Monday, December 24, 2018
推量の助動詞<かもしれない>、<だろう>
前回のポスト<>の冒頭で次のように書いた。
”
手元の三省堂辞書の末尾にある<助動詞>表では推量の<助動詞>として
xxx らしい (終止形)
xxx ようだ (終止形) 漢字の<様>の字がないので、純日本語(大和言葉)のように見える。
そのほかに
xxx べし (終止形) <べし>は漢文でよく出てくるので漢語(中国語)のように聞こえるが、れっきとした大和言葉だ。
xxx まい (終止形)
xxx みたいだ (終止形)
が取り上げられている。<xxx みたいだ>は少し長いので<純>助動詞ではなく助動詞句>というべきか。辞書では<見たような>がなまって<みたい>になったとある。<みたい>の<い>に注目しよう。形容詞語尾ともいえる。そして<だ>がついた。
”
英語を学んでいると
may 推量の助動詞 かもしれない
という簡単な説明があり、学ぶ方はおおかた<may = かもしれない>と 覚え、訳すことになる。だが<かもしれない>は日本語では助動詞ではない。また may とくらべてかなり長い。さらに may が肯定表現であるにもかかわらず<しれない>は<しる>の未然形<しら>+否定の(形容詞)<ない>で否定表現だ。<かも>は疑問の<か>+追加の<も>でやや複雑。<??>といったところか。ここは疑問というよりは不確実として、<不確実>を<知らない>で<???>とでもなるか。かなりな不確実な推定となる。助動詞<みたいだ>は語源を忘れてしまっているが、<かも>も<知らない>も忘れて<かもしれない>を一語の助動詞となる日がくるかもしれない。<xxx らしい>、<xxx ようだ>の確実度合は50-70%だろう。<みたいだ>もだいたいこの辺だろう。
上記の辞書にはないが<xxx だろう>という表現がある。意味は推量といえる。<xxx だろう>の方は、個人差があるが、わたしの感覚では確実度合は70-90%。<だろう>の<だ>は断定の<だ>だろう。<ろう>は<らし>が変化したものだろう。<xxxだ>+<ろう>で、一旦断定して推量を付け足している格好だ。
天気予報で責任軽減のため、降水確率に加えて
今日の午後は雨らしい。 <らしいだ>は間違いなので<らしいです>も間違いだろう。
今日の午後は雨らしいようだ(です)。
今日の午後は雨のようだ(です)。
今日の午後は雨みたいだ(です)。
今日の午後は雨だろう(でしょう)。
と言い分けができるかもしれない。
上で<<xxxだ>+<ろう>で、一旦断定して推量をつけたしている格好だ>と書いたが辞書の末尾の助動詞活用表をよく見ると
断定の<だ>の活用<だろ>+未来の<う>ということになる。だが<だろ>という活用は考えにくい。内容としとては断定の<だ>+不確定の未来の<う>で<だ>+<ろう>と同じになる。
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<だろう>と構成が似ているのに<たろう>がある。これも辞書では過去、完了の<た>の活用<たろ>+ 未来の<う>と読める。だが<たろ>という活用は考えにくい。過去、完了と未来は英語のように結びつくだろうが、これまた同じくこれは過去、完了の<た>+推定の<ろう>だろう。意味としては文字通り過去、完了のことを推定するのだ。
おまえ、そう言ったろう。
とも
おまえ、そう言っただろう。
ともいえる。
あなた、そう言ったでしょう。
という言い方もある。これまた辞書の活用表からすると、<でしょう>は<です>の活用<でしょ>+未来の<う>だ。だがこれまた<でしょ>という活用は考えにくい。ではどう解釈するか。<でしょ>は
<です>+<よう>(<よう(様)>は動詞の連体形につく) -> ですよう ->でしよう ->でしょう
だが以上の3例の場合、基本的には過去の推量だが、念押し、確認、<思い出させ>の意になっている。
過去、完了の推定はいいが、未来の推定はどうか。現在についての推定というのはないだろう。現在の時点で過去のこと、未来のことを推定する。
おまえ(は)そう言うろう。
おまえ(は)そう言うだろう。
< おまえ(は)そう言うろう。>はダメだ。<ろう>はダメなのだ。だが昔は<言うらし>という言い方ができた。
あなた(は)そう言うでしょう。 (上に<今日の午後は雨でしょう>がある。)
日本語の現在形は未来もあらわせるので
おまえ(は)そう言う。
となるが、変だ。
sptt
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