even if, even though
英語の even は副詞, 形容詞、まれだが動詞としての使い方がある。if は仮定、条件の接続詞。 although は逆接、譲歩の接続詞だが、though は逆接、譲歩の接続詞と逆接の副詞としての使い方がある。以上は大きな間違いなく使えればよく、別に覚えなくてもいいのだが、これらに相当する日本語の副詞、接続詞、接続助詞との関係を調べてみる。
if は仮定、条件の接続詞で、日本語では普通
もし xx ならば
と訳されるが、<もし>は副詞で<もし>自体に仮定の意味はなさそう。仮定の意があるのは<ならば>、さらには<ならば>以外に<すれば>、<あれば>も<もし>と組み (ペア)で使われるので仮定の意があるのは一音節の<ば>のようだ。一音節の語で仮定の意をあらわせるのはすごいことではないか。もっとも if も一音節の語だ。<ば>は英語にはない接続助詞。したがって、図式化するほどのことはないが
仮定法従属節に関しては
英語
if (仮定の) 接続詞 + 仮定法従属節用に活用した動詞
日本語
もし xx ならば
もし 副詞 +xx<なら、すれ、あれなどの>動詞の仮定形 + ば 接続助詞
英語の方が少し簡単だ。<ば 接続助詞>相当の語がいらない。そもそも英語には助詞がないのだ。一方日本語の方には接続詞がない。動詞が仮定法従属節用に活用すところは似ている。ここがポイントの一つなのだが、ややこしいのでここでは深入りしない。また英語では仮定法従属節と並行して使われる主節の助動詞がこれまたややこしいが、これまたここでは深入りしない。
<仮 (かり) に>も副詞だが、こちらの方は字ずらに<仮定>の意がある。<仮定>の意があるので、聴き手は<仮に>を聞けば<仮の話だ>と準備する。だが
仮に金がある、仮に太郎がくる、仮に雨がふる、仮に雨になる
で十分仮定の意がくみとれるのだが
仮に金があれば、仮に太郎がくれば、仮に雨がふれば、仮に雨になれば
という言い方になる。一方<もし>の方はどうか?
もし金がある、もし太郎がくる、もし雨がふる、もし雨になる
こちらの方も<もし>は<仮り>と字ずらは全く関係ないが、十分仮定の意がくみとれる。そして、<仮に>と同じように
もし金があれば、もし太郎がくれば、もし雨がふれば、もし雨になれば
という言い方になる。
日本語では仮定を強調した<もし仮に>という言い方もよく使われる。
<もし>wiktionary の解説は
”
副詞
もし【若し】
1)接続助詞のたら・なら・ばなどとともに用い、文の内容を実現可能性の低い仮定のものとして伝えるために使う。仮に。 たら・なら・ならば・ば・ときは・場合は、などが従属節の接続助詞となる場合は、仮定内容から自然に想定されると考えられる事態の内容が主節で示される。
2)ても・ときでも・場合でも、などが従属節の接続助詞となる場合は、仮定内容から想定されるのとは異なると考えられる事態の内容が主節で示される。譲歩。
”
2)の最後に譲歩というのが出てくるが、譲歩と逆接は境い目がはっきりしておらず
1)仮定内容から自然に想定されると考えられる事態の内容が主節で示される。ので
仮定を受けての順接
2)仮定内容から想定されるのとは異なると考えられる事態の内容が主節で示される。ので
仮定を受けての逆接
と対比させてもいいだろう。譲歩を一種の逆接とみなす。
even if 、even though は2)の譲歩だ。though、although には譲歩の意味があるが、if にはない。even 自体に仮定や譲歩の意味はなさそうだ。
even a child can do
は
子供でもできる ー> 子供ではあるが、それでもできる
で譲歩になりそうだが、これはトリッキーで
<子供でもできる>は<子供でさえできる>の意。<子供でさえできる>は<子供ではあるが、それでもできる>の意にならない。
wiktionary の解説のなかで
1)たら・なら・ならば・ば・ときは・場合は、などが従属節の接続助詞となる場合は 2)ても・ときでも・場合でも、などが従属節の接続助詞となる場合は
とあるので
たら、なら、ならば、ば、ときは、場合は;ても、ときでも、場合でも
は接続助詞となるが
<たら>、<なら>は動詞、助動詞だかの活用(仮定形か)。<とき、時>、<場合>は独立して意味がある名詞で
とき+は、とき+でも、場合+は、場合+でも
となるので、以上の中で、純接続助詞は<ば>、<は>、<でも>だけではないか。もっとも wiktionary の解説では<など>とあるので、他にも接続助詞があることになる。
sptt
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