Monday, April 26, 2021

Nevertheless はどういう意味か?

 

Nevertheless は普通<(それ)にもかかわらず>と訳されるが、文字どおり訳せば、日本語では熟語副詞みたいになるが<けっして(xx)より少なくはなく>となり、何が何だかわからない。<(xx)より少なくない>は言い換えると<(xx)より多い>となる。わかりずらいが、これは<以上>とminimum、<以下>と maximum を考えればいい。

------  上限 

      ^

下限より少くない = 以上、minimum 

         v
------  下限 

下限より少ない

<xx>は nevertheless がある文の内容に反する内容の文、句で、たいていは nevertheless がある文の前のにくる。

たとえば

We had bad weather today. Nevertheless we went out.

今日は悪天候だった。にもかかわらず外出した。

では<今日は悪天候だった>が相当。したがって<今日は悪天候だった。これより少なくなく(これより多く)(nevertheless) . . . . .>となるが、これではまだ何が何だかわからない。 この謎は次のように考えるととける。

この nevertheless や同類の in spite of、despite、notwithstanding (いずれも<にもかかわらず>と訳される)もそうだが、表面に出ている言葉の意味だけではナンセンスになる。上で述べた

nevertheless=これより少なくなく、これより多く 

は文脈からするとナンセンスなのだ。<にもかかわらず>のような言い方は文法上<譲歩>とよばれるが、よく使われる(意識していないが、おそらくもっともようく使われる)<修辞法>、修辞的な言い回しなのだ。 修辞的な言い回しは往々にして言外の(implicit)意味が活躍する。

今日は悪天候だった。にもかかわらず外出した。

の場合の言外の(implicit)意味は

今日は悪天候だった。(だから普通なら外出しない。それに反して)、(それに反して=にもかかわらず)外出した。

の下線部。<だから普通なら外出しない>は一般に考えられる、予想/想定されることで、これは頭の中にあり、言葉に出てこない。だれの頭の中かというと発話者とはかぎらず、聞き手も含まれるだろう。この言外の<だから普通なら外出しない>の予想、想定がないと<にもかかわらず>は成立しない。英語の

We had bad weather today. Nevertheless we went out.

も同じで We had bad weather today. では We did not go out. が予想、想定されて頭の中にあるが言葉には出てこない。そしてこの予想、想定に反して実際は we went out. で、これで修辞の効果がでる。そしてこの修辞のためにつかわれる言葉が nevertheless なのだ。だがこれでも<目からうろこ>ではない。 nevertheless  すなわち<(xx)より少なくない>や言い換えた<(xx)より多い>と<にもかかわらず>は一語一語の意味からも、直観的にも、理屈からも結びつかない。

nevertheless  をもう一度考えて見る。クセモノは the ではないか? the の意味、働きがよくわからないので、ごまかしだが、これを無視して

nevertheless  = けっしてより少なくなく

とした。正確には

never less  = けっしてより少なくなく

だ。この the もまた謎だ。

これまた少し考えると分けがわからない英語の言い回しに

The earlier the better。

というのがある。試験に出てきたら、教科書とか参考書にある<早ければ早いほどいい>と訳せば、多分マルがもらえるだろう。辞書で調べてみたが、この訳は80-90点ぐらい。95点ぐらいなのは<早ければ早いだけいい>。98点ぐらいなのは<早ければその早さに比例していい>。正確だが長すぎ、日本語らしくないので98点。<だけ>は別のポストで書いたときにしつこく調べたが、手もとに辞書によると<背の丈>の<丈(たけ)>由来で、大きく分けて三つの意味がある。1)2)が英語のonly に近いが、3番目に<早ければ早いだけいい>の<だけ>があり、これは明かに only ではない。3番目の解説は

3)やった(思った)事に応じて、その結果が十分なものであることを表わす。

例文

a)わざわざ行っただけのことはあった。
b)ばんばっただけあって、成果が上がった。
c)練習するだけ進歩する。 

この解説は例文のa)、b)の説明にはいいが、c)の説明として少し変で

3)やる事に応じて、比例して、その結果が出ることを表わす。

がいいし、1)2)にもあてはまる。キーワードは<応じて、比例して>だ。辞書の解説で見たことはないが、the に<応じて、比例して>の意味があるとすると、neverthe(less) は(xxxx)に応じず、比例せず ->に反して、<xxxxにもかかわらず>、となり譲歩の意味が出て来る。今度は less が問題になる。いろいろ考えてみた。これまた少しずるい方法だが演繹(えんえき)的に、譲歩の意味、すなわち予想、予期、想定、<はず>に反してということから、この less を<結果を否定する、結果を軽く見る>とするとつじつまがあう。ややこしいが、すなわち

今日は悪天候だった。にもかかわらず外出した。

を例にとると、 結果(外出した)を<否定する、軽く見る>ということ、そしてこれに<応じず、比例せず>に、となる。これを言いかると

 外出しなかった、 外出しなかった可能性が高かった  <応じず、比例せず>

          Less                                                                Never the

これをひっくり返すと、nevertheless となる。

あるいは

<外出しなかったという予想>にまったく比例せず(Neverthekess)

 となる。証明終わり。


sptt

 

 

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