Sunday, November 23, 2014

英語の助動詞と日本語の助動詞 (日本語の助動詞-2)


かなり前、sptt Notes on Grammar の書き始めのころ<日本語の助動詞>のタイトルで日本語の助動詞について概論みたいなのを書いた。読み返してみたが、書き換えの必要はないようだ。助動詞の定義、特に日本語の助動詞については英語の助動詞とは単純に比較出来ないし、日本語の助動詞は問題はあるが、書き換えるのは混乱をさらに混乱させることになりそう。ここでは英語の助動詞を検討してみる。だが、日本語との比較になる。


1.英語の助動詞の定義と意味

英語などではモーダル(modal)(助)動詞とも呼ばれるように義務、可能,許可、意志、蓋然性、願望,などを表す。助動詞の特徴は意味以外に一般動詞の原形に直接つく(一般動詞の前につく)という大法則がある。must は一般動詞の原形に直接つくので助動詞だが need は <need to + 一般動詞の原形>になるので助動詞ではなく、やや特殊だが一般動詞なのだ。以下は<日本語の助動詞>のコピー。



英語の個々の助動詞の意味

義務 - 英語 should, must + 動詞(原型)
日本語 ねばばならない、なければならない(二重否定,助動詞ではない)、泳がねばならない、
日本語 べきだ、 (例)泳ぐべきだ。
<動詞連体形+義務(名詞)、必要(名詞)がある>もよく用いられる。

可能 - 英語 can + 動詞(原型)
日本語 動詞連用形+(が)できる,泳ぎができる 
日本語   動詞連体形+こと+できる、(例)泳ぐことができる
日本語 れる,られる (可能)  泳がれる ---> 泳げる

許可 - 英語 may + 動詞(原型)
日本語 てもよい(助動詞ではない)、 (例)泳いでもよい  ---> 泳いではいけない (禁止)
 
意志 - 英語 will + 動詞
日本語 動詞終止形、 (例)わたしは(どうしても)泳ぐ; 動詞連用形 + ます

蓋然性 - 英語 may, might, would, could
日本語 推量の助動詞、だろう、らしい、ようだ、まい、そうだ(伝聞)、助動詞ではないが <かもしれない>。

 ”

以上のうち日本語で日本語の助動詞で対応するのは最初の

義務 - 英語 should, must + 動詞(原型) 
日本語 べきだ、 (例)泳ぐべきだ。



最後の

英語 may, might, would, could
推量の助動詞、だろう、らしい、ようだ、まい、そうだ(伝聞)

ただしこれらも

義務 - 英語 should, must + 動詞(原型)
日本語: 助動詞でない<ねばばならない>、<なければならない>(二重否定,助動詞ではない)、泳がねばならない
動詞連体形+義務(名詞)、必要(名詞)がある

英語 may, might, would, could
日本語: 助動詞でない<かもしれない> - 仮定疑問みたいな<かも>の否定

がよく使われるようだ。

ということはほとんどまったく英語の助動詞=日本語の助動詞ではないということだ。

前回書き忘れたが

英語 should、must は義務以外に<xx はずだ>、should、must +have + 動詞の過去分詞(xxxx-ed )で<xx たはずだ>の意味があり、これも<xx はずだ>、<xx たはずだ>は日本語では助動詞ではない。<はず>はおもしろい助動詞まがいの名詞で別途検討予定。

特に可能の can は

可能 - 英語 can + 動詞(原型)
日本語 動詞連用形+(が)できる,泳ぎができる 
日本語   動詞連体形+こと+できる、(例)泳ぐことができる
日本語 れる,られる (可能)  泳がれる ---> 泳げる

と大幅な文法上の変更になる。 日本人であると、慣れもあるが問題なく置き換えるが、実際簡単な置き換えではない。

義務の should, must も

日本語: 助動詞でない<ねばばならない>、<なければならない>は、主語の変更はないが、

動詞連体形+義務(名詞)、必要(名詞)がある、は

君は(が)すぐに行く義務 / 必要ある。

となり、実質的な主語は義務 / 必要となり、さらにこれらが<ある>(存在)という言い方で、助動詞からかけ離れる。


sptt

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