Sunday, July 27, 2025

ヘンテコな動詞<捉 (とら) える>、<とらわる>、<とらわれる> 

 

前回のポスト

ヘンテコな動詞<つかむ>、<つかまる>、<つかまえる> 

に続いて、意味としては似ているような

捉 (とら) える 他動詞 ー  とらわる、とらわれる 自動詞
 
<捉 (とら) える>の受身は<捉えられる>。他動詞<捉える>の関連自動詞として<とらわる>、<とらわれる>がある。<とらわる>はあまり使われないが、<とらえらる>の意として使える。同じような意味で
 
つかまえる 他動詞 ー つかまる 自動詞 
 
がある。<つかまる>は <つかまえらる>の意としてよく使われる。<つかまえらる>より簡潔だ。だが、<つかまる>は

手すりにつかまる
 
という用法、意味がある。<とらわる>にこの用法はない。
 
一方<とらわれる>は 意味が少しズレていて
 
劣等感にとらわれる
旧習にとらわれる
 
などと使われる。意味は<とらえられる>とほぼ同じだが、対象が抽象的なもののようだ。また<とらえられる>よりは少し簡潔だ。だが
 
囚 (とら) われの身  

という言い方がある。しかし
 
敵にとらわれる
 
はダメだろう。
 
 
sptt
 

 


Friday, July 25, 2025

ヘンテコな動詞<つかむ>、<つかまる>、<つかまえる> 

 

つかまえる 他動詞  ー つかまる 自動詞 ー つかむ 他動詞がある。

この3動詞の関係はおもしろい。

<つかまる>は他動詞<つかまえる>の自動詞形といえる。

 <つかまえる>は英語では to catch だが、受身の to be caught は日本語では<つかまえられる>とも言えるが、普通は簡単、簡潔な<つかまる>と言う。

犯人は警察につかまった。 The criminal was caught by the police.

が普通で

犯人は警察につかまえられた。 The criminal was caught by the police.

はまれだ。 

つかまえる 他動詞  ー つかまる 自動詞

この簡易な自動詞用法は、日本語ではよく見られ、日本語らしい。

植 (う) える  他動詞 ー 植わる 自動詞  庭にxxが植わっている。
備 (そな) える 他動詞 ー 備わる 自動詞  xxが備わっている
伝 (つた) える 他動詞 ー 伝わる 自動詞
捉 (とら) える 他動詞 ー とらわる、とらわれる 自動詞 

気がつきにくいが

上 (あ) げる 他動詞 ー 上がる 自動詞
下 (さ) げる 他動詞 ー 下がる 自動詞

もこの類だ。

さて

つかまる 自動詞 ー つかむ 他動詞

のコンビは様相が異なる。<つかまる>は行為の対象があるので他動詞っぽいが

手すりにつかまる to hold, to grip a rail

で<に>をつとるので自動詞だ。(格) 助詞<に>には対象を示すというのがあるが

手すりをつかむ    to hold, to grip a rail

の<つかむ>は<を>をとるのでれっきとした他動詞だ。

つかまる 自動詞 ー つかむ 他動詞

の古語をネットでザっと調べてみたが出てこない。近代語か方言かもしれない。

 

sptt

 

 

 

 

Thursday, July 24, 2025

他動詞<抱える>と自動詞<関わる、係る>

 

<抱える>は他動詞、<関わる、係る>は<xxに関わる、係る>で 自動詞。一見関係なさそうだが、平仮名で書けば、または耳で聞けば

<かかえる>ー<かかわる> 

<関わる、係る>の方は多くは<xxに関わる、係る>と使うが

xxは (が) yyに関わって、係わっている

という純自動詞的な言い方がある。少しよく考えると、<関わる、係る>の漢字に惑わさられなければ、話は違ってくる。

一方、<抱える>は<だきかかえる>とも言えるが、<抱 (だ) き抱 (かか) える>とは書かない。したがって<抱く>の<抱>も<抱える>の<抱>もかなりの当て字だ。

<かかえる>ー<かかわる> 

で話を進めよう。

<かかえる>は上記のように物理的、身体動作的には<だきかかえる>だが、比喩的に

問題をかかえる
借金をかかえる 

などと言う。一般的には<自分の内に持つ>と言えそう。あたり前だが<何かを自分の内に持つ>とその何かと自分との間に関係、<かかわり合い>ができる、生じる。<できる>、<生じる>は典型的な自動詞だ。つまりは<かかえる>と<かかわり>ができる、生じるのだ。

これで<終わり、以上>でもいいのだが、<かかえる>と<かかわる>の言葉をもう少しチェックしてみる。<かかえる>の古語は<かかふ>で、ネット辞典では

https://kobun.weblio.jp/content/%E3%81%8B%E3%81%8B%E3%81%B5

学研全訳古語辞典

かか・ふ 【抱ふ】

[一]他動詞ハ行下二段活用

活用{へ/へ/ふ/ふる/ふれ/へよ}

① 抱きかかえる。

② 自分に課せられたものとして持つ。かかえる。

出典平家物語 一一・鶏合壇浦合戦
「これ程の大事を前にかかへながら」

[訳] これ程の大事をこのさきに抱えているのに。

③ 召しかかえる。雇い入れる。

という解説がある。 

一方<かかわる>の古語は<かかはる>で、ネット辞典では

https://kobun.weblio.jp/content/%E3%81%8B%E3%81%8B%E3%81%AF%E3%82%8B

 学研全訳古語辞典

かかは・る 【係はる・関はる】

自動詞ラ行四段活用

活用{ら/り/る/る/れ/れ}

かかわりあいになる。関係をもつ。

出典蜻蛉日記 上

「かかる所も、とりつくろひかかはる人もなければ」

[訳] このような所も、手入れをしかかわりあいになる人もないので。

という解説がある。

これからすると、古語の<かかふ>、<かかはる> は昔から現代語の<かかえる>、<かかわる>のような独立した意味で使われていたようで他動詞<かかふ>から自動詞<かかはる>に転用されていった形跡がすぐには見いだせない。

<かかふ>、<かかはる>の関係、つまりは、他動詞と自動詞では意味にズレがある動詞では、最近調べているが、

たずさえる (たづさふ)他動詞 ー たずさわる 自動詞
受ける  (受く) 他動詞 ー 受かる 自動詞
従 (したが) える (従ふ) 他動詞 ー 従う (従ふ) 自動詞 (したがって)

もややズレがある。古語<従ふ>はややこしい。他動詞養蜂と自動詞用法がある。

一方、ズレがあまりない動詞もある。

植 (う) える  他動詞 ー 植わる 自動詞  庭にxxが植わっている。
備 (そな) える 他動詞 ー 備わる 自動詞  xxが備わっている
つかまえる 他動詞 ー つかまる 自動詞 (これもややズレがある)
伝 (つた) える 他動詞 ー 伝わる 自動詞

 ところで、<関わる、係る (かかわる) >では

 掛 (か) ける 他動詞 ー 掛 (か) かる  自動詞

があり、これまた漢字にとらわれなければ 

 かける 他動詞 ー かかる  自動詞

<かかる>の方は意味としては、物理的、身体動作的には<引っかかる>だが、比喩的には

yyは (が) xxにかかる 

で<関係する>の意で使われる。同義語とも言える。

できるかできないかは努力にかかっている。
できるかできないかは努力にかかわっている。

<かわる>は<かかえる>よりも<かかる>由来の線が濃いようだ。


sptt

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

ヘンテコな他動詞<たずさえる>、自動詞<たずさわる>

 

他動詞<たずさえる>と自動詞<たずさわる>では意味にズレがある。

古語<づさふ>は

[一] 自動詞ハ行四段活用 活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}

手を取りあう。連れ立つ。連れ添う。

出典万葉集 七二八

「吾妹子(わぎもこ)とたづさひ行きてたぐひて居(を)らむ」

[訳] あなたと連れ立って行って、一緒にいよう。

の自動詞と

[二] 他動詞ハ行下二段活用 活用{へ/へ/ふ/ふる/ふれ/へよ}
 
がある。

手に持つ。携帯する。携える。

これは現代語<たずさえる> の意と同じだ。

みやげをたずさえて (携えて) 故郷に帰る。

<手にもって>、<携帯して> 故郷に帰る。

では日本語の味がない。

一方<たずさわる>の古語は<たづさはる>で自動詞だが

自動詞ラ行四段活用

活用{ら/り/る/る/れ/れ}

① 手を取り合う。

出典万葉集 九〇四

「夕星(ゆふつづ)の夕べになればいざ寝よと手をたづさはり」

[訳] 夕方の星の出る夕べになると、さあ寝なさいと手を取り合い。

(<を>取るので自動詞というよりは他動詞。<たづさはり>自体に<手を取り合う>の意味があるので<夕星(ゆふつづ)の夕べになればいざ寝よとたづさはり> でも通じるはずだ。これであれば自動詞でもいさそう。

② 連れ立つ。

出典万葉集 三九九三

「思ふどち馬うち群れてたづさはり」

[訳] 親しい仲間が馬に乗って集まり連れ立ち。

( ①と②の意味は上の古語<たずさふ>の

[一] 自動詞ハ行四段活用 活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}

手を取りあう。連れ立つ。連れ添う

とほぼ同じ。)

③ かかわり合う。関係する。

出典徒然草 一六七

「一道にたづさはる人」

[訳] 一つの専門の道にかかわり合う人

 <たずさわる>と<③ かかわり合う。関係する>は似たようなところがある。一方

① 手を取り合う。
② 連れ立つ。
 
は現代語の<たずさわる>とは関係が薄い。

頭の<た>は 訳文に見えるがに<手>の意だ。

手折る ー> たおる
手の心  ー>たなごころ (手のひら 
手綱 (たづな)

などと言うのがある。したがって、古語<言葉が誕生したころは<手>の意味があったであろう。したがって

手を取りあう。(手を取って) 連れ立つ。手を取って) 連れ添う。 

が原意。古語の<づさはる>では、これが<かかわり合う。関係する>の意味に変わって行ったことになる。上記の

③ かかわり合う。関係する。

出典徒然草 一六七

「一道にたづさはる人」

[訳] 一つの専門の道にかかわり合う人

ここで注意したいのは<たさはる>ではなく<たさはる>。ほとんど聞かないが

という言葉があり、関連語かもしれない。 

"  
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12180529352

<たずさわる>の<かかわり合う。関係する>という意味は、<手>を使うと

手を出す
手を入れる
手を突っ込む (首を突っ込む)
 
というような言い方がある。

<かかわり合う、関係する>に関連しては
 
 抱 (かか) える 他動詞 (抱 ふ)ー ?  かかわる(関わる)(かかはる)
 
というのがある。 <?>マークつきだが、<関わる>の漢字にだまされてはいけない。
 
これは別途検討。 

 
sptt

Saturday, July 19, 2025

ヘンテコな動詞<耐える>ー 自動詞、他動詞?

<たえる>には<絶 (た) える>と<耐 (た) える>がある。<絶える>は

自動詞<絶える>に対して、他動詞の<絶やす>がある。

マンモスは絶えた。
友人からの連絡が絶えている。

という純自動詞的な用法がある。 一方、他動詞の<絶やす>は

この悪習を根こそぎ絶やす必要がある。

などと使う。 

この悪習根こそぎ絶やす必要がある。

ともいうが、<を>がなくても他動詞だろう。法律文のようになるが、これは

この悪習は、これを根こそぎ絶やす必要がある。

と言い換えが可能だ。

さて、同じ<たえる>の発音で<耐える>がある。<耐える>は普通

苦痛に耐える。
重労働に耐える。

と言い、自動詞。

苦痛を耐える。
重労働を耐える。 

と普通は他動詞的には使わない。

自動詞 絶える ー 他動詞 絶やす

のように自動詞<耐える>に対応する他動詞はあるか?

<耐える>は普通<xxに耐える>で自動詞だが、<xxが耐える>という純自動詞的な言い方はあまりきかない。<xxを耐える>はダメか?

<耐える>の類語として、ネット辞典では

 https://www.weblio.jp/content/%E8%80%90%E3%81%88%E3%82%8B

[類語](1耐え忍ぶ忍ぶこらえる辛抱する我慢する忍耐する隠忍する忍従する頑張る歯を食いしばる涙を呑む抑える

が載っているが

xxを忍ぶ、xxをこらえる、xxを辛抱する、xxを我慢する

が普通で、みな他動詞だ。<xxする>動詞が他動詞になるのはそれなりの理由があるようだが、<xxを忍ぶ>、<xxをこらえる>は純粋に他動詞だ。<耐える>が<xxに耐える>で自動詞なのはどうしたことか? 繰り返しになるが、<xxを耐える>はダメか?

英語で<耐える>に相当する語は to endure で

to endure stress, grate pain, difficulty

など直接目的語をとる他動詞。だが自動詞用法もある。

Dictionary..com

verb (used with object)

  1. to hold out against; sustain without impairment or yielding; undergo.

    to endure great financial pressures with equanimity.

    プレッシャーに耐える

  2. to bear without resistance or with patience; tolerate.

    I cannot endure your insults any longer.

    侮辱に耐えられない

  3. to admit of; allow; bear.

    His poetry is such that it will not endure a superficial reading.

    浅薄な読み方に耐えられない

英語は直接目的語をとる他動詞だが、日本語訳 (sptt訳) ではいずれも<xxに耐える、耐えられない>になっている。

verb (used without object)

endured, enduring 
  1. to continue to exist; last.

    These words will endure as long as people live who love freedom.

    これらの言葉は人々がが自由を愛する限り耐える (生き残る)。

  2. to support adverse force or influence of any kind; suffer without yielding; suffer patiently.

    Even in the darkest ages humanity has endured.

    最も暗い時代でも人間性は耐えた、耐え抜いた (生き残った)。

  3. to have or gain continued or lasting acknowledgment or recognition, as of worth, merit or greatness.

    His plays have endured for more than three centuries.

    彼の劇作は三世紀以上も耐えてきた (生き抜いてきた)。

日本語訳に<耐える>、<耐えた>があるが

xxに耐える、耐えた

ではなく

xxは耐える、耐えた

で<xxに耐える、耐えた>のような用法ではなく

xxが耐える

のような純自動詞的な使い方だ。

これらの言葉が人々自由を愛する限り耐える (生き残る)。
最も暗い時代でも人間性耐えた、耐え抜いた (生き残った)。
彼の劇作三世紀以上も耐えてきた (生き抜いてきた)。

は<は>を<が>で置き換えたものだが

<これらの言葉>、<人間性>、<彼の劇作>が初回出、あるいは事件報告のような場合は可能だ。

 さて

苦痛に耐える
重労働に耐える

に戻ると

苦痛を耐え忍ぶ
重労働を耐えをこらえる

は可能で、これは<忍ぶ>、<こらえる>にひかれたためだろう。

<耐える>と<忍ぶ>、<こらえる>は意味的にどこが違う。しいて探せば

<耐える>受身度が高い、<忍ぶ>、<こらえる>は能動度が高いと言えないか?<忍ぶ>、<こらえる>に積極性 (対象に働きかける) ニュアンスはないか? 一方<耐える>はこの背極性が薄いといえないか?

しつこいようだが

苦痛を耐える
重労働を耐える
イジメを耐える
理不尽な非難を耐える

はダメだろうか?

例えば

イジメに耐える

は受身度が高く、反抗の姿勢が薄い。

一方

イジメを耐える

は積極性 (対象に働きかける) 、そして反抗の姿勢が感じられないだろうか?

英語を参考にすると

苦痛を耐える ー to endure pain
重労働を耐える ー to endure heavy labor
イジメを耐える ー to endure bullying
理不尽な非難を耐える ー to endure unreasonable criticism

で他動詞用法だが、

to endure against pain
to endure heavy against heavy labor
to endure against bullying
to endure against unreasonable criticism

の自動詞用法も可能だろう。だが、受身的、能動的に差は特にないようだ。

また<さて>だが、<xxに耐える>の<に>だが、助詞<に>は普通

学校に行く
学校に戻る
家に帰る

夜7時に家に帰る

花子に花を贈る
太郎に話しをする 

という使い方だが、 細かく分類すると助詞<に>にはいろいろな用法があり、<対象を示す>というのもある。

Wiki

行為を行う対象

  • 不正厳正に対処する。
  • 一言一句こだわる。

https://japanese-language-education.com/nikaku/ 

対象】の用法

対象とは、述語が表す動きや認識に対して、その動きの影響を受けるもの・認識が向けられるもののことです。

【動作の対象
反抗した

【心的活動の対象
彼の雄姿憧れた

ーーーーー

不正厳正に対処する。

不正厳正に対処する。

では、やや問題がありそう。だが

不正を厳正に対する。 はほぼダメで

不正に厳正に対する。 が普通

不正を厳正に処する。これはOK

で合成語の<対処する>はそう厳密ではなさそう。<対処する>は自動詞、他動詞兼用とも言えそう。これは<xxする>動詞にみられる。

一言一句こだわる。 

一言一句こだわる。

でも問題ないだろう。すなわち<に>は<を>で代替できるのだ。

従って

<こだわる>は普通<xxにこだわる>だが、<xxこだわる>だと、むしろ積極性 (対象に働きかける) が感じられないだろうか?

反抗した

反抗した

は全くダメ。 <反抗する>も<xxする>動詞だが、自動詞で、英語でいえば against が必要な動詞だ。 

彼の雄姿憧 (あこが) れた


彼の雄姿憧れた

は可能のようだ。 これまた<を>で対象そのものが強調されるようだ。

 

 以上のように<対象を示す>助詞<に>は流動的だ。<対象を示す>助詞は普通<を>で、<を>をとる動詞は普通他動詞。ところで、<を>をとる自動詞がある。移動動詞。移動動詞はこれまで何度も取り上げた。

<xxに耐える>は<に>をとるが、自動詞であるとともに他動詞でもあるのではないか?

 

sptt

 

Friday, July 18, 2025

ヘンテコな他動詞<受ける>、自動詞<受かる>

 
他動詞<受ける> 試験を受ける
自動詞<受かる> 試験に受かる 

他動詞<受ける>は<試験を受ける>以外に、例えば<試練を受ける>、<いじめを受ける> があるが、<試練に受かる>はほぼダメ、<いじめに受かる>はダメだ。自動詞らしいのは<xxが受かる>だが、例がすぐに思いうかばない。 <試練に受かる>がほぼダメというのは、試験はもともとある意味では試練だからだ。

ところで

自動詞<受かる> 試験に受かる 

は<を>をとらないので自動詞か?

試験が受かる

なら自動詞でいいが、こうはいわない。<試練が受かる>、<いじめが受かる>もダメ。

<受ける>は<を>をとるので他動詞だが、やや特殊で、意味としては<与えられる>で受身的だ。

A ーー 試験 ーー> B

Aは与える。Bは与えられる。またはBは<受ける>

受身は対象が主語で

試験が与えられる 

これからすると

<受ける>は<を>をとるから他動詞といえるか? 少なくとも能動的に<試験に働きかける<わけではない。

英語で<受ける>は to receive で、to receive xx で他動詞。だが 

<試験を受ける>は to receive an exam とはいわず、to take an exam.

to receive も to take も他動詞だが、英語でも to receive は受身的だ。

An exam is taken. はなんとかなるが、An exam is received.とはまず言わないだろう。A gift is received. ならいい。

つまるとこころは<試験を受ける>がおかしいようだ。さらには<試験に受かる >はややこしい。

関連動詞として

植える  他動詞 ー 植わる 自動詞  庭にxxが植わっている。
終 (お) える 他動詞 ー 終わる 自動詞   試験が終わる
備 (そな) える  他動詞 ー 備わる 自動詞  xxが備わっている
掛 (か) ける 他動詞 ー 掛かる 自動詞  絵が壁に掛かっている
賭 (か) ける 他動詞 ー 賭かる 自動詞  命が賭かる
ぶつける 他動詞 ー ぶつかる 自動詞  車がぶつかる
曲げる 他動詞 ー 曲がる 自動詞    鉄筋が曲がる
上 (あ) げる 他動詞 ー 上がる 自動詞  成績が上がる
下 (さ) げる 他動詞 ー 下がる 自動詞  成績が下がる

などがあるが、他動詞は純他動詞 (能動的) で受身的ではない。 


sptt