Friday, December 1, 2023

if は仮定だけか?英語、日本語、中国語

if を使った仮定文はややこしい。

 if は仮定、条件の接続詞で、日本語では普通 

もし xx ならば 

と訳される。

<仮定>と<条件>は似て非なるもので、わかりにくいところもあるが、仮定がない、または仮定度合いが明らかに低い場合が<条件>とも言える。数学では必要条件と十分条と言うのがあり、ややこしいところもあるが、仮定がないのが必要条件、仮定度合いが低いのが十分条件と言えるかもしれない。仮定がない条件でも if は使われる。一方

もし xx ならば 

は仮定度がそこそこ、またかなり高い。<もし>がない

xx ならば

も仮定になる。

明日天気がよければ外出する。
明日雨が降れば外出しない。

<もし>をつけると、ニュアンスが違ってくる。

もし明日天気がよければ外出する。(天気がよくないことがそこそこ、あるいはかなり予測される)
もし明日雨が降れば外出しない。(雨が降る可能性がある)

いずれにしても仮定の意識がある。以上は形容詞、動詞の仮定形<よけれ、降れ>)+<ば>になっているのが大きな特徴。日本語ではさらに

もし明日天気がよかったら外出する。(天気がよくない可能性は高い)
もし明日雨が降ったら外出しない。(雨が降る可能性があるが、可能性は低い)

(カッコ内は個人差があろう)

という言い方があり、英語の仮定法過去に似た言い方だ。<たら>の<た>は過去、完了の助動詞だろう。

一方仮定ではなく条件にすると

明日天気がいい場合は外出する。(明日天気がいい、悪いはわからないがとにかく)
明日雨が降る場合外出しない。 (明日雨が降るか降らないかわからないがとにかく)

外的条件で行動を決めるのではなく、外的条件で決まってくるのだ。形容詞、動詞は<場合>という名詞を修飾する連体形(いい、降る)で仮定形ではない。したがって仮定のニュアンスはない。英語で only if という言い方がある。日本語に訳せば<xxの場合にかぎり>といった意味で、if があるがタイトな条件のもとでの話の進め方だ。

明日天気がいい場合に限り外出する。
明日雨が降る場合に限り出しない。

ここでは if=仮定の意識は微塵もない。

下記は台湾サイトからのコピー、ペイストだが、大いに参考になる。これを読む限りでは、英語の仮定法はちっともむずかしくない。英語圏のサイトも少しチェックしてみたが、Zero conditional(零條件句)が抜けているのが多い。今は仮定も仮定条件として扱うようだ。中国語が苦手な人でも英語の部分だけで内容は十分わかる。中国語ができる人は中国語の仮定文の練習、復習になる。

https://www.editing.tw/blog/%E8%8B%B1%E6%96%87%E6%A2%9D%E4%BB%B6%E5%8F%A5-conditional-sentence%E7%9A%84%E4%BD%BF%E7%94%A8%E6%96%B9%E6%B3%95.html

在英文文法中,條件句(Conditional Sentence)主要是用來描述一些必然發生的結果、可能發生的結果或是寫作者希望能發生的結果,這種語法類似中文常見的「如果[情況],就會[結果]」句型,但是英文條件句涉及不同的時態(Tense),所以相對複雜。

英文條件句的格式分為兩部份:If 【情況】+ Result【結果】,例如:If it rains, I will stay home.(如果下雨,我就待在家裡)。

而根據使用的時態和所描述不同種類的情況和結果,條件句又分為四大類:

  • Zero conditional(零條件句)
  • First conditional(第一條件句)
  • Second conditional(第二條件句)
  • Third conditional(第三條件句)

條件句(Conditional Sentence)範例

以下將介紹各類條件句的使用方法:

零條件句是用來描述必然發生的結果,也就是當同樣情況發生時,都會出現一樣的結果 (General Truth) ,此類條件句是以簡單現在式(Simple Present Tense)表示,例如:

If you heat ice, it melts.

如果你把冰塊加熱,它會溶掉。

If it rains, the grass becomes wet.

如果下雨,草地就會變濕。

(sptt注:これは純条件文だ。仮定は何もない。だが if が使われている。動詞は前半部も後半部も直接法現在だ。

 日本語では

氷を温めれば溶ける。 

もし氷を温めれば溶ける。

も可能。

氷は温めれば溶ける。 

 <ば>があるので仮定っぽいが。仮定度はほとんどない。

氷は温めると溶ける。

これは条件文で仮定はない。

直接法過去と if は相性が悪い。

If you heated ice, it melted.
If it rained, the grass became wet. 

はナンセンスだ。

日本語ではどうか。

氷を温めたら溶けた。
もし氷を温めたら溶けた。 (ダメ)
氷は温めたら溶けた。
もし氷は温めたら溶けた。 (ダメ)

中国語はどうか?中国語は動詞の変化がないので、むしろ明快だ。

如果你把冰塊加熱,它會溶掉。
如果下雨,草地就會變濕。

 if に相当する中国語はいくつかのあるが、<如果>が一般的。私もこれ一本やり。

後半部の<會>は可能、未来の助動詞。だが<未来>はおおげさで、日本語では<する、行く>など動詞の終止形が<未来>になる程度の<未来>だ。

 

第一條件句是用來表示通常會發生的結果,【情況】句子是以簡單現在式(Simple Present Tense)表示,而【結果】句子是以簡單未來式(Simple Future Tense)表示:

If you don’t hurry, you will miss the train.

如果不快一點,你會錯過火車。

If it rains later, you will get wet.

如果待會下雨,你會淋濕。

 (sptt注:これは純仮定法現在。

If you don’t hurry, you will miss the train.
If it rains later, you will get wet.

で前半部が if + 動詞の直接法現在形。後半部には未来の助動詞 will が使われている。if はあるが直接法現在形なので話者に仮定の意識はない。

 If you don’t hurry, you will miss the train.

急がないと 汽車に乗り遅れますよ。

if を考慮して

もし急がないと 汽車に乗り遅れますよ。

としてもいいが、何かおかしい。<遅れ>は<遅れる>連用形だが<遅れる、<遅れ (ま) >に近未来の意がある。

もし急がないと 汽車に乗り遅れることになりますよ。

で<xxした場合には、yyになる>という条件、(当然予想される) 結果の図式になる。

If it rains later, you will get wet.

雨が降れば濡れる。

これも if を考慮して

もし雨がふれば濡れる。

としてもいいが、何かおかしい。仮定度が低いのだ。これも

もし雨がふれば濡れることになる。

中国語はどうか?

如果不快一點,你會錯過火車。
如果待會下雨,你會淋濕。

 如果xxxx, 會yyyy

 は上の零條件句と同じ。)

 

第二條件句帶有假設語氣(Hypothetical),也表示描述的情況會發生的可能性蠻低,【情況】句子是以簡單過去式(Simple Past Tense) 表示,【結果】句子的動詞前面會則會加上would:

If I won the lottery, I would buy you a new car.

如果中了樂透,我就買一輛新車給你。

If I spoke Italian, I would be living in Italy.

如果我會義大利文,我就搬去義大利住了。

(sptt注:これは仮定法過去。仮定文だ。假設語氣(Hypothetical)假設=仮定、語氣=語の気分 (mood)。

If I won the lottery, I would buy you a new car.
If I spoke Italian, I would be living in Italy.

で前半部が if + 動詞の仮定法過去形。後半部には未来の助動詞 will の過去形 would が使われている。仮定法過去と<過去>の字があり、前半の仮定節では

win の過去形 won、speak の過去形 spoke が用いられている。if の後の過去形は過去の事を述べているのではなく、現在の状況に反すること、現実離れしたことをのべている。 <if + 動詞の過去形>で仮定の気分、假設語氣 (Hypothetical) が出てくるのだ。これは日本語でも同じようなことが起きている。これは偶然の一致ではないだろう。

If I won the lottery, I would buy you a new car.

もし宝くじに当たったら、新車を買うのに。

英語の試験では、後半は原文に近い<新車を買うだろうに>の方がいいかも知れないが、上述のように日本語の動詞の終止形 (買う) は近未来をあらわす。<当たったら>は<当たる>の連用形+過去、<たら>は上で書いたが、<たら>の<た>は過去、完了の助動詞だろう。だがしらべてみると。過去、完了の助動詞<た>の仮定形<たら>という解説が一般的のようだ。これはあとで、もうすこし詳しくチェックする。

もし宝くじに当たったとしたら
もし宝くじに当たったならば

という言い方もある。条件的な<場合>を使った

もし宝くじに当たった場合には

は<もし>があるが仮定にならない、あるいは仮定気分は全面に出てこない。したがって

もし宝くじに当たった場合には、新車を買うのに。

はダメで

もし宝くじに当たった場合には、新車を買う。

になる。

二番目の 

If I spoke Italian, I would be living in Italy.

は間違いだろう。なぜなら、これでは

(現在はイタリア語を話さないが) もし イタリア語を話たら、イタリアに住んでいるのに (だろうに) 。

の意になり、おかしい。意味を持たせるためには

(現在はイタリア語を話せないが) もし イタリア語が話せたら、イタリアに住んでいるのに (だろうに) 。

にする必要がある。

英語は少しやっかいで can の過去形 could を使って

If I could speak Italian, I would be living in Italy.

になるが、could は紛らわしいので

If I were able to speak Italian, I would be living in Italy.

の方がいいだろう。

中国語はどうか?

如果中了樂透,我就買一輛新車給你。

<就>は<xxならば、yyになる、yy(し)よう)>、<xx、それならyyになる、yy(し)よう)>といった構文 (条件ー>結果、結論)で使われる。接続詞だろう。

如果xxxx、就yyyy

は一種の係り結びだ。

如果我會義大利文,我就搬去義大利住了。

で前半に文に<會>の字があり、これは可能 (できる) の意。後半はやはり<就>がある。

 

第三條件句也是帶有假設語氣,可是假設的是已經發生的事情,通常此類條件句描述的結果會和已經發生的事實相反,因此也能用來表示寫作者希望能發生的結果。在第三條件句裡,【情況】句子是以簡單過去完成式(Simple Past Perfect Tense)表示,【結果】句子的動詞前面會則會加上would have。

If you had studied, you would have passed the test.

如果你之前有唸書,你早就通過考試了。

If I had accepted that promotion, I would have been working in Milan.

如果我當時有接受升職,我現在早就在米蘭工作了。

 (sptt注:これは仮定法過去完了。仮定文だ。

If you had studied, you would have passed the test.
If I had accepted that promotion, I would have been working in Milan.

で前半部が if + 動詞の仮定法過去完了形。後半部には未来の助動詞 will の過去形 would +動詞の現在完了=未来完了形が使われている。if の後の過去完了形は過去の事実には反することを述べている。<過去の事実に反することを述べる>はまさしく<仮定したことを述べる>だ。

日本語訳は

If you had studied, you would have passed the test.

あなたは、もし勉強していたら、試験に合格していたのに。

前半に<していたら>。<いる>の連用形<い>+過去、完了の助動詞<た>の仮定形<たら>。簡単に書き直すと

 い+たら

そして後半にも<していた>が使われている。これは<いたら>の<ら>がない形で、<いる>の連用形+過去、完了の助動詞<た>の連体形<た>。簡単に書き直すと

い+た

<た>の終止形ではなく連体形とみるのは、<のに>の<の>が形式名詞の<の>につくからだ。だが、上の

い+たら

の<たら>が<た>の仮定形というのはクエスチョンマークだ。<いたら>をさらに分けて

い+た+ら

<た>の活用は変テコで、

助動詞「た」「だ」活用表


未然形

~う

連用形 終止形 連体形

~とき

仮定形

~ば

命令形
たろ たら
だろ だら

<だ>は<た>の音便で

読む:読みたー>読んたー>読んだ

 試験に合格していたのに。

の代わりに

試験に合格していたろうに。

とすると、上の活用表から

 <た>の未然形<たろ>+未来の助動詞<う>+週助詞<に>となる。これはつじつまがあうが、 <たろ>が <た>の未然形というのもクエスチョンマークだ。また

試験に合格していただろうに。

とも言え、こちらの方がよく使いそうだ。 

<だろうに>の<だ>は音便の<だ>ではない。断定の<だ>だろう。<だ>の活用も変テコで


未然形

~う

連用形

~た・ある

終止形 連体形

~の

仮定形

~ば

命令形
だろ

(な) なら

これからすると

試験に合格していただろうに。は

試験に合格し+て+い+た+だろ+う+に 

となる。すでに相当の複雑さだ。だが<だろ>は<だ>の未然形ではないだろう。もとにもどるが

あなたは、もし勉強していたら、試験に合格していたのに。

と前半部に<ていた>、そして後半部にも<ていた>が使われるのが特徴的だ。

If I had accepted that promotion, I would have been working in Milan.

私は、もし昇進を行け入れていたら、ミラノで働いていたのに。

後半はいろいろある

ミラノで働いていただろうに
ミラノで働いていたであろう (に)
ミラノで働いていることになっていただろう (に)
ミラノで働いていたことになっていただろう (に) 

中国語はどうか?

如果你之前有唸書,你早就通過考試了。

中国語は、前述にように動詞の活用がない。これは副詞の利用で解決できる。

<如果>は<もし>。<之前>は<前に>だが<試験前に>と副詞的に解釈すると都合がいい。<早就>は<早くもすでに (完了している) >といった意味の副詞だ。

もし試験前に勉強していたら、もう試験に合格していた。

如果我當時有接受升職,我現在早就在米蘭工作了。 

 <當時>は当時、その時、あのとき。後半にはこれまた<早就>が使われているが、その前に<現在>があり<今ごろは>の意に近い。

私は、もし昇進を行け入れていたら、今ごろはもうミラノで働いていた (だろうに)。

中国語の日本語訳は出来が悪いが、早就>の訳が難しい。

当時、あのときxxしていたら、今はyyしている/いただろうに、している/いたはずなのに。

が日本語の仮定法過去完了の一般的な訳だで、英語->日本語訳ではマルがもらえるだろが、実際こう言う人はまれだろう。

 

以下は cambridge オンライン辞書からのコピー、ペイスト。

 https://dictionary.cambridge.org/zht/%E8%AA%9E%E6%B3%95/%E8%8B%B1%E5%BC%8F%E8%AA%9E%E6%B3%95/in-case-of 

We don’t use in case to mean ‘if’. 

Compare 

Let’s take our swimming costumes in case there’s a pool at the hotel. 

 ー We don’t know if there is a pool there.

Let’s take our swimming costumes if there’s a pool in the hotel.

ー  We will wait until we know about the pool before we decide.

の解説の理解は少し難しい。

 ー We don’t know if there is a pool there.

は初めの方でのべた<明日天気がいい、悪いはわからないがとにかく>の<わからないが>に相当する。

ところで、<もし>がいつごろから使われ出したかだが、<if = もし>が上記の4種の条件文で使われているので、おそらく英語の輸入時だろう。0、1が純条件、2、3が仮定条件にも拘わらず、たいていは if は忠実にそのまま<もし>で訳される。これが、ある種の混乱を起こして現在に至っている。もし英語の輸入時に<0、1>は純条件、<2、3>は、<2>が現在の事実に反する仮定条件、<3>が過去の事実に反する仮定条件であることにもう少し注意して別の言い方を採用していたら、いたならば、このある種の混乱は避けられたであろう、避けられていただろう、避けられていたはずだ。たとえば

2、3には<もし>を使うが、0、1には<もし>をつけない。

<もし>を使う場合は

2、3には<もし仮に>を使い、0、1には<もし>だけで<仮に>ををつけない。これで条件と仮定が言葉上で区別できる。0.氷を温めれば溶ける。
1.急がないと 汽車に乗り遅れますよ。
2.もし宝くじに当たったら、新車を買うのに。
3.あなたは、もし勉強していたら、試験に合格していたのに。

<もし>を使う場合は

2、3には<もし仮に>を使い、0、1、には<もし>だけで<仮に>ををつけない。これで条件と仮定が言葉上で区別できる。

0.もし氷を温めれば溶ける。
1.もし急がないと 汽車に乗り遅れますよ。
2.もし仮にもし宝くじに当たったら、新車を買うのに。
3.あなたは、もし仮に勉強していたら、試験に合格していたのに。

もっと明確なのは<もし>を使わわない言い方だ。

0.氷を温めれば溶ける。
1.急がないと 汽車に乗り遅れます(よ)。
2.仮に宝くじに当たったら、新車を買うのに。
3.あなたは、仮に勉強していたら、試験に合格していたのに。

2、3の後半の文 (仮定条件下での結論部) では、文の最後に<のに> (他の言い方もある) が使われているが、これは欠かせない。この<のに> (他の言い方もある) ついては別途検討予定。



sptt


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