Thursday, March 21, 2019

イタリア語の接頭辞 -1<s-> 補講-2 (fidarsi - sfidarsi)

このポストは<イタリア語の接頭辞 -1<s->>進展版。まずは繰り返しから始める。


sfuruttare (to expliot、搾取する、しぼり取る)- fruttare (to yield、生む)<- frutto (fruit)
sfuruttare (to expliot) には良い意味もある。to make the most of, to take advantage of  最大限に使う、利用する。派生とも言える。


Sii gentile, ma non lasciati sfruttatre.
Fidati, ma non farti ingonnare.
Accontentati, ma non smettete mai di migliorarti.
"

イタリア語の養生訓だが、一行目は

他人には親切にせよ。だが<自分を搾取するようなこと>はするな。

ということ。 二行目は

自己を信じろ。だが自己を見あやまるな。(ingonnare = to deceive)

三行目は smettere (to stop) が出てくる。

満足することを知れ。だが、よりよくなることをやめるな。

日本語らしく訳すと

気前がいいのはいいが、自分をすっからかんにしてしまってはもともこもない。
自分を頼りにするのはいいが、いつも頼りになるとは限らない。
足るを知るのはいいが、なまけてはいけない。



上で fidarti (fidarsi) が出てくるが

fidare - sfidare
fidarsi - sfidarsi

はおもしろい。上記の

Fidati, ma non farti ingonnare.

の fidarti を考えて見る。 Collins のインターネット辞典ではfidarsi として(fidare はあまり使わないようだ)

fidarsi (fidarsi)
intransitive reflexive verb (自動詞的再帰動詞)
  1. fidarsi di   to trust (fare affidamento)      to rely on
    non mi fido di uscire con questo tempo       I daren't go out in this weather
    fidarsi è bene non fidarsi è meglio (Proverbio)   better safe than sorry
fidare は元来他動詞で<信じさせる、信用させる>か?Cambridge It - En On Line 辞書では

fidare (intransitive)
to entrust, to confide, to trust
fidare in Dio to trust in God


とあるのでイタリア語では元来も自動詞のようだ。英語のto entrust, to confide, to trust 他動詞だろう。英語でも to believe は to believe の他動詞と to believe in の自動詞用法があり、微妙な使い訳がある。もっとも to believe に相当するイタリア語は credere で fidare ではない。一行目の例文ではfidare in = to trust とイタリア語で自動詞は英語では他動詞になっている。<=、イコール>となっていいるが、実際はかなり違う言い方だ。

おもしろいのは2行目の例だ。これは再帰動詞用法だ。しかもこの例文は否定形で意味、様相が大いに違っている。

non mi fido di uscire con questo tempo  は忠実に訳すと

この天気で(は)私は自分に出かけさすように信じ込ませない。

とでもなるか。 <to rely on>は出てこない。英文は

I daren't (dare not, do not dare) go out in this weather.

と modal 助動詞の dare がでてくる。この dare はふつう<あえて xx (す)る>と訳される。否定の場合は<あえて xx (し)ない>。したがって

私はこの天気ではあえて外出しない。

となる。 Non mi fido di uscire con questo tempo. にもどると、non mi fido または non fidarsi に<あえて xx しない>の意味があるこのなる。これはどういうことか。

英語と日本語を比べてみる。

dare do 
あえてする

dare not do 
あえてしない

でよさそうだ。 

イタリア語で fidarsi fare に<dare do、あえてする>の意味があるのか?Cambridge It - En On Line 辞書では

fidarsi
verb [ intransitive, pronominal ] /fi’darsi/
to trust, to confide in, to rely on
Non fidarti di quell’uomo.  Don’t trust that man.

という解説で dare は出てこない。基本的には <fidarsi di>の熟語でto trust, to rely on <xxを信用する、xxに頼る>の意なのだ。問題は信用する、頼る>の否定だ。表面上は信用しない、頼らない>となるが、これはどういう意味か?特に<頼る>と<頼らない>の違いは大きい。<頼らない>は dare (あえてxxする) と少し関連がありそう。

三行目の例文(ことわざ)

fidarsi è bene non fidarsi è meglio (Proverbio) 

これは<信じるのはいいことだ、だが信じない(疑うのは)もっといいことだ。

となる。ブラックユーモアといえる。この場合は<何かを信じる>というよりは<自分自身、信じる>の意がある。そしてこれは<自分自身、信じない>でもっと意味がでてくる、というか fidarsi の si が効(き)いてくるのだ。英語では自動詞の to believe、日本語では形態上自他の区別がなくいが目的語がない自動詞の<信じる、信じない>でいい。自動詞とはいっても<自動的>ではなく<自分>を経(へ)ているのだ。イタリア語の再帰動詞の神髄ではないか。

dare 関連では Beritz の伊英辞典に次のような例文がある。

Non mi fido di chiederlo a mia padre.
I do not dare ask my father (about it).

これは英文が dare の否定(あえてxx しない、尋ねない)。
Non mi fido di がどうして<あえて xx(は) しない>のなるのか。

fidare の関連形容詞、名詞を調べてみると

fido: 名詞 credit、形容詞 faithful、trustworthy
fudcia : 名詞 trust、confidence

で dare (あえてxxする)とは関係ない。fidare、fidarsi と dare (あえてxxする、しない)の関係はどうなっているのか? 結論がでていないが sfidare に進む。


sfdare はイタリア語の<s->接頭辞の真骨頂と言えるかもしれない。単純な fidare の否定ではない。sfidare はfidare あるいはfiducia(信用、信頼)を破るような意味が感じられる。だが実際の使われ方は、辞書によると (Collins Reverso)


 sfidare
1       vt  
a      (avversario)    to challenge  
l'ho sfidato a scacchi      I challenged him to a game of chess  
sfidare qn a duello      to challenge sb to a duel  
sfidare qn a fare qc      to challenge sb to do sth
  
b      (fig)     (affrontare)    to defy, brave  
sfidare la morte      to defy death  
sfidare un pericolo      to brave a danger  
c      (fraseologia)    sfido io!      naturally!, of course!, no wonder!  
non si sente bene - sfido io, è tutto il giorno che mangia patatine      he's not feeling well - no wonder, he's been eating crisps all day 
  
2    sfidarsi             vr  
  (uso reciproco)   
to challenge each other


sfidare = to challenge

 s + fadare の sfidare がなぜまたto challenge の意になるのか?

最近の to challenge または名詞の challenge の使い方は変わりつつあり、特に新聞に政治、経済、社会面では問題(problem)、困難(difficulty)のほぼ同義語になっている。問題(problem)、困難(difficulty)の否定的な面は出さずに、前向きに対処する問題(problem)、困難(difficulty)がchallenge(挑戦)なのだ。これは別として to challenge (挑戦する)は<不利な状況、問題、困難にひるむことなく xx する>と言った意味がある。言い換える不利な状況、問題、困難を否定して(破って)く xx する>ことだ。やや飛躍するが(ここがポイント)、不利な状況、問題、困難は広く、一般い認められている場合、ある種の社会的な<通念>なりうる。さらに飛躍してこのよ<信念>fiducia(信用、信頼)になりうる。これを破るのが sfidare なのだ。

sfidare = to defy

私はほとんど to defy を使ったことないが、聞いたことはいくどかある。意味としては<xx をもものともしない(でxxする)>と言ったやや込み入った意味だ。to defy も調べてみれば to challenge に似ている。常識、期待、予想に反する結果が出るようなことをするのがあるいは常識、期待、予想にチャレンジする(を破る)にのが to defy だ。日本語でも

Aチームは最下位の予想を裏切って優勝した。

という言い方がある。この<裏切る>が sfidare に相当する。

以上で sfdare の説明はいいだろう。


sufdo io !はfraseologia

phraseology: the manner of putting words and phrases together to express oneself

であれこれ詮索せずにそのまま覚えて使うほうがよさそうだ。


sptt

No comments:

Post a Comment