Thursday, November 22, 2012

<いびきをかく>の考察


このポストは前回のポストで別途検討対象のひとつ<いびきをかく>についての考察。

<息をする>のは人が生存を続けるための必須の身体活動だが、空気と同じで、医者や看護婦を除けば現代人には普段は特に意識されていない。このあたりは昔の人の方がよほど注意が向いていたに違いない。<生きる>とは<息(いき)る>そのものだ。<生命に息吹>の<いぶき>も<息(いき)吹く>だから<いぶき>と<いびき>は息(いき)を介して関連がある。<息>関連の語をチェックしてみる。

息をする
息を吸う
息を入れる (慣用)、 息が入(はい)る (慣用)
息を吐(は)く
息を出す、息を吐き出す
息を吹く、息を吹き出す、 息を吹きかける、息を吹き返す、息吹(いぶ)く、息吹き、
息を止める、息が止まる
息を殺す
息を引き取る
息を凝(こ)らす
息を呑(の)む (慣用あり)、息をのみ込む
息をかける、 息がかかる (慣用あり)
息をつく、息がつけない。 <つく>は餅つきの<つく>で繰り返し<つく>動作だ。
息を抜く、息が抜けない (慣用)

息が合う
息が上がる
息が通(かよ)う、 息を通わす
息が弾む、 息を弾ませる
息が切れる、息を切らす
息が詰まる (慣用あり)、 息を詰める

息が長い
息が苦しい、息苦しい (慣用あり)

息まく(息巻く、息撒く)
息づく
息張る

息遣い

 <いきがる>は<粋(いき)がる>

<いきがいい>は<生きがいい>
<意気が上がる>と<息が上がる>は違う。
<意気込む>と<息をこめる>は違う。
意気投合、意気消沈は<息>とは関係ないようだ。

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さて、問題の<いびきをかく>だが、これは<いびき>は<息(いき)><響(ひび)き>だろう。確かに<響くような>な<いびき>は聞く。

上記の中に<息をかく>がない。<寝息を立てる>が普通だが、<寝息をかく>とも言えそうだ。<かく(掻く)>は何かを<引っかく>とか<水を掻く><雪を掻く>の<掻き進む><掻き取る>の意だ。 これらの動作無意識はある種の特別な音(多くは耳障りな音)が繰り返して発生することが多い。これからの連想が、<いびきをかく>になったのではないか。


sptt



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