Sunday, April 21, 2019

英語の re-xxxx 動詞の再帰用法 - 2、自動詞、他動詞


前回のポスト<英語の re-xxxx 動詞の再帰用法>が長くなり、また焦点がズレ、ボケてきた。また書いて(調べて)いるうちにある発見をしたので独立させて書くことにした。この発見の一部は前回のポスト既に書いてあるが、取り立てて発見とは書いていない。何を発見したかというと、

1)to repeat(自/他動詞)- リピートする - 繰り返す(自/他動詞) - 反復(する)(自/他動詞)

日本語の<繰り返す>は<xx を繰り返す>、<xx が繰り返される(受け身)>で他動詞のようだが、<歴史は繰り返す>で英語と同じく自/他兼用動詞。 調べればすぐわかるが<リピートする>も自/他兼用。<反復する>も<同じことを反復する>、<歴史は反復する>でこれまた自/他兼用か。これは些細なことのようでもあるが、重要なことのようでもある。

to revolve    回転運動は反復運動だ。上の to reciprocate を参照。英語の to revolve はこれまた自/他兼用。日本語では<回(まわ)る、回(まわ)す>の自他コンビがある。

2)to return (自/他動詞) - リターンする - 自動詞の戻(もど)る、返(かえ)る、帰ると戻す、返すの他動詞の他動詞がある。漢語では-帰還(する)(自動詞)、返還(する)、返却(する)(他動詞)がある。<リターンする>は

東京にリターンする
不良品をリターンする

でこれまた自/他兼用だ。<xxする>は曲者なのだ。英語の to return もまたぞろ自/他兼用。英語は<どういうわけか>自/他兼用動詞が多い。見方を変えると(イタリア語などに比べ)再帰用法がきわめて少ないのだ。

to remedy - 治る、治す、直る、直す(元の正常な状態に戻す) - 修正する、回復する(させる)

to remedy は他動詞。普通は to cure が使われる。to cure も他動詞。remedy 主に名詞として使われる。<治る、直る>は to recover。 to recover は自他兼用動詞だ。

以上を整理すると

to repeat 自/他動詞
繰り返す 自/他動詞    <繰り返す>は<繰る>と<返す>の複合動詞。
反復する 自/他動詞

to revolve 自/他兼用。
回(まわ)る、回(まわ)す 自他コンビ

to return 自/他動詞
戻(もど)る、戻(もど)す 自他コンビ。
返(かえ)る、返(かえ)す 自他コンビ
xx に引き返す(帰す)の<引き返す>は<xxに>で自動詞。<来た道を引き返す>の<引き返す>は<を>をとるので他動詞といえるが、<我が道を行く>の<行く>が依然として<を>をとるので自動詞とも説明できる。
リターンする 自/他動詞

注目したいのは(これが発見‐1)

回(まわ)る、回す 
戻(もど)る、戻す
返(かえ)る、返す
治る(直る)、治す(直す)

の自/他コンビ動詞だ。書き直すと

回(まわ)る / す 
戻(もど)る / す 
返(かえる / す 
治(直る)(なお)る / す

で音韻が変換(交代)するのは<る>と<す>だけ。調べてみたがこのような自/他コンビ動詞はたくさんありそうだが、現代語では多くない。別のところで書いた<まる-める>自/他動詞コンビに比べると明らかに少ない。

以上の動詞の意味は、逆戻りすることになるが、前回のポストで述べた英語の接頭辞<re->の根本的、基幹的な意味なのだ。

残(のこ)る - 残す

も対応する英語は

to remain  - to reserve

で<re->接頭辞関連動詞。

以上を Group A とする。

Group B

次に古語を入れると

生(い)きる(昔は<生く>) - 生かす(活かす)   <長い(つらい、たのしい)人生を生きる>とは言えそうで、他動詞ともなる。
現(あら)われる (昔は<現(あら)わる>) - 現わす
借(か)りる(昔は<借(か)る>か) - 貸(か)す
くずれる(昔は<くずる>か) - くずす
暮れる(昔は<暮る>か) - 暮らす
けがれる(昔は<けがる>か) - けがす
壊(こわ)れる(昔は<壊(こわ)る>)- 壊す
ずれる (昔は<ずる>か> - ずらす
倒(たお)れる (昔は<倒(たお)る>)- 倒す
つぶれる (昔は<つぶる>か) - つぶす
流(なが)れる(昔は<流る>) - 流す
逃(に)げる (昔は<逃ぐ>) - 逃がす
逃(のが)れる(昔は<逃る>) - 逃す
伸(の)びる (昔は<伸ぶ>か) - 伸ばす
離(はな)れる(昔は<離る>) - 離す
増(ふ)える (昔は<増ゆ>) - 増やす
燃(も)える (昔は<燃ゆ>) - 燃やす
汚(よご)れる(昔は<汚る>か) - 汚す 
-----

というグループがあり、右側の自動詞は現代語では上一段と下一段に分けられる。

上一段
生(い)きる(昔は<生く>) - 生かす(活かす
借(か)りる(昔は<借(か)る>か) - 貸(か)す
伸(の)びる (昔は<伸ぶ>か) - 伸ばす

残りは下一段

現(あら)われる (昔は<現(あら)わる>) - 現わす
くずれる(昔は<くずる>か) - くずす
暮れる(昔は<暮る>か) - 暮らす
けがれる(昔は<けがる>か) - けがす
壊(こわ)れる(昔は<壊(こわ)る>)- 壊す
ずれる (昔は<ずる>か> - ずらす
倒(たお)れる (昔は<倒(たお)る>)- 倒す
つぶれる (昔は<つぶる>か) - つぶす
流(なが)れる(昔は<流る>) - 流す
逃(のが)れる(昔は<逃る>) - 逃す
伸(の)びる (昔は<伸ぶ>か) - 伸ばす
離(はな)れる(昔は<離る>) - 離す
増(ふ)える (昔は<増ゆ>) - 増やす
燃(も)える (昔は<燃ゆ>) - 燃やす
汚(よご)れる(昔は<汚る>か) - 汚す 

<れる> -> <す>
<える> -> <やす>

のパターン。基本的に他動詞の方は古語の五段(四段)活用でその未然形に<す>がついたものだ。

Group C

不規則とも音韻が変換(交代)があるもの。

起(お)きる (昔は<起く>)- 起こす(興す)
生(う)まれる (昔は<生(う)まる>) - 生む、生ます(使役)
落(お)ちる(昔は<落つ>- 落とす
欠ける (昔は<欠く>で自他兼用か) - 欠かす  <xxを欠く>は現代でも使う。
消(き)える (昔は<消ゆ>) - 消(け)す
越(こ)える (昔は<越ゆ>)自他兼用 - 越す    最悪の事態は越えた。 最悪の事態を越える。
過ぎる(昔は<過ぐ>)自他兼用  - 過ごす     時間が過ぎる、時間を過ぎる
出る(昔は<いでる><いづ>) - 出す   <でる>は列車が出る、部屋を出る、で自他兼用ともいえる。
逃(に)げる (昔は<逃ぐ>) - 逃がす
閉(と)じる  (昔は<閉ず>で自他兼用) - 閉ざす (英語の to close も自他兼用)
剥(は)げる (昔は<剥ぐ>か)- 剥がす、<剥ぐ>は今は他動詞だ。
化(ば)ける - 化かす  
ゆれる (昔は<ゆる>か) - ゆらす
寄る(依る)- 寄せる  昔は<寄す> 

追加予定

さて、以上のGroup A、B、Cのうち、多くは生成、消滅(破壊)関連、さらには成長、減衰関連だ。これは単なる偶然ではないだろう。そして再帰用法に関連があるのではないかというのが推測だ。(これが発見‐2)

上で取り上げなかったが

なる - する (注) <する>は<香りがする>、<音がする>で自動詞もある。

の自他コンビ関連して、消滅では

なくなる - なくす

の自他コンビがある。


 (追記)

これは<自動詞、他動詞>重要な追記で別途取り上げる予定。ここは忘備録として簡単に書いておく。

英語は自動詞 / 他動詞兼用の動詞が以外と多い。これに対し日本語では上記のような音韻交代(替)による自動詞 / 他動詞コンビが多い。意味が違い場合、音(おと)上の言語の明確な区別は重要なことでここは日本語の方がまさっているのではないか。

つぎに英語の初歩の文法書では、他動詞の簡単な定義として

対象に働きかける
対象に変化を起こさせる

などともっともらしく書いてある。 末尾の<参考>参照

少なくとも上記の日本語の自動詞 / 他動詞コンビについては、大半は、原則として

他動詞: 対象を自動詞(の意味)の状態にする

と大胆、簡潔に定義できる。 これは日本語の大きな特徴といっていい。


末尾

<参考>

https://en.oxforddictionaries.com/grammar/transitive-and-intransitive-verbs

Transitive and intransitive verbs

A transitive verb is one that is used with an object: a noun, phrase, or pronoun that refers to the person or thing that is affected by the action of the verb. In the following sentences, admire, maintain, face, and love are transitive verbs:
I admire your courage.
We need to maintain product quality.
I couldn’t face him today.
She loves animals.

Some transitive verbs can be used with a direct object and an indirect object:
Liz brought her a glass of water.

[indirect object] [direct object]
He sent her a letter.

[indirect object] [direct object]


調査継続。


sptt















No comments:

Post a Comment