他動詞<たずさえる>と自動詞<たずさわる>では意味にズレがある。
古語<たづさふ>は
[一] 自動詞ハ行四段活用 活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
手を取りあう。連れ立つ。連れ添う。
出典万葉集 七二八
「吾妹子(わぎもこ)とたづさひ行きてたぐひて居(を)らむ」
[訳] あなたと連れ立って行って、一緒にいよう。
手に持つ。携帯する。携える。
これは現代語<たずさえる> の意と同じだ。
みやげをたずさえて (携えて) 故郷に帰る。
<手にもって>、<携帯して> 故郷に帰る。
では日本語の味がない。
一方<たずさわる>の古語は<たづさはる>で自動詞だが
自動詞ラ行四段活用活用{ら/り/る/る/れ/れ}
① 手を取り合う。
出典万葉集 九〇四
「夕星(ゆふつづ)の夕べになればいざ寝よと手をたづさはり」
[訳] 夕方の星の出る夕べになると、さあ寝なさいと手を取り合い。
(<を>取るので自動詞というよりは他動詞。<たづさはり>自体に<手を取り合う>の意味があるので<夕星(ゆふつづ)の夕べになればいざ寝よとたづさはり> でも通じるはずだ。これであれば自動詞でもいさそう。
② 連れ立つ。
出典万葉集 三九九三
「思ふどち馬うち群れてたづさはり」
[訳] 親しい仲間が馬に乗って集まり連れ立ち。
( ①と②の意味は上の古語<たずさふ>の
[一] 自動詞ハ行四段活用 活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
手を取りあう。連れ立つ。連れ添うとほぼ同じ。)
③ かかわり合う。関係する。
出典徒然草 一六七
「一道にたづさはる人」
[訳] 一つの専門の道にかかわり合う人
<たずさわる>と<③ かかわり合う。関係する>は似たようなところがある。一方
① 手を取り合う。② 連れ立つ。
頭の<た>は 訳文に見えるがに<手>の意だ。
手折る ー> たおる手の心 ー>たなごころ (手のひら)
などと言うのがある。したがって、古語<言葉が誕生したころは<手>の意味があったであろう。したがって
手を取りあう。(手を取って) 連れ立つ。(手を取って) 連れ添う。
が原意。古語の<たづさはる>では、これが<かかわり合う。関係する>の意味に変わって行ったことになる。上記の
③ かかわり合う。関係する。
出典徒然草 一六七
「一道にたづさはる人」
[訳] 一つの専門の道にかかわり合う人
ここで注意したいのは<たずさはる>ではなく<たづさはる>。ほとんど聞かないが
という言葉があり、関連語かもしれない。
「たつき」 「手 (た) 付 (つ) き」の意味。古くは「たづき」。中世以降「たづき」「たつき」。現代では「たつき」が普通 のようです。
"
<たずさわる>の<かかわり合う。関係する>という意味は、<手>を使うと
手を出す
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