だいぶ前に ”only の意味は<だけ>だけか?” というポストを書いたことがある。主旨は Carpenters の歌の題名 Only Yesterday の <Only>は<だけ>でないことを北京語の相当語<才>、広東語の相当語<先至>を使って説明した。
さて今回の ”only の意味は<だけ>だけか?ー2” は立場を変えて、<only>は<だけ>だけでないことを日本語の副詞、副助詞を使って説明する。英語の only は副詞だが(英語には副助詞がない)、日本語の<だけ>は副詞ではなく副助詞のなかまだ。副助詞にはいろいろおもしろいのがあるが、<だけ>は副助詞の代表といっていい。というのは副助詞と言うのは用言を修飾するのだが、修飾の意味内容でグループ化すると
限定:だけ、のみ、ばかり、しか (ない)、きり
不定限定:など、やら、ほど(程度)、くらい (<不定限定>は正式文法用語ではない)
Even 相当:さえ、でも、すら
強調:こそ (昔は<かかり助詞>が強調担当だったが、残念ながら係り結びの法則がなくなってしまったので、<こそ>は副助詞あつかいのようだ。<係り結び>に未練があるひとには、<こそ>は<かかり助詞>でもいいだろう。
一番目の
限定:だけ、のみ、ばかり、しか (ない)、きり
これだけ、これのみ、こればかり、これしか (ない)、これきり
日本語ではいろいろあるが、英語ではおそらくonly this >だけ、のみ、きりだろう。
これらの副助詞は<ただ>と相性がよく
ただこれだけ、ただこれのみ、ただこればかり、ただこれしか (ない)、ただこれきりただ寝るだけ。
ただあきれるばかり (だけ、のみ) だ。ただあきれるばかりしかない。
<ただ>は副助詞でなく、副詞。 <ただこれだけ>は英語では just only this 。only just this とも言えそうで、これだと、only = just になる。
副詞と副助詞の違いは、副助詞は助詞なので、独立性がない。他の語が必要という定義で、<これだけ>の<これ>が必要ということになるが
ただ寝る。
の<ただ>は副詞で
寝るだけ。
の<だけ>は副助詞
と言ってもすぐにはピンとこない。
注)上で
Even 相当:さえ、でも、すら
と書いたが、調べてみたら
ttps://www.kokugobunpou.com/助詞/副助詞の働き/#gsc.tab=0
副助詞の働き
■ 副助詞とは
副助詞 … いろいろな語に付ついて、さまざまな意味をそえる働きをする。
■ 副助詞の働き
副助詞は、強調・類推・並立・限定・添加・程度・例示・不確 (ふたしか) などの意味をそえる。
(例) これこそ芸術だ。(強調)
(例) 歩くことさえできない。(類推)
(例) 右も左もわからない。(並立)
(例) 遊んでばかりいる。(限定)
(例) 雨が降り、雷まで鳴りだした。(添加)
(例) 1時間ほどかかる。(程度)
(例) お茶などを用意する。(例示)
(例) どこかに置き忘れる。(不確か)
”
と言う解説があり
(例) 歩くことさえできない。(類推)
で<類推>となっている。さらに
”
類推るいすい : 一つの極端な例をあげて、他も当然そうであると推測させます。
”
という解説がある。さらに、類推は
1 類似の点をもとにして、他を推しはかること。「過去の事例から—する」
ということだ。類推の英語を analogy とすると
一つの極端な例をあげて、他も当然そうであると推測させます。
は単純な analogy 、analogical reasoning.ではない。
歩くことさえできない。
は英語では
even cannot walk
で <さえ>は even が相当する。even = 類推 ( analogy) ではピンとこない。even は高使用頻度で以前にポストを書いたことがある。これは別課題であるにので、even と<さえ><でも>などの類推副助詞 (さらにはあれば類推副詞) との比較を別のポストでする予定。
sptt
No comments:
Post a Comment