使役の助動詞は<せる>、<させる>。
文法上の使役とは何か?
デジタル大辞泉
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し‐えき【使役】 2 文法で、ある行為を他人に行わせることを表す言い方。動詞に、文語では助動詞「す」「さす」「しむ」など、口語では助動詞「せる」「させる」「しめる」などを付けて言い表す。
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Wiki
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日本語では、助動詞の「せる、させる」を未然形に接続させる。 「せる」は五段動詞の未然形とサ行変格活用の未然形「さ」に接続し、「させる」は上一段活用・下一段活用・カ行変格活用の未然形に接続する。
五段活用 書かせる
上一段活用 見させる
下一段活用 食べさせる
サ行変格活用 させる
カ行変格活用 来させる
「~せる」を「~す」と表すこともあるが、それは、五段活用のみであって、上一段活用・下一段活用・カ行変格活用・サ行変格活用では表さない。
五段活用 ○書かす
上一段活用 ×見さす
下一段活用 ×食べさす
サ行変格活用 ×勉強さす
カ行変格活用 ×来さす
”
<見さす>、<食べさす>、<勉強さす>、<来 (こ) さす>はダメとなっているが、問題ないだろう。
英語の使役
英語は助動詞ではなく、一般動詞を使うが、使役動詞とも言える特殊な動詞がある。
Wiki
”
英文法における使役
目的格補語に原形不定詞を用いるもの
let
have
make
bid
help
drive
目的格補語に to 不定詞を用いるもの
allow
permit
get
force
compel
oblige
cause
drive
encourage
invite
tempt
help
”
上の<目的格補語に原形不定詞を用いるもの>が使役動詞とも言える特殊な動詞。実際によく使うのは、to let, to make。to help と to drive は<目的格補語にto 不定詞を用いる>こともできるようだ。<目的格補語に to 不定詞を用いる>動詞でよく使うには to allow、to permit、to force。英語の場合、使役の対象はヒトでなくてモノでもよさそう。
to let it be (歌に文句)
to make this plant grow
to make this ball hit the wall
だがこれらは使役と言えるか?
更に
Let me go.
は自分自身への使役といえるか?
自動詞 / 他動詞ペアの使役
落ちる (自動詞) ー 落とす (他動詞)
落ちる (自動詞) ー 落ちさす ー 落ちさせる
熟れたリンゴが樹から落ちる。太郎に熟れたリンゴを樹から落ちさす、落ちさせる。(何かおかしい)
落とす (他動詞) ー 落とさす ー 落とさせる
熟れたリンゴを樹からおとす。
太郎に熟れたリンゴを樹から落とさす、落とさせる。
焼ける (自動詞) ー 焼く (他動詞)
焼ける (自動詞) ー 焼けさす ー 焼けさせる
鶏肉が焼ける。
太郎に鶏肉を焼けさす、焼けさせる。(何かおかしい)
焼く (他動詞) ー 焼かす ー 焼かさせる
鶏肉を焼く。
太郎に鶏肉を焼かす、焼かさせる 。
壊 (こわ) れる (自動詞) ー 壊 (こわ) す (他動詞)
壊 (こわ) れる (自動詞) ー 壊れさす
テレビが壊れる
次郎にテレビを壊れさす、壊れさせる(ややおかしい)。
次郎にテレビを壊れるようにさす、させる、ならいい。
壊 (こわ) す (他動詞) ー 壊わさす
次郎がテレビを壊わす
次郎にテレビを壊わさす、壊わさせる
割れる (自動詞) ー 割る (他動詞)
割れる (自動詞) ー 壊れさす
花瓶が割れる
花子に花瓶を割れさす、割れさせる(ややおかしい)。花子に花瓶を壊れるようにさす、させる、ならいい。
割る (他動詞) ー 割らす、割らさす、割らさせる
花子が花瓶を割る花子に花瓶を割らす、割らさす、割らさせる
流れる (自動詞) ー 流す (他動詞)
流れる (自動詞) ー 流れさす、流れさせる
川が流れる
川を流れさす、流れさせる 文字通りでは変だが、川の水を流れさす、流れさせる
水が流れる
水を流れさす、流れさせる
木の葉が流れる
木の葉を流れさす、流れさせる
流す (他動詞) ー 流さす、流さす
川を流す 文字通りでは変だが、川の水を流す
川を流さす、流させる 文字通りでは変だが、川の水を流さす、流させる
水を流す
水を流す、流させる
木の葉を流す
木の葉を流す、流させる
ところで、冒頭で
”
デジタル大辞泉
し‐えき【使役】 2 文法で、ある行為を他人に行わせることを表す言い方
”
を取り上げたが、
上の例では他人ではなく自分自身でも問題ない。
水を流れさす、流れさせる 自分自身がする三郎に水を流れさす、流れさせる 使役
木の葉を流れさす、流れさせる 自分自身がする
三郎に木の葉を流れさす、流れさせる 使役
流す (他動詞) ー 流さす、流さす
水を流さす、流させる 自分自身がするはややおかしい三郎に水を流さす、流させる 使役
木の葉を流さす、流させる 自分自身がするはダメ
三郎に木の葉を流さす、流させる 使役
更に他動詞<流す>の場合は
水を流す 自分自身がする三郎が水を流す 三郎がする
が可能だ。
流す (他動詞) ー 流さす ー 流させる
川を流す(あまり聞かないが、川を作って水を流す、ような意味だ)
水を流す
木の葉を流す
話がメチャクチャになりかけているので、結論は別途進める予定。
注意したいのは、以上の例は少ないが
落ちる (自動詞) ー 落とす (他動詞)
壊 (こわ) れる (自動詞) ー 壊 (こわ) す (他動詞)
流れる (自動詞) ー 流す (他動詞)
と、他動詞語尾に<す>が出て来ることだ。これは一字の使役の助動詞<す>と関連がありそうだ。
sptt
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