Thursday, May 14, 2020

イタリア語の sentire は<to hear>、<to listen to>


(voligo) sentiirsi dire というのが出てきたので伊英ネット辞典で調べたら to hear とでてきた。<見る><見える>についてはは相当何度も繰り返し書いているが<聞く><聞こえる>は付随しておまけ程度に調べ、少し考えて書いている。英語の to hear (聞こえる)、to listen (to) (聞く)が参考になるが、 最近再勉強中のイタリア語の<聞く><聞こえる>を調べて見た。

イタリア語の sentire の原意は<感じる>だが sentire で<聞こえる>と<聞く>の意もある。
Collins Reverso Dictionary

ここでの引用は<聞こえる><聞く>関連のみ。

sentire
 (udire)    to hear  ,   (ascoltare)    to listen to
mi sentite?      can you hear me?

これはこのまま覚えて使えそう。英語は Do you hear me ? というのもよく聞く。

sento dei passi      I can hear footsteps

イタリア語を直訳すると I hear some footsteps. でこれも自然な英語だ。

mi piace sentire la musica      I like listening to music

ここで to listen to が出てきた。 to listen の<聞こうとして聞く>の意味というより、to listen to music のセットフレーズと見た方がいい。イタリア語は sentire で間に合わせている。

stare a sentire      to listen

stare = to stay

これは慣用表現。ついでに stare a 動詞原型 を見ておくと

stare a sentire      to listen  
sta' a sentire      listen a minute  
stare ad insistere      to insist  
è inutile che stai a dirmi tutte queste cose      there's no good o use telling me all this  
sta a te decidere      it's up to you to decide  これはイタリア語的表現。
stando a ciò che dice lui      according to him o to his version  
stando ai fatti, sembrerebbe che...      the facts would seem to indicate that ...  
staremo a vedere      let's wait and see   <satare a vedere(見る)>も慣用表現だ。直訳はLet's stay and then see. となる。
stiamo a vedere cosa succede      let's wait and see (what happens)  
stai a vedere che aveva ragione lei!      she would have to be right!  英語は意訳になっている。

hai sentito l'ultima?      have you heard the latest?  
senti, mi presti quel disco?      listen, will you lend me that record?  Senti !も命令。
ho sentito dire che...      I have heard that ...  <xxxxというのを聞いた。>という表現。英語では<というのを>が省かれる。sentire dire はあとで取り上げるが、基本的には<言うのを聞く>あるいは<いうのが聞こえる>だ。英語では to hear だけで済ませている。だが<to hear say>という表現はある。

stammi a sentire!      listen to me!    stare a sentire に mi (英語のme がついた形。
stammi bene a sentire!      just you listen to me!  さらに bene (よく)がついた形。
a sentir lui...      to hear him talk ...    英語でこういう表現が使われるか?
farsi sentire      to make o.s. heard   far は使役。si は再帰用法の自身の意の代名詞。o.s. はoneself  の略。ここでは heard となっているが hear でもよさそう。
fatti sentire      keep in touch  ti は再帰用法のあなた自身の意の代名詞。上の例にならうと
to make yourself heard となる。短いわりに込み入っているが、これは二人称の使役、再帰動詞の形。 Fai + ti -> Fatti. だがこれはもう少し調べる必要がある。
調べた結果: これは<君のことを聞かせてくれ>という意味のようだ。慣用表現。

non ci sente        (sordo)    he's deaf, he can't hear

ci
は<of it>に相当する代名詞。したがって to hear of it の意になる。sente sentire の三人称単数現在形。だがこれも慣用表現だろう。

non ci sente da quell'orecchio        (fig)   he always turns a deaf ear to things like that
senti quello che ti dice l'avvocato      go and ask your lawyer for advice
intendo sentire il mio legale/il parere di un medico      I'm going to consult my lawyer/a doctor
senti cosa vuole      see what he wants  
ma senti un po'!      just fancy that!  
senti questa!      just listen to this!
si sente che è straniero      you can tell he's a foreigner

以上も慣用表現で英語訳では< senti questa!      just listen to this!>を除き hear も listen も出てこない。

per sentito dire      by hearsay    <聞くところによると>だが私は聞いたことがない。
あとで詳しく検討するが、解説の始めにあるように<聞こえる>、<聞く>に特化した動詞では
 (udire)    to hear  ,   (ascoltare)    to listen to
がある。sentire の例文の英訳でも to hear to listen がある。命令形はどうも Listen (to) になるようだ。だが sentire の原意が<感じる>で、<感ぜよ>というのは何か変だ。日本語では<よく聞け!>で<聞く>の命令形。<聞こえる>の命令形は<きこえろ!><きこえよ!>だがまず使うことはないだろ。英語は基本的に to hear で<聞こえる>の意だがなぜか他動詞。<xxを聞く>は英語では to listen to to listen はなぜか自動詞で、<xxを>では前置詞の to が必要。
例文を見る限り<to hear>と<to listen to>は相半(あいなか)ばしている。<to see>やその他の訳もある。したがって<聞こうとして聞く>と<聞こえる>をはっきり分けて感じているわけではないことになる。いやむしろこれを機会に<聞こうとして聞く>と<聞こえる>の区別を見直した方がいい。

日本語、英語、イタリア語、いづれもとかくややこしい。

日本語

<聞こえる>は<xxが聞こえる>で自動詞。<聞こうとしなくても聞こえてくる>状態なので一種の自然現象。
<xxは聞こえる>とはめったに聞かない/言わない。 <xxが聞こえる>の助詞<が>は重要な働きをしている。<は>と<が>の違いはややこしいが
<が>は初回出(で)もの(こと)について述べる。一方<は>既知のもの(こと)について述べる。
という日本語の文法法則(これはひとことで<文法>だ)がある。これで説明できそうだが、たとえば

またあの音が聞こえる。

だと<が>は<既知のもの(こと)について述べる>ことになる。

またあの音は聞こえる。

は、ごく特殊な状況をべつとして、間違いといっていい。したがて<が>は<聞こえる>と強く結びついていることになる。

雨は降る降るxxx

とい歌があったが、これも効果をねらった言い方で

雨が降る
が普通。
 
 <が>は格助詞としていくつかの用法があり、そのなかに対格(xx を) の<が>というのがある。

花子はチョコレートが好きだ。
美代子は太郎が嫌(きら)いだ。 
 
の<が>は対格の<が>と言える。

またあの音が聞こえる。

の<が>はこの対格の<が>か?というとどうも具合が悪い。<花子はチョコレートxx>になっらて

わたしはまたあの音が聞こえる。

としても対格の<が>にはなりそうもない。

(xxが、xxのように)私には聞こえる、私に聞こえる - 私はxxを聞く

この用法での<私はxxを聞く>は非日本語的な言い方で、主に翻訳文か効果をねらって小説などの書き言葉ではでてくるが、日常会話ではまれだ。だが

私は音楽を聞く。
私は鳥のさえずりを聞く。

は日本語的な言い方で、間違いではない。これは英語の自動詞 to leisten to がついた to listen to xx 相当で、<聞こうととして聞く>場合。本題はイタリア語の <to hear>、<to listen to>なので、イタリア語を見てみる。

 (udire)    to hear  ,   (ascoltare)    to listen to
ネット辞書のCollins Reverso Dictionary udire の解説はごく簡単で訳と1例文でわずか2行で済ませている。<聞く><聞こえる>だけでも10行以上ある sentire とは対照的だ。実際にはあまり使われないのか?

udire
      vt irreg  
  (gen)    to hear  
l'abbiamo udita piangere      we heard her crying
これでは参考にならないのでCollins Reverso Contextの方から例文を コピーしておく。

Voglio udire quel canto. 

I want to hear that song.

Non sai quanto ho desiderato udire queste parole.

You've no idea how I've yearned to hear these words.

<聞きたかった>で<聞こえたかった>はナンセンスだ。だがもっと正確には<聞かせてもらいたかった>。状況はどちらかというと<聞こうとして聞く>なので、listen to these words でもよさそうだが、自分ではコントロールできない希望だからか to hear が使われている。イタリア語も udire が使われるのは同じような状況からか。< udire (to listen to) =聞こうとして聞く>のように単純ではないようだ。



Mi dispiace... ma mi è capitato di udire.
Sorry, but I happened to overhear.

<聞いてしまった>より<聞こえてしまった>がいい。 

Posso soltanto udire il trambusto intorno a me.

I can just hear the bustle around me.

trambusto, bustle はexcited activity and movement、hustle and bustle, turmoil, confusion で(おお、カラ、バカ)騒ぎ

Perciò desidera udire la tua esibizione.

So he desires to hear your performance.

ここでも<聞きたい>と願望が出てきている。またここも<聞こえたい>はナンセンス。

Voglio udire la verità da lui.

I would hear truth spilled from his mouth.

またまた<たい>だ。どうも udire は desiderare, volere (願望、たい)と相性がいいようだ。これは冒頭に紹介したsentiirsi dire にも言えること(あとで見てみる)で、なにかわけがありそう。


Allora, caro Bruto, preparati a udire.

Therefore, good Brutus, be prepared to hear.

ここは<聞こうとする>ので ascoltare でもよさそう? だが<聞こうとする>のではなく<聞こえてくる>のを待つのであれば udire か。


鳥の音(ね)が聞こえてくるのを待つ。


はあきらかに<聞こう>としている。したがって<鳥の音(ね)を聞きたい>と言うことになるが普通の日本語は<鳥の音(ね)が聞きたい>となる。この<が>は<xx(し)たい>という言い方につく。


 
この点をもう少し突っ込んで考えると


日本語の<聞きたい>は


1)聞こうとして聞きたい

2)聞こえてくる(聞こえる)のを聞きたい。こうは言わないが<聞こえたい>の意。

の区別がないといえる。<見たい>も同じ状況だ。


1)見ようとして見たい

2)見えてくる(見える)のを見たい。こうは言わないが<見えたい>の意。

これは日本語の特徴と言えるのではないか?


Sappiate solo che i Cavalieri del Ni non possono udire questa parola.

Suffice to say, it's one of the words the knights of Ni cannot hear.

<聞くことができない>と<聞こえない>は微妙に、あるいは大きく違う。<聞くことができない>は<聞かせてくれない>(不許可)の意があり、(聞こうとしても、聞きたくとも)<聞くことができない>のだ。<聞こえない>にはこの不許可の意がない。
Ho potuto udire Bennet Drake... mentre spirava.
I could hear Bennet Drake as he died.

spirare は自動詞として to expire 意外に (morire) to expire ⧫ pass away の意がある。他動詞では (vento) to blow (odore, emanare)

これはどういう意味か?

次に ascoltare を見てみる。

ascoltate 
vt(他動詞) 
(persona, musica, radio, discorso ecc)    to listen to

discorso は 講義、話

mi stai ascoltando?      are you listening to me?

この英語は聞いたことがない。イタリア語の直訳か。英語では Do you hear me ?  という簡潔な言い方がる。Do you hear me talking ? でもいい。 Do you hear my taking ? でもいいか?一方 to listen の方は Listen to me. がよく使われる。

ascoltare qn parlare/cantare      to listen to sb talk/sing

これも上に同じ。この英語は聞いたことがない。 to hear sb taking / singing が普通だ。

ascoltare qn con un orecchio solo      to half listen to sb

イタリア語の慣用表現だろう。orecchio は耳。un orecchio で<ひとつの耳>

ascoltare il consiglio di qn      to listen to o heed sb's advice
ascoltare la messa/una lezione      to attend Mass/a class
ascoltare un testimone        (Dir)   to hear a witness  

例文

Dovete ascoltare ogni parola che dice.
You've got to listen to every word she says.
Deve ascoltare quello che le dico.
You must listen to what I have to say.

よく使われListen to me. You must listen to me. の意だ。

 
Posso aiutare, o almeno ascoltare.
I can help, or at least listen.
Io non ripeto... quindi dovete ascoltare.
[Pats down pockets] I do not repeat, so you must listen.
Camilla... vorremmo ascoltare ancora la tua solita canzone.
Camilla, we would like to hear your songs, as we always do after lunch.

ここでは hear をつかって訳されている。 would like to との相性だろう。



Dobbiamo ascoltare il resto di quel discorso.
We need to hear the rest of that speech.

ここでも hear をつかって訳されている。これはなぜか?今度は speech との相性か?

È stato straordinario ascoltare alcuni interventi.

It is extraordinary to have listened to some of the contributions.


intervento m (
plural interventi)

これはどういう意味か?

Pertanto conviene
ascoltare chi più è stato offeso.

Therefore, we shall listen to him who has been most offended.
Dovevano ascoltare Maurice Chevalier tutto il tempo.
To have to listen to Maurice Chevalier sing so much
ascoltare shall, dovere, nust  と相性がいいようだ。

さて今度は始めにもどって sentre を調べてみる。
もとの意味は、基本的には<感じる>だ。そして他動詞。<xxを感じる>の意。

sentire 

1       vt  
a      (percepire, gen, al tatto)    to feel

sentire freddo/caldo      to feel cold/hot
sentire dolore      to feel pain
sento un gran male qui      I've got a terrible pain here
senti quanto pesa      feel how heavy it is
non sento niente      I can't feel a thing

以上は大体<xxを感じる>でいい。<感じる>は日本語化しており、日常頻繁に使うが、もとは漢語<感>+<ずる>で漢語由来。大和言葉では<xx をおぼえる>(寒さをおぼえる)、<xx をもよおす>(吐き気をもよおす)があり、これらも<感じる>と同じく他動詞だ。だが<聞こえる>、<見える>と同じく、あるいはもっと進んで積極的に<感じようとして感じる>ケースは少ないといえ積極的には<感じようとしないで><感じる>、いいかえると<(xxが)感じられる>が格段に多い。

il caldo si fa sentire      the heat is oppressive
la sua assenza si fa sentire      his absence is noticeable
これは再帰動詞(si)+使役(fa)用法でイタリア語だけではわかりにくい。再帰動詞(si)+使役(fa)+ sentire は<自分自身に感じさせる>とでもなる。 英語にはこの用法がないので、英訳はいわば意訳だ。なぜ<自分自身に感じさせる>のようなややこしい表現をするかというと、<感じる>はだいたい<感じようとしないで><感じる>からで、そうすると誰かが(何かが)<感じさせようとしないといけない>。そしてそれが感じる人(感じさせられる人>自身に及(およ)ぶのだ。<及(およ)ぶ>は自動詞で<xxがyyに及ぶ>と使うが、意味的には他動詞<xxをおぼえる>、<xxをもよおす>とにたような作用がある。
b      (emozione 感情)    to feel  
sentire un profondo affetto per qn      to feel deep affection for sb

この逆が
non sento niente per lui      I don't feel anything for him

sentire la mancanza di qn      to miss sb

これは英語の慣用表現。

sento che succederà qualcosa      I've got a feeling that something is going to happen  
sento che mente      I can sense that he is lying  
sento che mi vuole lasciare      I can sense that he wants to leave me
sentire che xxxx は<xxxと感じる> に対応する。

dice sempre quello che sente      he always says what he feels
c      (al gusto)    to taste  ,   (all'olfatto)    to smell
senti se ti piace questa salsa      taste this sauce to see if you like it  
senti se ti piace questo profumo      smell this perfume to see if you like it  
sento odore di pesce      I can smell fish  
ho il raffreddore e non sento gli odori/i sapori      I've got a cold and I can't smell/taste anything

味を感じる - 味わう
匂い(臭い)を感じる - 嗅(か)ぐ

で日本語は細分化している。英語も to tasteto smell と細分化しているが、さらに

This tastes good.
This smells good.

例文を見る限り<to hear>と<to listen to>は相半(あいなか)ばしている。<to see>やその他の訳もある。したがって<聞こうとして聞く>と<聞こえる>をはっきり分けて感じているわけではないことになる。

sentirsi
(再帰用法)

2    sentirsi             vr  
a      (gen)    to feel  
sentirsi bene/male      to feel well/unwell o ill  
come ti senti?      how are you?, how do you feel?  
sentirsi svenire      to feel faint  
b      (essere disposto)    sentirsi di fare qc      to feel like doing sth  
non me la sento      I don't feel like it  
proprio non se la sente di continuare      he doesn't feel like carrying on  
c      (uso reciproco)    to hear from each other, be in touch  
ci sentiamo spesso        (al telefono)    we often talk on the phone  
si sono sentiti di recente      they were in touch (with each other) recently 
再帰用法はいくつかの用法がある。

a.b.
は自分にもどってくる用法。

非再帰用法も再帰用法も英語では to feel ですましているが、イタリア語では大きな違いがある。

非再帰用法(sentire は他動詞)

1       vt  
a      (percepire, gen, al tatto)    to feel

percepire = to perceive
al tatto = to touch

sentire freddo/caldo      to feel cold/hot
sentire dolore      to feel pain
sento un gran male qui      I've got a terrible pain here
senti quanto pesa      feel how heavy it is
non sento niente      I can't feel a thing

大体外界の物理的な量の<感じ、perceotion

再帰用法

a      (gen)    to feel  
sentirsi bene/male      to feel well/unwell o ill  
come ti senti?      how are you?, how do you feel?  
sentirsi svenire      to feel faint  
大体自身を通じて(通して)の<感じ>。

b      (essere disposto)    sentirsi di fare qc      to feel like doing sth  
non me la sento      I don't feel like it  
proprio non se la sente di continuare      he doesn't feel like carrying on 

<したい>、<したくない>慣用的な言い方だ。

c.
は主語が複数で<互いに>の用法だが、例は慣用的な言い方だ。

(voligo) sentiirsi dire 

Vorrei sentire cos'ha da dire in proposito.

I should like to hear what he has to say about this.

Vorrei sentire cos'ha da dire in proposito il Presidente della Banca centrale europea.

I would like to hear the President of the European Central Bank's comments on this.

E se ti dovessi sentir dire qualcosa sui Mai in pubblico, di nuovo, ti strapperò la laringe personalmente.

And if I ever hear you bring up anything about the Mai again in public, I will personally rip out your larynx.

strappare = to tear to rip 
切れ切れにする、破いて細かくする(粉々にする)

laringe - larynx 喉(のど)

E non mi voglio sentir dire che devo andarmene in giro a trovare un'altra.
And I don't need you telling me that I should go out and find someone else.
mi
voglio sentir dire = to want to hear you (your) telling me


<君が言うのを聞く>という言い方。しかも願望<たい>。

Tuttavia, vorrei sentire cos'ha da dire in sua difesa. 
And yet, I would hear his defense.

これも願望<たい>。
La stampa deve sentire cosa ha da dire in merito la Casa Bianca...
The press needs to hear from the White House... fro



sptt

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