<any は英語の大発明>の第二弾。
別に覚えなくてもいいが
any は基本的には some が否定または疑問の場合に使われる。
という文法規則がある。何事も例外があり、この場合例外というよりは別の文法法則だ。
Any thing will do. - Any thing won't do.
Any one will do. - Any one won't do.
Any where (place) will do. - Any where (place) won't do.
Any time will do. - Any time won't do.
Any thing will do. - Any thing won't do. (Any one of them will do, won't do)
Any way will do. - Any way won't do.
Any thing will do. が二回でてくるが、はじめの Any thing will do. は what(何)、5番目の Any thing will do. は which(どれ、どの) の意味。
上記の左側の any は否定でも疑問でもない。これらは
何でも、誰でも、どこでも、いつでも、どれでも、どんな(いかなる)方法でも;いかにでも、など
と訳せ日本語の方も<でも>が出てきて規則的だが一語ではなくいろいろな疑問詞(というか不定詞)+<でも>の形式。英語では右の否定の場合でも any ですませ徹底している。ここが英語の大発明たるところだ。一方右側の英語の日本語訳は
何も、誰も、どこも、いつも、どれも、どんな方法も xx ない
となればいいが、
Any thing won't do. なにもよくない(ダメ、具合がわるい)(だろう)。
Any one won't do. 誰もよくない。
Any where (place) won't do. どこ(どの場所)もよくない。
Any time won't do. いつもよくない。
Any thing won't do. (Any one of them won't do.) どれもよくない。
Any way won't do. どんな方法もよくない。
となり、間違いではないが、個人的な意見としては<どれもよくない>を除きイマイチしっくりしない。<いつも>はもっぱら副詞としてつかわれるので<どんな(いかなる)時も>が適当。
気が付きにくいが日本語にも any に相当する言葉がある。すでに上にヒントがある。すこし古いが<いかなる>だ。 さらには<どんな>もそうだ。
Any thing will do. <いかなる(どんな)>モノでもいい(だろう)。
Any one will do. <いかなる(どんな)>者(人)でもいい。
Any where (place) will do. <いかなる(どんな)>ところ、場所でもいい。
Any time will do. <いかなる(どんな)>時でもいい。
Any thing will do. <いかなる(どんな)>モノでもいい。
Any way will do. <いかなる(どんな)>方法でもいい。
Any thing won't do. <いかなる(どんな)>モノもよくない(ダメ、具合がわるい)(だろう)。
Any one won't do. <いかなる(どんな)>者(人)もよくない。
Any where (place) won't do. <いかなる(どんな)>ところ、場所もよくない。
Any time won't do. <いかなる(どんな)>時もよくない。(ダメ、具合がわるい)
Any thing won't do. (Any one of them won't do.) <いかなる(どんな)>モノ、コトもよくない。
Any way won't do. <いかなる(どんな)>方法もよくない。
以上変な日本語はない。否定の場合<でも>はすこし変な気がするが、そう言う人もいるだろう。では<いかなる>、<どんな>はどういう意味か?
<いかなる>は<なに>とは違う。<いかに>はいくつか違った意味があるが(たとえば<いかにも>)、基本的には<どのように>の意で<ようす(様子)>を問う疑問詞(述べる不定詞)だ。<どんな>はもちろん<どのような>由来でこれまた<ようす(様子)>を問う疑問詞だ。<いかなる>の<いか>は<いくつ>、<いくら>、<いくにち>の<いく>と、さらには<いつ>も関連があろう。一方<どんな>は<どの>はもちろん、<どれ>、<どこ>、さらには<だれ>も関連語とみなせる。
英語の大発明たるゆえんだが、これは前回のポストで触れたが、英語の any は譲歩の意味が内包されている(implied)ということだ。 一方日本語では<でも>、<も>が譲歩の意味を明示している。ここが大きな違い。
さて、上で述べたように上記の左側の any は否定でも疑問でもない。試しに some で置き換えてみる。
Some thing will do. あるモノ(コト)は(が)いい(だろう)。何かは(が)いい(だろう)。
Some one will do. 誰かは(が)いい。
Some where (place) will do. あるところ(場所)は(が)いいだろう。どこかは(が)いい。
Some time will do. あるときは(が)いい。 いつかは(が)いい。
Some thing will do. (One of them will do.) どれかは(が)いい。
Some way will do. ある方法は(が)いい。
英語は問題ない。明らかにそれぞれ意味があり、any とは意味がちがう。some も any も不定だが、 any はほぼ無条件に<いい>のに対して some はある条件を満たしたモノ、コト、人、場所、方法が(は)<いい>といった意味になる。
日本語の方は<どれかはいいだろう>以外はあまり使わないような日本語が多いが、間違いではない。また英語の意味を考慮した場合<は>の方が<が>より自然のようだ。だが日本語には<が>は不定、<は>は定につくという文法則がある。一方英語の some、any は不定をあらわす。 これはいったいどうしたことか?
<が>と<は>の違いは微妙のようだが、<が>と<は>論争は重要だと思うので、少し検討してみる。
あるモノ(コト)はいい(だろう)。何かはいい(だろう)。
あるモノ(コト)がいい。何かがいい。
誰かはいい。
誰かがいい。
あるところ(場所)はい。どこかはいい。
あるところ(場所)がい。どこかがいい。
あるときはいい。 いつかはいい。
あるときがいい。 いつかがいい。
どれかはいいだろう。
どれかがいいだろう。
ある方法はいいだろう。
ある方法がいいだろう。
some も any も不定だが、 any はほぼ無条件に<いい>のに対して some はある条件を満たしたモノ、コト、人、場所、方法が(は)<いい>といった意味になる。
これまた<が/は>の選択肢があるが、 <ある条件を満たした>はある意味で<定>になるので、
some はある条件を満たしたモノ、コト、人、場所、方法はいい
が日本語としては自然となるのだ。
ついでに右側も some で入れ替えてみる。
Some thing won't do. あるモノ(コト)が(は)よくない(ダメ、具合がわるい)(だろう)。 何かが(は)よくない(ダメ、具合がわるい)(だろう)。
Some one won't do. 誰かが(は)よくない。
Some where (place) won't do. あるところ(場所)が(は)よくない。どこかが(は)よくない。
Some time won't do. あるときが(は)よくない。
Some thing won't do. (Some one of them won't do) どれかが(は)よくない。
Some way won't do. ある方法が(は)よくない。
これまたそれぞれ意味があり、 any とは意味がちがう。日本語の方は、英語の意味を考慮した場合、こんどは<は>ではなく<が>が自然だ。これは<が>は不定、<は>は定につくという文法則で説明できる。
sptt
No comments:
Post a Comment