Saturday, October 28, 2017

人称代名詞 I、 my、 me、 mine の mine は何だ?


人称代名詞 I、 my、 me、 mine の文法上の名称は普通(中学生の英文法)次の通り。

  主格      所有格   目的格    所有代名詞
(・・・は、が)  (・・・の)  (・・・を/に)  (・・・のもの)
   I        my                me                  mine

使われ方や使い方、<格>の意味の詳しい説明はなく、これらを念仏のように唱えたり、念じたりするのだ(念ずる:記憶するために同じことを繰り返し口に出す)。英語だけに限ればこれではさほど問題ない。だが mine は少し問題があり、私も長いこと(40年以上)疑問のままにしていた。

問題1(40年来の問題)

 a friend of mine

< a friend of mine>は簡単な<my friend>ですましていたが、英語母国語人たちが< a friend of mine>と言うのでその後< a friend of mine>を使うようにした。

mine には次のような言い方がある。

問題2 (最近発見した問題)

This book is mine. <この本は私のもの。>で文法教科書どおりだ。
These books are mine.  <これらの本は私のもの。>複数になっても mines、mine's にならない。日本語と同じだが、英語では例外のひとつだ。

Your bicycle is better than mine. <きみの自転車は私のものよりいい。>だが、日本語らしいのは、試験ではバツになる可能性があるが、<きみの自転車は私のよりいい。>で<もの>はいらない。

mine の文法上の分類は上記のように所有代名詞で、多分<・・・のもの>と訳されるのだろうが、my が所有格で<・・・の> と訳される、のと大きな違いがある。mine は格を示すのではないのだ。

以上の疑問に対して最近勉強し直しているイタリア語が参考になる。

mine (Reveso English - Italian)

poss pron il ( la) mio (-a) pl i ( le) miei ( mie)

he's a friend of mine    è un mio amico
is this your coat? - no, mine's black   è tuo questo cappotto? - no, il mio è nero
this is mine   questo è (il) mio
this book is mine   questo libro è mio
these pencils are mine    queste matite sono mie
your marks are better than mine   i tuoi voti sono migliori dei miei
her shoes are nicer than mine le sue scarpe sono più belle delle mie  
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問題1

he's a friend of mine   è un mio amico

これは問題1(40年来の問題)に対する一つの回答(日本語らしくいえば、回答のひとつ)。

 a friend of mine イタリア語では a my friend となる。<a >はあるが、< a friend of mine>という変テコな言い方はしない。英語では<a>と<my>は直接ならべられないのだろう。

もう少し突っ込んで考えてみると、

 a friend of mine は a friend of my friends の friend の重複を避けた言い方で、a friend of my friends の省略形と考えられる。一方、私は時々使う、使ってしまう言い方で、one of my friends というのがある。これは friend の重複がない。間違いではないだろうが、少し違うようだ。

定/不定を考えてみる。<a>は不定冠詞で正真正銘の<不定>だ。<one of>も<不定><<不特定>だが、それに続く<my friends>はある程度<定化>されている。言い換えると<the persons who belong to me as friends>。これは所有というよりは所属だが、my も所有格の場合も所属格の場合もある。平社員が my company といえば may は所属格だ。おそらく<a>の方が<one>よりも不定度が高いののだろう。したがって、客観的に述べる、あるいはあまり関与しない(indifferent)立場で述べるときは my friend より a friend of mine が適しているか?


 問題2

is this your coat? - no, mine's black    è tuo questo cappotto? - no, il mio è nero
this is mine    questo è (il) mio   (il がなくてもいい) 

<定>度が高い my friend のイタリア語は

男の場合  il mio amico
女の場合  la mia amica

で boyfriend かgirlfriend かすぐわかってしまう。それはともかく il、la と定冠詞が頭にきて、そのあとに人称代名詞(男の場合 mio、女の場合mia)がくる。定冠詞が付くことに注目。これを英語に適用すると my は<定>ということになる。これは上記の問題1とも関係する。

this book is mine   questo libro è mio
these pencils are mine    queste matite sono mie

上で ” il、la と定冠詞が頭にきて、そのあとに人称代名詞(男の場合 mio、女の場合mia)がくる。”と書いたが、上記2例は定冠詞がない。これはどう説明したらいいのか?これに対する回答は、勉強し直し中なので、後日になる予定。定冠詞をつけても間違いではないだろう。

your marks are better than mine   i tuoi voti sono migliori dei miei
her shoes are nicer than mine   le sue scarpe sono più belle delle mie  

上記2例は英語にはない部分冠詞が使われている。イタリア語の部分冠詞については勉強し直し始めたときに<イタリア語の部分冠詞>というポストを書いた。これによると、定冠詞をつけた場合は<特定化>が強い。例えば、<今度のテストで>という条件が明示されれば定冠詞がつく。一方、一般的に言及している場合は部分冠詞がつく、と言える。部分冠詞は英語でいえば some で間に合う場合があるが、この場合 some mine とか some of mine とは言わない。mine のなかに some の意が含まれている(implied)とみる。

さて、これで mine についてはとりあえず終わりなのだが、ついでに me についいて簡単に考えてみる。英語は相当程度<格変化>は衰退しており、me = 目的格ですましているが、

1)You hit me (hit は過去。これはよく聞く)
2)You told me that.  (これはよく使う)
3)You said it to me. (これもよく使う)

1)の me は直接目的語。to hit は他動詞。

2)の me は間接目的語。to tell は他動詞だが直接目的語は that。

3)の me は間接目的語。me の前に to があるので、2)の間接目的語とは明らかに(目に見えて、耳に聞こえて)違う。だが

2)You told me that. -> 君は私にそう言った。

で、日本語では<に>がどうしても必要で、to のない me だけで間接目的語というのは理解しやすい。

3)You said it to me. -> 君は私にそう言った。

で、こんどは to があるが、これは文字通り<私に>で理解するのにほとんど努力する必要はない。

英語では以上を、違いに関係なくすべて me ですましている。 念仏のように覚える中学生は助かるが、文法的分析、理解は後回しになる。多くの場合後回しにもならない。記憶して間違いなく使えればそれでいいのだ。

文法的には

2)You told me that.

がおもしろいが、さらなる検討は別の機会に後回しする。

sptt








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