Sunday, November 19, 2023

和製英語の形式名詞、ケース、etc.

 

前回のポスト " 漢語由来の形式名詞、様(よう)、段(だん)、etc." を書いているうちにおもしろい発見した。その箇所をコピー。ペイストする。 


<場合>の英語は case で、これは<ケース>と和製英語化して、よく使われている。<ケース バイ ケース>>もよく使われる。この和製英語化した<ケース>は<場合>と同じく純形式名詞なのだ。

xxするケースでは
このケースでは、<このケースの場合>とも言う
これはどのケースに相当するか?
 
で問題ない。また
 
ケースが / はいい、わるい。
ケースが / は重要だ。

はダメで、単独で主語になれない。まさしく純形式名詞だ。これは大発見ではないが、忘れないうちに、次のポストで、もう少しチェックして、もっと詳しく書く予定。

さっそくもっと詳しく書くことにする。上の形式名詞かどうかをチェックする方法は、簡単だが有効と思われる。もっとも、形式名詞の定義が定かではないのは問題だが。形式名詞は非常におもしろく、見方によっては名詞の抽象化 (言い換えると、大雑把化) による変身 (metamorphosis) と言える。
 
ケース以外では漢語の形式名詞が参考になる。
 
段、とき:タイム、タイミング 

和製英語のタイムはスポーツ用語から来ているようで<中断 (する)>相当。この意味で<タイムにする>はいいが、
 
xxするタイム、このタイム、どのタイム、 タイムは/が xx

はいずれもダメ。だがタイミングは
 
xxするタイミング
このタイミング
どのタイミング
 
とは言える。だが 
 
タイミングが / はいい, 悪い
 
と単独で主語になれる、準形式名詞だ。だが上の4例の意味をチェックしてみると
 
xxするタイミングを逃がしてはいけない
xxする機会を逃がしてはいけない
 
うまく料理するにはこのタイミングが重要
 うまく料理するにはこ頃 (ころ) 合いが重要
 
どのようなタイミングに返事をしたらいいものか?
どのようなとき時間的な都合の時)に返事をしたらいいものか?
 
タイミングがいいときにやってきた
時間的に都合のいいときにやってきた
 
のようになり、それぞれ時 (とき) に関連はしているが 、意味合いが違う。抽象化 (大雑把化)してみると、<時間的な都合、良し悪し (具合) >と言えそう。だが一番目では<よい時間的な都合>で<良い>がすでに含まれている。四番目の
 
タイミングが / はいい、悪い
 
タイミングも時間的な都合、良し悪し (具合) >だので、意味が大きく違っているわけではない。。
 

点:ポイント
 
xxするポイント(では)
xxするポイント(は)
このポイント(に関しては)
どのポイント(が重要かというと)
 
とは言える。さらに
 
ポイントが / はいい
 
はダメだが
 
ポイントが少しずれている
 
とはいう。 これも意味をよくチェックしてみると、一番目の
 
xxするポイント(では)
 
 
 
xxするところ(では)、とき(には)
 
二番目の
 
xxするポイント(は)
 
 は<重要なところ>の意だ。
 
三番目、四番目は<点>を流用して
 
このポイント(に関しては) ー この(に関しては)、この箇所(に関しては)でもいい
どのポイント(が重要かというと)ー どの(が重要かというと)どの箇所(が重要かというと)
 
最後の
 
ポイントが少しずれている


焦点、意味するところが少しずれている
 
で言い換えできる。いろいろおもしろい。
 
 
段階:ステップ
 
xxするステップ(では)
このステップ(に関しては)
どのステップ(が重要かというと)
 
とは言える。段階で置き換えられる。
 
ステップが / はいい
 
は、ダンスのステップならいが、段階のステップではダメだ。
 
うまくやるにはステップにしたがってやることだ。
免許を取るには正規のステップを踏む必要がある
 
とはいう。 ステップは段階の意味からからあまり派生していない。

場面:シーン

xxするシーン(では)
xxするシーン(は)
このシーン(に関しては)
どのシーン(が問題かというと)
 
単独用法の

シーンが / はいい、悪い

はダメ。 相当する<場面>も同じだ。


状況:シチュエーション

シチュエーションはまだ半和製英語だろう。

xxするシチュエーション(では)
xxするシチュエーション(は)
このシチュエーション(では)
どの、どんなシチュエーション(でも)
 
単独用法では 
 
シチュエーションが / はいい、悪い

とは言う。 だがシチュエーションの意味は変わっていない。さらに、言葉には出てこないが<今のシチュエーション>の意だろう。したがって抽象化が進んでいるわけではない。相当する<状況>も同じだ。もっとも<シチュエーション、状況>はかなり抽象化された言葉とも言える。これは、逆に<個々のシチュエーション、状況>で個別化される。


sptt

 

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