Wednesday, June 2, 2021

<in spite of>の spite について -2、xx のくせに

 最近書いた(書いている)一連の<逆接と譲歩のあいまいさ>シリーズはその少し前のポスト ”<in spite of>の spite について” から始まっている。<in spite of>の spite について” に最近次の部分を追加しておいた。

"

xx のくせに

上で<この英語の even は曲者(くせもの)で>と書いたが、曲者(くせもの)の<くせ>も曲者だ。

太郎は男のくせに勇気がない。
花子は女のくせにめったに涙をみせない。

これはやや翻訳調になるが

太郎は男にもかかわらず勇気がない。
花子は女にもかかわらずめったに涙をみせない。

と言い換えられる。<くせ>はいくつか違った意味があるが、中毒に似た意味がある。

<くせ>自体は中立のようで

良いくせをを身につける。
悪いくせは直す。 

というが、実際には <悪いくせ>が主だ。中毒とは

xxするのは悪い、やめたほうがいいと、わかっているがやめられない。
xxであるのは悪い、直したがいいと、わかっているが直せない。

この中毒、中毒症状は悪意(spite)がなせるわざと言えないことはない。悪意(spite)は意地がわるく、人がいいことをしようとするのをさまたげるのだ。

太郎は男のくせに勇気がない。 

を言い換えると、

太郎は本来の男のように勇気があるのがいいとわかって入るが、勇気がない。

だが spite = くせ、ではない。ここは言葉のおもしろいところで、何かのヒントになりそうだ。

"

以上は一種のゴマカシで、<にもかかわらず>の意味がある spite の隠れた意味の説明にはなりうるが、<くせ>がなぜ<にもかかわらず>になるのかの説明になっていない。

<何かのヒント>の何かとは何かを考えてみた。 spite (悪意)= くせ、ではないが、まったく関係ないというわけではない。

(くせは中毒、中毒症状といえるが)この中毒、中毒症状は悪意(spite)がなせるわざと言えないことはない。悪意(spite)は意地がわるく、人がいいことをしようとするのをさまたげるのだ。

太郎は男のくせに勇気がない。 


太郎は男だが勇気がない。 

で譲歩とういよりは逆接。太郎は男だから勇気があるはずだ(予想されること)が、実際は勇気がない(予想されることは反対の事実)。

太郎は男なのに勇気がない。 

これは譲歩気味になる。

雨が降るのにでかけた。

も譲歩気味になるので、<のに>が譲歩の助詞、複合助詞、助詞句といっていい。<のに>は簡単だけに分析が難しい。

悪意(spite)は意地がわるく、人がいいことをしようとするのをさまたげるのだ。

と書いたが、<くせ>も人がいいことをしようとするのをさまたげる。

と言える。

いいことをしようとするにもかかわらず、クセのため、そのいいことをしない、できない。
いいことをしようとするのに、クセのため、そのいいことをしない、できない。

上でも書いたが<くせ>自体は中立のようで

良いくせをを身につける。

したがって

悪いことをしようとするにもかかわらず、クセのため、その悪いことをしない、できない。

は成り立つ。ここは<クセ>の意味の一般化で肝心なところだ。 言い換えると、習慣化、傾向化だが、漢字を使うと言い替えでゴマカシのようになる。<クセ>は

xx しようとするのをさまたげる
xx になることをさまたげる 

でいわば<反対(勢)力>。

太郎は男で勇気があるべきだが、(あるはずだが)、クセの<反対(勢)力>がはたらいて、勇気がない。  

 これで

太郎は男のくせに勇気がない。  

の<くせ>の譲歩の意味の説明になる。

(証明終わり)

花子は女のくせにめったに涙をみせない。

花子は女だてらにずめったに涙をみせない。

という言い方がある。少し調べてみたが<だてらに>はよくわからない。

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<くせ>の例文をもう探してみる。

美代子はおとなのくせして泣いてばかりで赤ん坊みたいだ。

次郎は他人がやらないことの文句をいうばかりだ。そのくせ自分はできない、やらない。

この<そのくせ>は nevertheless のニュアンスがある。

佐藤はすこしくせのある男だ。 ひとくせもふたくせもある。

鈴木はくせも(曲者)のだ。   (もとは<くすしきもの>、<くしきもの)か?)


<くせ>の関連語

くさい、臭(くさ)み

くす、くず

くそ

くしゃみ <- くさめ(古語)、といわれるが本当か?

くしゃくしゃ(ぐしゃぐしゃ)、くちゃくちゃ、(ぐちゃぐちゃ)


 sptt

 

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