Sunday, October 29, 2017

<身に覚えがある>は<me(に)覚えがある>


このポストは前々回のポスト ”身に覚えがある>の文法分析” と前回のポスト "人称代名詞 I、 my、 me、 mine の mine は何だ?" の継ぎ合わせ。

すでに書いたが<身に覚えがある>は慣用表現で、すべて大和言葉の表現。大和言葉での表現は日本人なら<身にしみる>ので、刑事が容疑者に

自分自身に覚えがあるだろう?

大和言葉を使った

おのれに覚えがあるだろう?

より

身に覚えがあるだろう?

の方が容疑者が自供する可能性がいくらか高いだろう。

自分自身や<おのれ>には<身(み)>が持つ(内包する)<からだ>や<中身の身>の意味を欠いているのだ。

さて、me の方だが、me は I、my、me、mine の me で、人称代名詞 I (主格)の目的格。

  主格      所有格   目的格    所有代名詞
(・・・は、が)  (・・・の)  (・・・を/に)  (・・・のもの)
   I        my                me                  mine

英語の目的格には日本語にすると<を>と取る直接目的語と主に<に>を取る間接目的語がある。

Taro told me a story.
Hanako gave me a present.

以上は

Taro told a story to me.
Hanako gave a present to me.

でもよく、<に>を連想する後者の方が日本人には受け入れやすいが、英語母国語人は前者をよく使う。me だけの方が to me より短いためもあるが、me だけの方が彼らには<しっくり>くるのだ。この場合、me は to が含まれている(内包されている、implied)とみる。

したがって、表題にある<me(に)覚えがある>は<に>がいらず<me 覚えがある>となる。<見覚えがある>ではない。


sptt

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