このポストは<擬態語、擬音語+する>の続編
<畳語式(重ね音式)擬態語、擬音語+する>を調べているうちに、<擬態語、擬音語+つく>の言い方が可能なものがいくつかあるのに気がついた。だが<擬態語、擬音語+する>に比べるとはるかに少ない(末尾参照)。これは何を意味するのか?また、この場合の<つく>はどういう意味か?
抜き出してみると
いらいらする - いらつく
うろうろする - うろつく
がさがさする - がさつく
がたがたする - がたつく
がやがやする - がやつく
ぐずぐずする - ぐずつく
ぐらぐらする - ぐらつく
ざらざらする - ざらつく
ざわざわする - ざわつく
じとじとする - (じとつく)
せかせかする - (せかつく)
ちゃらちゃらする - (ちゃらつく)
ちょろちょろする - (ちょろつく)
ねばねばする - ねばつく
ばらばらする - ばらつく
ぴかぴかする - (ぴかつく)
ひくひくする - (ひきつく)、 ひきつけ
びくびくする - びくつく、 なにをびくついているんだ?
ふらふらする - ふらつく
ぶらぶらする - ぶらつく
べたべたする - べたつく
べとべとする - べとつく
まごまごする - まごつく
むかむかする - むかつく
もたもたする - もたつく
よたよたする - よたつく
カッコをつけたものは人によっては言いそうなもの。明らかに意味やニュアンスが違うのもあるが
たとえば
いらいらする - いらつく
うろうろする - うろつく
ぐらぐらする - ぐらつく
ざらざらする - ざらつく
ねばねばする - ねばつく
びくびくする - びくつく
ふらふらする - ふらつく
ぶらぶらする - ぶらつく
べたべたする - べたつく
べとべとする - べとつく
まごまごする - まごつく
むかむかする - むかつく
もたもたする - もたつく
はほぼ同じような意味だ、ニュアンスだ。<xxxxする>が6音節と長いのにく比べて<xxつく>は擬態語、擬音語の畳語(重ね音)部分を半分だけ使っていて4音節と短く、言いやすいが、擬態語、擬音語のリズム感は失われている。リズム感は失われているが擬態語、擬音語の意味と言うか感じ、効果はなんとか保たれている。<擬態語、擬音語+する>に比べるとはるかに少ないのは、おそらく擬態語、擬音語がもつ感じを<xxxxする>を使って出したい、持ちたいためではないか。
<する>は超スーパー動詞、超々動詞で
がたがた音がする
で自動詞。
勉強をする、仕事をする
で他動詞。さらには<擬態語、擬音語+つく>に似た<を>のない、したがって目的語のない
勉強する、仕事する
とも使える。だが
勉強をする、仕事をする
で他動詞とすると、受け身が可能なのだが
勉強が(は)される、仕事は(が)される、
はダメで、
勉強が(は)なされる、仕事は(が)なされる、
としないといけない。とうことは<する>は純粋他動詞とは言いにくい。一方
勉強する、仕事する
は何かだが、
英語を勉強する
とは言え
英語が(は)勉強される
と言うことができるので<勉強する>は他動詞っぽい。だが<こう言うことができる>というだけで、変な日本語だ。
一方<仕事する>は
秘書を仕事する
英語の先生を仕事する
はダメで、
秘書の仕事をする
英語の先生の仕事をする
となる。
勉強は漢語、一方仕事は<しごと>で大和言葉だ。ここに違いがあるように見えるが、同じような意味内容の漢語を使った
労働する商売する
で試してみると
金属加工を労働する
金属製品を商売する
はダメ、つまりは<労働する>、<商売する>は<漢語+する>だが、<仕事する>と同じく
金属加工の労働をする
金属製品の商売をする
となる。ということは、この違いは<大和言葉+する>と<漢語+する>の違いではなく<勉強する>と<仕事(労働、商売)する>の意味内容の違いにあるようで、複雑そうだ。たとえば
記憶する
この格言を記憶する
の<記憶する>は<勉強する>と同じく他動詞っぽく
この格言が(は)記憶される
と言える。
<仕事する>は<xxを仕事する>といまのところ言えそうもないが、日本語がさらに自由を獲得すれば、あるいは乱れて行けば
秘書を仕事する英語の先生を仕事する
さらには
英語を仕事する
と言うようになるのではないか。
いまのとこるは<と>を使った
秘書を仕事とする英語の先生を仕事とする
英語を仕事とする
だが、これは
<がたがたする>はもともと<がたがたとする>と言っていた、と考えれば特におかしいということはない。
このおもしろい日本語の問題については "<する>は他動詞、自動詞、いったい何だ?" というポストで検討している。 また最近のポストでは ”<頭痛をする>は文法的に間違いか?” がある。
さて<つく>はどういう意味か? かなり前に書いたポスト”<つく>(突く、着く、付く )について” では
”
漢字を使うと意味が違う、あるいは微妙に違うようだが、大和言葉としての<つく>はかなり大雑把な動詞、よくいえば、かなり一般化、抽象化された語だ。もとの大きな意味は共通している(同源とか同根というが、いわば<ur-
つく>だ)。<ある場所にに近づく、近づける>といったような意味だ。
”
と分析している。
ありつく
行きつく
うわつく
縁(えん)づく 縁は漢語
おちつく
といくらでも複合動詞ができるが、<xxつく>の<xx>の二音節と相性がいいようだ。そして<ある場所にに近づく、近づける>といったような意味がある。
だが<xx(擬態語、擬音語)つく>は”<ある場所にに近づく、近づける>といったような意味だ” そのままでは説明できない。だが
いらいらする - いらつく
を<いらいら>の状態が<くっつく>、<固定する>でなんとかなりそう。一方<いらいらする>と<する>を使った場合は<いらいら>の状態が<ある>、<出てくる>でとどまっている。
-----
末尾
いらいらする - いらつく
うかうかする
うきうきする
うだうだする
うとうとする
うろうろする - うろつく
おたおたする
おどおどする
おろおろする
かさかさする
かさかさする
がさがさする - がさつく
がさごそする
がたがたする - がたつく
がやがやする - がやつく
かりかりする
がんがんする
きびきびする
くさくさする
ぐずぐずする - ぐずつく
ぐちゃぐちゃする
くらくらする
ぐらぐらする - ぐらつく
くりくりする
ぐりぐりする
けちけちする
こそこそする
ごそごそする
こっくりこっくりする
こまごまする
ごみごみする
こりごりする
さくさくする
さばさばする
さむざむする
さらさらする
ざらざらする - ざらつく
ざわざわする - ざわつく
じくじくする
じたばたする
じとじとする - (じとつく)
じめじめする
しゃきしゃきする
すうすうする
すかすかする
せいせいする
ぜいぜいする
せかせかする - (せかつく)
ぞくぞくする
そわそわする
たらたらする
だらだらする
ちくちくする
ちゃらちゃらする - (ちゃらつく)
ちょろちょろする - (ちょろつく)
ちんたらする
つるつるする
つんつんする
てかてかする
どきどきする
どろどろする
なでなでする
なよなよする
にこにこする
にたにたする
にやにやする
ぬるぬるする
ねちねちする
ねばねばする -ねばつく
のそのそする
のらりくらりする
のろのろする
はきはきする
ぱこぱこする
はらはらする
はればれする
ぴかぴかする - (ぴかつく)
ひくひくする - (ひきつく)、 ひきつけ
びくびくする - びくつく、 なにをびくついているんだ?
ぴこぴこする
ひらひらする
ひりひりする
ぴりぴりする
ふらふらする - ふらつく
ぶらぶらする - ぶらつく
ふわふわする
べたべたする - べたつく
べとべとする - べとつく
へらへらする
ぽこぽこする
ほのぼのする
ぼやぼやする
ほれぼれする
まごまごする - まごつく
みしみしする
むかむかする - むかつく
むしむしする
むずむずする
めそめそする
めちゃくちゃする
もさもさする
もぐもぐする
もじもじする
もそもそする
もたもたする - もたつく
もやもやする
やれやれする
ゆるゆるする
よたよたする - よたつく
わくわくする
-----
濁音
<つく>はなぜか濁音と相性がいい。
かさかさする - がさがさする がさつく
かたかたする - がたがたする がたつく
(かやかやする) - がやがやする (がやつく)
(かつかつする) - がつがつする がっつく
くらくらする - ぐらぐらする ぐらつく
(こたこたする) - ごたごたする ごたつく
さらさらする - ざらざらする ざらつく
(さわさわする) -ざわざわする ざわつく
(たふたふ) - だぶだぶ(する) 服(靴)がだぶだぶ だぶつく
(はたはたする) - ばたばたする ばたつく
はらはらする - ばらばらする ばらつく
ひくひくする - びくびくする びくつく
ふらふらする - ぶらぶらする ふらつく - ぶらつく
(へたへたする) - べたべたする べたつく
へとへとする(へたる) - べとべとする べとつく
(追加予定)
sptt
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