがのどにつかえる)
つがえる(番える、鳥のつがい)
つたえる(伝える)
とだえる(途絶える、途絶ゆ)
とらえる(捉える)
ひかえる(控える)
ふまえる(踏まえる)
ふるえる(振るえる)
まじえる(交える)
まよえる(迷える) - 連体形だけか? 普通は<迷う>の五段活用。<さまよえる>も同じ。
むかえる(迎える)
もだえる(悶える、悶ゆ)
以上すべて - 下一段活用。
まだまだだあるだろう。<xxえる>に関しては長くなるので別途調査。
あおる(煽る)
かおる(香る)
こおる(凍る)
とおる(通る)
なおる(治る、直る)
いかる(怒る)
かかる(掛かる)
さかる(盛る)
しかる(叱る)
たかる(ハエがたかる)
つかる(浸かる)
ぬかる(ぬかることがあってはならぬ、という言い方ある。<ぬかるみ>はどの<ぬかる>からか?>
はかる(測る、図る)
ひかる(光る)
まかる(罷る、まかる:値段を<まける>の自動詞)
わかる
あきる(飽きる)
いきる(生きる)
しきる(<仕切る>は<切る>由来だが、<取りしきる>は<とりしく>由来か?
おきる(起きる)
つきる(尽きる)
<しきる>以外は上一段活用。
あくる(あくる年、<明けた年>の意か?)
おくる(送る)
くくる(括る)
あける(空ける、開ける、明ける)
いける(活ける)
うける(受ける)
かける(駆ける、掛ける)
かける(欠ける)-上の<かける>とイントネーションが違う。
こける
さける(裂ける、避ける)
しける
すける(透ける)
つける(付ける、着ける)
つける(漬ける)-上の<つける>とイントネーションが違う。
とける(解ける)
ぬける(抜ける)
のける
ひける(仕事が<ひける>)
まける(負ける、まける:値段をまける)
むける(向ける、剥ける)
やける(焼ける)
よける
わける(分ける)
以上すべて - 下一段活用。
<xxける>は多いが、もともとは
他動詞については
いける(活ける) - 活く
うける(受ける) - 受く
かける(駆ける、掛ける) - 駆く、掛く
つける(漬ける)- 漬く
のける - のく
まける(まける:値段をまける) - まく
むける(向ける、剥ける) ‐ 向く
よける - よく
わける(分ける) - 分く
などで二音節動詞でかつ四段活用であったろう。この<xく>から<xxける>(下一段活用)への変化は大きな変化で<る>の動詞化能力が関係していると思われる。
一方自発的な自動詞
かける(欠ける) - 欠く
すける(透ける) - 透く (梳く)
とける(解ける、溶ける) - 解く、溶く
ぬける(抜ける)- 抜く
やける(焼ける) - 焼く
の自他の対応があるものと
こける - こく(?)
しける - しけ(?) これは<湿気(しっけ)由来だろう。
の自他の対応が考えにくいものがある。 さらには自他が逆転している動詞がある。
あける(空ける、開ける) - 空(あ)く、開(あ)く(自動詞)。<明ける、明く>は自動詞。<開(ひら)く>は自/他両用。
つける(付ける、着ける) - 付く、着く(自動詞)
おこる(起る、怒る)
しこる
のこる(残る)
ほこる(誇る)
あがる(上がる)
さがる(下がる)
すがる
とがる(尖る)
まがる(曲がる)
よがる
形容詞について<xxがる>という慣用的な動詞群がある。
うるさがる、うれしがる、えらがる、かなしがる、さみしがる
かぎる(限る)
くぎる(区切る。<区切る>は当て字だろう)
(さえぎる)
すぎる(過ぎる、過ぐ)
たぎる
ちぎる(千切る、契る。<千切る>は当て字だろう)
(とぎれる)
にぎる
ねぎる(値切る)
(みなぎる)
よぎる
<すぎる(過ぎる、過ぐ) >は上一段。それ以外は五段活用。したがって<切る>由来か。<か、た、ち、に、よ>は接頭辞か?
くぐる
さぐる(探る)
たぐる
なぐる
めぐる(巡る)
もぐる(潜る。水に潜るのはこれでいいが、土に<もぐる>モグラは<潜ら>ではない)
あげる(あげる、上げる、挙げる、揚げる)
かげる(影る、陰る、翳る)
こげる(焦げる)
さげる(下げる)
しげる(繁る)
そげる(削げる)
つげる(告げる)
とげる(遂げる)}
なげる(投げる)
にげる(逃げる)
ぬげる(脱げる)
はげる(禿げる)
まげる(曲げる)
もげる
<かげる>、<しげる>は五段活用。それ以外は下一段活用。これは<かげる>、<しげる>は<かげ>、<しげ(み)>由来のためか?
<xxける>とおなじく<xxげる>はもともと
他動詞については
あぐ(上ぐ〉
さぐ(下ぐ)
つぐ(告ぐ)
とぐ(遂ぐ)
なぐ(投ぐ)
にぐ(逃ぐ)
まぐ(曲ぐ)
であったと考えらる。 一方自発的な自動詞
そげる(削げる) - 削ぐ
ぬげる(脱げる) - 脱ぐ
はげる(禿げる) - 剥ぐ
もげる - もぐ
の自他の対応があるものと
かげる(影る、陰る、翳る) - かぐ(?)
こげる(焦げる) - こぐ (?)
しげる(繁る) - しぐ(?)
の自他の対応が考えにくいものがある。これらは<かげ>、<こげ>、<しげ(み)>の名詞(体言)由来の動詞か?
おごる(おごる:食事をおごる、驕る)
にごる
あさる(漁る)
くさる(腐る)
ささる(刺さる)
まさる(勝る)
(ののしる)
はしる(走る)
むしる
かする(地面をかする、かすめる)
こする
さする
なする
ゆする
いずれも<擦(す)る>由来。<か、こ、さ、な>は接頭辞のようだ。 <ゆする>は<揺り擦る>か?
あせる(焦る)
うせる(失せる)
のせる(乗せる) 乗る(自動詞)
ませる(ませた子)
ふせる(伏せる) 伏す(他動詞)
むせる(咽る)
やせる(痩せる)
<あせる(焦る)>は五段活用。それ以外は下一段活用。
<せる>は使役の助動詞。<着せる>、<させる> 、<ねせる(寝せる、寝かせる)>、<見せる>。
そそる
ほそる(細る)
よそる(ご飯をよそる)
かざる(飾る)
まざる(混ざる)
いじる
かじる
くじる (くじく)
こじる(こじれる)
とじる(閉じる)
どじる(俗口語、ドジなことをする)
なじる
ねじる
はじる(恥じる)
ほじる
まじる(混じる)
もじる
やじる
よじる
<xxじる>はおもしろい動詞グループだ。<とじる(閉じる)> 、<はじる(恥じる)>は下一段活用、それ以外は五段活用だ。
ぐずる(俗口語、ぐずぐずする)
まずる(俗口語、まずいことをする)
ゆずる(譲る)
はぜる(栗のみがはぜる)
まぜる(混ぜる)
下一段活用。
なぞる
あたる(当たる)
かたる(語る)
すたる
たたる(祟る)
ひたる(浸る)
わたる(渡る)
おちる(落ちる、落つ)
くちる(朽ちる、朽つ)
さちる(to saturate の和語化動詞)
とちる(俗口語、とつ(?))
みちる(満ちる、満つ)
<おちる(落ちる、落つ)>、<くちる(朽ちる、朽つ) >、<みちる(満ちる、満つ)>は上一段活用。 <さちる>、<とちる>はは五段活用。これは<さちる>、<とちる>が新語、造成語のためだろう。
うつる(移る、写る、映る) 漢字の動詞はいづれも関連語。<うつす>も同じ)
ほつる(?)(ほつれる、ほつ(?))
まつる(祭る)
みつる(満つる)
あてる(当てる、充てる、当つ、充つ)
すてる(捨てる、捨つ)
はてる(果てる、果つ)
みてる(満てる、満つる、満つ)
すべて下一段活用。だが<みてる(満てる)の活用がしっくりいかない。
満たない、満ちない、満てない(満たず、満ちず、満てず)
満ちながら、満てながら、満てて、満ちて
満つ、満ちる、満てる
満つる時、満てる時、満ちる時
満つれば、満てれば、満ちれば
以上の<xちる>、<xつる>、<xてる>動詞は元来<xつ>動詞と思われる。別途<xxつ>動詞として検討予定。
おとる(劣る)
さとる(悟る)
ふとる(太る)
もとる
うだる(ゆだる)
xぢる
xづる
うでる(ゆでる)
なでる
下一段活用。
おどる(踊る)
たどる
もどる(戻る)
やどる(宿る)
うなる
がなる(俗口語)
しなる(しなう)
どなる
xにる
xぬる
うねる
(おもねる)
かねる(兼ねる)
(くすねる)
くねる
すねる
(たばねる)
つねる
まねる
<うねる>、<くねる>、<つねる>は五段活用。<おもねる>、<かねる>、<くすねる>、<たばねる>、<まねる>は下一段活用。どういうわけか?
<xxじる>とならんで<xxねる>はおもしろい動詞たちのグループだ。
いのる(祈る)
つのる(募る)
みのる(実る)
xはる
xひる
xふる
xへる
xほる
昔の書き言葉(文語)では<ある、いる、うる、える、おる>相当。
いばる
くばる(配る)
えばる
ねばる
(のさばる)
あびる
いびる
おびる(帯びる)
かびる
(くびれる)
こびる
さびる(錆びる)
せびる
(そびれる)
ちびる
のびる
わびる
<いびる>、<せびる>、<ちびる>は’五段活用。新語、造語の類だろう。その他は上一段活用。 <xxびる>もおもしろい動詞たちのグループだ。
あぶる(炙る)
いぶる(燻る)
かぶる(被る)
つぶる
なぶる(嬲る)
にぶる(鈍る)
やぶる(破る)
くべる(マキをくべる。すでに古語か)
すべる(滑る、統べる)
たべる(食べる)
のべる(述べる)
はべる(侍る)
<くべる>、<統べる>、<たべる>、<のべる> は下一段活用。<すべる(滑る)>、<はべる>は五段活用。
(おぼれる)
(こぼれる)
さぼる(サボタージュの<サボ>だろう)
あまる(余る)
うまる(埋まる)
きまる(決まる)
こまる(困る)
しまる(閉まる、締まる)
せまる(迫る)
そまる(染まる)
たまる(貯まる)
つまる(詰まる)
とまる(止まる、泊まる)
なまる
はまる(嵌る)
しみる(沁みる)
上一段活用。
(こうむる(被る))
うめる(埋める)
きめる(決める)
こめる(込める)
さめる(冷める、覚める)
しめる(締める、占める)
せめる(攻める)
そめる(染める)
ためる(貯める)
つめる(詰める)
とめる(止める)
なめる(舐める)
のめる(のめり込む)
はめる(嵌める)
ひめる(秘める)
ほめる(褒める)
もめる(もめごと)
やめる
<のめる(のめり込む)>は五段活用。その他はすべて下一段活用。
くもる(曇る)
こもる(籠る)
つもる(積る)
ともる(灯る)
まもる(守る)
xやる
くゆる(薫る 薫ゆ、燻る、燻ゆ)
たよる(頼る)
xらる
かりる(借りる)
こりる(懲りる)
たりる(足りる)
すべて上一段活用。
xるる
あれる(荒れる) - 荒らす
いれる(入れる)
おれる(折れる) - 折る
かれる(枯れる) - 枯らす
くれる(暮れる) - 暮らす (日を暮らす)
すれる(擦れる) - 擦る
それる(逸れる、反れる) - 反らす
たれる(垂れる) - 垂らす
つれる(連れる)
とれる(取れる、採れる) - 取る、採る
なれる(慣れる) - 慣らす
ぬれる(濡れる) - 濡らす
はれる(晴れる) - 晴らす
はれる(腫れる) -上の<くはれる>とイントネーションが違う。
ふれる(触れる、振れる) - <触れる>は自他両用。 振る
ほれる(惚れる) - <xxに惚れる>で自動詞だが<xxに惚れられる>という受身形がある。
もれる(漏れる) - <漏る>も自動詞。 漏らす
ゆれる(揺れる) - 揺らす
よれる(撚れる) - 撚る
われる(割れる) - 割る
すべて下一段活用。
<xれる>は自働詞が多い。これは<れる>が助動詞として<自発>の意があるのに関連する。対応する他動詞を加えておいた。<れる>は自発以外でが可能、受身、被害、尊敬をあらわし、基本的にどの動詞にもつく。
とれる - 取れる、採れる、捕れる
ボタンがとれる(取れる)(ボタンに意思はないが一応自発)
さかながよくとれる(採れる、捕れる) (可能)
される(受身、尊敬)
xろる
かわる(変わる、替わる、代わる)
さわる(触る)
すわる(座る)
まわる(回る)
sptt
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