Sunday, December 10, 2023

点,線、面は形式名詞か?



形式名詞をネットで検索してみると、<段>が出てくる解説がある。

https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E5%BD%A2%E5%BC%8F%E5%90%8D%E8%A9%9E/

けいしき‐めいし【形式名詞】 の解説

その語の表す実質的意義が薄く、常に連 体修飾語を受けて使 用される名詞。「病気中のところ」の「ところ」、「手紙を書くことが苦手だ」の「こと」、「失礼の段おわびします」の「段」など。不完全名詞。形式体言。 

出典:デジタル大辞泉(小学館)

https://kotobank.jp/word/%E5%BD%A2%E5%BC%8F%E5%90%8D%E8%A9%9E-488640#goog_rewarded

精選版 日本国語大辞典

「形式名詞」の意味・読み・例文・類語 けいしき‐めいし【形式名詞】 〘名〙 国文法で、名詞の下位分類の一つ。松下大三郎の用語。それ自体には実質的意義が薄く連体修飾語を受けて名詞句を作る。和語では「こと・もの・あいだ・うち・とおり・とき・せい・はず・かた・ほど・よ し・ふし・ところ・ゆえ」など、漢語では「件・儀・体(てい)・方(ほ う)・点・段・分」などがある。「事(こと)重大である」「そんなことをい うと為(ため)にならぬぞ」など、単独に用いられる場合は特に「実質名詞」として区別される。〔標準日本口語法 (1930)〕

二番目には <漢語では「件・儀・体(てい)・方(ほ う)・点・段・分」などがある。>で<点>もでてくる。いま形式名詞シリーズの一環として<こと>、<もの>に続いて<ところ>のポストを書いているが、調べているうちに<点,線、面は形式名詞か?>というタイトルが思い浮かんできたので、これを優先することにした。

「失礼の段おわびします」の<段>は、<段>の元来の意味<階段、段階、ステップ>の意味からかけ離れているので形式名詞の資格はある。そもそも「失礼の段おわびします」の<段>の意味がよくわからない。よくわからないから、これまで使ったことはない。もう古語になっているのではないか。「失礼の段おわびします」に似たようなのに

失礼な点 (てん) があったことをおわびします。
失礼なところ (所) があったことをおわびします。

はよく聞く。 <点>に関連しては,線、面、立体、空間がある。

失礼な線があったことをおわびします。
失礼な立体 (空間) があったことをおわびします。

はダメだが

失礼な面があったことをおわびします。

はときどき聞く。<ところ>は<こと>、<もの>と並んで形式名詞の代表の一つで、形式名詞用法の場合は漢字の<所>ではなく、ひらがなの<ところ>と書くのが公認のルールになっている。


<点>は形式名詞候補だ。

その点に関しては問題ありません。
言うことは素晴らしいが、実行と言う点では問題がある。
その点がよくわかりません。
いい点ばかりを見て、悪い点を見逃している。
こまかい点ばかりを見て、大局を見ていない。(木を見て、森を見ず)
その点が疑問だ。その点をもっと知りたい。
あらゆる点をチェックする。

<点>の英語は<ポイント>で和製英語になっているが、元来の、純粋な<点>というよりは<要点>の意に限られているようだ。

(ここでの) ポイントは

のように独立しても使う。

話のポイントがはっきりしない、ずれている。


<線>も形式名詞候補だ。

いい線いっている。
線が細い。 (独立用法)
その線に沿って計画を進めてください。
その線を洗ってくれ。(刑事ドラマで)
その線が怪しい。(刑事ドラマで)
その線はうすい。(刑事ドラマで) 

<線>の特徴は<方向性>があることだ。やや動的のところもある。一方<点>、<面>、<ところ>は<方向性>がなく、また静的な感じだ。

大和言葉では<すじ>というのがあるが、<線>とは区別があるようだ。

すじを通す。
すじが違う(すじ違い)。筋違いもははなはだしい。
話のすじを追う。

<線>、<すじ>はおもしろい言い方が多い。(追加予定)


<面>も形式名詞候補だ。

あらゆる面ですぐれている。
あらゆる面から見て、花子が美人コンテストの第一位だ。
いい面ばかりを見て、悪い面を見逃している。 (<点>でも<ところ>でもいい)
卑怯な、臆病な、引っ込みじあんな、えらがる、etc 面がある。(これらは<ところ>で置き換えられる)
xxに似ている面がある。(これも<点>、<ところ>で置き換えられる)
xxのような面がある。(これは<ところ>で置き換えられる)

面は2次元にとどまっているが<点>や<線>に比べて<ひろがり>がある。したがって

いい点ばかりを見て、悪い点を見逃している。



いい面ばかりを見て、悪い面を見逃している。

では

若干違いがある。

こまかい点ばかりを見て、対を見ていない。(木を見て、森を見ず)

はいいが

こまかい面ばかりを見て、大局を見ていない。

はややおかしい。だがなぜか

こまかいところばかりを見て、大局を見ていない。

はよさそう。<点>は<箇所>で小さいながらも<場所>の意を保っているが、<線>はもちろん<面>もなぜか<場所>の意が薄い。<ところ>はもちろん<場所>が元来の意味だ。



sptt

 

 

 

No comments:

Post a Comment