Monday, December 29, 2025

<つく>、<つける>について、自動詞、他動詞

 

 <つく>は多義語でかなり前のポスト

<つく>(突く、着く、付く )について ( Nov 10, 2012) で


突く
着く
付く   自動詞、関連語:他動詞 付ける
就く (任務に就く)
衝く (的を絞って突く、攻撃する)
尽 く 、関連語:尽きる、尽くす
憑く (もののけが(とり)つく)
搗く (こめ、もちなどをつく)
点く (火がつく、電気がつく)
 
適当な漢字がないようだが、まりをつく;杖をつく、手をつく; 息をつく もある。漢字を使うとこれだけの区別があるが、かなだけ、あるいはもっと現実的 に耳で聞いたり話したりするときはこれらの区別はない。いいかえれば、中国語の漢字では発音上これらの区別があるが、日本語では区別がなく、すべて<つく>なの だ。
正確には、<く>(<つ>にアクセントがある-着く、付く、就く、尽 く、憑く、点く )と<つ>(<く>にアクセントがある-突く、衝く)の区別がある。中国語の四声に似た区別だ。
漢字を使うと意味が違う、あるいは微妙に違うようだが、大和言葉としての<つく>はかなり大雑把な動詞、よくいえば、かなり一般化、抽象化された語だ。もとの大きな意味は共通している(同源とか同根というが、いわば<ur- つく>だ)。<ある場所にに近づく、近づける>といったような意味だ。
 

” 

と書いている。さて、よく使われるものを自動詞と他動詞に分けてみる。


着く 自動詞  東京に着く、小包が着く、まもなく東京に着ける (可能) 、車を壁に着ける (車を壁に近づける) (他動詞)

付く 自動詞  汚れが服に付く、汚れを服に付ける (他動詞)

就く 自動詞  任務に就く、任務に就ける (可能)、太郎を任務に就ける (他動詞)

点く 自動詞  火がつく、電気がつく、火を / 電気をつける (他動詞)。<点 (つ) く>はいかにも当て字だ。 

 

突く 他動詞   槍を突く、壁を槍で突く、この槍は壁を (が) 突ける (可能)

<突く>は<つく>でもイントネーションが違う。

もちをつく 他動詞    (太郎は) もちつける (可能)   もちつける (自動詞)  もちがつけた、もちがつき上がった、もちができ上がった

まりをつく 他動詞    (花子は) まりつける (可能)

杖 (つえ) をつく 他動詞    (その老人は) 杖つける (可能)

息をつく 他動詞    これでやっと息つける (可能)

 

以上の例では、自動詞では<xく>が<xける>で可能、他動詞になる。 一方、当然だが他動詞<xく>の<ける>による他動詞化はない。これらは規則といえる。

<可能>は 

 <五段活用 -> 下一段活用>変換による可能動詞化

というのがあり、以上の例ではこれがあてはまる。

また<可能>は普通は<誰だれがxxできる>で、人が主語、主体になる。だが例外もある、

塩は水に溶 (と) ける。 

これまた<だが>だが、この<溶ける>は他動詞<溶く>の自動詞化ともいえる。

もちをつく 他動詞    (太郎は) もちつける (可能)   もちつける (自動詞)  もちがつけた

の<もちがつける>の<つける>も他動詞<つく>の自動詞化といえる。

 

sptt

 

Sunday, December 28, 2025

<動く>、<動かす>、to move、Let the chair move. は可能か?

 

日本語では自動詞<動く>、他動詞<動かす>が使い分けられている。一方英語の to move は自他兼用動詞。やや現実離れしているところがあるが

椅子が動く  The chair moves.

(誰かが、何かが)椅子を動かす  (someone, something) moves the chair.

カッコ内の(誰かが、何かが)、(someone, something)は必要で

太郎が / は椅子を動かす。Taro moves the chair.

ところで英語で

Let the chair move. という言い方は可能か? ビートルズの歌に<Let it be>というのがある。

Let the chair move. は<椅子を動かさす>でもいいが、正確には<誰かに椅子を動かさす>の<誰かに>を省いたものか?

だが、これは Let someone move the chair. が正しいだろう。

 

sptt

 


Thursday, December 25, 2025

他動詞<受ける>、自動詞<受かる>と<まる―める>動詞

 

少し前のポスト

おもしろい日本語の自動詞、他動詞<受ける>、自動詞<受かる>ー2

ヘンテコな他動詞<受ける>、自動詞<受かる> 

で他動詞<受ける>、自動詞<受かる> を検討したが、分析は半ば (なかば)で終わった。上記二つのポストのもともとの疑問、概略は


ところで

自動詞<受かる> 試験に受かる 

は<を>をとらないので自動詞か?

試験が受かる

なら自動詞でいいが、こうはいわない。<試練が受かる>、<いじめが受かる>もダメ。

<受ける>は<を>をとるので他動詞だが、やや特殊で、意味としては<与えられる>で受身的だ。

A ーー 試験 ーー> B

Aは与える。Bは与えられる。またはBは<受ける>

受身は対象が主語で

試験が与えられる 

これからすると

<受ける>は<を>をとるから他動詞といえるか? 少なくとも能動的に<試験に働きかける<わけではない。

英語で<受ける>は to receive で、to receive xx で他動詞。だが 

<試験を受ける>は to receive an exam とはいわず、to take an exam.

to receive も to take も他動詞だが、英語でも to receive は受身的だ。

An exam is taken. はなんとかなるが、An exam is received.とはまず言わないだろう。A gift is received. ならいい。

つまるとこころは<試験を受ける>がおかしいようだ。さらには<試験に受かる >はややこしい。

受 (う) く(古語)  受かる ー 受ける

試験に受かる  試験に受かっている (状況)。<受かる>は可能の意味もある。

試験を受ける

以上に関しては下記の<まる―める>動詞群が参考にななる。

収 (おさ) む(古語)  収まる ー 収める

カネが金庫に収まっている (状況)。カネが金庫に収まる(可能)

カネを収める   カネを金庫に収める  

埋 (う) む(古語)     埋まる ー  埋める

カネが地中に埋まっている (状況)。
カネを地中に埋める

溜 (た) む(古語)     溜まる ー  溜める

雨水が桶に溜まる  
雨水を桶に溜める

貯 (た) む(古語)     貯まる ー  貯める

小銭が貯金箱に貯まる
小銭を貯金箱に貯める

詰 (つ) む(古語)     詰まる ー  詰め

ゴミがゴミ袋に詰まっている (状況)。
ゴミをゴミ袋に詰める

嵌 (は) む(古語)     嵌まる ー  嵌める 

指輪が指にうまく嵌っている、指輪が指にうまく嵌らない (可能の否定)
指輪を指に嵌める 

他動詞<xxめる>は意味がつかみやすいが、自動詞<<xxまる>は少しやっかいだ。

試験に受かる

に近いものを探すと

カネが金庫に収まる

カネが金庫に収まっている (状況)。 カネが金庫に収まる(可能)

これは<(金庫が) カネを受ける>ことになる。これは<収める>と授受関係になる。その他も見方では授受関係になる。

授受関係では<まる―める>動詞でなくとある。<ク行>で

授 (さず) く(古語)     授かる ー  授ける

授かる   大金を授かる、名誉を授かる、(お褒 (ほ) め授かる)

授ける   大金を授ける、名誉を授ける

預(あず) く(古語)    預かる ー  預ける

預かる  大金を授かる、貴重品を授ける

お褒 (ほ) め預かる

という言い方がある。<お褒 (ほ) め預かる>はほとんど聞かない。<試験に受かる>と関連があるか?

預ける  大金を授かる、貴重品を授ける

これは<試験を受ける>と授受関係が逆になる。

試験

 I

 V

受ける 

大金

 I

授ける

さて

<お褒 (ほ) め預かる>と<試験に受かる>と関連があるか?

だが、<預かる>は

お褒 (ほ) め

 I

 V

預かる

で<受かる>と同じ授受関係になる。<試験に受かる>を

試験の合格に預かる

とすれば何とかなるが、こじつけがましい。<試験に受かる>はやっかいだ。

 

sptt

Sunday, December 21, 2025

咲く、咲かす、咲かせる

 

咲く (自動詞)  花が咲く、咲かす(他動詞)、花を咲かす、咲かせる(他動詞、可能) 花を咲かせる、使役:咲かさす/ させる

のようだが、実際に例文を作ってみると

爺さんが桜の花咲かす(他動詞)、咲かせる(他動詞)

爺さんは桜の花が咲かせる(可能) この<咲かせる>は他動詞ではない。

爺さんに桜の花を咲かさす/ させる(使役)

 

で<咲かせる>がやっかいだ。

日本語では<可能動詞>というのがある。 べつのポストで引用したことがあるが

”い。Wiki には<可能動詞>として次のような長い解説がある。



可能動詞
(かのうどうし)とは、現代日本語共通語)において五段活用の動詞を下一段活用の動詞に変化させたもので、可能(行為をすることができること)の意味を表現する。



行く 自動詞  ー> 行ける
買う 他動詞 ー> 買える
書く 他動詞 ー> 書ける
住む 自動詞 ー> 住める
立つ 自動詞  ー> 立てる  <立てる>は自動詞<立つ>に対応する他動詞の<立てる>がある。
取る 他動詞  ー> 取れる  <取れる>は他動詞<取る>に対応する自動詞の<取れる>がある。
飲む 他動詞  ー> 飲める
引く 他動詞  ー> 引ける
増す 自動詞 ./  他動詞 ー> 増せる          川の水が増す(自動詞)、  人の数を増す(他動詞)
読む 他動詞 ー> 読める 

自動詞、他動詞に関係なく成り立つ。見事な 変換と言える。しかも活用全体の変換なのだ。

これを<咲かす>に当てはめると

咲かす 他動詞 五段活用

咲かない
咲か
咲か(終止形)
咲か
咲か

下一段活用にすると、

咲かない
咲か
咲かる(終止形)
咲かるとき
咲かれば
咲かよう

<咲かない>は<咲かすことできない>の意味になる。不可能、可能の否定、

お爺さんは花咲かせない。

これは

お爺さんは花咲かせない。

でもよさそう。

<咲かて>は<咲かすことができて>の意味にならない。

お爺さんは花咲かせている。

お爺さんは花咲かせている。

はおかしい。

<咲かる (終止形) >は可能の意がない他動詞とも可能動詞ともとれる。

爺さんが桜の花咲かせる(他動詞)

爺さんは桜の花咲かせる(可能) この<咲かせる>は他動詞ではない。

<を>と<が>の違いがある。

 

<咲かるとき>は

爺さんが花咲かせるとき

他動詞。

無理に可能にしたければ

爺さんが花咲かせるとき

となる。 

 

<咲かれば>は可能の意がない他動詞とも可能動詞ともとれる。

爺さんが花咲かせれば

は他動詞とも可能動詞ともとれる。

爺さん咲かせれば

は可能。

爺さん咲かせれば

も可能だが、変な感じがある。

爺さんもし花咲かせれば

は変な感じがない。

 

<咲かよう>も可能の意がない他動詞とも可能動詞ともとれる。

爺さん咲かよう。 

変な日本語で

爺さん咲かせる。でいい。

爺さんこれから花咲かせる。

以上他動詞。

爺さん咲かよう。

これまた変な日本語で

爺さん花が咲かせる。でいい。

爺さんはこれからは花が咲かせる。

以上可能。


一方五段活用<読む>の 下一段活用は

読めない
読めて
読める(終止形)
読めるとき
読めれば
読めよう  

は一貫して<可能>の意だ。ただしこれらの場合、<を>ではなく<が>をとる。<を>は間違い。

英語が読めない
英語が読めて
英語が読める(終止形)
英語が読めるとき
英語が読めれば
英語が読めよう  

 

<咲かせる>が複雑なのはどうしたことか?

 

sptt

 

Thursday, December 11, 2025

<xxく>動詞、<xxかる-ける>動詞 ー 続編

 

少し前のポスト

 <xxく>動詞、<xxかる-ける>動詞

の続編。上のポストは相当長く、読み切ったのは私ぐらいではないかと思っている。文法的規則性を見つけようと試みたのだが、 支離滅裂なところがあり、規則性は結局見つからなかった。今回は別の方法を試みた。

<xく>動詞

話が長くなるので 、とりあえず二音節の<xく>動詞だけをチェック。

空 (あ) く (自動詞)  席が空く、部屋が空く (自動詞) 、席 / 部屋を空ける (他動詞)
席 / 部屋を空けさす / させる(使役)、席 / 部屋を空かす (他動詞)、  席 / 部屋を空かす、空かさす / させる(使役)

開 (あ) く (自動詞)  ドアが開く、 開ける (他動詞) 、窓を開ける、開けさす、させる(使役) <窓が開かる開からない> (可能) という言い方がある。これはやや特殊だが<見つける>という動詞も

見つける (他動詞) 、落した財布を見つける、 <落した財布が見つかる見つからない> という言い方がある。だが<見つかる>は可能というよりは自動詞。自動詞だが変な自動詞だ。<見つく>は古語にあるが他動詞。

[三] 他動詞カ行下二段活用

活用{け/け/く/くる/くれ/けよ}

見つける。発見する。

で他動詞。末尾参照。

 

飽く (自動詞) (古語)   飽きる (自動詞)、 飽かす (他動詞) 飲み飽かす、厭きるまでむ、厭きるほど飲む、飽きさす /させる (使役)

(生く) (古語)   きる (自 / 他動詞)。 長く生きる (自動詞)、長い一生を生きる (他動詞) 、使役:生きさす、生きさせる

生ける (他動詞)   花を生ける、使役:花を生けさす、花を生けさせる

古語活用

カ行下二段活用
語幹未然形連用形終止形連体形已然形命令形活用型
語幹未然形連用形終止形連体形已然形命令形活用型
(語幹)くるくれけよカ行下二段活用

この古語の活用から<生ける>が生じた。末尾参照。

生かす <生く>(古語) (自動詞) の他動詞化か。この機会を生かす 使役:生かさす / 生かさせる

原意:生きるようにさせる。 生きさすー>生かす

行く (自動詞)  行ける(可能)、 行かす / 行かさす / 行かせる(使役)
浮く (自動詞)   浮ける(可能) 浮かす (他動詞)、浮かせる (他動詞、可能) 浮かさす / させる(使役) 他動詞<浮かべる>は<浮かす>と違う。


置く (他動詞)  置ける(可能) 置かす、置かさす / させる(使役)

書く (他動詞)  書ける(可能) 書かす / かさす / させる(使役)
欠く (他動詞)  思慮を欠く、欠ける (自動詞)   知恵が欠ける,欠かす


聞く (他動詞)  聞ける(可能) 聞かす / 聞かさす / 聞かせる(使役)

<聞こえる>は<聞こゆ>由来で別もの。

効く (自動詞)   薬が効く。 効かす(他動詞)すごみを効かす, 効かさす(他動詞) 、すごみを効かさす、効かさせる(他動詞) 、すごみを効かさせる  効かさす / 効かさせるは使役にもなる。太郎にすごみを効かさす、太郎にすごみを効かさせる

薬を効かす、 薬を効かさす、薬を効かせる、薬を効かせる、で他動詞は問題ない。

使役はどうなるか?

太郎にすごみを効かさす、効かさせる、効かさせさす

どうもやっかいだ。

割 (さ) く (他動詞)   割ける (自動詞、可能) 、割かす / 割かさす  / させる(使役)
(避く) (他動詞) (古語、文語)  避ける (他動詞) 、(避かす) / 避けさす / 避けさせる(使役)


咲く (自動詞)  花が咲く、咲かす(他動詞)咲かせる(他動詞、可能) 咲かさす/ させる(使役)

爺さんが桜の花を咲かす(他動詞)、咲かせる(他動詞)

爺さんは桜の花が咲かせる(可能) この<咲かせる>は他動詞ではない。

爺さんに桜の花を咲かさす/ させる(使役)

 
敷く (他動詞)    布団を敷く  敷ける(可能)  敷かす / さす ./ させる(使役)
透 (す) く  透ける (自動詞)   透かす(他動詞) xxを透かしてみる、透かさす / させる(使役)

空 (す) く (自動詞)   おなかがすく、電車が空く 空かす (他動詞)  おなかを空かす

<おなかを空かす>の<空かす>は<を>を取るので他動詞と言えるが、実際には本人が他動詞的に <おなかを空かす>わけではない。

漉 (す) く (他動詞)   紙を漉く、漉ける (可能)

好く  (他動詞)  
急 (せ) く (自動詞) 気が急く、 (せ) かす、急かせる(他動詞)、急かさす、させる(使役)

炊く(他動詞) 御を炊く 炊ける (自動詞、可能)  御飯が炊ける、  炊かす(使役) 
(たく)  たかる (自動詞) ハエがたかる   ハエをたからす(ハエに命令はできないので使役ではなく他動詞)

着 (つ) く (自動詞)  着ける (可能)、 着かす(他動詞) 荷物を時間通りに着かす  着かかさす、させる(使役) 

付く (自動詞)  付ける (他動詞) 、破れた紙をテープで付ける、 付かす (他動詞)、 護衛のため太郎を花子に付かす、 付けさす、させる(使役) 護衛のため太郎を花子に付けさせる

護衛のため太郎を花子に付かす 

の<付かす> は微妙で純他動詞とは言いにくいが純使役とも言いにくい。

就く (自動詞)  任務に就く  就ける (他動詞)    太郎を任務に就ける、就かす (他動詞) 太郎を任務に就かす、 就かさす(他動詞) 太郎を任務に就かさす、 就かさせる (他動詞)太郎を任務に就かさす  <就かす、就かさす、就かさせる>使役ともなる。このあたりも微妙。

突 (つ) く (他動詞)  突ける (可能)、 突かす、突かさす、突かさせる (使役)

(浸く)  浸 (つ) かる (自動詞) ー 漬ける (他動詞) 、 浸からす (他動詞) 、漬けらす / らせる

解く(他動詞)  問題を解く、 解ける (自動詞)、問題が解ける、解ける (可能)、解かさす / 解かせる / 解かさせる (使役)

太郎が / は問題を解く (他動詞)

問題が解ける (自動詞)

太郎は問題がける (可能)

太郎に問題を解かさす / 解かせる / 解かさせる

<解かす> (他動詞)がありそうでない。<問題を解かす>という言い方はない

溶く(他動詞)    溶ける  (自動詞)  溶かす(他動詞) 、塩を水に溶かす、 溶かせる / させる(使役)
梳く (他動詞)  髪を梳く  梳かす(他動詞)  髪をとかす  髪かせる / させる(使役)
説く (他動詞)  世の摂理を説く。

どく(自動詞)   どける (他動詞)、 どかす(他動詞)  どけさす / どけさせる、どかさす / どかさせる   どける (他動詞)、どかす(他動詞) は個人差、方言のちがいか?

鳴く (自動詞) 鳥が鳴く、鳴かす(他動詞)  鶯を鳴かす <>を擬人化すれは使役になる。

泣く (自動詞) 赤ん坊が泣く、花子が泣く  泣ける (可能) 、泣かす(他動詞)

<夜通し赤ん坊に泣かれて閉口した>という言い方がある。<泣かれ (て) >は自動詞<泣く>の受身。他動詞<泣かす>の受身は<泣かされる>。<泣かれ (て) >は被害相とも言える受身で、自動詞の受身が可能。<死なれて>。

抜く(他動詞)   抜ける (自動詞)   釘が抜ける  抜かす(他動詞) 腰を抜かす、大事なポイントを抜かす  抜かす、抜かせる、抜かさせる  (使役) 太郎にくぎを抜かす / 抜かせる / 抜かさせる

<腰を抜かす>の<抜かす>は、上の<おなかを空かす>と同じで、<を>を取るので他動詞と言えるが、実際には本人が他動詞的に <腰を抜かす>わけではない。

ころんで脚の骨を折る
アキレス腱を切る 

も同様。

のく 退く (自動詞)  のける  (他動詞)、 のかす  (他動詞)、 のけさす / させる、のかさす / させる  (使役)

吐く(他動詞)  商品を吐く  吐ける (自動詞)  在庫が吐ける  吐かす (他動詞)  在庫を吐かす  吐かす / かせる / させる (使役)    容疑者に泥をはかす / かせる / させる 、 吐けさす / けさせる (使役)    商品を吐けさす / させる

掃く (他動詞)    庭を掃く  掃ける (可能)   掃かす / かせる / させる (使役)
履く (他動詞)    靴を履く  履ける (可能)   履かす / かせる / させる (使役)

引く (他動詞)    綱を引く  引ける (可能)   引かす / かせる / させる (使役)

ひく (自動詞)
   潮がひく ひける (自動詞)   潮がひける、仕事がひける

拭く (他動詞)  テーブルを拭く 拭ける (可能)   拭かす / かせる / させる (使役)

吹く(自動詞 / 他動詞)  風が吹く (自動詞)笛を吹く、口笛を吹く(他動詞)  口笛をかす(他動詞) 吹かさす / かせる / させる (使役)   風を、笛を吹かさす / かせる / させる 

<口笛を吹く(他動詞)>と<口笛を吹かす(他動詞)>の違いは微妙。

<火をふく>は漢字変換では<火を噴く>と出てくるが。<口から火が出てくる>ので<火を吹く>でもよさそう、というか、この方がよく<火を噴く>は当て字。<鬼が火を噴く>はおかしい。

巻く (自動詞 / 他動詞)  風が巻く、渦がまく (自動詞)、ネジを巻く (他動詞)、渦を巻く (他動詞)  巻ける (可能)   巻かす (他動詞)   巻かす / かさす / かせる / させる (使役)

<巻かす>は使役になる。太郎にネジを / 渦を巻かす。

<渦をまく= 他動詞>は問題がありそう。<ここでは流れが渦を巻いている>は自動詞っぽい。別のところで<ヘビがとぐろを巻く>という言い方を検討したことがある。

撒く (蒔く) まく  (他動詞)   種を蒔く 

(負く)  負ける (自動詞)   A組が負ける。B組がA組に負ける  負かす (他動詞)

A組がB組を負かす。これは内容的には<B組がA組に負ける>とおなじだ。負ける (自動詞) - 負かす (他動詞)、 勝つ (自動詞) - 勝たす (他動詞) はややこしい。

<負かせる>は可能。使役は負ける (自動詞)を使って<負けさす / させる>になる。他動詞を使った<負かさす /負かさせる>はダメだろう。


向く(自動詞 / 他動詞)  気が向く(自動詞)、 西を向く(<を>をとるので、とりあえず他動詞)  向ける (他動詞)  銃を向ける  向かす (他動詞) 西を向かす  向かす / かせる / させる (使役)   向けさす / させる (使役)

<向く>関連動詞は非常に複雑。

西を向く <を>をとるので、とりあえず他動詞

がまずやっかいなのだ。

剥 (む) く (他動詞)  皮をむく、むける (自動詞、可能)  皮がむける

焼く (他動詞) 肉を焼く  焼ける (自動詞) 肉が焼ける  焼けさす / けさせる (他動詞)  焼かす / かさす/ かせる (使役)

焼けさす / けさせる (他動詞) は<焼ける (自動詞)>の他動詞化と言える。

家を焼けさす / けさせる

は<家焼けるようにさす / させる>で <家を焼かす / かさす/ かせる (使役)>とは違う。したがって

<家を焼けるようにさす / させる>はおかしいという。この辺もややこしい。


(よく) よける (自動詞 / 他動詞) 横によける (自動詞)、水たまりをよけて歩く (他動詞)、車がよけて通る (他動詞) 

<横によける>は<わが身を横に動かしてよける>、<車がよけて通る>は<車が人をよけて通る>の簡易表現とすると、<よける>は他動詞になる。

湧く (自動詞)  アイデアが湧く、水が湧き出る、勇気が湧く 
沸く (自動詞)   湯が沸く  沸かす(他動詞)   湯を沸かす
(分く)  分かる、わかる (自動詞)  ― 分ける (他動詞) 、分かつ (他動詞)

 

A.<xく>自動詞 ー <xかす>他動詞。

1.人がする行為で自動詞的なものは対応する他動詞は少なく、使役になる。

行く (自動詞)  行ける(可能)、 行かす / かさす / かせる(使役)

歩 (ある) く (自動詞) (xxく)   歩ける(可能)、 歩かす / かさす / かせる(使役)

泳 (およ)ぐ (自動詞) (xxぐ)   泳げる(可能)、 泳がす / がさす / 泳がせる(使役)

例外

(生く) (古語)   生きる (自 / 他動詞

生かす <生く>(古語) (自動詞) の他動詞化か。この機会を生かす 使役:生かさす / 生かさせる

急 (せ) く (自動詞) 気が急く、 急(せ) かす、急かせる(他動詞)

着 (つ) く (自動詞)  着ける (可能)、 着かす(他動詞) 荷物を時間通りに着かす  着かかさす、させる(使役)

どく(自動詞)   どける (他動詞)、 どかす(他動詞)  どけさす / どけさせる(使役)、 どかさす / かせる /  かさせる(使役)

泣く (自動詞) 赤ん坊が泣く  泣ける (可能) 、 泣かす(他動詞)  泣かす / かさす / かせる / かさせる(使役)

のく 退く (自動詞)  のける  (他動詞)、 のかす  (他動詞)  のけさす / のけさせる(使役)、 のかさす / かせる /  かさせる(使役)

<使役とはなにか?>も大問題で、議論の余地がある。基本的には<誰だれ、人に><xxさす、させる>。


2.自然現象の自動詞には対応する他動詞がある。<かす>による他動詞化。

浮く (自動詞)   浮ける(可能) 浮かす (他動詞)

咲く (自動詞)  花が咲く、咲かす(他動詞)、咲かせる(他動詞、可能)

沸く (自動詞)   湯が沸く  沸かす(他動詞)   湯を沸かす 

<浮く>、<咲く>、<咲く>は自然現象だが、<浮かす>、<浮かす>、<浮かせる>、<沸かす>は人が関与している。人が対象に働きかけている。これは<他動詞>の定義でもある。

3.自動詞の他動詞化の<xかす>と使役の<xかす>

効く (自動詞)   薬が効く。 効かす(他動詞)すごみを効かす, 効かさす(他動詞) 、すごみを効かさす、効かさせる(他動詞) 、すごみを効かさせる  効かさす / 効かさせるは使役にもなる。太郎にすごみを効かさす、太郎にすごみを効かさせる

これはあいまいなところがある。

太郎はすごみを効かさせ (他動詞) て<生かしてはおけぬ>と言った。

太郎にもっとすごみを効かさす / 効かさせるように命じた。

だが、二番目は<命じる>が使役で、<すごみを効かさす / 効かさせる>は依然として、他動詞と見た方がいい。  

効かす(他動詞)すごみを効かす

効かさす(他動詞)  すごみを効かさす

の違いは何か?

後者は<声に>とか<態度に>などを加えられるが、前者は何かおかしい。<おかしい>がダメでもなさそう。

咲く (自動詞)  花が咲く、咲かす(他動詞)、咲かせる(他動詞、可能) 咲かさす/ させる(使役

爺さんが / は桜の花を咲かす(他動詞)、咲かせる(他動詞)
爺さんは桜の花が咲かせる(可能) この<咲かせる>は他動詞ではない。
爺さんに桜の花を咲かさす/ させる(使役)

咲かす(他動詞)花を咲かす

咲かさす(他動詞)花を咲かさす

の違いは何か?

これも微妙だ。後者は<花に命じて咲かす>、つまりは使役的なニュアンスがある。一方前者はあくまで<爺さん>の意図、行為。

 

空 (す) く (自動詞)   おなかがすく、電車が空く 空かす (他動詞)  おなかを空かす

<おなかを空かす>の<空かす>は<を>を取るので他動詞と言えるが、実際には本人が他動詞的に <おなかを空かす>わけではない。

ころんで脚の骨を折る
アキレス腱を切る 

も同様。この言い方はおもしろい。別のところで<自身>を介在させて論じたことがある。

ころんで脚の骨を折る ー> ころんで脚の骨が折れた
アキレス腱を切る ー> アキレス腱が切れた

なぜか右側のようにはあまり言わない。 <折る>、<切る>は他動詞。<折れる>、<着れる>は自動詞で、怪我は意識的するもの (怪我をする) ではないので、自動詞がよさそうなのだが。

空 (す) く (自動詞)   おなかがすく、 空かす (他動詞)  おなかを空かす

は少し様子が違う。

<おなかがすく>は

(私は) はおなかがすいている。

はいいが

太郎はおなかがすいている。

はややおかしい。英語では Taro is hungry. で何ら問題ない。だが日本語では<太郎はおなかがすいている>はおかしいのだ。 発話者に太郎のおなか具合はわからない。したがって、

太郎はおなかがすいているようだ。

ならおかしくない。 

太郎はおなかを空かしている。

もややおかしい。

太郎はおなかを空かしているようだ。

なら問題ない。

空 (す) く (自動詞)   おなかが空く

空かす (他動詞)  おなかを空かす

の違いはなにか?

話がそれかけているが、ここでも

<使役とはなにか?>が大問題で、議論の余地がある。

上で、

基本的には<誰だれ、人に><xxさす、させる>。 

と書いたが、人ではなく、モノの場合、すなわち<何なに、モノに><xxさす、させる>場合も考えられる。そしてこれが、日本語に場合重要で、ペアになった<自動詞>と<他動詞>が関連してくる。そしてこのペアになった<自動詞>と<他動詞>が非常にたくさんあるのが日本語の大きな特徴になっている。まさに一例だが

雨が降 (ふ) る   <降る>自動詞

天が雨を降 (ふ) らす  <降らす>他動詞

黒雲 (くろくも) が雨をが降らす 

<降る>の使役は<降らさす>、<降らさす>で

天に / 黒雲に雨を降 (ふ) らさす / させる

で使役のようになる。 だが、童話や漫画以外ではこうはあまり言わない。

また、別の<xる>動詞関連のポストで


< xらす>は、これまたこれから見るように、使役化の働きがある。使役の意味、定義はっきりしていないが、自動詞の他動詞化でもある。

と書いている。

 

B.<xく>他動詞 ー <xける>自動詞。

欠く (他動詞)  思慮を欠く、欠ける (自動詞)   知恵が欠ける

割 (さ) く (他動詞)   割ける (自動詞、可能) 

炊く(他動詞) 御を炊く 炊ける (自動詞、可能)  御飯が炊ける

溶く(他動詞)    溶ける (自動詞)  溶かす(他動詞) 、塩を水に溶かす

抜く(他動詞)   抜ける (自動詞)   釘が抜ける  抜かす(他動詞) 腰を抜かす、大事なポイントを抜かす

剥 (む) く (他動詞)  皮をむく、むける (自動詞、可能)  皮がむける

焼く (他動詞) 肉を焼く  焼ける (自動詞) 肉が焼ける

 

C.<xく>他動詞 ー <xかす>他動詞。

溶く(他動詞)    溶ける  (自動詞)  溶かす(他動詞) 、塩を水に溶かす

抜く(他動詞)   抜ける (自動詞)   釘が抜ける  抜かす(他動詞) 腰を抜かす、大事なポイントを抜かす

吐く(他動詞)  商品を吐く  吐ける (自動詞)  在庫が吐ける  吐かす (他動詞)  在庫を吐かす


以上のように整理してみたが、残念ながらすべてにあてはまる規則性というほどのことはない。


D.<xく>自/他兼用動詞


このグループはやややこしい。上で概 (おおむ) ね検討済み。詳しくは個々に検討する必要がある。

 ーーーーー

末尾 

学研全訳古語辞典

み-つ・く 【見付く】
 
[一]自動詞カ行四段活用

活用{か/き/く/く/け/け}

見なれる。見てなじむ。

出典源氏物語 手習

「さだ過ぎたる尼額(あまびたひ)のみつかぬに」

[訳] 盛りをすぎた尼削(あまそ)ぎの額のなじんでいないのに。


[二]自動詞カ行下二段活用

活用{け/け/く/くる/くれ/けよ}

[一]に同じ。

出典世間胸算用 浮世・西鶴

「鳶(とび)烏(からす)も、不断、焼き印の大編み笠(がさ)をみつけて」

[訳] とびやからすも、ふだん焼き印入りの大編み笠を見なれて。


[三]他動詞カ行下二段活用

活用{け/け/く/くる/くれ/けよ}

見つける。発見する。

出典竹取物語 かぐや姫の生ひ立ち

「金(こがね)ある竹をみつくる事重なりぬ」

[訳] 金の入っている竹を見つけることが何回もあった。 

 

学研全訳古語辞典

い・く 【生く】

[一]自動詞カ行四段活用

活用{か/き/く/く/け/け}

生きる。生存する。

出典更級日記 竹芝寺

「竹芝のをのこに、いけらむ世のかぎり、武蔵(むさし)の国を預けとらせて」

[訳] 竹芝の男に、今後生きているかぎり、武蔵の国を預け与えて。


[二]自動詞カ行上二段活用

活用{き/き/く/くる/くれ/きよ}

生きる。生存する。助かる。

出典徒然草 五三

「命ばかりは、などかいきざらん」

[訳] 命だけは、どうして助からないことがあろうか、いや、助かるだろう。


[三]他動詞カ行下二段活用
 
カ行下二段活用
 
語幹未然形連用形終止形連体形已然形命令形活用型
語幹未然形連用形終止形連体形已然形命令形活用型
(語幹)くるくれけよカ行下二段活用

{語幹〈い〉}

① 生かす。生存させる。

出典蜻蛉日記 上

「いで、なほここながら死なむと思へど、いくる人ぞ、いとつらきや」

[訳] それでもやはりここにいるままで死にたいと思うけれど、私を生かす人がいるのは、たいそうつらい。

②(草花などを)器にさす。いける。

出典野ざらし 俳文・芭蕉

「つつじいけてその陰に干鱈(ひだら)さく女」

[訳] つつじを桶(おけ)にいけて、その傍らで食事の用意に干した鱈を裂く女がいる。◇「活く」とも書く。

語の歴史

自動詞は、上代・中古が四段、中世から上二段、他動詞は中古から下二段活用として用いられる。また、下二段活用から現代語「生ける」が生じた。

 

参考

他動詞化、使役の<xx す>動詞 May 19, 2018

 

sptt

 

 


Tuesday, December 9, 2025

<xxている、xxてある、xxておく>の英語、中国語

 

 <xxている、xxてある、xxておく>は以前に検討したことがある。

読んでいる
読んである
読んでおく(読んで置く)

<で>は音便で、本来は<て>

している
してある
しておく

日本人であれば自然に使い分けるが、それぞれ意味がかなり違う。 <て>は完了の助動詞<た>の連用形。

<xxている>、さらには<xxているとろだ>は英語の現在進行形の訳で定型化されているが、見方を変えれば、<xx始めたのは>完了していて、それが今まで続いていることを表している。

<xxてある>、<xxておく>は明らかに完了の意が含まれている。

<xxている>の英語

be + xx ing

<xxている>の中国語 

Wiki

中国語

中国語では一般に継続相にアスペクト助詞』を用い、進行相に『』、『』、『正在』を用いて、これらを区別する。

継続相 x着 は中国ドラマなどでよく見る。<>は動詞に付く。そして中国語の動詞は大体一語。したがって<x> 。また、発音は <zhe>だが、普通ごく短く、軽く発音され、慣れないと聞き取れないほどだ。英語の of は、使用頻度が高く、省力化のため of、o(f) になる場合が多いのに似ている。

<xxている>相当

進行相に『』、『』、『正在』は実際あまり聞かない、見ない。

<xxているとろだ>相当

 よく聞き、見るのは<现在xxxx>で、これで<今xxしている>になる。

『 着』と『正』、『在』、『正在』の違い

  • 着」:動きが少ない動詞につく
    → 動作・状態の持続
  • 「在」:動きが大きい動詞につく
    → 動作の進行

詳しくは末尾参照

状態の持続 は<着ている>。英語 She wears a jacket. これは明かに進行形ではない。<ジャケットを着る>は She puts on a jacket.  少し時間はかかるが進行形ではない。日本語も英語も一般表現、ときに習慣を表す。

Wiki 進行形

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%B2%E8%A1%8C%E5%BD%A2

かなり詳しい解説。時制ではなく<アスペクト、相>であることを強調している。

 したがって

xxていた、xxてあった、xxておいた
xxているだろう、xxてあるだろう、xxておくだろう

というのは可能で、時制に関係なく<完了>の意味が保たれている。


<xxてある> 

英文法では現在完了というのがあり、理解しずらいところもあるが、きわめて頻繁に使われる。

I have done it. 

I have already done it.  < already、すでに>があり、<私はそれをすでにした>となるが、これだと過去の感じだ。意識的には<私はそれをすでにしてある>の意が強い。

中国語ではどうか。簡易和中辞典では

すでにしてある
已经完成了

と出てくる。これだと<私はそれをすでにした>、<もうすましたよ>の感じがある。<私はそれをすでにしてある>の意と取れないこともないが、字面からは<現在の状況>が表されていない。<了>は多義、多用途なので<現在を含む完了>の意もあるのかも知れない。

 

<xxておく>

英語

ネットでザッとチェックした限りでは相当語、相当表現がない。

「しておく」を英語に翻訳する · to keep · to make sure · to leave · to prepare · to save · to recommend · to want

to set aside. put  aside

I've set aside the book for you to read later.
後で読むためにその本を取っておきました。

I put by some money for a rainy day.
万が一に備えてお金を貯めておいた。

チェックしてみると<xxておく>は少なくとも二つかなり違った意味があるようだ。

1)準備  読んでおく
2)放任  やらせておく、遊ばせておく

2)の方は完了は関係ない。上の to put aside の意があるようだ。二つかなり違った意味だが<とりあえず>という枕詞 (まくらことば) はいずれにも使える。

だが<とりあえず読んでおく>は準備とは限らない。

とりあえずやらせておく、とりあえず遊ばせておく これは to put aside の意が強まっているといえる。

以上はおもしろい問題だが、後日検討。

中国語 

こちらの方もおもしろい。 

Weblio 日中中日辞典

念押ししておきます。
先进行确认。

秘密にしておきます。
先保密。

お断りしておきます。
我拒绝。

予約しておきますか?
您预约了吗?

キャンセルしておきます。
已经取消了。

チェックしておきます
正在检查。

医師に伝えておきます。
事先告诉医生。

書類を見ておきます。
事先阅读资料。

インド料理を用意しておきます。
先准备印度菜。

<先>はよく使われる。一字だが<とりあえず先に  xxする、しておく>の意に近い。これが使えるようになれば、もう初級ではない。<先ず、まず>の意とも言える。<先>がない例では


お断りしておきます。
我拒绝。

これは平叙文。 <ておきます>の意はないだろう。

予約しておきますか?
您预约了吗?

予約してありますか? の意にもなるだろう。

キャンセルしておきます。
已经取消了。

<キャンセルしてあります>の意だろう。

チェックしてあります。
正在检查。

進行形で<チェック中です>の意だろう。


ーーーーー

末尾

 

https://real-chinese.com/progress

「着」と「在」の違い

「在」は動作の進行・継続を表す副詞で、アスペクト助詞「着」の意味と似ています。

動きが大きいか?少ないか?

「着」は「動きが少ない」もしくは「動きがほとんどない」動詞に使います。

  • 坐(〜に座る)
  • 躺(〜に横たわる)
  • 开(〜を開く / 開ける)
  • 看(〜を見る)
  • 盯(〜をじーっと見る)
  • 听(〜を聞く)
  • 戴(〜をつける/かぶる)
  • 穿(〜を着る/履く)
  • 带(〜を身につける)
  • 例)我耳机。
    wǒ dàizhe ěrjī.
    (イヤホンをつけている)

    例)进来吧。门呢。
    jìnlái ba. mén kāi zhene.
    (入ってきて。ドアは開いてるよ)

    例)我在床上
    wǒ zài chuángshàng tǎngzhe.
    (ベッドの上に横たわっている)

    動きが少ない、ほぼない動作・状態が続く様子は、「進行」よりも「持続」の方がしっくりきますよね

    なので「着」は動作・状態の持続を表すわけです。


一方で「在」は動きが大きい動詞に使います。

  • 動きが大きいい動詞の例

    • 做(〜をする/作る)
    • 吃(〜を食べる)
    • 喝(〜を飲む)
    • 打(〜を打つ/電話をかける/スポーツをする)
    • 走(〜を歩く)
    • 跑(〜を走る)
    • 打扫(〜を掃除する)
    • 找(〜を探す)

例)我做饭。
wǒ zài zuò fàn.
(今料理を作ってる)

例)我打扫卫生。
wǒ zài dǎsǎo wèishēng.
(今部屋を掃除している)

動きの大きい動作が続いているイメージは、まさに進行「〜している」ですよね。

なので「在」は動作の進行を表します。
  • 着」:動きが少ない動詞につく
    → 動作・状態の持続
  • 「在」:動きが大きい動詞につく
    → 動作の進行
======
 
sptt



 

 

Friday, November 28, 2025

自動詞、他動詞につく使役の助動詞<せる>、<させる>、<す>



使役の助動詞は<せる>、<させる>。

文法上の使役とは何か?

デジタル大辞泉 

"
し‐えき【使役】 2 文法で、ある行為他人に行わせることを表す言い方。動詞に、文語では助動詞」「さす」「しむ」など、口語では助動詞「せる」「させる」「しめる」などを付けて言い表す。

"

Wiki

"

日本語では、助動詞の「せる、させる」を未然形に接続させる。 「せる」は五段動詞の未然形とサ行変格活用の未然形「さ」に接続し、「させる」は上一段活用下一段活用カ行変格活用の未然形に接続する。

五段活用      書かせる
上一段活用  見させる
下一段活用  食べさせる
サ行変格活用   させる
カ行変格活用   来させる

「~せる」を「~す」と表すこともあるが、それは、五段活用のみであって、上一段活用・下一段活用・カ行変格活用・サ行変格活用では表さない。

五段活用  ○書かす
上一段活用   ×見さす
下一段活用   ×食べさす
サ行変格活用  ×勉強さす
カ行変格活用  ×来さす



<見さす>、<食べさす>、<勉強さす>、<来 (こ) さす>はダメとなっているが、問題ないだろう。

英語の使役

英語は助動詞ではなく、一般動詞を使うが、使役動詞とも言える特殊な動詞がある。

Wiki


英文法における使役
目的格補語に原形不定詞を用いるもの 

let
have
make
bid
help
drive

目的格補語に to 不定詞を用いるもの 

allow
permit
get
force
compel
oblige
cause
drive
encourage
invite
tempt
help


上の<目的格補語に原形不定詞を用いるもの>が使役動詞とも言える特殊な動詞。実際によく使うのは、to let, to make。to help と to drive は<目的格補語にto 不定詞を用いる>こともできるようだ。<目的格補語に to 不定詞を用いる>動詞でよく使うには to allow、to permit、to force。英語の場合、使役の対象はヒトでなくてモノでもよさそう。

to let it be (歌に文句)
to make this plant grow
to make this ball hit the wall

だがこれらは使役と言えるか?

更に

Let me go.

は自分自身への使役といえるか?

 

自動詞 / 他動詞ペアの使役

落ちる (自動詞) ー 落とす (他動詞)

落ちる (自動詞) ー 落ちさす ー 落ちさせる

熟れたリンゴが樹から落ちる。
太郎に熟れたリンゴを樹から落ちさす、落ちさせる。(何かおかしい)

落とす (他動詞) ー 落とさす ー 落とさせる

熟れたリンゴを樹からおとす。
太郎に熟れたリンゴを樹から落とさす、落とさせる。

 

焼ける (自動詞) ー 焼く (他動詞)

焼ける (自動詞) ー 焼けさす ー 焼けさせる

鶏肉が焼ける。
太郎に鶏肉を焼けさす、焼けさせる。(何かおかしい)

焼く (他動詞) ー 焼かす ー 焼かさせる

鶏肉を焼く。
太郎に鶏肉を焼かす、焼かさせる 。

 

壊 (こわ) れる (自動詞) ー 壊 (こわ) す (他動詞)

壊 (こわ) れる (自動詞) ー 壊れさす

テレビが壊れる
次郎にテレビを壊れさす、壊れさせる(ややおかしい)。
次郎にテレビを壊れるようにさす、させる、ならいい。

壊 (こわ) す (他動詞)  ー 壊わさす

次郎がテレビを壊わす
次郎にテレビを壊わさす、壊わさせる 

 

割れる (自動詞) ー 割る (他動詞)

割れる (自動詞) ー 壊れさす

花瓶が割れる

花子に花瓶を割れさす、割れさせる(ややおかしい)。
花子に花瓶を壊れるようにさす、させる、ならいい。

割る (他動詞) ー 割らす、割らさす、割らさせる

花子が花瓶を割る
花子に花瓶を割らす、割らさす、割らさせる  


流れる (自動詞) ー 流す (他動詞)

流れる (自動詞) ー 流れさす、流れさせる

川が流れる

川を流れさす、流れさせる  文字通りでは変だが、川の水を流れさす、流れさせる 

水が流れる

水を流れさす、流れさせる 

木の葉が流れる

木の葉を流れさす、流れさせる

流す (他動詞) ー 流さす、流さす

川を流す 文字通りでは変だが、川の水を流す

川を流さす、流させる  文字通りでは変だが、川の水を流さす、流させる 

水を流す

水を流す、流させる 

木の葉を流す

木の葉を流す、流させる

ところで、冒頭で 


デジタル大辞泉
し‐えき【使役】 2 文法で、ある行為他人に行わせることを表す言い方

を取り上げたが、

上の例では他人ではなく自分自身でも問題ない。

水を流れさす、流れさせる  自分自身がする
三郎に水を流れさす、流れさせる    使役

木の葉を流れさす、流れさせる  自分自身がする
三郎に木の葉を流れさす、流れさせる   使役

流す (他動詞) ー 流さす、流さす

水を流さす、流させる  自分自身がするはややおかしい
三郎に水を流さす、流させる  使役

木の葉を流さす、流させる  自分自身がするはダメ
三郎に木の葉を流さす、流させる  使役

更に他動詞<流す>の場合は

水を流す  自分自身がする
三郎が水を流す  三郎がする

 が可能だ。

 

流す (他動詞) ー 流さす ー 流させる

川を流す(あまり聞かないが、川を作って水を流す、ような意味だ)

水を流す

木の葉を流す

 

話がメチャクチャになりかけているので、結論は別途進める予定。

注意したいのは、以上の例は少ないが

落ちる (自動詞) ー 落とす (他動詞)
壊 (こわ) れる (自動詞) ー 壊 (こわ) す (他動詞)
流れる (自動詞) ー 流す (他動詞) 

と、他動詞語尾に<す>が出て来ることだ。これは一字の使役の助動詞<す>と関連がありそうだ。


sptt

 

Wednesday, November 26, 2025

<めく>動詞と接尾辞<め>



すこし前に<xxめく>動詞を取り上げたことがある。

<xxく>動詞、<xxかる-ける>動詞  October 6, 2025

また別のブログ <やまとことば>の方で<xxめく>動詞を取り上げたことがある。

おもしろい<xxめく>動詞 October 11, 2025

以下に抜粋してコピー / ペイストする。

"

<春めく>、<秋めく> というい方がある。 なぜか<夏めく>、<冬めく>はあまり聞かない。

<xxめく>の<めく>は慣用動詞語尾ともいえる。おもしろい語が多い。擬音語、擬態語由来と思われるのが多いが、そうでないものもある。<アイウエオ>順に並べると


うごめく  動く
うめく 呻く  ウ、ウ、ウめく.。  うめき
きらめく  キラキラ  きらめき
ざわめく  ザワザワ  ざわめき
ときめく  ときめき
どよめく  ドヤドヤ  どよめき
謎 (なぞ) めく  謎めいたxx
はためく  ハタハタ  はためき    旗がはためく。
ひしめく  ヒシヒシ  ひしめき
ひらめく  ヒラヒラ  ひらめき
めくるめく  目くるめく   クルクル
よろめく  ヨロヨロ  よろめき
わめく   ワ、ワ、ワめく  わめき
 
動詞語尾<めく>は汎用性があり、自前の<xxめく>が可能。

嘘 (うそ) めいた本当の話
本当めいたうその話
難問めいた簡単な問問題

" 
今回追加
ほのめく  ほのめかす
ゆらめく  ゆらめき

<ほのめく> はあまり聞かない。<ほのかに見える >といった意味だ。一方<ほのめかす>は<ほのかに見せる >、さらに<示唆する>といった意味でけっこうよく使う。

<めく>は名詞 (体言)、形容詞、動詞につく。

名詞+めく

春めく
秋めく
ウソめく
都会人めく
年よりめく 、老人めく
謎 (なぞ) めく
 
以上の<めく>は大体

「~らしくなる」「~のようになる」
という意味。 <なる>で変化、移行を示すが、<めく>は段々の、少しづつの変化、移行を示すようだ。

なぜか<夏めく>、<冬めく>はあまり聞かない。これは夏と冬が春と秋に比べ歓迎されていないためだろう。だが使ってダメなことはない。

形容詞+めく

古めく   古めかしい

以上も「~らしくなる」「~のようになる」

動詞+めく

動く  動めく (うごめく)

絶えず少しづつ動く

その他
きらめく    絶えず少しづつキラキラ光る
ざわめく    絶えず少しざわざわ音を立てる
はためく    絶えずハタハタ少づつ動く、ひるがえる
よろめく    絶えずヨロヨロ少づつ歩く、動く、進む

こちらの方は継続的な傾向、ある状態、比較的小さな動きの<継続>、<繰り返し>と言えそう。

ーーーーー

さて、このポストでは<xxめく>は接尾語<xxめ>の<め>の動詞化ではないか、という話。

形容詞 +め

厚め ー 薄め
熱め ー ぬるめ
多め ー 少なめ大きめ ー 小さめ
硬 (かた) め ― 柔 (やわ) らかめ
濃いめ ー 薄め
高め ー 低め
長め ー 短め
早 (はや) め ー 遅 (おそ) め、ゆっくりめ
広 (ひろ) め ー  狭 (せま) め
ゆるめ (弛め) ー きつめ
 
<xxめ>は日常ほぼ無意識で使われる。
 
以上はある基準、あるいは対比対象にに対して、<xxい>、<xxしい>の意。そして比較的小さな違い、または少しづつの変化、移行を示すようだ。場合によっては<どちらかというと>という枕詞 (まくらことば) がつく。

動詞+め

落ちめ
下がりめ ー 上がりめ

弱 (よわ) り目に祟 (たたり) り目

ネット辞典では<目>が出てくるがを、少なくとも前半の<弱 (よわ) りめ>は<落ちめ>の<め>に近い。

こちらの方は継続的な傾向、ある状態、比較的小さな動きの<継続>、<繰り返し>と言えそう。この意味では<xx気味 (ぎみ) >、<xx傾向>、<xx基調>がよく使われる。


以上のように<xxめく>と接尾語<xxめ>は同じようなニュアンスを示す。これから、
<xxめく>は接尾語<xxめ>の<め>の動詞化ではないか。

注意: <め>は<目>の意でも使われるので注意。節目、変わり目、境目。これは上の<、え>とはほぼ反対の意味になる。非継続。



sptt

Monday, November 24, 2025

入 (い) る、入 (はい) る

 

<入 (い) る>、<入 (はい) る>はややこしい。 <入 (はい) る>は<入 (い) る>との区別のため<這入る>と書くことがある。だが<這入る>は耳で聞けば同じ<はいる>だ。

<入 (い) る>自体はは古語で、今は

部屋にいる入 (い) る

とは言わない。だが

<入口>は<いりぐち>が普通で<はいりぐち>はまれだ。<出入り>はまれで<出i入 (はい) り。だが<出入り口>が普通で<出入 (はい) り口>はまれ。<入 (い) り込んでいる>という言い方があるが、<入 (はい)り込んでいる>とは意味が明らかに違う。複合動詞では<入

る>はけっこう使われている。

押し入る
恐れ入る
聞き入る
食い入る
込み入る
跳 (と) び入る  飛び入り
取り入る (誰だれに取り入る)
寝入る
恥じ入る  恥じる
見入る

ーーーー

相い入れる
聞き入れる
組み入れる
繰り入れる
差し入れる
取り入れる
投げ入れる
申し入れる 

 

おもしろいのは

 古語<入 (い) る>は自動詞でもあり、他動詞でもあること。ここが肝心で

 学研全訳古語辞典


 い・る 【入る】

[一] 自動詞ラ行四段活用

活用{ら/り/る/る/れ/れ}

① はいる。はいってゆく。

出典伊勢物語 九

「宇津の山に至りて、我がいらむとする道は、いと暗う細きに」

[訳] 宇津の山について、自分たちがはいってゆこうとする道は、たいそう暗く細いうえに。

 (以下略)

⑥ 必要になる。

出典源氏物語 梅枝

「これは暇(いとま)いりぬべきものかな」

[訳] これは(書くのに)時間が必要だったろうなあ。◇「要る」とも書く。

(lこれは前回のポスト” かたわの動詞<要る (いる)> ” 参照。「要る」は昔から使われていた。<入 (い) る>ー><要る>の意味拡張。

[二]他動詞ラ行下二段活用

活用{れ/れ/る/るる/るれ/れよ}

① 入らせる。入れる。

出典古今集 雑上・伊勢物語八二

「あかなくにまだきも月の隠るるか山の端(は)にげていれずもあらなむ」

[訳] ⇒あかなくに…。

② 含める。加える。

出典枕草子 中納言まゐり給ひて

「かやうの事こそは、かたはらいたきことのうちにいれつべけれど」

[訳] こういうことは、きまりが悪いことの中に加えてしまうべきだけれども。

③ こめる。うちこむ。

出典古今集 仮名序

「力をもいれずして天地(あめつち)を動かし」

[訳] (和歌は)力をこめないで天地を動かし。

 (<力をもいれず>は現代語と同じだが終止形は<力をいる>だ)

” 

自動詞はラ行四段活用、他動詞はラ行下二段活用。

入 (い) る (古語、自動詞、他動詞) ― 入 (い) れる (現代語、他動詞) ― 入 (い)らす (ダメ)

 一方<入 (はい) る>は

入 (はい) る (現代語、自動詞) ― 入 (はい) れる (可能) ― 入 (はい) らす (使役)

となる。

したがって、現代語<入 (い) れる (他動詞)>は他動詞でラ行下一段活用。

入 (い) れない
入 (い) れて
入 (い) れる
入 (い) れるとき
入 (い) れれば

現代語<入れる>は古語の<入る>他動詞ラ行下二段活用を踏襲していると言える。

 一方<入 (はい) る>は

入 (はい) る (現代語、自動詞) ― 入 (はい) れる (可能) ― 入 (はい) らす (使役)

となる。

<入 (はい) る>はいつごろから使われ出したのか? ネット辞典では 

精選版 日本国語大辞典 「入る」の意味・読み・例文・類語

入るの語誌

( 1 ) 名詞形「はひいり」「はいり」は中古から例があり、動詞「はひいる」から生じたと考えられる。
( 2 ) 動詞「はいる」の初期の例は「這う」の意が強く、の挙例「平家」も、覚一本では「はいり」であるが、百二十句本では「這(ハイ)入て」とあり、「這う」の意が薄れた後でも(ロ)の「幼稚子敵討」にも「這入る」の表記が用いられている。

  1. (イ) 外から、ある物の中やある場所の内へ移動する。また、移動して、その中にいる。
    1. [初出の実例]「片山のやぶのなかにはいり、あをのけにふし」(出典:平家物語(13C前)五)
  2. (ロ) 見える所から物かげに移動する。奥へひっこむ。日、月が沈むのにもいう。「日が西の山にはいる」
    1. [初出の実例]「ト大橋、伝兵衛、廓の者皆々這入る」(出典:歌舞伎・幼稚子敵討(1753)口明)

 

とある。 <這入る>は<這 (は) って入 (い) る>で、<這って入る>は茶の湯で茶室に<はいる>が思い浮かぶ。おそらく<這>の字は後からついたものだろう。

 

sptt

Thursday, November 20, 2025

かたわの動詞<要る (いる)>

 

<かたわ>は差別用語かもしれないが、文法の説明に使うのであれば許されるだろう。

<要る (いる)>は日常よく使う動詞だが、一般動詞とは違って使用法が限られている。

<要る>は<xxが要る>で自動詞。英語では相当する to need は

I need some money.

で他動詞。

<私はカネを要る>はダメ。<私はカネを必要とする>もまずこうは言わない。

形容詞の necessary は

Some money is necessary.  日本語では<カネが必要。カネが要る>

で自動詞的になる。

要る ― 要れる ー らす

要れる>も<らす >もダメで、限定的だ。逆に限定的なところがおもしろい。 

デジタル大辞泉では

い・る【要る】

[動ラ五(四)《「入(い)る」と同語源》費用品物時間などが必要になる入用である。「資本が—・る」「暇が—・る」「お世辞は—・らない」

 という解説がある。

ラ行五段活用なので

未然形 要らない

連用形 
要ります、
要りて—>音便 要って はあまり聞かない

終止形 要る

連体形 要るとき

仮定形 (もし) 要れば

 

上の<要りて—>音便 要って はあまり聞かない>が気になる。

書かない
書きます、書いて
書く
書くとき
書けば

<書いて>は問題ない。

過去形

書いた

要る ー> 要った  <あの時金が要った>は可能で、大和言葉らしいが、<あの時金が必要だった>が普通のいいかただろう。

xxべき

書くべきだ

要るべきだ ― これはダメ。 

受身、自発

書かれる

要られる  ― これもダメ。

可能

<五段活用 -> 下一段活用>変換による可能動詞化 

書ける

要れる  ― これもダメ。

<五段活用 -> 下一段活用>変換がダメなのだ。

要れない
要れます、要れて
要れる
要れる
要れば

書けない
書けます、書けて
書ける
書ける時
書けば 

複合動詞。他動詞との組み合わせ

書き始める
書き終わる
書き足す
書きつける
書き留める
書き分ける

要り始める  これはなんとかなるか。
要り終わる
要り足す
要りつける
要り留める
要り分ける

 

sptt

 

Tuesday, November 11, 2025

xxる、xxれる、xxらす

 
<xx る>動詞は言うまでもなく日本語動詞の基本で数も格段に多い。<ら、り、る、れ、ろ>が言葉の頭に来ないのがやまとことばの一大特徴であることを考えると、<る>は動詞を作るために使われる専用音と言える。

さて<xx る>動詞を調べてみたことがある。

日本語動詞の基本、<xx る>動詞 May 20, 2018

何事も調べてみないとわからない。言い換えると、実際に調べてみてはじめてわかる。

かなり長いので読み切ってくれた人はまずいないだろう。 時間をかけて調べたので、これを使わしてもらう。

 日本語動詞の基本、<xx る>動詞のコピー / ペイスト


二音節動詞

ある(在る、有る)
いる(入る、射る、煎る、炒る、鋳る)
いる(居る、要る)-上の<いる>とイントネーションが違う。
うる(得る)
うる(売る)-上の<うる>とイントネーションが違う。
える(得る、選る)
おる(折る、織る、居る)

かる(刈る、駆る、狩る)
きる(切る)
きる(着る)-上の<きる>とイントネーションが違う。
くる(来る)
くる(繰る)-上の<くる>とイントネーションが違う。
ける(蹴る)
こる(凝る)

さる(去る)
しる(知る)
する(擦る)
する(する)-上の<する>とイントネーションが違う。
せる(競る)
そる(剃る、反る)

たる(足る)
ちる(散る)
つる(吊る、釣る)
てる(照る)
とる(取る)

なる(成る)
なる(鳴る)-上の<なる>とイントネーションが違う。
にる(煮る、似る)
ぬる(塗る)
ねる(練る)
ねる(寝る)-上の<ねる>とイントネーションが違う。
のる(のる:<のるかそるか>の<のる>)
のる(乗る)-上の<くねる>とイントネーションが違う。

はる(張る、貼る)
ひる(くそを<ひる>)
ふる(降る)
ふる(振る)-上の<くふる>とイントネーションが違う。
へる(経る)
へる(減る)-上の<くへる>とイントネーションが違う。
ほる(掘る、彫る)

まる
みる(見る)
むる(<水がむる>は<みずが漏(も)る>のなまりか?) 
める
もる(漏る)
もる(盛る) -上の<くもる>とイントネーションが違う。

(注)<まる>、<める>はそのままでは二音節動詞にはないが<xxまる>(自動詞)、<xxめる>(他動詞)の動詞製造語尾で活躍する。<まる><める>動詞ということで別のところで調べてポストを書いたことがある。 そのままでは動詞にならないので助動詞候補だ。

赤まる-赤める、白まる-白まる、薄まる-薄める、清まる-清める、高まる-高める、
広まる-広める、狭(せば)まる-狭める、固まる-固める、丸まる-丸める、
暖(温)まる-、暖(温)める、ぬくまる-ぬくめる

形容詞がらみだけではない。

からまる-からめる、貯まる-貯める、止まる-止める、はまる-はめる、休まる-休める

といくらでもある。

やる(やる:<する>の意の<やる>と<与える>の意の<やる>がある。さらに<遣る>がある)

ゆる(揺る) <揺る>は古語か?
よる(撚る、糸を撚る)
よる(寄る、依る、拠る、因る) -上の<くよる>とイントネーションが違う

わる(割る)


<xる>動詞はさすがに多い。同音多義語が多いので、イントネーションの違いは区別のためだろう。上記のイントネーションの同じ、違いは関東方言による。大きな特徴は二音節動詞に

ある(在る、有る)
いる(居る、要る)
する(する)
なる(成る)
やる(=する)

の超一般 (汎用) 動詞が含まれていること。<る>には抽象化した動詞を作る働きがあることになるが、これははじめにのべた<<る>は動詞を作るために使われる専用音と言える>に関連する。いいかえると<る>はとりたてて音からくる(音による)意味をもっていないのだ。動詞を作る機能に特化している、と言える。また二音節ということは省力化が進んでいること。発音するのに時間も労力もかなり省(はぶ)けるということだ。省けるが<る>、<ら>、<り>、<れ>などの存在によって動詞であることが即座にわかる。もっともこれは三音節以上の動詞でもいえる。


以上のなかには現代語でないものがある。

いる(入る) ー> はいる

<いりぐち (入口) >とは言うが<はいりぐち>はまれにしか聞かない。

うる(得る)ー> える (得る)

かる(駆る) 

デジタル大辞泉

追いたてる。せきたてて追う。「牛を―・ってさくの中に追い込む」
速く走らせる。急がせる。「車を―・って現場へ急ぐ」
ある行動を取らなければならないような気持ちにする。また、ある感情をますます強くする。「好奇心が探求へと―・る」「うわさが人々を不安へと―・った」→駆られる

例文は現代文だが、実際にはほとんど使わないだろう。

< 駆 (か) ける (走る) >は上の<駆る>とは関係なさそう。

かる(狩る)

<狩る>は実生活離れしていて、殆ど使わない。<狩りをする>が普通の言い方だろう。<かりうど (狩人、猟人) >も実生活離れしているが、童話などで出てきて,意味が保たれている。<狩る>は上の<駆る>と似たようなところがあり、<かる>でもとは同じだったのではないだろうか。

たる(足る)ーー> 足りる

ゆる(揺る) <揺る>は古語か? 

デジタル大辞泉

[動ラ五(四)]

揺り動かす。ふるい動かす。ゆすぶる。
背広の肩を抑えて、前後に―・りながら」〈漱石それから
(「淘る」「汰る」とも書く)水の中などで、ふるい動かして選び分ける。「砂金を―・る」
物が揺れ動く。特に、地震が起こる。
「地震が―・る度に」〈漱石吾輩は猫である 

[動ラ下二]ゆれる」の文語形

 1、2は他動詞、3は自動詞。

これからすると

ゆる(揺る) ―>ゆする (他動詞)
ゆる(揺る) ―>ゆれる (自動詞) 

 

さて今回、このポストでは

<xる、xれる、xらす>について調べてみる。特に自動詞と他動詞の違いに注目している。これ (自動詞と他動詞の違い) に関してはこれまでいろいろ書いている。例えば

自動詞、他動詞-6 日本語の他動詞、自動詞の作られ方 July 26, 2013

 

ある(在る、有る)ー あれる(在れる、有れる)ー あらす(在らす、有らす)

< ある(在る、有る)>は自動詞。大動詞で自動詞の大代表と言える。

<xれる>には、これから見るように、受身化、自発化、他動詞の自動詞化の働きがあり、自動詞< ある(在る、有る)>の受身化、自発化、他動詞の自動詞化はいわばナンセンスで、<あれる(在れる、有れる)>とはまず言わない。これは肝心なことだ。

< xらす>は、これまたこれから見るように、使役化の働きがある。使役の意味、定義はっきりしていないが、自動詞の他動詞化でもある。

使役とは<誰だれに何かをさせる>としておく。では

あらす(在らす、有らす)は使役か、という問題がでてくる。

< ある(在る、有る)>は 人の場合には<いる (居る>、場合のよっては<おる>になる。

花子に (家に) あらす

はダメだが

花子に (家に) いらす

は使役になる。自動詞の使役化は可能、ということだ。

いる(射る)は、<矢を射る>、<的を矢で射る>で他動詞。

いる(射る)ー いれる(射れる)ー いらす(射らす)

<いる (煎る、炒る) <も<豆を煎る、炒る>で他動詞。

いる(煎る、炒る)ー いれる(煎れる、炒れる)ー いらす(煎らす、炒らす)

<いる (鋳る >はあまり使わないが、

デジタル大辞泉

いる【鋳る】 [動ア上一][文][ヤ上一] 

溶かした金属鋳型に流し込んで器物をつくる。鋳造する。「鐘をいる

刀は鋳造ではなく鍛造。鋳造されるものは鋳物 (いもの) という。

Wiki


日本の鋳物

日本に鋳物技術が伝わったのは弥生時代と推測され、銅鐸銅鏡、銅剣などが出土している。古墳時代飛鳥時代以降、各種の器や工芸品、仏像などが作られた。

” 

 <いる(鋳る>は古い言葉で 

学研全訳古語辞典

いる 【鋳る】
他動詞ヤ行上一段活用

活用{い/い/いる/いる/いれ/いよ}

金属を溶かし、鋳型に入れて器物を造る。鋳造する。

出典更級日記 鏡のかげ

「母一尺の鏡をいさせて」

[訳] 母は直径一尺(=約三〇センチメートル)の鏡を造らせて。

<いる(鋳る>も他動詞で

いる(鋳る)ー いれる(鋳れる)ー いらす(鋳らす)

いれる(射れる)、いれる(煎れる、炒れる)、いれる(鋳れる)はいずれも可能(xxできる>の意になる。

 いらす(射らす)、いらす(煎らす、炒らす)、いらす(煎らす、炒らす)はいずれも<誰だれにさせる>で使役の意味だ。同音多義語だが、意味は統一がとれている。

 

入 (い) る ー 入 (い) れる ―(入らす)
はいる ー はいれる ― はいらす

はややこしい。

<入 (い) れる>は他動詞。現在<入 (い) る>、<入らす>はほとんど使わない。

<はいれる>は可能。<はいらす >は使役のパターン。

古語をチェックしてみると

学研全訳古語辞典

い・る 【入る】

[一]自動詞ラ行四段活用

活用{ら/り/る/る/れ/れ}

① はいる。はいってゆく。

出典伊勢物語 九

「宇津の山に至りて、我がいらむとする道は、いと暗う細きに」

[訳] 宇津の山について、自分たちがはいってゆこうとする道は、たいそう暗く細いうえに。

以下略

[二] 他動詞ラ行下二段活用

活用{れ/れ/る/るる/るれ/れよ}

① 入らせる。入れる。

出典古今集 雑上・伊勢物語八二

「あかなくにまだきも月の隠るるか山の端(は)にげていれずもあらなむ」

[訳] ⇒あかなくに…。

以下略

[一]自動詞ラ行四段活用と[二] 他動詞ラ行下二段活用がある。
 

終止形はいずれも<入る>。現代語の他動詞<入れる>は古語の[二] 他動詞ラ行下二段活用由来だろう。

未然形  入れず
連用形  入れて

の<入れ>に<る>がついて[一]自動詞ラ行四段活用との区別がはっきりした。

現代語<入れる>はラ行下一段活用で古語の<入る>他動詞ラ行下二段活用を踏襲していることになる。

はいる ー はいれる ― はいらす  

<はいる>は<這い入る>由来というがクエスチョンマークだ。古語の<入る>は多使用語で、さらに上述の射る、煎る、炒る、鋳る>、さらにまた<居る>、<要る>も<いる>で<いる>は多すぎる。<はいる>の<は>は区別のために接頭語として付いたのではないか?

はいる> はラ行五段活用で

はいらない
はいりて ー>はいって
はいる
はいるとき
はいれば 

<はいれる>は可能動詞でラ行下一段活用。

はいれない
はいれて
はいれる
はいれるとき
はいれれば

あとで述べるが日本語には

<五段活用 -> 下一段活用>変換による可能動詞化 

というのがある。話が横道にそれて何が何だかわからなくなっているが、もとに戻ると

いる(居る、要る) 

居る ― れる ー 居らす 

居る>は自動詞だが<れる>は可能の意だ。<らす>は使役。

 <居る>はア行上一段活用

 <五段活用 -> 下一段活用>変換による可能動詞化 

を応用すると

居れない
居れます
居れる
居れれば

上で書いたが

ある(在れる、有れる) ー> あれる(在れる、有れる) -> あらす(在らす、有らす)

の<あれる(在れる、有れる)> はダメだ。<ある>はラ行五段活用

あらず
ありて ->あって、あります
ある
あるとき
あれば

だが

<五段活用 -> 下一段活用>変換による可能動詞化

あれない
あれます
あれる
あれるとき
あれれば

がダメだ。 

一方<おる>もラ行五段活用の動詞で、こちらの方は

おらない
おります、おりて(なのかおかしい)
おる
おるとき
おれば 

<五段活用 -> 下一段活用>変換による可能動詞

おれない
おれます、おれて(なのかおかしい)
おれる
おれるとき
おれれば

はなんとか可能。どうもややこしい。<居る>、<おる>は似たところがある。<ある>は別格なのだ。

いる(要る)

<要る>は<xxが要る>で自動詞。英語では to need は

I need some money.

で他動詞。

<私はカネを要る>はダメ。<私はカネを必要とする>もまずこうは言わない。

形容詞の necessary は

Some money is necessary.  カネが必要。カネが要る。

で自動詞的になる。

要る ― 要れる ー らす

要れる>も<らす >もダメで、限定的だ。逆に限定的なところがおもしろい。 

デジタル大辞泉では

い・る【要る】

[動ラ五(四)《「入(い)る」と同語源》費用品物時間などが必要になる入用である。「資本が—・る」「暇が—・る」「お世辞は—・らない」

 という解説がある。

<カネが入り用だ>が普通だが

カネが入 (にゅう) 用だ

とも言う。この<>は何だかよくわからない。<入 (にゅう) 用>は<入り用>の書き言葉由来だろう。

 得 (う) る

うる (得る) は古語ではなく古語は<得 (う) >。現代語は<得る、える>だが<得 (う) る>で代替可能。得 (う) る>は古語のように聞こえる。

成しえる。
成しうる

 学研全訳古語辞典

う 【得】

[一]他動詞ア行下二段活用
活用{え/え/う/うる/うれ/えよ

える(得る)

デジタル大辞泉

える【得る】 
動ア下一][文]う[ア下二] (える【得る】 は文語)
 
努力して自分のものにする。手に入れる。獲得する。「利益える」「信頼をえる」「承認える
納得する。理解できる。悟る。「要領ない質問」「よくその意をない」
好ましくないものを身に受ける。「罪をえる」「病をえる
(多く、活用語の連体形助詞「を」を添えた形に付いて)可能である、の意を表す。…できる。「そうせざるをない」「ようやく監視の目を逃れることをた」
(動詞の連用形に付いて)
㋐…できる。「微笑を禁じない」
㋑そのようになる可能性がある。「交渉決裂もありえる」「起こりない事故」

 4.5はおもしろい。

可能と可能性は違う。英語でははっきり違う。 

可能 ― できる  can
可能性 ― かもしれない could、may (be)、might

中国語でもはっきり違う。

可能 ― 可以、能、会 (それぞれ使い分けがある)  
可能性 ― 可能、也许 (副詞)

<得 (え) る>はア行下一段活用で

得 (え) ない
得 (え) て
得 (え) る
得 (え) るとき
得 (え) れば 

可能は<得 (え) れる>、使役は<得 (え) さす>

<得 (う) る>(文語) は古語の<得 (う) >に準じた活用で

う 【得】. [一]他動詞ア行下二段活用. 活用{え/え/う/うる/うれ/えよ}

純古語の<得 (う) >の活用は

得 (え) ず
得 (え) て
得 (う)
得 (う) るとき
已然形 得 (う) れば  得たので

<得 (う) る>(文語) は

得 (え) ない
得 (え) て
得 (う) る
得 (う) るとき
得 (う) れば 

となるか。 

可能<得 (う) れる>、使役<得 (う) さす>はダメだ。<得 (う) られる>もダメ。

<得 (え) る>はア行下一段活用なので、<五段活用 -> 下一段活用>変換による可能動詞化、が使えないが

<得れる>は可能で

得 (え) れない
得 (え) れて
得 (
) れる
得 (
) れるとき
得 (
) れれば 

だが一般には<得られる>で

得 (え)られない
得 (え)ら れて
得 (
) られる
得 (
) れれるとき
得 (
) られれば 

える(選る)

選 (え) る> はあまり使われない。<選り好み (する)>するくらいか。普通は<選 (えら) ぶ>が使われる。選 (え) る>は<得 (え) る>と混同するので<選 (えら) ぶ>が使われるようになったのか。
 

おる(折る、織る、居る)


折る ー 折れる ― 折らす

<折れる>は自動詞、可能の両義がある。 

織る ー れる ― らす

れる>は可能。

居 (お) る ー  (お) れる ― 居 (お) らす

(お) れる>は可能。 (お) らすは使役。

上記のうち


折る ー 折れる ― 折らす

<折れる>は自動詞、可能の両義がある。

を検討してみる。

折る>は他動詞で<折れる>は自動詞。<れる>は他動詞の自動詞化と言える。

先取することになるが

切る ー 切れる ― 切らす
反 (そ) る   ー 反 (そ) れる ― 反 (そ)らす
る   ー れる ― 取らす
振 (ふ) る  ー 振 (ふ) れる ― 振 (ふ) らす
漏 (も) る  ー 漏 (も) れる ― 漏 (も) らす
割る  ー 割れる ― 割らす

が同様だ。

 

ーーーーー
かる(刈る、駆る、狩る)
きる(切る)
きる(着る)-上の<きる>とイントネーションが違う。
くる(来る)
くる(繰る)-上の<くる>とイントネーションが違う。
ける(蹴る)
こる(凝る)

さる(去る)
しる(知る)
する(擦る)
する(する)-上の<する>とイントネーションが違う。
せる(競る)
そる(剃る、反る)

 

たる (足る) 

たる (足る) ー たれる (足れる) (ダメ) ー たらす (足らす) 

 
 

三音節動詞(四音節動詞)

xある  三音節動詞が見つからない。二音節動詞<ある>が多用されるため混同をさけるためか?

おいる(老いる、老ゆ)  - 上一段活用
くいる(悔いる、悔ゆ)   - 上一段活用
しいる(強いる)       - 上一段活用
はいる(入る、這入る)
まいる(参る)

xうる  可能をあらわす接尾語的な<うる>がついた<xうる>(しうる、耐うる、見うる)以外の純三音節動詞が見つからない。二音節<うる>は<売る>と<得(う)る>があるが<得(う)る>は<得(え)る>に取って代わられている。接尾語的な<xうる>も同じでおおかた<xえる>に代わってしまっている(しえる、耐える、見える)。<うる(uru)>はやや発音しにくい。

おえる(終える)
かえる(変える、替える、代える)
かえる(帰る、返る)-上の<くかえる>とイントネーションが違う。
きえる(消える、消ゆ)
こえる(越える、超える、越ゆ)
さえる(冴える、冴ゆ)
すえる(据える、据ゆ)
そえる(添える)
たえる(耐える、絶える、絶ゆ)
なえる(萎える、萎ゆ)
にえる(煮える、煮ゆ)
はえる(生える、生ゆ、映える、映ゆ)
ひえる(冷える、冷ゆ)
ふえる(増える、増ゆ)
ほえる(吠える、吠ゆ)
もえる(燃える、萌える、燃ゆ、萌ゆ)

<かえる(帰る、返る)>以外は 下一段活用。これはどういうわけか?

<うる>とは対照的に<える>はきわめて多用される。上記はに他動詞以外は自発的な自動詞で多くはもともと<xxゆ>だ。<xxゆ>動詞については別のところで検討した。<xxえる>で多いのは<可能>で、会える、追える、買える、食える、吸える、縫える、見える などがある。もともとは、会いえる、追いえる、買いえる、食いえる、吸いえる、縫いえる。これらは上記に含めていない。四音節動詞で<可能>の意がないまたは薄いものをいくつか挙げると、

あたえる(与える)
あまえる(甘える、甘ゆ)
おさえる(押さえる)
おしえる(教える)
おぼえる(覚える、覚ゆ)
かかえる(抱える)
かぞえる(数える)
かなえる(叶える)
かまえる(構える)
きたえる(鍛える)
くわえる(加える、犬が骨をくわえる)
こさえる(こしらえる)
こたえる(答える)
こらえる
さかえる(栄える、栄ゆ)
ささえる(支える)
そなえる(備える)
そびえる(聳える、聳ゆ)
たがえる(違える)
たたえる(称える)
たとえる(例える)
ちがえる(違える)
つかえる(ものがのどにつかえる)
つがえる(番える、鳥のつがい)
つたえる(伝える)
とだえる(途絶える、途絶ゆ)
とらえる(捉える)
ひかえる(控える)
ふまえる(踏まえる)
ふるえる(振るえる)
まじえる(交える)
まよえる(迷える) - 連体形だけか? 普通は<迷う>の五段活用。<さまよえる>も同じ。
むかえる(迎える)
もだえる(悶える、悶ゆ)

以上すべて - 下一段活用。

まだまだだあるだろう。<xxえる>に関しては長くなるので別途調査。


あおる(煽る)
かおる(香る)
こおる(凍る)
とおる(通る)
なおる(治る、直る)

いかる(怒る)
かかる(掛かる)
さかる(盛る)
しかる(叱る)
たかる(ハエがたかる)
つかる(浸かる)
ぬかる(ぬかることがあってはならぬ、という言い方ある。<ぬかるみ>はどの<ぬかる>からか?>
はかる(測る、図る)
ひかる(光る)
まかる(罷る、まかる:値段を<まける>の自動詞)
わかる

あきる(飽きる)
いきる(生きる)
しきる(<仕切る>は<切る>由来だが、<取りしきる>は<とりしく>由来か?
おきる(起きる)
つきる(尽きる)

<しきる>以外は上一段活用。

あくる(あくる年、<明けた年>の意か?)
おくる(送る)
くくる(括る)

あける(空ける、開ける、明ける)
いける(活ける)
うける(受ける)
かける(駆ける、掛ける)
かける(欠ける)-上の<かける>とイントネーションが違う。
こける
さける(裂ける、避ける)
しける
すける(透ける)
つける(付ける、着ける)
つける(漬ける)-上の<つける>とイントネーションが違う。
とける(解ける)
ぬける(抜ける)
のける
ひける(仕事が<ひける>)
まける(負ける、まける:値段をまける)
むける(向ける、剥ける)
やける(焼ける)
よける
わける(分ける)

以上すべて - 下一段活用。

<xxける>は多いが、もともとは

他動詞については

いける(活ける) - 活く
うける(受ける) - 受く
かける(駆ける、掛ける) - 駆く、掛く
つける(漬ける)- 漬く
のける - のく
まける(まける:値段をまける) - まく
むける(向ける、剥ける) ‐ 向く
よける - よく
わける(分ける) - 分く

などで二音節動詞でかつ四段活用であったろう。この<xく>から<xxける>(下一段活用)への変化は大きな変化で<る>の動詞化能力が関係していると思われる。

一方自発的な自動詞

かける(欠ける) - 欠く
すける(透ける) - 透く (梳く)
とける(解ける、溶ける)  - 解く、溶く
ぬける(抜ける)- 抜く
やける(焼ける) - 焼く

の自他の対応があるものと

こける - こく(?)
しける - しけ(?)   これは<湿気(しっけ)由来だろう。

の自他の対応が考えにくいものがある。 さらには自他が逆転している動詞がある。

あける(空ける、開ける) - 空(あ)く、開(あ)く(自動詞)。<明ける、明く>は自動詞。<開(ひら)く>は自/他両用。
つける(付ける、着ける) - 付く、着く(自動詞)


おこる(起る、怒る)
しこる
のこる(残る)
ほこる(誇る)

あがる(上がる)
さがる(下がる)
すがる
とがる(尖る)
まがる(曲がる)
よがる

形容詞について<xxがる>という慣用的な動詞群がある。

うるさがる、うれしがる、えらがる、かなしがる、さみしがる

かぎる(限る)
くぎる(区切る。<区切る>は当て字だろう)
(さえぎる)
すぎる(過ぎる、過ぐ)
たぎる
ちぎる(千切る、契る。<千切る>は当て字だろう)
(とぎれる)
にぎる
ねぎる(値切る)
(みなぎる)
よぎる

<すぎる(過ぎる、過ぐ)  >は上一段。それ以外は五段活用。したがって<切る>由来か。<か、た、ち、に、よ>は接頭辞か?


くぐる
さぐる(探る)
たぐる
なぐる
めぐる(巡る)
もぐる(潜る。水に潜るのはこれでいいが、土に<もぐる>モグラは<潜ら>ではない)

あげる(あげる、上げる、挙げる、揚げる)
かげる(影る、陰る、翳る)
こげる(焦げる)
さげる(下げる)
しげる(繁る)
そげる(削げる)
つげる(告げる)
とげる(遂げる)}
なげる(投げる)
にげる(逃げる)
ぬげる(脱げる)
はげる(禿げる)
まげる(曲げる)
もげる

<かげる>、<しげる>は五段活用。それ以外は下一段活用。これは<かげる>、<しげる>は<かげ>、<しげ(み)>由来のためか?

<xxける>とおなじく<xxげる>はもともと

他動詞については

あぐ(上ぐ〉
さぐ(下ぐ)
つぐ(告ぐ)
とぐ(遂ぐ)
なぐ(投ぐ)
にぐ(逃ぐ)
まぐ(曲ぐ)

であったと考えらる。 一方自発的な自動詞

そげる(削げる) - 削ぐ
ぬげる(脱げる) - 脱ぐ 
はげる(禿げる) - 剥ぐ
もげる - もぐ

の自他の対応があるものと

かげる(影る、陰る、翳る) - かぐ(?)
こげる(焦げる) - こぐ (?)
しげる(繁る) - しぐ(?)

の自他の対応が考えにくいものがある。これらは<かげ>、<こげ>、<しげ(み)>の名詞(体言)由来の動詞か?


おごる(おごる:食事をおごる、驕る)
にごる

あさる(漁る)
くさる(腐る)
ささる(刺さる)
まさる(勝る)

(ののしる)
はしる(走る)
むしる

かする(地面をかする、かすめる)
こする
さする
なする
ゆする

いずれも<擦(す)る>由来。<か、こ、さ、な>は接頭辞のようだ。 <ゆする>は<揺り擦る>か?

あせる(焦る)
うせる(失せる)
のせる(乗せる)     乗る(自動詞)
ませる(ませた子)
ふせる(伏せる)     伏す(他動詞)
むせる(咽る)
やせる(痩せる)

<あせる(焦る)>は五段活用。それ以外は下一段活用。

<せる>は使役の助動詞。<着せる>、<させる> 、<ねせる(寝せる、寝かせる)>、<見せる>。

そそる
ほそる(細る)
よそる(ご飯をよそる)

かざる(飾る)
まざる(混ざる)

いじる
かじる
くじる (くじく)
こじる(こじれる)
とじる(閉じる)
どじる(俗口語、ドジなことをする)
なじる
ねじる
はじる(恥じる)
ほじる
まじる(混じる)
もじる
やじる
よじる

<xxじる>はおもしろい動詞グループだ。<とじる(閉じる)> 、<はじる(恥じる)>は下一段活用、それ以外は五段活用だ。


ぐずる(俗口語、ぐずぐずする)
まずる(俗口語、まずいことをする)
ゆずる(譲る)

はぜる(栗のみがはぜる)
まぜる(混ぜる)

下一段活用。

なぞる

あたる(当たる)
かたる(語る)
すたる
たたる(祟る)
ひたる(浸る)
わたる(渡る)

おちる(落ちる、落つ)
くちる(朽ちる、朽つ)
さちる(to saturate の和語化動詞)
とちる(俗口語、とつ(?))
みちる(満ちる、満つ)

<おちる(落ちる、落つ)>、<くちる(朽ちる、朽つ) >、<みちる(満ちる、満つ)>は上一段活用。 <さちる>、<とちる>はは五段活用。これは<さちる>、<とちる>が新語、造成語のためだろう。

うつる(移る、写る、映る) 漢字の動詞はいづれも関連語。<うつす>も同じ)
ほつる(?)(ほつれる、ほつ(?))
まつる(祭る)
みつる(満つる)

あてる(当てる、充てる、当つ、充つ)
すてる(捨てる、捨つ)
はてる(果てる、果つ)
みてる(満てる、満つる、満つ)

すべて下一段活用。だが<みてる(満てる)の活用がしっくりいかない。

満たない、満ちない、満てない(満たず、満ちず、満てず)
満ちながら、満てながら、満てて、満ちて
満つ、満ちる、満てる
満つる時、満てる時、満ちる時
満つれば、満てれば、満ちれば

以上の<xちる>、<xつる>、<xてる>動詞は元来<xつ>動詞と思われる。別途<xxつ>動詞として検討予定。

おとる(劣る)
さとる(悟る)
ふとる(太る)
もとる

うだる(ゆだる)

xぢる
xづる

うでる(ゆでる)
なでる

下一段活用。

おどる(踊る)
たどる
もどる(戻る)
やどる(宿る)

うなる
がなる(俗口語)
しなる(しなう)
どなる

xにる
xぬる

うねる
(おもねる)
かねる(兼ねる)
(くすねる)
くねる
すねる
(たばねる)
つねる
まねる

<うねる>、<くねる>、<つねる>は五段活用。<おもねる>、<かねる>、<くすねる>、<たばねる>、<まねる>は下一段活用。どういうわけか?

<xxじる>とならんで<xxねる>はおもしろい動詞たちのグループだ。

いのる(祈る)
つのる(募る)
みのる(実る)

xはる
xひる
xふる
xへる
xほる

昔の書き言葉(文語)では<ある、いる、うる、える、おる>相当。


いばる
くばる(配る)
えばる
ねばる
(のさばる)

あびる
いびる
おびる(帯びる)
かびる
(くびれる)
こびる
さびる(錆びる)
せびる
(そびれる)
ちびる
のびる
わびる

<いびる>、<せびる>、<ちびる>は’五段活用。新語、造語の類だろう。その他は上一段活用。 <xxびる>もおもしろい動詞たちのグループだ。


あぶる(炙る)
いぶる(燻る)
かぶる(被る)
つぶる
なぶる(嬲る)
にぶる(鈍る)
やぶる(破る)

くべる(マキをくべる。すでに古語か)
すべる(滑る、統べる)
たべる(食べる)
のべる(述べる)
はべる(侍る)

<くべる>、<統べる>、<たべる>、<のべる> は下一段活用。<すべる(滑る)>、<はべる>は五段活用。

(おぼれる)
(こぼれる)
さぼる(サボタージュの<サボ>だろう)

あまる(余る)
うまる(埋まる)
きまる(決まる)
こまる(困る)
しまる(閉まる、締まる)
せまる(迫る)
そまる(染まる)
たまる(貯まる)
つまる(詰まる)
とまる(止まる、泊まる)
なまる
はまる(嵌る)

しみる(沁みる)

上一段活用。

(こうむる(被る))

うめる(埋める) 
きめる(決める)
こめる(込める)
さめる(冷める、覚める)
しめる(締める、占める)
せめる(攻める)
そめる(染める)
ためる(貯める)
つめる(詰める)
とめる(止める)
なめる(舐める)
のめる(のめり込む)
はめる(嵌める)
ひめる(秘める)
ほめる(褒める)
もめる(もめごと)
やめる

<のめる(のめり込む)>は五段活用。その他はすべて下一段活用。


くもる(曇る)
こもる(籠る)
つもる(積る)
ともる(灯る)
まもる(守る)

xやる

くゆる(薫る 薫ゆ、燻る、燻ゆ)

たよる(頼る)

xらる
 
かりる(借りる)
こりる(懲りる)
たりる(足りる)

すべて上一段活用。

xるる

あれる(荒れる)  - 荒らす
いれる(入れる) 
おれる(折れる) - 折る
かれる(枯れる) - 枯らす
くれる(暮れる)  - 暮らす (日を暮らす)
すれる(擦れる)  - 擦る
それる(逸れる、反れる) - 反らす
たれる(垂れる)  - 垂らす
つれる(連れる)
とれる(取れる、採れる) - 取る、採る
なれる(慣れる)   - 慣らす
ぬれる(濡れる)   - 濡らす
はれる(晴れる)   - 晴らす
はれる(腫れる) -上の<くはれる>とイントネーションが違う。
ふれる(触れる、振れる) - <触れる>は自他両用。 振る
ほれる(惚れる)  -  <xxに惚れる>で自動詞だが<xxに惚れられる>という受身形がある。
もれる(漏れる)  - <漏る>も自動詞。 漏らす
ゆれる(揺れる) - 揺らす
よれる(撚れる)  - 撚る
われる(割れる) - 割る

すべて下一段活用。

<xれる>は自働詞が多い。これは<れる>が助動詞として<自発>の意があるのに関連する。対応する他動詞を加えておいた。<れる>は自発以外でが可能、受身、被害、尊敬をあらわし、基本的にどの動詞にもつく。

とれる - 取れる、採れる、捕れる

ボタンがとれる(取れる)(ボタンに意思はないが一応自発)
さかながよくとれる(採れる、捕れる) (可能)

される(受身、尊敬)

xろる

かわる(変わる、替わる、代わる)
さわる(触る)
すわる(座る)
まわる(回る)


sptt