Saturday, May 1, 2021

逆説と譲歩のあいまいさ -3 イタリア語 anche、日本語<も>


このポストは前回のポスト< 逆説と譲歩のあいまいさ -2 イタリア語 comunque>の続編。前回のポストの終わりの部分から始めることにする。 

 "

話は<も>にもどって

それで 順接
それでも 逆接、譲歩

で簡単、単純だが<も>の働きをよく示している。さてもう一つの発見はこの<も>がらみでこれまたイタリア語になるだが、anche だ。

 anche

      cong  
a      (pure)    also, too  
e va anche a Roma      and he's going to Rome too, and he's also going to Rome  
parla inglese e anche italiano      he speaks English and Italian too o as well  
vengo anch'io!      I'm coming too!  
sono stanchissimo! - anch'io!      I'm really tired! - me too!  
gli ho parlato ieri -- anch'io      I spoke to him yesterday -- so did I  
anche oggi non potrò venire      I won't be able to come today either  
potrebbe anche cambiare idea, ma...      he may change his mind, but ...  
avresti anche potuto avvertirmi      you could have let me know  
b      (perfino)    even  
lo saprebbe fare anche un bambino      even a child could do it  
anche se        (ipotesi)    even if,   (nonostante)    although  
anche se dovesse piovere      even if it rained  
me lo ricordo anche se avevo solo sei anni      I remember it, although I was only six  
anche volendo, non finiremmo in tempo      however much we wanted to, we wouldn't finish in time 

下の方に anche se = also if の例文がいくつかある。また anche だけで however much の意味がある。 文字通りでは anche se = also if  だが even if (仮にxxでも)、although (xxでも)の意になる。

イタリア語: anche = もまた(also, too 
 
日本語: でも、それでも逆接、譲歩 の<でも>、さらには単純に<も>

の関係はどうなっているのか?
 
"

(以上は前回のポストのコピー/ペイスト)
-----
 
日本語: でも、それでも逆接、譲歩 の<でも>、以外に<とも>、<ても>がある。これらは
基本的に熟語副助詞だ。also, too の意味では<も>、<また>、<もまた>があるが、さらにしかも>がある。
 
しかし  逆接
しかも  順接、追加
 
<しかし>の<しか>は、<然(しか)り>の<しか>で

しからば (しかあらば) 順接
しかして (そうして)  順接

と活躍する。 <しかし>は<しかしながら>の短縮形だろう。

しか+しながら

<しながら>は

せまいながらも楽しい我が家 (貧しいながらも楽しい我が家、でもいいだろう)
 
これは <も>がない
 
せまいながら楽しい我が家 (貧しいながら楽しい我が家)
 
でもいい。
 
<しながら>の<し>は<する>の連用形の<し>。<xx ながら>同時進行の<食べながら歩く>という言い方もあるが
 
どぎまぎしながら(も)なんとか答えた
四苦八苦しながら(も)完成させた(生活した)
 
で逆接、さらには譲歩の意味がある副助詞。したがって
 
しか+しながら (しかしながら)
 

 
しか<する>だが(にもかかわらず)
 

 
そうするが、そうするのではあるが ‐> そうではあるが、そうであるにもかかわらず
 
のような意味になる。
 
さて順接、追加の<しかも>の語源はなにか。いろいろ考えたが、単純に
 
しかして(そうして) 順接 + 追加の<も> -> しかしても -> しかも
 
あるいはもっと単純に

しか + 追加の<も>  -> しかも
 
こう考えると<も>の強さが目立つ。 <も>を手もとの辞書(三省堂新明解)で調べてみた。いろいろ書いてあるが、どうも的を得ていないようだ。次回のポストで検討予定。
 
sptt

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