Friday, March 23, 2018
日本語の助動詞-2 英語は助動詞、日本語は一般動詞の活用
<日本語の助動詞>というタイトルのポストを2010年4月28日に書いている。内容は特に書き換える必要はないようだ。助動詞は動詞の仲間とすると<助ける(helping)動詞>や<補助(auxiliary)動詞>ではなく使用頻度が高い特殊な基本動詞といえる。一部をコピーすると、
”
モーダル(modal)(助)動詞
義務 - 英語 should, must + 動詞(原型);
日本語 ねばばならない、なければならない(二重否定,助動詞ではない)、泳がねばならない、
日本語 べきだ、 (例)泳ぐべきだ。
<動詞連体形+義務(名詞)、必要(名詞)がある>もよくもちいられる。
可能 - 英語 can + 動詞(原型);
日本語 動詞連用形+(が)できる,泳ぎができる
日本語 動詞連体形+こと+できる、(例)泳ぐことができる
日本語 れる,られる (可能) 泳がれる ---> 泳げる
許可 - 英語 may + 動詞(原型);
日本語 てもよい(助動詞ではない)、 (例)泳いでもよい ---> 泳いではいけない (禁止)
願望 - May + 主語 + 動詞(原型) ? - 祈願文。 Want や wish は<+ 動詞(原型)>とはならないので、英語では助動詞ではない。
意志 - 英語 will + 動詞(modal)(助);
日本語 動詞終止形、 (例)わたしは(どうしても)泳ぐ; 動詞連用形 + ます,
蓋然性 - 英語 may, might, would, could;
日本語 推量の助動詞、だろう、らしい、ようだ、まい、そうだ(伝聞)、助動詞ではないが <かもしれない>。
”
モーダル(modal)の意味がよく分からないが<helping verbs>や<auxiliary verbs>よりは意味内容を重視した言い方のようだ。一方日本語の助動詞はあまり動詞らしくなく、助詞のようでもあり(意味というよりは受身や使役を示す文法的な役割が強いもの)、動詞のようでもある(活用がある)。さて最近(2018年3月)<<たい>は助動詞か?>、<<たがる>は助動詞か?>というポストを書いていることもあって、日本語の助動詞を少し調べなおしてみた。新たな発見ではなさそうだが、2010年4月のポストでは<見過ごしかげん>であったところを強調しておく。強調したいところは
”
可能 - 英語 can + 動詞(原型);
日本語 動詞連用形+(が)できる,泳ぎができる
日本語 動詞連体形+こと(が)+できる、(例)泳ぐことができる
日本語 れる,られる (可能) 泳がれる ---> 泳げる
意志 - 英語 will + 動詞(modal)(助);
日本語 動詞終止形、 (例)わたしは(どうしても)泳ぐ; 動詞連用形 + ます,
”
の下線部。まず<可能>の 英語 can + 動詞(原型)に相当する<xxx(が)できる>の<できる>はもちろん助動詞ではない。
<れる、られる>は助動詞で他の意味(受身、自発、尊敬)もあるが<可能>の意味もある。助動詞にとらわれて
泳げれる ---> 泳げる
と書いたが、
<泳ぐ>の仮定形<泳げ>+<る>
と解釈としてはいけないだろうか。手もと辞書には<る>は<れる>の古語とあるが
泳げれる ---> 泳げる
の説明にはならない。<泳げる>の<る>は古語ではないのだ。<る>にこのような働きがあるとは手もと辞書にはない。しかし
読む - (読まない、読めば) 読める (五段活用)
起きる - (起きない、起きれば) 起きれる (上一段活用)
食べる - (食べない、食べれば) 食べれる (下一段活用)
私は未然形は<xxx ない>否定(打消し)にして、仮定形は名前のとおり<xxx ば>と仮定にしてチェックする癖がついてしまっているが、
動詞の<仮定形>+<る>で可能の意をあらわせる、というか、日常よくこういう。<起きれる>、<食べれる>は間違い、耳ざわりだという人がいるようだが<起きることができる >、<食べることができる>より簡潔で、<る>を可能の助動詞とすればいい。
だが動詞の<仮定形>に可能の意味はないので、動詞の<仮定形>に<る>がついて可能の意を表すといえるので、他の助動詞にならうと<る>は動詞の<仮定形>につく助動詞ということになる。この<る>の活用を調べてみる。
未然形 読めない、読めれない (読めれない、と言う人もいるようだが少数派だろう)
連用形 読めて、 読めれて (読めれて、と言う人もいるようだが少数派だろう)
終止形 読める、読めれる (読めれる、と言う人もいるようだが少数派だろう)
連体形 読める(ひと)
仮定形 読めれば、読めれれば (読めれれば、と言う人もいるようだがごく少数派だろう)
(xx形) 読め(よう)、読め(れよう) - これは両方ともあやしい。
(注)意味は可能の意味を残していないといけない。
ここでは<る>の活用をチェックしているわけだが、 未然形、連用形では<る>がない仮定形の<読め>だけで可能の意があることになる。ちなみに<読む>の活用は五段活用で
未然形 読まない
連用形 読んで (読みて、の音便)
終止形 読む
連体形 読む(ひと)
仮定形 読めば
(xx形) 読もう
<仮定形(読め)>+<る>の<る>が何であるかはつき詰めないで、このポストの結論をいうと
英語は助動詞(can)、日本語は一般動詞の仮定形という活用で可能の意を表す、といえるのではないかということなのだ。さて<読め>だが、<読め>だけだと命令形のようだが
<読めば>で仮定をあらわすので<読め....>で止めた(中断した)場合、仮定がある程度予想される。と同時に、やっかいだが可能も予想されるのだ。たとえば
<花子は英語が読め....>で止めた場合
<花子は英語が読めば>ではなく
<花子は英語が読めて>が想像される。これは助詞<が>も関与していいる。
<花子は英語を読め....>や<花子が英語を読め....>の場合は他動詞の<読む>が想像され
<花子が英語を読め....>は<花子が英語を読めば>予想される。
次に移る。
意志 - 英語 will + 動詞(modal)(助);
日本語 動詞終止形、 (例)わたしは(どうしても)泳ぐ; 動詞連用形 + ます,
日本語の終止形はそのままで意思、文法上の<未来>をあらわす。英語と同じようように
花子は毎日泳ぐ。
私は毎日泳ぐ。
で客観的な叙述や習慣もあらわす。 意思と願望は違い、願望は
わたしは(どうしても)泳ぎたい。
となる。一方<花子(第三者)>の場合は
花子は(どうしても)泳ぐ。
はまあいいが
花子は(どうしても)泳ぎたい。
は日本語としては少しおかしく、他人に花子の意思は直接にはわからないので
花子は(どうしても)泳ぎたいようだ。
花子は(どうしても)泳ぎたがっている。
などとなる。英語にこのようないい方はないのか?というと、意思に関してはやはり will を使うのだが
Hanako is willing to swim.
この willing は進行形や動名詞ではなく形容詞と見た方がいい。これは
花子は(どうしても)泳ぎたい。
に近いが、
花子は(どうしても)泳ぎたがっている。
の英語訳としてもいいだろう。 willing には willingly という副詞形もあるが意味は少しずれて
Hanako swims willingly. 花子は(強制されてではなく、自主的に)自ら進んで泳ぐ。
といった意味になる。
さて、花子の話は置いて、日本語の場合動詞の終止形に意思の意があることに戻る。だがこれは、前回は調べが足りなく、間違いだ。
上で取り上げた一般動詞、五段活用の代表<読む>を例にとると
未然形 (絶対、どんなことがあっても)読まない
連用形 (絶対、どんなことがあっても)読んで(みる、しまう)、読みます
終止形 (絶対、どんなことがあっても)読む
連体形 (絶対、どんなことがあっても)読む(本、ひと)
仮定形 (絶対、どんなことがあっても)読めば
(xx形) (絶対、どんなことがあっても)読もう
となり、終止形にかぎらない。副詞の<絶対、どんなことがあっても>あった方が意思が明らかになるが、副詞はあくまで<副>で動詞自体に使われ方、状況によっては意志の意がある、と言える。
<意思>の意に関しては英語は助動詞(will)がよく使われ、日本語は一般動詞のままでいいということなのだ。これは日本語の場合、文法上の<未来>の意にもそのまま当てはまる。
以上は<可能 - 英語 can>と<意志 - 英語 will>の英語の助動詞二つだけをとり上げたの<英語は助動詞、日本語は一般動詞の活用>というタイトルは大げさだが参考にはなるだろう。文法規則として一般化できないものか? 今後の検討課題として残しておく。記憶のため未検討の英語助動詞をコピーしておく。
”
モーダル(modal)(助)動詞
義務 - 英語 should, must + 動詞(原型);
日本語 ねばばならない、なければならない(二重否定,助動詞ではない)、泳がねばならない、
日本語 べきだ、 (例)泳ぐべきだ。
<動詞連体形+義務(名詞)、必要(名詞)がある>もよくもちいられる。
許可 - 英語 may + 動詞(原型);
日本語 てもよい(助動詞ではない)、 (例)泳いでもよい ---> 泳いではいけない (禁止)
蓋然性 - 英語 may, might, would, could;
日本語 推量の助動詞、だろう、らしい、ようだ、まい、そうだ(伝聞)、助動詞ではないが <かもしれない>
”
<べし>は古文や漢文ででてくるので、やや古くさい感じがするが二音節と簡潔で助動詞的だ。
<でもよい>は助詞<で>+助詞<も>+形容詞<よい>という構造。
<だろう、らしい、ようだ、まい、そうだ>のうち<だろう、ようだ、そうだ>は助動詞らしくない。
<だろう>は断定の助動詞<だ>+<ろう>
<ようだ>は<よう(様)>+断定の助動詞<だ>
<そうだ>は<そう>+断定の助動詞<だ>。さらには<さ>+<よう(様)>+断定の助動詞<だ>
といういわば複合助動詞。
次回のポストで<ようだ、そうだ、らしい>はとり上げている。
sptt
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