前の三つのポスト<英語の re-xxxx 動詞の再帰用法>はうまくいかなかった、といっていいが、得るものはあった。何を得たかというと。
1)英語では自動詞/他動詞兼用の動詞がごく普通にたくさんあるに対して、日本語では自動詞-他動詞ペアが普通でたくさんある。英語の日常語では
to lie - to lay
to rise - to raise
to sit - to set
ぐらいだ。
英語の自/他兼用動詞は多い。
to bend 曲がる-曲げる。おもしろい例がある。This metal rod easily bends. It is easy to bend this metal rod metal.
to close 閉じる The door closes. Please close the door. これは日本語も自他兼用。戸(ドア)がとじる。戸をとじる。<しまる-しめる>は自他コンビ動詞。戸がしまる。戸をしめる。
to cut 切る-切れる(よく切れる、This knife cuts well)
to decrease 減る-減らす
to increase 増(ふ)える-増やす
to open 開(ひら)く。The store opens today. Taro opened a new store. これは日本語も自他兼用.。<あく-あける>は自他コンビ動詞。
to sell 売る-売れる(よく売れる、This knife sells well)
to stop 止(と)まる-止める This clock often stops. Please stop this car. 日本語の方は<とどまる-とどめる>、<やむ-やめる>の関連ペア動詞がある。
などなど。ここは英語の自/他兼用動詞の話しではないのでこれくらいにしておく。
英語では次のような見える再帰用法がある。
Enjoy yourself !
I enjoyed today. (自動詞)も可能だろう。日本人にはこの方が自然だ。また他動詞としては
I enjoyed the party very much today.
日本人にはこの方が自然だ。
前の三つのポスト<英語の re-xxxx 動詞の再帰用法>では書かなかったが、英語の見えない再帰用法があるのを発見した。
I lay myself on the ground - I lie on the ground
I raise myself up. - I rise.
I set myself on a chair . - I sit on a chair.
The plain is going to takes off. は The plain is going to take itself off the ground.(離陸する)と言うことだろう。to take は基本的に他動詞だ。to take off には<(衣服、帽子、靴、手袋など身に着けているものを)脱ぐ>という意味もある。だが、英語では
Please take off your shoes.
と your をつけるのが普通で the shoes ではない。ところがイタリア語では
Per favore, togliersi le scarpe (prima di entrare [prima di entrare=before coming in])
or (more formal)
Siete pregati di togliervi le scarpe (prima di entrare)
https://forum.wordreference.com/threads/please-take-off-your-shoes.1501711/
と言うのだ。 togliersi、togliervi は再帰用法。このイタリア語の再帰用法はいたるところに出てくる。英語では your が si (vi) と the を兼ね備えていることになる。これも英語の見えない再帰用法と言える。
日本語にも見えない再帰用法がある。
1)今日の講義はこれで終わる。(自動詞)
2)今日の講義はこれで終える。(他動詞)
どちらもよさそうだ。2)の他動詞は<今日の講義をこれで終える。>が文法的には正しいが、実際には文法の先生でもこうは言いそうもない。これをどう解釈するかというと
今日の講義はこれで(これを)終える。
の<これを>を省略したものと解釈するのだ。 この用法は法律文で頻繁に出てくる。
窃盗はこれを犯罪とみなす。
立て看板でもよく見る。
ここで立ち小便は禁ずる。
<禁ずる(禁じる>は<xxを禁ずる(禁じる>で他動詞だ。 したがってこれは
ここで立ち小便は(これを)禁ずる。
の<これを>を省略したものと解釈する。
この例は
窃盗 = <それ>を
立ち小便 = <それ>を
なので、ある意味では再帰用法だ。そして<それを>が、あたまのなかでは一瞬思いうかんでいるようだが、省略されていると見るのだ。
下線部が英語、日本語の見えない再帰用法といえるのではないか?そしてこれは重要なことだ。
次のような表現もある。
<よける><さける><よせる>は他動詞だ。これは
(自分の身を) xx から<よける><さける>
(自分の身を)<よせる>
場合、元来は他動詞で<動かす>だが、<動く>の意、またはその意識にもなり、日本語の隠れた再帰表現といえる。
sptt
No comments:
Post a Comment