逆接と譲歩は、少し調べればわかるが、似て非なるものだが区分は明確ではない。英語では
though は逆接(だが)
even though は譲歩(にもかかわらず)
となっているようだが、実際のところ大した違いはない。英語の even は曲者(くせもの)だ。英語の代表的な逆接の接続詞は but で、短くて発音も簡単なので習いたての日本人の英語では多用される。多用されると単調になるので、適当に
however
though
on the contrary
をまぜた方がいい。だが on the contrary は単純に but の置き換えにならない。
We had bad weather today. But we went out.
We had bad weather today. However we went out.
Though we had bad weather today, we went out. これは although でもよく
Although we had bad weather today, we went out.
on the contrary は具合が悪い。
but はダメだが、however と though は結果文の最後に付け足しのように言ってもよく、こうすると英語中級くらいになる。付け足しの感じだが、ある種の強調だ。わたしの英語では too が最後にくるが、聞いた限りでは多くのインド人の英語では also が付け足しのように最後にくる。
We had bad weather today. We went out though.
We had bad weather today. We went out however.
一方 on the contrary は
We had bad weather today. On the contrary we went out. (ダメ)
なぜかというと、多分対比の対象がないからだろう。
We had bad weather today. You might think we did not go out. On the contrary we went out.
これならいい。On the contrary は接続詞ではなく、(逆接の)副詞句、あるいは(逆接の)接続詞句だろう。さて譲歩の even though (にもかかわらず)だ。
Even though we had bad weather today, we went out.
は
悪天候にもかかわらず、出かけた。
と訳して、テストでマルがもらえる。普通はこのまま覚えて譲歩などは考えないだろう。なにが譲歩かということだが
悪天候だったので、出かけないことが予想されたが、出かけた。
ここに譲歩の意味(一歩譲って)を探すのは簡単ではない。むしろ単純な逆接でいいだろう。
悪天候だった。しかし出かけた。
悪天候だったが、出かけた。
<しかし>や<が>は言外に<出かけないことが予想されたが、それに反して>という内容が含まれている。これは譲歩ではなく逆接だ。繰り返しになるが
Even though we had bad weather today, we went out. は普通
悪天候にもかかわらず、出かけた。
と訳されるが、これも
言外に<出かけないことが予想されたが>があることになるが、<それに反して>ではなく<それにもかかわらず>。だが繰り返しになるが実際のところ大した違いはない。これまた似て非なる表現に
No matter how bad the weather is today, we will go out.
がるが、これは<どんな悪天候にもかかわらず、出かける。> ではなく
<どんな悪天候でも、出かける。>になる。また even if を使った
Even if we have bad weather today, we will go out. (念を押すと we will still go out. か)
たとえ悪天候になっても(なったとしても)、出かける。
も可能だが、このような No matter how や even if を使った表現は譲歩表現か? still も even と同じく曲者(くせもの)で、上の
we will still go out
の still は日本語では<それでも>、念を押して<それでもやはり>に相当する 譲歩副詞といえそう。だが still の意味は<それでも>だけではない。これまで曲者 only と even は検討したので、機会があれば譲歩表現とからめて still も検討する予定。
以上は<逆説と譲歩>の第一弾で、まだ続く予定。
(注)
調べてみたところ2016年に<譲歩文(xx にもかかわらず)>というポストを書いている。読み直してみたが、およそ同じようなことを書いている。気に掛けていたのだ。
sptt
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