Saturday, September 4, 2021

<xx なので(ので)>と<xx だから(から)>の違い

 

前回のポスト<日本語の強調構文- yyyy なのは(のは)xx だ>の最後で


xx なので(ので)

という言い方がある。だいたい理由述べる時に使う

xx だから(から)

という言い方もある。これもだいたい理由述べる時に使う。

<xx なので(ので) >はややあらたまった感じ、<xx だから(から)>は軽い感じだ。この違いをもう少しよく調べてみると、強調構文の<なのだ(のだ)>がもっとよくわかるかもしれない。このポストが長くなってきたので次回に続く。

"

と書いたので、この違いをもう少しよく調べてみる。

もう宿題を終(お)えたから遊びに行くよ。
もう宿題を終えたので遊びに行くよ。

<ので>はこどもの発話らしくない。

もう宿題を終えたから遊びに行ってもいい。
もう宿題を終えたので遊びに行ってもいい。

これは大差ないようだ。

間違いなく返すから100万円貸してくれ。(貸してもらいたい。)
間違いなく返すので100万円貸してもらいたい。(貸してくれ)

<ので>の方が丁寧で、 何かをしてもらいたい場合の理由説明には適切だ。

財布を家に置き忘れたから取りにもどる。
財布を家に置き忘れたので取りにもどる。

これも大差ないようだ。  

原因-結果の場合

雨が降ったから道がぬれている。
雨が降ったので道がぬれている。

これも大差ないようだ。

太郎はよくうそをついたから花子にきらわれた。
太郎はよくうそをついたので花子にきらわれた。

<から>は少し変だ。過去のこと。

太郎はよくうそをつくから花子にきらわれる。
太郎はよくうそをつくので花子にきらわれる。 

この<から>も少し変だ。現在のこと。

この<から>の<変さ>はどこからきているのか

これはたまたま再勉強中のコンピュータ用語のロジックが参考になる。

コンピュータロジックでは

1)組み合わせロジック(Combinational Logic と2)時系列ロジック (Sequential Logic)がある。

<から>は時系列ロジック (Sequential Logic)と大いに関係がありそう。

太郎はよくうそをつくから花子にきらわれる。

では太郎は<繰り返しうそをつく>ので時系列ロジックが少し崩されているのだ

次郎はよく授業をさぼるから落第する。

は少しおかしいが

次郎はよく授業をさぼったから落第した。 - 時系列が相当意識されている。
次郎はよく授業をさぼるから落第するだろう。 - 時系列が相当意識されている。

これも次郎は<繰り返し授業をさぼる>だが時系列ロジックはがはっきりしている。

一方<ので>の方は時系列ロジックではなく<原因-結果>の純ロジックなので

次郎はよく授業をさぼるので落第する。- 純ロジック発話。
次郎はよく授業をさぼったので落第した。 - 純ロジック発話。 時系列はあまり意識されない。
次郎はよく授業をさぼるので落第するだろう。 - 純ロジック発話。 時系列はあまり意識されない。

<原因-結果>とはいっても大体は時系列が入り込んでくる。ほぼ間違いなく原因が先で、結果は後になる。純数学ロジックは時系列が入ってこないが物理や実際のコンピュータでは時系列がはいってくる。歴史はもちろん政治、経済のロジックも大体は時系列がからんでくる。この辺はややこしい。

 <xx なので(ので)>と<xx だから(から)>の違いはここまで。つぎは<ので(なので)>と<のだ(なのだ)>の関係。

<で>は断定の助動詞<だ>の連用形ということになっている。前回のポスト<日本語の強調構文- yyyy なのは(のは)xx だ>でチェックしたが、

体言(名詞) - ばかなのだ

形容詞 - 美しいのだ

形容動師 - きれいなのだ

 動詞 - 行くのだ

となる。 これはそのまま<ので(なので)>にあてはまる。

体言(名詞) - ばかなので

形容詞 - 美しいので

形容動師 - きれいなので

 動詞 - 行くので

あたりまのようだが、例外のないみごとな対応だ。<ので(なので)>は<原因(理由)-結果>の純ロジックの<原因、理由>を述べるのだが(ことになるのだが)ロジックが成立する(ロジックを成立させる)ためには内容が確かでないといけない。<内容が確か>とは、少なくとも内容が断定されないといけない。そこで断定の助動詞<だ>の連用形<で>使われるのだ(ことになるのだ)。

これが結論だが、これまたあたりまえだ(のことだ)。下線を引いたが<のだ>は無意識で相当使われる。

 

sptt

 

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