Sunday, June 13, 2021

自動詞は自発動詞か?


前回のポスと "<目をさます>と<目がさめる>はどこが、どう違う。" の最後に


<めがさめる>の<さめる>は自動詞で、<しようと思わないで><さめる>ので大方<自発動詞>と」いえる。

次回は別の<自発動詞>をチェックしてみる。


と書いたのでチェックしてみる。

<日本語の自動詞、他動詞>シリーズとしてだいぶ前に(2014)<日本語の自動詞、他動詞-15、自発表現>というポストを書いている。読み返してみたが、書きかえる必要はないようだ。進歩がないということか。これを参考にすると進歩がないので、これを無視して話を進める。

目をさます - <さます>他動詞 <を>をとる
目がさめる - <さめる>自動詞 <が>をとる

似たようなのに

スープをさます - <さます>他動詞 <を>をとる
スープがさめる - <さめる>自動詞 <が>をとる

さらには

スープの温度をさげる - <さげる>他動詞 <を>をとる
スープの温度がさがる - <さがる>自動詞 <が>をとる 

以上は文法上の法則と言える。ところで日本文法では<自発の助動詞>というのがある。手もとの辞書の説明と例文は以下の通り。

しようと思わないのに自然とそうなる。

例)昔のことがしのばれる。


これは動詞につく助動詞についてだが、自発の定義ともいうべき<しようと思わないのに自然とそうなる>を当てはめてみると

目がさめる - さまそうとしないのに自然とそうなる(さめる)
スープがさめる  - さまそうとしないのに自然とそうなる(さめる)
スープの温度が下(さ)がる - 下げようとしないのに自然とそうなる(下がる)

下線部は他動詞だ。トリッキーなところがあるので、念のため、自動詞を使ってみる。 

目がさめる - さめようとしないのに自然とそうなる(さめる)
スープがさめる  - さめようとしないのに自然とそうなる(さめる)
スープの温度が下(さ)がる - 下がろうとしないのに自然とそうなる(下がる)

上に三つは間違い、ナンセンスといえる。<下線部は他動詞だ。トリッキーなところ>とは、他動詞の例は、正確には

目がさめる - 人(ひと)が目をさまそうとしないのに自然とそうなる(さめる)
スープがさめる  - 人がスープをさまそうとしないのに自然とそうなる(さめる)
スープの温度が下(さ)がる - 人がスープの温度を下げようとしないのに自然とそうなる(下がる)

で<人(ひと)>がでてくる。<しようと思わないのに自然とそうなる。><思う、思わない>は人がすることだ。これが大きなちがいなのだが、ここでは人の関与が否定されている。これがキーポイントの一つだろう。もう一つのポイントは、上の<自発の助動詞>の解説の中にある<自然とそうなる>の<なる>で、<なる>は<xx が yy になる>で自動詞、というか自動詞の代表なのだ。 

なせばなる、なさねばならね、なにごとも。ナセルはアラブの大統領。

というのが昔(アラブの大統領がナセルのころ)あった。これを漢字を使って書くと、

為せば成る、為さねば成らぬ、何事も。

で<為す>が他動詞,<成る>が自動詞。

さて、日本語の動詞を調べてみると

さめる(自) - さます(他)
さがる(自) - さげる(他)

という自他ペア動詞はたまたまこうなっているのではなく、やたらある。山ほどあるのだ。これは前にいろいろ調べたことがあるので<ビッグデータ>がある。

ごく一部の例をあげると、

<自動詞、他動詞-6 日本語の他動詞、自動詞の作られ方>(2013)から(わずらわしくなるので細かい説明はおおかた省(はぶ)いてある) 抜き出すと
 

 ”
一方日本語では自動詞、他動詞が組みになっている自他動詞ペアがやたらたくさんあり分析が必要。(中略)

自動詞 - 他動詞

上がる - 上げる
開(あ)く - 開ける
当たる - 当てる
現(あら)われる - 現わす
表(あら)われる - 表わす
生きる - 生かす
浮く - 浮かす
埋まる - 埋める
動く - 動かす
売れる - 売る
起きる - 起こす
興(起)こる - 興(起)こす
落ちる - 落とす
折れる - 折る
終わる - 終える
返(かえ)る -返す (今回追加) <もどる - もどす>に近い。
かぶる(自/他) - かぶす
枯れる - 枯らす
乾く - 乾かす
変わる、代わる、替わる (自/他)- 変える、 代える、替える。
消える - 消す
決まる - 決める
切れる - 切る。切らす。 
崩(くず)れる - 崩す
焦げる - 焦がす
壊(こわ)れる - 壊す
下がる - 下げる
咲く - 咲かす
沈(しず)む - 沈める  (今回追加)
死ぬ - 死なす (今回追加)
絞(し)まる - 絞める
閉(し)まる - 閉める
過ぎる - 過ごす <一時間が過ぎる>の<過ぎる>は明らかに自動詞だが、 <一時を過ぎる>の<過ぎる>も<を>をとるが自動詞。<一時間を過ごす>の<過ごす>は他動詞。これはややこしい。
住む -住まわす、住まわせる
済む - 済ます
澄む - 澄ます
染まる - 染める
それる(そる) - そらす
倒(たお)れる - 倒す
立つ - 立てる (立たす)
貯(た)まる - 貯める
溜(た)まる - 溜める
垂(た)れる - 垂らす (今回追加)
縮(ちぢ)む - 縮める
掴(つか)まる-、掴む
捕(つか)まる-捕まえる
付く - 付ける (巻きつく-巻きつける、取り付く-取り付ける、etc)
つぶれる - つぶす(今回追加)
つまる - つめる
通る - 通す
とどまる - とどめる
閉じる(自/他) - 閉ざす <閉じる> は<xxが閉じる>、<xxを閉じる>で自/他動動詞。<開(ひら)く>も<xxが開く>、<xxを開く>で自/他動動詞。
飛ぶ - 飛ばす
富む - 富ます
止まる - 止める
泊まる - 泊める
留まる - 留める
流れる - 流す
泣く - 泣かす (今回追加)
鳴く - 鳴かす (今回追加)
鳴る - 鳴らす
にごる - にごす
ぬれる - ぬらす
ねじれる -ねじる (今回追加)
残る - 残す
伸びる - 伸ばす
始まる - 始める
働く (自/他) - 働かす
離(はな)れる - 離(はな)す
はまる - はめる
冷える - 冷やす
(ひっくり)返る - (ひっくり)返す
響く - 響かす
ふえる - ふやす
震える - 震わす
ふくらむ - ふくらます
ぼける - ぼかす
曲がる - 曲げる  (今回追加)
またがる - またぐ
向く - 向ける、向かす
もどる - もどす  (今回追加)
燃える - 燃やす
漏(も)れる -  漏らす (今回追加)
休まる - 休める。 <休む>
よごれる - よごす
よじれる - よじる  (今回追加)
渡る - 渡す<川を渡る>は<を>をとるが自動詞(いわゆる移動動詞)。<渡す>は<橋を渡す(かける)>よりも<xx に yy を渡す(与える、あげる、やる>でよく使う。

(後略)

これだけあればとりあえず十分だろう。今回追加したのは

返(かえ)る -返す
沈(しず)む - 沈める
死ぬ - 死なす
垂(た)れる - 垂らす
つぶれる - つぶす
泣く - 泣かす
鳴く - 鳴かす
ねじれる -ねじる
曲がる - 曲げる
もどる - もどす
漏(も)れる -  漏らす
よじれる - よじる

でモノの変形に関するのがあるが、これらは<自発の助動詞>の例文の

昔のことがしのばれる。

とは対照的で

人(ひと)ではなく、モノが<しようと思わないのに自然とそうなる>ともいえる。

船が沈(しず)む
家がつぶれる
柱(はしら)がねじれる
鉄パイプが曲がる
バネがもどる
ヒモがよじれる

返(かえ)る -返す

はおもしろい。複合動詞が多い。

とりかえる - とりかえす

これは

xx を取り換える(他) - xx を取り返す(他)
引き換(か)える (xx を yy に引き換える。他動詞か? - 引き返す (xx に引き返す、自動詞)

自他ペアになっていない。 

<帰(かえ)る>は自動詞だ。<もとにもどる>といった意味だ。これには他動詞<もとにもどす>が対応する。

ひっくり返(かえ)る - ひっくり返す
裏(うら)がえる - 裏がえす

でんぐりかえる - でんぐりがえし(名詞) <でんぐりがえす>という動詞は聞かない。<トンボがえり>というのもある。 

垂れる - 垂らす

もおもしろい動詞で、人の生理現象関係で

汗が垂れる - 汗をたらす
鼻が垂れる - 鼻をたらす
くそが垂れる - くそを垂らす  注)<くそを垂れる>という例外的言い方がある。

というのがあり、これは自動詞はもちろん他動詞の

 汗をたらす、鼻をたらす

でも<しようと思わないのに自然とそうなる>のだ。<そうする>ではない。これにならうと

涙が流れる - 涙を流す
せきが出る - せきをする
くしゃみが出る -  くしゃみをする

の他動詞表現も<しようと思わないのに自然とそうなる>と言える。だが<わざと、せきをする>問う言い方がある。

<くそを垂れる>は文法的に、” <を>をとる自動詞 ”  で検討すべき言い方だが、話が横道にそれてきたので、本題にもどる。上記の自他ペア動詞のうち

現(あら)われる - 現わす
表(あら)われる - 表わす
売れる - 売る

折れる - 折る
枯れる - 枯らす
切れる - 切る

崩(くず)れる - 崩す

壊(こわ)れる - 壊す
それる - そらす
倒れる - 倒す
つぶれる - つぶす
流れる - 流す

ぬれる - ぬらす

離れる - 離す
よごれる - よごす
よじれる - よじる 

は<xxれる>で

<昔のことがしのばれる。>の

しのばれる - しのぶ

に似ている。 他動詞の受身形を調べてみる。


現(あら)われる - 現わされる - 現わす
表(あら)われる - 表わされる - 表わす
売れる - 売られる - 売る   <売らされる>、<売らさせられる>は<売らす><売らさす)の受身

折れる - 折られる - 折る
枯れる - 枯らされる - 枯らす
切れる - 切られる - 切る
崩(くず)れる - 崩される - 崩す
壊(こわ)れる - 壊される - 壊す
それる - そらされる - そらす
倒れる - 倒される - 倒す
つぶれる - つぶされる - つぶす
流れる - 流される - 流す
ぬれる - ぬらされる - ぬらす
離れる - 離される - 離す
よごれる - よごされる - よごす
よじれる - よじられる - よじる  <よじらされる>、<よじらさせられる>は<よじらす><よじらさす)の受身。

で自動詞と他動詞の受身形は区別できる。自動詞とは違うのだ。ここが肝心。受身形に<しようと思わないのに自然とそうなる>の意はない。むしろあるのは<被害>の意だ。これは日本語の受身の特徴。

<しのぶ>は<xx をしのぶ>で他動詞。その受身形は<しのばれる>だが自発の<しのばれる>と同じだ。<しのぶ>の使役形は<しのばす>、<しのばさす>で、<しのばされる>、<しにばさせらる>は受身の強調のような感じだが、<自発>の感じも残っている。 

一方自動詞の方は<自然とそうなる>の意が感じらる。

つぎに<xx れる>以外の自動詞を調べてみる。

上がる - 上げる
開(あ)く - 開ける
当たる - 当てる
生きる - 生かす
浮く - 浮かす
埋まる - 埋める
動く - 動かす
起きる - 起こす
興(起)こる - 興(起)こす
落ちる - 落とす
終わる - 終える
返(かえ)る -返す (今回追加) <もどる - もどす>に近い。
かぶる(自/他) - かぶす
乾く - 乾かす
変わる、代わる、替わる (自/他)- 変える、 代える、替える。
消える - 消す
決まる - 決める
焦げる - 焦がす
下がる - 下げる
咲く - 咲かす
沈(しず)む - 沈める  (今回追加)

死ぬ - 死なす (今回追加)
絞(し)まる - 絞める
閉(し)まる - 閉める
過ぎる - 過ごす <一時間が過ぎる>の<過ぎる>は明らかに自動詞だが、 <一時を過ぎる>の<過ぎる>も<を>をとるが自動詞。<一時間を過ごす>の<過ごす>は他動詞。これはややこしい。
住む -住まわす、住まわせる
済む - 済ます
澄む - 澄ます
染まる - 染める
立つ - 立てる (立たす)
貯(た)まる - 貯める
溜まる - 溜める
縮(ちぢ)む - 縮める
掴(つか)まる-、掴む
捕(つか)まる-捕まえる
付く - 付ける (巻きつく-巻きつける、取り付く-取り付ける、etc)
つまる - つめる
通る - 通す
とどまる - とどめる
閉じる(自/他) - 閉ざす <閉じる> は<xxが閉じる>、<xxを閉じる>で自/他動動詞。<開(ひら)く>も<xxが開く>、<xxを開く>で自/他動動詞。
飛ぶ - 飛ばす
富む - 富ます
止まる - 止める
泊まる - 泊める
留まる - 留める 

泣く - 泣かす (今回追加)
鳴く - 鳴かす (今回追加)
鳴る - 鳴らす
にごる - にごす
残る - 残す
伸びる - 伸ばす
始まる - 始める
働く (自/他) - 働かす
はまる - はめる
冷える - 冷やす
(ひっくり)返る - (ひっくり)返す
響く - 響かす
ふえる - ふやす
震える - 震わす
ふくらむ - ふくらます
ぼける - ぼかす
曲がる - 曲げる  (今回追加)
またがる - またぐ
向く - 向ける、向かす
もどる - もどす  (今回追加)
燃える - 燃やす
休まる - 休める。 <休む>
渡る - 渡す<川を渡る>は<を>ととるが自動詞(いわゆる移動動詞)。<渡す>は<橋を渡す(かける)>よりも<xx に yy を渡す>でよく使う。

<生きる>は例外で、人はもちろん、動物も

魚は川や海で生きる。

自動詞だが<自然とそうなる>とうことはない。

<住む>も自動詞だが<生きる>と同じように

魚は川や海に住む。

<自然とそうなる>とうことはない。

<またがる> 

<またがる>は<馬にまたがる>のように使い、<を>をとらないので自動詞扱いなのだろうが、<歩く>、<行く>、<泳ぐ>、<動く>、<起きる>、<来る>、<すわる>、<立つ>、<飛ぶ>、<走る>と同じで<自然とそうなる>とう意味にはならない。これらは主に人、動物の行動、動作で、<なんらかの意思が働いている>。またはおおまかに<人、動物が関与した自動詞>と言える。

<歩く>、<泳ぐ>、<動く>、<起きる>、<すわる>、<立つ>、<飛ぶ>、<走る>

は基本動詞だがすべてが自他ペアではなく

歩く - 歩かす
行く - 行かす
泳ぐ- 泳がす
動く - 動かす
来る - 来(こ)さす
すわる - すわらす
立つ - 立たす
飛ぶ - 飛ばす
走る - 走らす

で他動詞の方は使役がかっている。<す>を動詞の未然形につく<使役助詞 >とみることもできる。<行く>、<来る>は超基本自動詞だが<行く><来る>が自発動詞とは言い難い。

泊(と)まる
留(とど)まる

もおおくは<人>が 関与している。また

返(かえ)る
帰(かえ)る
過(す)ぎる
通(とお)る
向く
もどる
渡(わた)る

のような自動詞<多くは移動関連動詞>もいつも、必ず<自然とそうなる>とうことは限らない。北に向く。家に返る、帰る、もどる。

<休まる>も特別だ。<休まる>は<寝(ね)る>に似たところがある。

<寝(ね)る>は自動詞だが<自然とそうなる>とうことは限らない。だが非常に眠たいときは<自然とそうなる>。

<休まる>は

こうすると(大きなやわらかい椅子に座ると)からだが休まる。

というように使うが必ずしも<自然とそうなる>という意味にはならない。

<働(はたら)く>は自/他兼用動詞。

悪知恵(わるぢえ)がはたらく。で自動詞。悪事を働く。で他動詞。

<働(はたら)く>に対応する<遊(あそ)ぶ>は基本的に自動詞。<xx(誰々) を遊ばす>使役になる。これは意味がありそうだが、また横道にそれるので、別途検討予定。<生きる>に似たようなところがあるが、<遊ぶ>には自由が必要のようだ。

さて、以上の自発動詞でないような自動詞を除いてもまだかなり残っている。これらは

何々が自然と

上がる
開(あ)く
当たる
浮く
埋まる
興(起)こる
落ちる
終わる
かぶる(自/他)
乾く
変わる、代わる、替わる (自/他)
消える
決まる
焦げる
下がる
咲く
沈(しず)む
絞(し)まる
閉(し)まる
済(す)む
澄む
染まる
貯(た)まる
溜(た)まる
縮(ちぢ)む
掴(つか)まる
捕(つか)まる
付く (巻きつく、取り付く、etc)
つまる
とどまる 
閉じる(自/他)
富む
止まる
鳴る
にごる
残る
伸びる
始まる
はまる
冷える
(ひっくり)返る
響く
ふえる
震える
ふくらむ
ぼける
曲がる
燃える

で基本的に問題ないので、以上の自動詞は自発動詞といえる。

一方人(ヒト)、動物が関与する動詞に感覚、感情、認識、知覚動詞がある。

見える - 見る
聞こえる - 聞く
におう - におわす
味わえる (味がする) - 味わう
触れる ‐ 触れさす  <xxに手を触れる>で<触れる>は他動詞になるが<xxに手で触れる>とも言う。

感じられる - 感じる

泣く (xx を泣く、というのもある) -  泣く - 泣かす
笑う (xx を笑う、というのもある)- 笑う - 笑わす
悲しむ (xx を悲しむ、ともいう、悲しまれる、ともいう)- 悲します
よろこぶ (xx をよろこぶ、ともいう) - よろこぶ - よろこばす

思われる - 思う
考えられる - 考える
思い出される - 思い出す
しのばれる - しのぶ


以上の人、動物が関与する動詞ペアの自動詞も基本的に

何々が自然と

見える
聞こえる
におう
味わえる
触れる
感じられる

泣く
笑う
悲しむ
よろこぶ

想われる
考えられる
思い出される
しのばれる

と言えるので自発動詞と言える。

こう見ると、大きな例外は

歩く - 歩かす
行く - 行かす
泳ぐ- 泳がす
動く - 動かす
来る - 来(こ)さす
すわる - すわらす
立つ - 立たす
飛ぶ - 飛ばす
走る - 走らす

-----

返(かえ)る
帰(かえ)る
過(す)ぎる
通(とお)る
向く
もどる
渡(わた)る

 のような自動詞<多くは移動関連動詞>

のグループの自動詞になる。

 さらに重要自動詞としては

生きる
住む

寝(ね)る、眠(ねむ)る

遊ぶ

がある。 

これで終わりと言いたいが、まだまだ終わりではなく、検証が必要だ。<自動詞は自発動詞か?>は大問題なので、時間をかけても検証するだけの価値はあるだろう。

<自動詞は自発動詞>の検証

上がる
開(あ)く
当たる
浮く
埋まる
落ちる
かぶる(自/他)
乾く
変わる、代わる、替わる (自/他)
消える
下がる
沈(しず)む
溜(た)まる
縮(ちぢ)む
付く (巻きつく、取り付く、etc)
つまる
とどまる 
止まる
鳴る
(ひっくり)返る
響く
震える
ふくらむ
曲がる

以上は、ヒトが関与しない物理現象とみれば、 <自然とxxxx>で問題ない、自発動詞だ。ここでは抜けているが、物理現象の基本は力(ちから)が作用しておこる<まわる>だ。

まわる - まわす

地球は人が関与しなくても<まわっている>ので自発だ。

ヒトが関与しない化学変化も同じようなことが言えそうだ。

乾く
焦げる
澄む
染まる
にごる
冷える
燃える

ためしてみればわかるが、以上は<何々はxx>で自発表現(動詞)になる。

また、調理場は化学の実験室みたいな場所で、別のところで<炊事のやまとことば>というポストを書いたことがある。

炊(た)く - 炊かれる(受身)  - 炊ける(自動詞) (炊けている)
焼(や)く - 焼かれる  - 焼ける (焼けている)
煮(に)る - 煮られる  - 煮える (煮えている)
ゆでる(うでる) - ゆでられる(うでられる)  - ゆだる(うだる)(ゆだっている、うだっている
蒸(む)す - 蒸される  - (蒸す - 蒸している)
揚(あ)げる - 揚げられる  - 揚がる (揚がっている)
炒(いた)める - 炒められる - 炒まる(炒めっている)
あぶる - あぶられる - あぶれる (あぶれている)
漬(つ)ける - 漬けられる  - 漬かる (漬かっている)
浸(ひた)す  - 浸される  - 浸たる (浸っている)

で、みごとな自他動詞ペアだ。調理は人がするものだが上の自動詞の例は調理されているモノが主語で自発動詞といえる。

物理、化学に続いて生物学関連動詞をチェックしてみる。

生まれる、始まる
生きる

育(そだ)つ 

おとろえる 

死ぬ、終(お)わる、消える
おとろえる 
枯れる
(花が)咲く
(鳥が)鳴く
伸びる
ふえる


ヒトが関与するとややこしくなりそうだが、動物や植物を考えると、自発動詞といえそう。だが対応する他動詞はかなり複雑だ。

生まれる - 生ます
生きる -生かす(活かす)

育(そだ)つ  - 育てる

死ぬ - 死なす (殺す、殺される)
終(お)わる - 終える、終わらす
おとろえる ((他動詞が見あたらない)<おとろえさす>は使役で、しかもほとんど聞かない。
枯れる - 枯らす
消える - 消す


(花が)咲く - 咲かす

xxが芽を出す  - 稲の目が出る。稲が目を出す。<出す>は自動詞か他動詞か?

(鳥が)鳴く - 鳴かす
伸びる - 伸ばす
ふえる - ふやす

次は社会、経済現象

興(起)こる
変わる、代わる、替わる (自/他)
貯(た)まる
富む

自然(気象)現象は当然ながら<自然とそうなる>で自発だ。

(雨、雪)が降(ふ)る - 降らす
(風が)吹く - 吹かす
(氷が)張る - 張らす
霜(しも)が降(お)りる - 降ろさす、降りさす、(<降ろす>はダメか)
(氷、雪)がとける - とかす
(日が)出る - 出す

他動詞の方は

天は xx を降らす、吹かす、張らす、降ろさす(<降ろす>はダメか)、とかす、

上で取り上げ物理、化学現象は基本的に自然現象だ。

 

 

sptt

 




 

 

 

 

 

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