Thursday, May 14, 2020

イタリア語の sentire は<to hear>、<to listen to>


(voligo) sentiirsi dire というのが出てきたので伊英ネット辞典で調べたら to hear とでてきた。<見る><見える>についてはは相当何度も繰り返し書いているが<聞く><聞こえる>は付随しておまけ程度に調べ、少し考えて書いている。英語の to hear (聞こえる)、to listen (to) (聞く)が参考になるが、 最近再勉強中のイタリア語の<聞く><聞こえる>を調べて見た。

イタリア語の sentire の原意は<感じる>だが sentire で<聞こえる>と<聞く>の意もある。
Collins Reverso Dictionary

ここでの引用は<聞こえる><聞く>関連のみ。

sentire
 (udire)    to hear  ,   (ascoltare)    to listen to
mi sentite?      can you hear me?

これはこのまま覚えて使えそう。英語は Do you hear me ? というのもよく聞く。

sento dei passi      I can hear footsteps

イタリア語を直訳すると I hear some footsteps. でこれも自然な英語だ。

mi piace sentire la musica      I like listening to music

ここで to listen to が出てきた。 to listen の<聞こうとして聞く>の意味というより、to listen to music のセットフレーズと見た方がいい。イタリア語は sentire で間に合わせている。

stare a sentire      to listen

stare = to stay

これは慣用表現。ついでに stare a 動詞原型 を見ておくと

stare a sentire      to listen  
sta' a sentire      listen a minute  
stare ad insistere      to insist  
è inutile che stai a dirmi tutte queste cose      there's no good o use telling me all this  
sta a te decidere      it's up to you to decide  これはイタリア語的表現。
stando a ciò che dice lui      according to him o to his version  
stando ai fatti, sembrerebbe che...      the facts would seem to indicate that ...  
staremo a vedere      let's wait and see   <satare a vedere(見る)>も慣用表現だ。直訳はLet's stay and then see. となる。
stiamo a vedere cosa succede      let's wait and see (what happens)  
stai a vedere che aveva ragione lei!      she would have to be right!  英語は意訳になっている。

hai sentito l'ultima?      have you heard the latest?  
senti, mi presti quel disco?      listen, will you lend me that record?  Senti !も命令。
ho sentito dire che...      I have heard that ...  <xxxxというのを聞いた。>という表現。英語では<というのを>が省かれる。sentire dire はあとで取り上げるが、基本的には<言うのを聞く>あるいは<いうのが聞こえる>だ。英語では to hear だけで済ませている。だが<to hear say>という表現はある。

stammi a sentire!      listen to me!    stare a sentire に mi (英語のme がついた形。
stammi bene a sentire!      just you listen to me!  さらに bene (よく)がついた形。
a sentir lui...      to hear him talk ...    英語でこういう表現が使われるか?
farsi sentire      to make o.s. heard   far は使役。si は再帰用法の自身の意の代名詞。o.s. はoneself  の略。ここでは heard となっているが hear でもよさそう。
fatti sentire      keep in touch  ti は再帰用法のあなた自身の意の代名詞。上の例にならうと
to make yourself heard となる。短いわりに込み入っているが、これは二人称の使役、再帰動詞の形。 Fai + ti -> Fatti. だがこれはもう少し調べる必要がある。
調べた結果: これは<君のことを聞かせてくれ>という意味のようだ。慣用表現。

non ci sente        (sordo)    he's deaf, he can't hear

ci
は<of it>に相当する代名詞。したがって to hear of it の意になる。sente は sentire の三人称単数現在形。だがこれも慣用表現だろう。

non ci sente da quell'orecchio        (fig)   he always turns a deaf ear to things like that
senti quello che ti dice l'avvocato      go and ask your lawyer for advice
intendo sentire il mio legale/il parere di un medico      I'm going to consult my lawyer/a doctor
senti cosa vuole      see what he wants  
ma senti un po'!      just fancy that!  
senti questa!      just listen to this!
si sente che è straniero      you can tell he's a foreigner

以上も慣用表現で英語訳では< senti questa!      just listen to this!>を除き hear も listen も出てこない。

per sentito dire      by hearsay    <聞くところによると>だが私は聞いたことがない。
あとで詳しく検討するが、解説の始めにあるように<聞こえる>、<聞く>に特化した動詞では
 (udire)    to hear  ,   (ascoltare)    to listen to
がある。sentire の例文の英訳でも to hear と to listen がある。命令形はどうも Listen (to) になるようだ。だが sentire の原意が<感じる>で、<感ぜよ>というのは何か変だ。日本語では<よく聞け!>で<聞く>の命令形。<聞こえる>の命令形は<きこえろ!><きこえよ!>だがまず使うことはないだろ。英語は基本的に to hear で<聞こえる>の意だがなぜか他動詞。<xxを聞く>は英語では to listen to 。to listen はなぜか自動詞で、<xxを>では前置詞の to が必要。
例文を見る限り<to hear>と<to listen to>は相半(あいなか)ばしている。<to see>やその他の訳もある。したがって<聞こうとして聞く>と<聞こえる>をはっきり分けて感じているわけではないことになる。いやむしろこれを機会に<聞こうとして聞く>と<聞こえる>の区別を見直した方がいい。

日本語、英語、イタリア語、いづれもとかくややこしい。

日本語

<聞こえる>は<xxが聞こえる>で自動詞。<聞こうとしなくても聞こえてくる>状態なので一種の自然現象。
<xxは聞こえる>とはめったに聞かない/言わない。 <xxが聞こえる>の助詞<が>は重要な働きをしている。<は>と<が>の違いはややこしいが
<が>は初回出(で)もの(こと)について述べる。一方<は>既知のもの(こと)について述べる。
という日本語の文法法則(これはひとことで<文法>だ)がある。これで説明できそうだが、たとえば

またあの音が聞こえる。

だと<が>は<既知のもの(こと)について述べる>ことになる。

またあの音は聞こえる。

は、ごく特殊な状況をべつとして、間違いといっていい。したがて<が>は<聞こえる>と強く結びついていることになる。

雨は降る降るxxx

とい歌があったが、これも効果をねらった言い方で

雨が降る
が普通。
 
 <が>は格助詞としていくつかの用法があり、そのなかに対格(xx を) の<が>というのがある。

花子はチョコレートが好きだ。
美代子は太郎が嫌(きら)いだ。 
 
の<が>は対格の<が>と言える。

またあの音が聞こえる。

の<が>はこの対格の<が>か?というとどうも具合が悪い。<花子はチョコレートxx>になっらて

わたしはまたあの音が聞こえる。

としても対格の<が>にはなりそうもない。

(xxが、xxのように)私には聞こえる、私に聞こえる - 私はxxを聞く

この用法での<私はxxを聞く>は非日本語的な言い方で、主に翻訳文か効果をねらって小説などの書き言葉ではでてくるが、日常会話ではまれだ。だが

私は音楽を聞く。
私は鳥のさえずりを聞く。

は日本語的な言い方で、間違いではない。これは英語の自動詞 to leisten に to がついた to listen to xx 相当で、<聞こうととして聞く>場合。本題はイタリア語の <to hear>、<to listen to>なので、イタリア語を見てみる。

 (udire)    to hear  ,   (ascoltare)    to listen to
ネット辞書のCollins Reverso Dictionary の udire の解説はごく簡単で訳と1例文でわずか2行で済ませている。<聞く><聞こえる>だけでも10行以上ある sentire とは対照的だ。実際にはあまり使われないのか?

udire
      vt irreg  
  (gen)    to hear  
l'abbiamo udita piangere      we heard her crying
これでは参考にならないのでCollins Reverso Contextの方から例文を コピーしておく。

Voglio udire quel canto. 

I want to hear that song.

Non sai quanto ho desiderato udire queste parole.

You've no idea how I've yearned to hear these words.

<聞きたかった>で<聞こえたかった>はナンセンスだ。だがもっと正確には<聞かせてもらいたかった>。状況はどちらかというと<聞こうとして聞く>なので、listen to these words でもよさそうだが、自分ではコントロールできない希望だからか to hear が使われている。イタリア語も udire が使われるのは同じような状況からか。< udire (to listen to) =聞こうとして聞く>のように単純ではないようだ。



Mi dispiace... ma mi è capitato di udire.
Sorry, but I happened to overhear.

<聞いてしまった>より<聞こえてしまった>がいい。 

Posso soltanto udire il trambusto intorno a me.

I can just hear the bustle around me.

trambusto, bustle はexcited activity and movement、hustle and bustle, turmoil, confusion で(おお、カラ、バカ)騒ぎ

Perciò desidera udire la tua esibizione.

So he desires to hear your performance.

ここでも<聞きたい>と願望が出てきている。またここも<聞こえたい>はナンセンス。

Voglio udire la verità da lui.

I would hear truth spilled from his mouth.

またまた<たい>だ。どうも udire は desiderare, volere (願望、たい)と相性がいいようだ。これは冒頭に紹介したsentiirsi dire にも言えること(あとで見てみる)で、なにかわけがありそう。


Allora, caro Bruto, preparati a udire.

Therefore, good Brutus, be prepared to hear.

ここは<聞こうとする>ので ascoltare でもよさそう? だが<聞こうとする>のではなく<聞こえてくる>のを待つのであれば udire か。


鳥の音(ね)が聞こえてくるのを待つ。


はあきらかに<聞こう>としている。したがって<鳥の音(ね)を聞きたい>と言うことになるが普通の日本語は<鳥の音(ね)が聞きたい>となる。この<が>は<xx(し)たい>という言い方につく。


 
この点をもう少し突っ込んで考えると


日本語の<聞きたい>は


1)聞こうとして聞きたい

2)聞こえてくる(聞こえる)のを聞きたい。こうは言わないが<聞こえたい>の意。

の区別がないといえる。<見たい>も同じ状況だ。


1)見ようとして見たい

2)見えてくる(見える)のを見たい。こうは言わないが<見えたい>の意。

これは日本語の特徴と言えるのではないか?


Sappiate solo che i Cavalieri del Ni non possono udire questa parola.

Suffice to say, it's one of the words the knights of Ni cannot hear.

<聞くことができない>と<聞こえない>は微妙に、あるいは大きく違う。<聞くことができない>は<聞かせてくれない>(不許可)の意があり、(聞こうとしても、聞きたくとも)<聞くことができない>のだ。<聞こえない>にはこの不許可の意がない。
Ho potuto udire Bennet Drake... mentre spirava.
I could hear Bennet Drake as he died.

spirare は自動詞として to expire 意外に (morire) to expire ⧫ pass away の意がある。他動詞では (vento) to blow (odore, emanare)

これはどういう意味か?

次に ascoltare を見てみる。

ascoltate 
vt(他動詞) 
(persona, musica, radio, discorso ecc)    to listen to

discorso は 講義、話

mi stai ascoltando?      are you listening to me?

この英語は聞いたことがない。イタリア語の直訳か。英語では Do you hear me ?  という簡潔な言い方がる。Do you hear me talking ? でもいい。 Do you hear my taking ? でもいいか?一方 to listen の方は Listen to me. がよく使われる。

ascoltare qn parlare/cantare      to listen to sb talk/sing

これも上に同じ。この英語は聞いたことがない。 to hear sb taking / singing が普通だ。

ascoltare qn con un orecchio solo      to half listen to sb

イタリア語の慣用表現だろう。orecchio は耳。un orecchio で<ひとつの耳>

ascoltare il consiglio di qn      to listen to o heed sb's advice
ascoltare la messa/una lezione      to attend Mass/a class
ascoltare un testimone        (Dir)   to hear a witness  

例文

Dovete ascoltare ogni parola che dice.
You've got to listen to every word she says.
Deve ascoltare quello che le dico.
You must listen to what I have to say.

よく使われるListen to me. は You must listen to me. の意だ。

 
Posso aiutare, o almeno ascoltare.
I can help, or at least listen.
Io non ripeto... quindi dovete ascoltare.
[Pats down pockets] I do not repeat, so you must listen.
Camilla... vorremmo ascoltare ancora la tua solita canzone.
Camilla, we would like to hear your songs, as we always do after lunch.

ここでは hear をつかって訳されている。 would like to との相性だろう。



Dobbiamo ascoltare il resto di quel discorso.
We need to hear the rest of that speech.

ここでも hear をつかって訳されている。これはなぜか?今度は speech との相性か?

È stato straordinario ascoltare alcuni interventi.

It is extraordinary to have listened to some of the contributions.


intervento m (
plural interventi)

これはどういう意味か?

Pertanto conviene
ascoltare chi più è stato offeso.

Therefore, we shall listen to him who has been most offended.
Dovevano ascoltare Maurice Chevalier tutto il tempo.
To have to listen to Maurice Chevalier sing so much
ascoltare はshall, dovere, nust  と相性がいいようだ。

さて今度は始めにもどって sentre を調べてみる。
もとの意味は、基本的には<感じる>だ。そして他動詞。<xxを感じる>の意。

sentire 

1       vt  
a      (percepire, gen, al tatto)    to feel

sentire freddo/caldo      to feel cold/hot
sentire dolore      to feel pain
sento un gran male qui      I've got a terrible pain here
senti quanto pesa      feel how heavy it is
non sento niente      I can't feel a thing

以上は大体<xxを感じる>でいい。<感じる>は日本語化しており、日常頻繁に使うが、もとは漢語<感>+<ずる>で漢語由来。大和言葉では<xx をおぼえる>(寒さをおぼえる)、<xx をもよおす>(吐き気をもよおす)があり、これらも<感じる>と同じく他動詞だ。だが<聞こえる>、<見える>と同じく、あるいはもっと進んで積極的に<感じようとして感じる>ケースは少ないといえ積極的には<感じようとしないで><感じる>、いいかえると<(xxが)感じられる>が格段に多い。

il caldo si fa sentire      the heat is oppressive
la sua assenza si fa sentire      his absence is noticeable
これは再帰動詞(si)+使役(fa)用法でイタリア語だけではわかりにくい。再帰動詞(si)+使役(fa)+ sentire は<自分自身に感じさせる>とでもなる。 英語にはこの用法がないので、英訳はいわば意訳だ。なぜ<自分自身に感じさせる>のようなややこしい表現をするかというと、<感じる>はだいたい<感じようとしないで><感じる>からで、そうすると誰かが(何かが)<感じさせようとしないといけない>。そしてそれが感じる人(感じさせられる人>自身に及(およ)ぶのだ。<及(およ)ぶ>は自動詞で<xxがyyに及ぶ>と使うが、意味的には他動詞<xxをおぼえる>、<xxをもよおす>とにたような作用がある。
b      (emozione 感情)    to feel  
sentire un profondo affetto per qn      to feel deep affection for sb

この逆が
non sento niente per lui      I don't feel anything for him

sentire la mancanza di qn      to miss sb

これは英語の慣用表現。

sento che succederà qualcosa      I've got a feeling that something is going to happen  
sento che mente      I can sense that he is lying  
sento che mi vuole lasciare      I can sense that he wants to leave me
sentire che xxxx は<xxxと感じる> に対応する。

dice sempre quello che sente      he always says what he feels
c      (al gusto)    to taste  ,   (all'olfatto)    to smell
senti se ti piace questa salsa      taste this sauce to see if you like it  
senti se ti piace questo profumo      smell this perfume to see if you like it  
sento odore di pesce      I can smell fish  
ho il raffreddore e non sento gli odori/i sapori      I've got a cold and I can't smell/taste anything

味を感じる - 味わう
匂い(臭い)を感じる - 嗅(か)ぐ

で日本語は細分化している。英語も to taste、to smell と細分化しているが、さらに

This tastes good.
This smells good.

例文を見る限り<to hear>と<to listen to>は相半(あいなか)ばしている。<to see>やその他の訳もある。したがって<聞こうとして聞く>と<聞こえる>をはっきり分けて感じているわけではないことになる。

sentirsi
(再帰用法)

2    sentirsi             vr  
a      (gen)    to feel  
sentirsi bene/male      to feel well/unwell o ill  
come ti senti?      how are you?, how do you feel?  
sentirsi svenire      to feel faint  
b      (essere disposto)    sentirsi di fare qc      to feel like doing sth  
non me la sento      I don't feel like it  
proprio non se la sente di continuare      he doesn't feel like carrying on  
c      (uso reciproco)    to hear from each other, be in touch  
ci sentiamo spesso        (al telefono)    we often talk on the phone  
si sono sentiti di recente      they were in touch (with each other) recently 
再帰用法はいくつかの用法がある。

a.b.
は自分にもどってくる用法。

非再帰用法も再帰用法も英語では to feel ですましているが、イタリア語では大きな違いがある。

非再帰用法(sentire は他動詞)

1       vt  
a      (percepire, gen, al tatto)    to feel

percepire = to perceive
al tatto = to touch

sentire freddo/caldo      to feel cold/hot
sentire dolore      to feel pain
sento un gran male qui      I've got a terrible pain here
senti quanto pesa      feel how heavy it is
non sento niente      I can't feel a thing

大体外界の物理的な量の<感じ、perceotion>

再帰用法

a      (gen)    to feel  
sentirsi bene/male      to feel well/unwell o ill  
come ti senti?      how are you?, how do you feel?  
sentirsi svenire      to feel faint  
大体自身を通じて(通して)の<感じ>。

b      (essere disposto)    sentirsi di fare qc      to feel like doing sth  
non me la sento      I don't feel like it  
proprio non se la sente di continuare      he doesn't feel like carrying on 

<したい>、<したくない>慣用的な言い方だ。

c.
は主語が複数で<互いに>の用法だが、例は慣用的な言い方だ。

(voligo) sentiirsi dire 

Vorrei sentire cos'ha da dire in proposito.

I should like to hear what he has to say about this.

Vorrei sentire cos'ha da dire in proposito il Presidente della Banca centrale europea.

I would like to hear the President of the European Central Bank's comments on this.

E se ti dovessi sentir dire qualcosa sui Mai in pubblico, di nuovo, ti strapperò la laringe personalmente.

And if I ever hear you bring up anything about the Mai again in public, I will personally rip out your larynx.

strappare = to tear to rip 
切れ切れにする、破いて細かくする(粉々にする)

laringe - larynx 喉(のど)

E non mi voglio sentir dire che devo andarmene in giro a trovare un'altra.
And I don't need you telling me that I should go out and find someone else.
mi
voglio sentir dire = to want to hear you (your) telling me


<君が言うのを聞く>という言い方。しかも願望<たい>。

Tuttavia, vorrei sentire cos'ha da dire in sua difesa. 
And yet, I would hear his defense.

これも願望<たい>。
La stampa deve sentire cosa ha da dire in merito la Casa Bianca...
The press needs to hear from the White House... fro



sptt

Wednesday, May 6, 2020

超高使用頻度語<あう>の分析


<あう>は超高使用頻度語で<あう>なしでは日本語の会話は進まないだろう。

1.会う

人にあう。ひどい目(め)にあう。

この<目(め>も検討にあたいする高使用頻度語だ。別途検討として話を進める。

<xxをあう>でなく<xxにあう>なので自動詞ということになる。


2.合う

2-1)

この靴は足に合わない。この色は背景の色に合わない。その言い方はこの場に合わない。

否定が多いようだが

この靴は足にぴったり合う。この色は背景の色にそこそこ合う。 ここはその場に合ったい方をすべきだ。

慣用表現では

意見が合わない
性(しょう)に合う、合わない
そりが合う、合わない
タイミングが合う、合わない
つじつまが合う、合わない
間(ま)にあう、あわない
リズムに合わせる

これも<xxに合う>なので自動詞。

太郎と花子は言い争いあう。
太郎は花子と言い争いあう。

<xxを言い争いあう>より<xxにつて、xxで言い争いあう>なのでこれも自動詞にようだ。だが<xxを言い争いあう>も間違いではないだろう。

だれが勝ったかを言い争いあう。

<1.会う>も<2.合う>も 明らかに対象があるが基本的には<を>とらない。

英語は

to see は他動詞だが to meet は to meet you, to meet with you の両方が可能。英語は日本語より自他動、他動詞兼用の動詞が多い。融通無碍なのだ。


1)<会う>と2)<合う>は、一般化すると、<つく><はなれる>の動詞二大分類で

離れているもの(こと)が近づく
離れているもの(こと)を近づける

のことといえる。

2-2)

争いあう。助けあう。せめぎあう。愛しあう。にくみあう。

争い合う。助け合う。せめぎ合う。愛し合う。にくみ合う。

と<合う>漢字をより<あう>とひらがながよさそう。もっとも言ったり、聞いたりする場合は<あう>だけだ。2-1)の<合う>と違い<互いにxxあう> なので、英語でいえば< to xxxx (動詞)each other> に相当する。これは日本語の方があるかに短くまた動詞との結びつきが強く、日本語の方がすぐれているような気がする。<互いに(each other)>はほとんど意識されていなのではないか。フランス語やイタリア語でが再帰動詞(の each other 用法)が相当する。むしろ<英語にはこれがない>ともいえる。

<xxあう>の例はそれこそいくらでもある。

愛しあう、争(あらそ)いあう、言いあう、いがみあう、打ちあう、打ちあわせる、押しあう、押しあいへしあい、落ちあう
語(かたり)あう、からみあう、切りあう、競いあう、組みあう(とっくみあう)、けなしあう、蹴りあう、殺しあう
刺しあう、さぐりあう、しのぎあう、せめぎあう、すりあわせる、せりあう、そしりあう
xx しあう、しあい。試合は<ためしあい>の場合もあるが多くは<しあい>だろろ。
助けあう、たたきあう、立ちあう、つかみあう、突(つ)きあう、突(つつ)きあう、付きあう、つきあい、つぶしあう(相撲で<ほしのつぶしあい>というにがある)、詰めあう(詰め合わせる)、出あう、取りあう
抱(だ)きあう、 出(だ)しあう、だましあう、出(で)あう、出あい
なぐさめあう、なぐりあう、(きずを)なめあう、にくみあう
はげましあう、果(はた)しあい(<-果たしあう)、話しあう、引きあう、引きあい、ふざけあう、ふれあう、ふれあい、ほめあう
見あう、見あい、みつめあう、めぐりあう、持ちあう
やりあう、寄せあう
分(わ)かちあう、わたりあう、笑いあう

あとは興味とヒマのある読者にまかせる。用例は数が多い方が分析結果が正確になる傾向がある。

少しよく見ると、以上の例のうち単に <互いに(each other、reciprocal)往復動作、思考>では説明できないものが少なくない。

落ちあう、出あう、めぐりあう

これは<会う>の意だろう。

打ちあわせる、組みあわせる、組みあわせ、詰めあう、詰めあわせ(詰めあわせる)、話しあう、持ちあう、寄(よ)せあう、

これらは

打ち合わせる、組み合わせる、組み合わせ、詰め合う、詰めあ合わせ(詰めあ合せる)、話し合う、持ちあ合う、寄(よ)せ合う、

と漢字の<合う>でも違和感はない。

三人、三つ以上の場合は<たがいに>というよりは、<(それぞれみなで)、合わせて>、<他動詞の場合は(それぞれみな)合わせて>の意になるようだ。これは<ともに、一緒に、合わせて(together)合同動作、思考>と言えよう。

立ち会う

<立ちあう>の<あう>はなにか?<その場に居あわせる>だと<あわせる>が出てくる。

付きあう、つきあい

<付く>は<xxに付く>で、上でで書いた

<つく><はなれる>の動詞二大分類で

離れているもの(こと)が近づく
離れているもの(こと)を近づける

の<付く>だ。<つく>と<あう>は相性がいい。 <相性>の意味を少しよく考えると参考になる。

<付きあう、つきあい>には原意の<離れているもの(こと)が-互いに-近づく>のもとの意が残っている。


取りあう

<取りあう>の<あう>はなにか?<取りあいになる>は<たがいに、(それぞれ)みなが取ろうとする>。<xxには取りあわない方がいい>といういいかたがある。<xxは相手にしない方がいい>という意味で<相手にする、しない>が出て来る。相手がいるのだ。

引きあう、引きあい

<たがいに引き合う、つなひき>の意味以外に <xxは引き合わない>は<xxは割に合わない>で算数が出て来る。ビジネス上の<ひきあい>はまた別の意味だ。これも相手がいる。

さらに少しよくと、上記の <互いに(each other)、reciprocal、往復動作、思考>グループでは、これだけでなく、相互作用により程度が段々強くなる、大きくなるような意味を含むものがあるものがある。たとえば

言いあう、いがみあう

では<ああ言えば、こう言う>でどんどんエスカレートしていく感じがある。

紅白歌合戦では歌を歌いあう
大声を出しあう
居酒屋で酒の飲みあいになる(いっき、いっき)

は<お互いに>に以外に、三人以上では<順番に>になる。

これらは<互いに(each other)、reciprocal、往復動作、思考>の<reciprocal、往復>性が薄い、またはないが<相(あい)対してxxする>ともいえるものがある。

<相(あい)対してxxする>は<互いに(each other)、reciprocal、往復してxxする>をふくむ意味の一般化といえる。したがって、大雑把に(一般化して)いえばこのひらがなの<あう>は<相(あい)対してxxする>の意があるといえる。これは一種の言語(日本語)表現上のアスペクト(相)といえないか。

<xx しあう>の<xx>は漢語がくるが、意外と少ない。<xx しあう>は大和言葉動詞との結びつき、一体化傾向が強い。

遠慮しあう
競争しあう
尊敬しあう

<あう>と相性の悪い動詞もある。

遊びあう (->ふざけあう)
走りあう (->競(きそ)いあう)
戦いあう(戦争しあう) (->争(あらそ)いあう)

-----
たのみあう (頼みあう)
たよりあう (頼りあう)
まかせあう
問いあう  (<問い合わせる>は別の意味になる。)

<頼む>、<頼る>などは相手はいるが一方的な言動だ。<質問しあう>ならいい。

祈りあう
考えあう
願いあう
読みあう

以上はどちらかというと個人的に独立した言動だ。<遊ぶ>もこれか?<独り言をいいあう>はナンセンスだ。だが<思いあう>、<信じあう>、はOK. 


<あう>の連用形体言(名詞)用法は<あい>だ。

複合名詞

やまとことば

あいだ (空間と時間を兼ねる)
あいこ、おあいこ
相槌、合槌(あいづち)
相手、(あいて)
愛想が尽きる

ネット辞典

三省堂 大辞林 第三版

あい そ [3]【愛想】

〔「あいそう(愛想)」の転〕
① 人に対する応対の仕方。好感をもたれる言葉遣い・表情・態度など。 「 -がいい」 「 -のない人」
② 人を喜ばせるための言葉や振る舞い。 「 -を言う」
③ 相手に抱いている好意。 「 -が尽きる」
④ 特別な心遣い・もてなし・心付けなど。 「何の-もございませんで…」
⑤ 飲食店などの勘定・勘定書。 〔② ④ ⑤ は「おあいそ」の形が多い〕


この愛想は本来<相想>、さらには<あい(相)相(そう)>ではないか?<愛>の字や<想>の字は上記の意味に<合わない>。基本的には<相手、何かに合わせる>意がある。

a)時間の<あい>

あいだ

<このあいだ>はなぜ<このあいだ>の意味にるのか(なったのか)?

合い間(あいま)
頃合い(ころあい)
間にあう

b)状態、程度の<あい>

重箱よみ

度合(どあい)
具合(ぐあい) (具は北京語ではju だが広東語では<コイ(gui)>と発音するので漢語由来だろう)

ふところ具合
からだの具合

やまとことば

場合(ばあい)
意味あい
色合い - 色の具合
肌合い (肌ざあり) - 触れたときの感じ具合
間(ま)合い  - 間(あいだ)、間隔の具合

<間(ま)合い>は一次元の範囲(距離)をあらわしている。<場合(ばあい)>は二、三次元、あるいは時間の範囲あらわしている。だが<時と場合による>という言い方があるので、この場合は<場合>は時を含まないということになう。度合、具合は次元を離れたスカラーの範囲。そして肝心なのは<範囲>といのは点ではなく、幅、奥行き、高さ(縦、横、上下の幅)があることだ。これは箱、容器にたとえられる。

<xxの場合>は英語では

in case of (that) が相当するが<xxを箱に入れて>が原意で、<三次元の場に入れること>だ。

<場合>さらには接辞の<あい>は範囲のある箱、容器にたとえられるが、このこれらの範囲は厳しく限定された、固定されたものではなく、不確定部分、未限定部分、変更余地のあるかなりいい加減、融通のきく範囲であることだ。意味がとりずらい<場合(ばあい)>、<意味あい>、<色合い>はこう考えるといいだろう。




sptt

Friday, May 1, 2020

<くり広げる>、<展開する>は他動詞、自動詞?


<くり広げる>は他動詞、自動詞?という問いに対し答えは100%がた他動詞とでてくるだろう。だがよく調べ、考えてみると99%ぐらいになる。

例文を作ってみると

1)あの当時思いがけない出来事が続々と <くり広げられた>。
2)あの戦争ではアジア各地で戦闘が<くり広げられた>。
3)太郎と花子の間(あいだ)では始終(しじゅう)いがみ合いが<くり広げられる>。

他動詞の受け身が多い。ネット辞典では<熱戦がくり広げられる>という例が多い。これからすると<くり広げる>は<戦い>、<いさかい>と相性がいいようだ。

他動詞の能動形を使ってみる。

1-T)時節は思いがけない出来事を続々と <くり広げた>。
2-T)あの戦争ではアジア各地で戦闘を<くり広げた>。
3-T)太郎と花子は始終(しじゅう)いがみ合いを<くり広げる>。

例が少ないが、それぞれ違いがある。

1)は

あの当時は思いがけない出来事を続々と <くり広げた>。

でもまったくダメというわけではない。この場合主語が表にでてこないが<世の中>といえる。

1-T)時節は思いがけない出来事を続々と <くり広げた>。

とした。翻訳調だがわるくない。

あの当時東京では思いがけない出来事が続々と <くり広げられた>。

と場所がでてくると

あの当時東京は思いがけない出来事を続々と <くり広げた>。

でおかしくない。だがべつに<東京が出来事をおこす>わけではないので、<くり広げた>は<自動詞的>といえないか。

2)あの戦争ではアジア各地で戦闘を<くり広げた>。隠れた主語は<我々><日本>などが考えられるが、あえて、あるいはむしろ無意識に表にださない。聞く人、読む人は容易に、あるいあむしろ無意識に察しがつく。

これも主語(動作ぬし)がないが、おかしくない。むしろ<あの戦争ではアジア各地で戦闘が<くり広げられた>が翻訳調に聞こえる。

3-T)太郎と花子は始終(しじゅう)いがみ合いを<くり広げる>。

は<太郎と花子>は主語(動作ぬし)といえるが、日本語文法では<は>をとるので<主題>で

太郎と花子といえば、始終(しじゅう)いがみ合いを<くり広げる>。

で主語がなくなる。これは隠れた主語がなさそうで、動作ぬしは<太郎と花子>だ。

ここでもう一度最初の他動詞受け身の例を見てみると

1)あの当時思いがけない出来事が続々と <くり広げられた>。
2)あの戦争ではアジア各地で戦闘が<くり広げられた>。
3)太郎と花子の間(あいだ)では始終(しじゅう)いがみ合いが<くり広げられる>。

でなにか翻訳調っぽい。あるい報告調っぽい。これは逆に<他動詞の受け身形>を使っているためだろう。したがって<くり広げる>は本来他動詞、能動態で使われるのだ。

<くり広げる>の自動詞形は<くり広がる>だが、これはなぜかほとんど使われない。(注1) <広がる>が自動詞としてよく使われるのにどうしたことか?これは<くり>があるのが関係ありそうなので、動詞<くる>を調べてみる。

<くる>は漢字で書くと<繰る>だが、<くる>は<来る>と<刳る>もある。<繰る>は <刳る>と同じアクセントで、<来る>はアクセントが違い、超頻繁使用動詞だ。

<繰る>自体は<xxを繰る>で他動詞用法。<xxが繰る>は聞かない。<xxが、は繰られる>という受け身も聞かない。<繰る>は<を>をとり、動作の対象がある他動詞性が強い。

他動詞性が強い<繰る>と自動詞の<広がる>は結びつきにくいのか。

<くり広げる>のもとの意味としては

ひとつづつ、少しづつ、段階的に何かを<繰って>(ある種の動作)<広げる(増やす、伸ばす)>ことだ。結果として<広がる(増える、伸びる)>が動作、動作ぬしの方に目がいくのか?

上記の例では

1-T)時節は思いがけない事件を続々と <くり広げた>。
2-T)あの戦争ではアジア各地で戦闘を<くり広げた>。

は自動詞に近い。だが<を>をとる自動詞は飛躍か。

<繰る>のほかの複合動詞をチェックすると

繰り返す - 高頻度使用。<くり広げる>と同じく<xxを繰り返す>で他動詞が主。<xxが繰り返す>ではなく<xxが繰り返される>となる。冒頭の例文を入れ替えると、

1)あの当時思いがけない出来事が続々と <繰り返された>。
2)あの戦争ではアジア各地で戦闘が<繰り返された>。
3)太郎と花子の間(あいだ)では始終(しじゅう)いがみ合いが<繰り返された>。

1)は<思いがけない出来事>と<繰り返す>は相性がわるい。<あの当時同じよな出来事が続々と <繰り返された>ならいい。2)3)はよさそう。だが<繰り返す>は当然だが<広がり>がない。

繰り上げる (繰り上がる)
繰り下げる (繰り下がる)
繰り入れる
繰り出す - <繰り入れる>の反対語ではない。発話者の居場所により<繰り出して行く>、<繰り出して来る>となる。<繰り出て行く>、<繰り出て来る>とあまり聞かない。他動詞性が強い<繰る>の影響か。
繰り越す
繰り延べる - <延べる>は<広げる>の意があるが、<繰り延べる>は<くり広げる>の意にならない。

繰り上げ、繰り下げ、繰り越し、繰り延べは会計、算数用語で、中立性がある。 <繰り下げる>は本来の<繰る>の意から離れている。(注2)

その他関連語では

手(た)繰(ぐ)る、たぐり寄せる
さぐる -<さがす>と<繰る>の合成語か?
まさぐる
くくる
めくる(ページをめくる)。
やり繰る(やり繰り)

繰り言(ごと)

くるくる
ぐるぐる

<くり広げる>の英語はいくつかあるが to develop が一番よさそう。 to develop は<発展する>、<発展させる>より意味が広い。

Any development ?  は<何か進展は?>の意味だ。

漢語では<展開>があるが、現代中国語ではほとんど聞いたことがない。ネット英‐漢辞典では

Development: 成長, 発育; 発展, 進展, 動態, 開始, 開発,研制(研磨制成), 建築物, 開発的房地産。了解更多。

とある。<くり広げる>に近いのは進展だが、<くり広げる>に<進歩>の意味はない。なお、中国語の二語動詞(複合動詞)は名詞にもなる。また語形変化がないので自/他動詞の区別もない。動詞/名詞の区別、自/他動詞の区別は内容、語順が決める、超融通無碍(ゆうずうむげ)な言語だが、参考になる。

<展開>を使うと<展開する> になるが、

あの当時思いがけない出来事が続々と<展開した>。
あの当時思いがけない出来事を続々と<展開した>。

あの戦争ではアジア各地で戦闘が<展開した>。
あの戦争ではアジア各地で戦闘を<展開した>。

太郎と花子の間(あいだ)では始終(しじゅう)いがみ合いが<展開した>。
太郎と花子の間(あいだ)では始終いがみ合いを<展開した>。 -> これはダメだが

太郎と花子は始終いがみ合いを<展開した>。ならOKだ。

と<展開する>は融通無碍な自他兼用動詞となる。

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(注1)自動詞<くり広がる>の例文をつくってみた。

この地域は古代から稲作がくり広がった。(ー> この地域は古代から稲作がくり広げられた。)
この地域は当時なぞの疫病がくり広がった。(ダメ)(ー> この地域は当時なぞの疫病が広がった。)
夏の甲子園では連日高校生球児の熱戦がくり広がった。(->くり広げられた。) 
この新しいビジネスでは様々な思惑とアイデアの戦いが次々とくり広がった。(->くり広げられた。)
 この小説の中で主人公の苦悩の跡がくり広がった。 (文学的表現ではよさそう。)

本来の小説(novel)は予期せぬ出来事の展開(<繰り広げ>ではなく<繰り広がり>)がないともしろくない。<繰り広がり>は自動詞<繰り広がる>の名詞(体言)形だがおかしくない。どうしたことか?

まったくダメということもない。

(注2)このブログは フーリエ展開、 フーリエ級数(あるいは フーリエ級数展開)というややこしい数学を理解しようとして奮闘している合間に書いた。フーリエ級数の内容は大体ある式があってその中の k あるいは n を1、2、3、4 . . . . で入れ替え(同じようなことを繰り返し)て出てくる結果を足し合わせて出てくる結果なのだが、これを(級数)展開と言っており、この<展開>のやまとことばを探そうとした結果だ。

この場合

フーリエ級数を<くり広げる>。 - OK
フーリエ級数で<くり広げる>。 - OK。だが自動詞ではなく、<xxを>が抜けている、省略されていると考える。OK
フーリエ級数が<くり広げられる>。 可能受け身としてOK

フーリエ級数を<展開する>。   - OK。 他動詞
フーリエ級数を<展開させる>。 - OK。 他動詞。
太郎にフーリエ級数を<展開させる>。 なら使役。
フーリエ級数が<展開する>。  自発は考えにくい。
フーリエ級数が<展開できる>。 可能表現
フーリエ級数が<展開される>。 これは何か?自発か? 太郎によってフーリエ級数が<展開される>なら受け身だ。

フーリエ級数のようにいろいろややこしい。
 

  sptt

Wednesday, March 11, 2020

波がたつ、波をうつ


前回の」ポスト<時間の方向>で波の現象に関連して時間表現の後(うしろ)と前(まえ)の話をしたが、今回は波関連の日本語表現をチェックしてみる。

波がたつ

<波がたつ>は<波が立つ>でいいだろう。これは波、特に水面上の波をよく観察した表現だ。水面上の波は前後、左右に進んでるようにみえる(こともある)がよく見ると水面がその場で上下運動しているだけなので<波が立つ>でいい。上下運動を強調すると<波が立ったりすわったり>になるか?もっと一般的には

波がおこる
波が出る

波がなくなる、消える
波がおさまる、静(しず)まる

は問題ない。波を風で置き換えられるので波も風も同じような自然現象ととらえていたのだろう。


波が寄せる
波が寄せて来る

という言い方はあるが

波が寄せて行く

は変だ。波は動いて行く、進んで行くように見えるが上記のように<よく見ると水面がその場で上下運動しているだけなので>

波が動いて行く、
波が進んで行く

というのもあまり聞かない。

<流れる>はまったくダメで

波が流れる
波が流れて来る
波が流れて行く

したがって波は<流れる>ものではないのだ。

波は間違いなく動いているが、<波が流れる>と同じく

波が動く

は聞かない。

 
波をうつ

<波をうつ >は<波を打つ>ではしっくりこない。 <波がうつ >ではなく文法違反のような<波をうつ >で

水面が波をうつ 。
表面が波をうつ。

という言い方なので<波をうつ >で<波のような状態をしている >という意味になる。

水面が波うつ 。
表面が波うつ。

も自然な表現だ。

波打ち際(ぎわ)

という言い方があるが、これは<波が打ちつける、寄せて来る際(きわ)、端 (はし)、ところ>で<波うつ>とは違う。

ほかの<xxをうつ>表現をさがしてみると

脈をうつ(脈うつ)
あいづちをうつ - あいづちは相槌か。<鎚(つち)を打つ> も少し変で<xxを鎚で打つ>が実情に合っている。したがって<あいづち>は波、脈のような反復運動と見た言い方だ。


波にのる - これは波に乗って前に進むような感じがある。これは比喩的に使われる。

波に逆(さか)らう - これは押し寄せてくる波に逆らう。または波の上下運動に逆らう。これも多くは比喩的に使われる。

波風(なみかぜ)をたてる - 風が吹いて波が立つ、が実情でこれを比喩的に<風を吹かして波を立てる>の意か。あるいは<波や風をたてる>の意か。だが<風をたてる>はほとんど聞かないが<風立ちぬ>という詩だか小説がある。


波がゆれる

<波にゆられて>、<波が船をゆらす>はいいが<波がゆれる>は変だ。細かいことを言うと波がゆれないと<波にゆられて>や<波が船をゆらす>は不可能なはずだ。これは<波は自動的に動く、自動詞>にならないということか?だが<波をゆらす>もダメだ。なんだかかなりこんがらかってきた。 振動表現では<振れる、振らす、振るわす、震える、震わす>があるが波には使われないいうだ、


sptt