形式名詞の代表<こと><もの><ところ>の中では<ところ>が一番おもしろい。
これまでの形式名詞関連のポストで何度も引用しているが
https://www.informe.co.jp/useful/character/character31/
”
<形式名詞や補助用言の扱い>
形式名詞とは、たとえば「書くこと」の「こと」、「正しいもの」の「もの」、「起きたところ」の「ところ」、「食べるとき」の「とき」など、動詞や形容詞といった用言に付いて体言化したりする名詞です。
この場合、文の構成を見れば、確かに名詞と位置づけられるようにも思われますが、本来の意味を表現しているとは言えず、あくまでもその前にある動詞や形容詞を名詞化するだけの役割になっています。つまり、意味的には本来の名詞の役割を持たず、形の上で名詞にするために使われているわけです。
(後略)
”
この用法だけを形式名詞 (化) ということもできるが、もっと広く本来の意味からズレた意味あるいは働きを形式名詞 (化) ということもできる。下記の解説はそのようになっている。これが<文法上いろいろ問題がある>ということだ。<こと>、<もの>もそうだが<ところ>も本来の意味からズレが大きくさまざまな意味あるいは働きを持つように進化してる。これまた何度も引用しているが
”
niwa saburoo の日本語文法概説 14. 形式名詞
14.3 ところ
もちろん場所を示す名詞を代表しますが、それ以外にもいろいろな用法があります。
どんな所に住んでいますか。
[ところ]名詞でない名詞を、[所]の補語として使いたい場合に、「Nのところ」の形にします。このことは前に述べました。(→「5.3.2 Nのトコロ」) あとで私のところに来て下さい。
「場所」というより、部分・特徴などの意味で「ところ」を使います。
彼のどんなところが好きですか。
このソフトは、こういうところがよくできています。 その他、場面・状況・様子・具合・時期など、さまざまの意味合いで使われます。学習者にとって使いにくい言葉です。
どうすればいいか、難しいところですね。
まあ、こんなところでしょう。
このところ暑い日が続いています。
お忙しいところをお邪魔します。 述語を受けて、名詞節を作ります。(→「57.3 V-ところ」)
あくびをしているところを先生に見られた。
ちょうどうわさをしているところへ当人がやって来た。 また、アスペクトの一種を表します。(→「24.9 V-ところだ」)
ちょうど始まる/始まった ところです。
「V-たところ(が)」は逆接、「V-たところで」は条件になります。(→「47.逆接」「49.条件」)
説明のとおりやってみたところが、うまく行かなかった。
試験の前の日にあわてて勉強したところで、もう遅い。
この用法や、接続詞の「ところが」や「ところで」は、もう別のことばと考えた方がいいでしょう。
”
この引用の中で
「場所」というより、部分・特徴などの意味で「ところ」を使います。
というのがある。チェックしていくとわかるが、部分に似たのに箇所というのがある。箇所の<箇>がよくわからないが<所>は<ところ>だ。
彼のどんなところー>箇所が好きですか。
はいいが
このソフトは、こういうところ ー>こういう箇所がよくできています。
はややおかしい。<こういう>、<このような>と箇所は相性が悪い。
このソフトは、このところ ー>この箇所がよくできています。
なら問題ない。<こういう>、<このような>は不特定ではないが、<この>の<特定、指示的な>意味はない。微妙だが<ところ>と<箇所>は違う。
また
述語を受けて、名詞節を作ります。(→「57.3 V-ところ」)
あくびをしているところを先生に見られた。
ちょうどうわさをしているところへ当人がやって来た。
の部分が
本来の意味を表現しているとは言えず、あくまでもその前にある動詞や形容詞を名詞化するだけの役割になっています。
に相当し、これが狭義の形式名詞化だ。<ところ>が極端なのは、本来場所を意味する<ところ>がなんと時を意味する<ところ>になっているのだ。
あくびをしているところを先生に見られた。は
あくびをしている時を先生に見られた。
はダメだが
ちょうどうわさをしているところへ当人がやって来た。
の<ところ>は場所とはまったく関係がない。これは、ニュンスの違いはあるが
ちょうどうわさをしている時に当人がやって来た。
で言い換えられる。最後の
"
「V-たところ(が)」は逆接、「V-たところで」は条件になります。(→「47.逆接」「49.条件」)
説明のとおりやってみたところが、うまく行かなかった。
試験の前の日にあわてて勉強したところで、もう遅い。
この用法や、接続詞の「ところが」や「ところで」は . . . . .
"
この用法というのは接続助詞用法。<「V-たところ(が)」は逆接、「V-たところで」は条件になります>とあるが、そう簡単ではない。
説明のとおりやってみたところが、説明どおりうまくいった。(順接)
試験の前の日にあわてて勉強したところで、もう遅い。
の前半が条件になるが、 かなり複雑な内容だ。一般的な<条件>であれば
<試験の前の日にあわてて勉強すると (すれば)、>になり、
試験の前の日にあわてて勉強すると (すれば)、もう遅い。
になるが、まずこうは言わない。<xxしたところで>はかなり屈折した意味があって、後半の<もう遅い>につながる。
引用が多くなったので場所の意味がない<ところ>を使った例文をできるだけたくさん作ってみる。
xxしているところ、xxしたところ
日が昇って明るくなってきたところで目が覚めた。
お忙しいところをお邪魔 (じゃま) しました。
ご多忙のところを来ていただき、まことにありがとうございます。
花子が出かけて留守にしているところに太郎がやって来た。
ちょうどいま仕事が一段落したところなので、出かけられる。
いま料理をしているところですので、一時間後に来てください。
家に帰ったところ、花子が来ていた。
花子がちょうどいいところに来た。
太郎が具合のわるいところに来た。
ーーーー
以上はそのまま
xxする時、xxした時
では言い換えられないが、少し変えればなんとかなる。
日が昇って明るくなってきたところで目が覚めた。
ーー>
日が昇って明るくなってきた時に目が覚めた。
お忙しいところをお邪魔 (じゃま) しました。
ーー>
お忙しい時にお邪魔 (じゃま) しました。
ご多忙のところを来ていただき、まことにありがとうございます。
ーー>
ご多忙の時に来ていただき、まことにありがとうございます。
花子が出かけて留守にしているところに太郎がやって来た。
ーー>
花子が出かけて留守にしている時に太郎がやって来た。 (これは<ところ>ー><時>だけ変えている)
ちょうどいま仕事が一段落したところなので、出かけられる。
ーー>
ちょうどいま仕事が一段落した時なので、出かけられる。 (おおかたダ。前半と後半のつながりが弱い)
いま料理をしているところですので、一時間後に来てください。
ーー>
いま料理をしている時ですので、一時間後に来てください。 (おおかたダメ。これも前半と後半のつながりが弱い。こうはまず言わない。)
家に帰ったところ、花子が来ていた。
ーー>
家に帰った時 (に) 、花子が来ていた。
花子がちょうどいいところに来た。
ーー>
花子がちょうどいい時に来た。
太郎が具合のわるいところに来た。
ーー>
太郎が具合のわるい時に来た。
時間に直接関連していれば<時、時に>でなんとかなるが、時間以外の要素ー場面、状況、都合、条件が関連してくると、<時、時に>では具合がいい、悪い、その他のニュアンスが伝わらない。
上の解説2(niwa saburoo の日本語文法概説 14. 形式名詞)では<場面・状況・様子・具合・時期など、さまざまの意味合い>と書いてあるが、もう少し詳しくチェックしてみる。
<場面>はおもしろいことばで、<場 (ば) >は大和言葉なので湯桶読みになる。<面>は幾何的には立体を切ったときにできる面で、世の中の出来事を立体が時間的に変化するととらえると、これを一瞬で切り取ると時間が止まった面になる。 <場面>とはこういったものと言える。上の例文では
日が昇って明るくなってきたところで目が覚めた。
ー> 日が昇って明るくなってきた場面で目が覚めた。
花子がちょうどいいところに来た。
ー> 花子がちょうどいい場面に来た。
太郎が具合のわるいところに来た。
ー> 太郎が具合のわるい場面に来た。
と言い換えられ、 時間だけではなく面的、さらには立体的な状況が感じられる。
繰り返しになるが
お忙しいところをお邪魔 (じゃま) しました。
ご多忙のところを来ていただき、まことにありがとうございます。
似た表現は日常生活でよく聞く、使うものの例を並べると
お休み (中) のところ、失礼します / しました。
おくつろぎ (中) のところ、失礼します / しました。
お楽しみ (中) のとこ、失礼します / しました。
お疲れ (中) のところ、申しわけありませんが、もひと仕事お願いします。
お急ぎ (中) のところ、
お話し (中) のところ、
上の
お忙しいところをお邪魔 (じゃま) しました。
は
お忙しい中 (なか) をお邪魔 (じゃま) しました。
でもいい。
ご多忙のところを来ていただき、まことにありがとうございます。
は
ご多忙中 (ちゅう) のところを来ていただき、まことにありがとうございます。
でもいい。
中 (ちゅう)、中 (なか) は<ところ>と同じく場面・状況>ともいえるが<時間、期間、時期>のニュアンスが加わる。中 (ちゅう)、中 (なか) は元来空間表現と時間表現がある。
仕事中、会議中、食事中、話し中、勉強中、練習中
これは<ところ>と違うところだ。もし中 (ちゅう)、中 (なか) が元来空間表現だけとすると、時間表現の場合は形式名詞となる。時間は一次元で線的、前と後ろはあるが、空間と違って<広がり>がない。これはおもしろいところで、時間に<広がり>を持たせようとすると、空間表現を借りることになるようだ。
<うえ、上>もおもしろい形式名詞となり、話が<ところ>からそれるので、次のポスト (*) で取り上げた。
(*) <上、中、下>は形式名詞か?
ーーーーー
xxするところだ、xxしたところだ
ちょうどいま仕事を始めるところだ、終えるところだ
ちょうどいま仕事を始めたところだ、終えたたところだ
一方
ちょうどいま仕事を始めるだ、終えるだ
ちょうどいま仕事を始めただ、終えただ
はダメと言うことになっているので<ところ>は (形式) 名詞化だ。
ちょうどいま仕事の開始だ、終了だ
はまあいいが
ちょうどいま仕事を開始しただ、終了しただはダメ。
ーーーーー
まあ、そういうところだ (まあ、そういうあんばいだ、具合だ)
まあ、そういったところだ
これはまた<ところ>の意味が違ってくる。基本的には<状況>の意味だが<ところ>、<あんばい>、<具合>はそれぞれ違ったニュアンスがある。<あんばい>は和製漢語のようで、現代中国語では<安排 (anpai) >がよくつかわれるが、和製漢語<あんばい>の意味はない。だが、中国語の<安排>した後の状況、具合は<あんばい>とも言えそう。話が少しずれるが<いい加減>という言葉がある。本来は<良い加減>の意で、現代でも
ー 湯加減はどうですか?
ー ああ、いい加減だ。
といっている。この<加減>も <あんばい>、<具合>に近い意味がある。
上の解説にはないが、手元の辞書 (三省堂) には
いいところ千円どまり
一万二千円のところを一万円にしておきます
と言う例文がのっている。解説があるのだが、省略して、これらはどう解釈したいいのか?
<いいところ>は<悪いところ>反義語ではない。 <いいところ>は<いい加減>と似たとこころがあり、意味の変遷は複雑そう。
<いいところ>は<よくて>(at best)
<一万二千円のところを>は<一万二千円がいいところだが>の意ともいえる。ーーーーー
そうなるところだ、そうなるところだった (そうなるはずだ、そうなるはずだった)
<はず>もおもしろい言葉で、別にかなり詳しくチェックしたことがある (**) 。
(**) <はず>は単なる形式名詞か?
<ところ>はこの<はず>の代わりにもなる。 <はず>も元も意味はこの<はず>ではなく
そうなるだ
そうなっただがダメなので、これも (形式) 名詞化だ。
そうなるはずだ
そうなるはずだった
そうなったはずだ 接続助詞的な使い方
xxたいところだが
そうしたいが ー そうしたいところだが
YESと言いたいが ー YESと言いたいところだが
ニュアンスがかなり違う。
<ところ>をチェックしていくと際限がなくなりそうだ。だがまだ肝心なところが残っている。そもそも<形式名詞>についていろいろ書き始めたのは、<形式名詞>と英語の<関係代名詞>との関係をさぐってみようとしたからだ。関係代名詞の訳として
xxするところのyy
というのがある。これは漢文 、漢語、中国語由来の苦心の訳語だろ。江戸末か明治時代から始まったのではないか。<所>は一種の中国語版<関係代名詞>なのだ。これは少し詳しく書く価値がある。
と思って調べてみたら意外なことがわかった。
そもそも<関係代名詞>というのは英文法専門用語で、元の英語は relative pronoun だ。この英文法専門用語を日本の中学生が頭をひねりながら学ぶことになっている。さらには先行詞、限定用法、非限定用法などもでてくる。こうなると日本の中学生は英語そのものをを学ぶというよりは<関係代名詞>関連のこれらの日本語に訳された英文法専門用語を学ぶのに時間と努力を使っていることになる。
今回英英辞典にでてくる which とwho を調べてわかったが、英英辞典には relative pronoun (関係代名詞) という言葉がでてこない。しかも解説はごく簡単、明瞭で頭をひねるようなところはない。さらに、場合によっては which、who は省略可能のようだ。
以下に Cambridge Advanced Learner's Dictionary (漢英辞典) の英語部分 (英英辞典になる) をコピー / ペイストする。
"
which
1. 省略 (疑問詞としての用法)
2. used to be exact about the thing or things that you mean:
Houses which overlook the lake cost more.
It was a crisis for which she totally unprepared.<HELP>
That can be used instead of which in this meaning, but it is not used immediately after the preposition: It was a crisis that she totally unprepared for.
3. used to give some more information about something
His best movie, which won several awards, was about the life of Gandhi.
Your claim ought to succeed, in which case the damages will be substantial.<HELP>
That cannot be used instead of which in this meaning.
who
1. 省略 (疑問詞としての用法) 2. used to show which person or people you mean:
The people who called yesterday want to buy the house.
The people (who) we met in France have sent us a card.
3. used to give some more information about somebody
Mr Smith, who has a lot of teaching experience at junior level, will be joining the school in September.
And then Mary, who we had been talking about earlier, walked in.
"
<which、who は省略可能のようだ>重要なので、追加説明すると
which
2. used to be exact about the thing or things that you mean:
who
2. used to show which person or people you mean:
上では that, which が省かれている。
The people (who) we met in France have sent us a card.
これは who が省略できるということだ。
場合によるが<which、who が省略できる>ということは<which、who>は必ずしも必要ではないということで、必ずしも必要ではないものをいろいろな文法用語を使い、頭をひねりながら学んで、学ばされていることになる。
ちなみにネットの Cambridge Dictionary をチェックしてみたが、辞書よりは詳しく、例文も多い。relative pronoun (関係代名詞) 、relative clause, という文法用語もでてきて少しややこしい。which の該当箇所の一部をコピー / ペイストする。
used to add extra information to a previous clause, in writing usually after a comma:
が先にきて
used as the subject or object of a verb to show what thing or things you are referring to, or to add information about the thing just mentioned. It is usually used for things, not people:
が続いている。省略に関しては、
In
informal styles, we often leave out the relative pronoun. We only do
this in defining relative clauses, and when the relative pronoun is the
object of the verb. We don’t leave out the relative pronoun when it is
the subject of the verb nor in non-defining relative clauses: …
とあるので
上記の辞書の例文では
Houses which overlook the lake cost more.
の which は省略できない。日本語では
湖 (みずうみ) が見える家 (複数) は値段が高い。
だが、which を無理やり訳すと
湖 (みずうみ) が見えるところの家 (複数) は値段が高い。
となる。 書いてはいないが
It was a crisis for which she totally unprepared.
日本語では、which を無理やり訳すと
それは彼女がまったく前もって準備しなかったところの危機だった。
は which を省略して
It was a crisis she totally unprepared for.
にできるだろう。日本語では
それは彼女がまったく前もって準備しなかった危機だった。
おおげさになるが、<意識の流れ>を検討してみる。
Houses which overlook the lake cost more.
と
湖 (みずうみ) が見える家 (複数) は値段が高い。
を比較してみる。
英語の場合家 (複数) の修飾句 (overlook the lake) が家の後に来ているのに対し、日本語では修飾句<湖 (みずうみ) が見える>は家の前に来ている。修飾句が比較的短いので、意識賭してはひとまとめにできるだろう。英語は家 (複数)と主動詞 (cost) の間に間があるが、そういう家
(複数) が意識に残っていて<cost>(現在形複数) を使う。一方日本語の方は<意識の流れ>にしたがってスンナリ<家は>となる。英語では、<意識の流れ>はスンナリしていない。この意識に流れの違いは修飾句が相当長くなったり、相当長い追加情報が加わる場合は、<意識の流れ>は混乱してくる。話者でも混乱してくることがあるくらいだから、聴き手はなおさらである。 英語の場合は主語が何だか記憶から薄れていく。日本語の場合は主語がなかなか出てこないので、何を話しているのだか主語が出てく来るまでわからなくなる。
さて次に中国語の<ところ>
最近出会った<所>は文章語で (e-mial) で
以我所知、xxxx
私の知るところでは、xxxx
文字どおりでは
私の知るところをもって (しては)
我=私の位置に注目。<我所知>で<私の知るところ、私が知るところ>になるので、少しだが頭をひっくり返さないといけない。<所>が関係代名詞もどきと言える所以 (ゆえん)だ。ところで、コンピュータワープロで<ゆえん>と入力すると<所以>と出てきた。<所以>を<ゆえん>と読める人はそう多くはないだろう。<ゆえん>からは<由縁>が想像される。
<所以>は上の例の<以我所知>と語順が違うが<所以>は<もってするところ>となり、何だかよくわからない。<所以>は中国語でも頻繁に使われる。かしこまったところがあるように見えるが、子供でも使う。中国語の基本的レトリックの一つなのだ。普通は
因为 xxxx 所以 yyyy
という<因为>とのペアで使われ
(なぜなら)xxxxなので、したがって(だから)yyyy
日本語だと<因为>だけ、あるいは<所以>だけで間に合いそうなところを、仰々しく言う。
もう一つよく耳にするのは<无所谓>。<谓>は漢文に出てくるが<言う>という意味だ。<无所谓>は文字通りでは<言う所なし>。<どちらでもいい>、<たいした違いはない>(だから特に言うことはない)と言った意味で使われる。さて、ネットで中国語の<所>をチェックしてみた。白水社中国語辞典の<所>の関連個所をコピー / ペイストする。
白水社 中国語辞典
用例- 大家所说的,都很正确。=皆が言ったこと(言葉)は,すべてそのとおりである.
- 所考虑的正是这一点。=考慮しているの(こと)はまさにこの点である.
用例- 这个问题是大家所关心的。=この問題には皆が関心をよせている.
用例- 所见所闻=見たこと聞いたこと.
- 所作所为=やることなすこと.
用例- 为所欲为=(したいことをする→)ほしいままに悪事を働く.
- 见所未见=これまで見たことのないものを見る.
- 无所不为=(やらないことはない→)悪事の限りを尽くす.
”
<書き言葉に用い>が再三でてくるので、<所>は文章語と見た方がいい。
以上の ' 5・6 ' は動詞を強調する働きを持ち,時には省略され,話し言葉では用いないことが多い.
とあるので、大いに省略可なのだ。
さらに、文例で<ところ>がでてくるのは
他们每月所得,一半存入银行。=彼らが毎月得たところのもの(毎月の収入)は,その半分を銀行に預ける.
の一つだけ。これも<ところの>は省ける。
例文では<ところ>は訳されていないものが多い。つまりは、<ところ>は訳さなくてもいい、訳さない方が日本語として自然なのだ。次いで<こと>と訳されているのが多い。<もの>、形式名詞<の>で訳されているもがそれぞれ一つづつある。<こと>、<もの>は代表的な形式名詞だ。
結局のところ中国語の<ところ>も<たいしたことなない>しろものなのだ。一方上の説明でも再三でてくるが<的>は<たいした>しろもので、日本語の格助詞<の>、そして形式名詞の<の>相当だ。形式名詞の<の>は次回のポストでチェックするよていなので、ここでは話を進めない。
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