Friday, March 21, 2014

ドイツ語の接頭辞(prefix) - 4 <durch->


久しぶりのドイツ語の接頭辞(prefix)のポストで、今回は第4弾durch->。相良大独和辞典の<durch->の解説の概要は次の通り。

分離前綴でdurch- の解説は他の接頭辞の解説と同じく漢語の羅列で、

動作の貫徹、終結、徹底、完行、突破、打開、損傷、を意味する。

となっている。

一方不分離前 durch-の 解説は日本語(大和言葉)が少し加わって、

充満、透徹、歴遊、そこつな行動、時間浪費を、意味する。他動詞。

となっている。 不分離前 durch-の 解説の方が意味ありげだ。

まずは英語との比較になるが、durch は英語の through がほぼ相当しそうだが、これは主に分離前綴の場合で不分離前綴の場合は thorough(ly)、though out が相当する場合が多い。ただしこれは全般的にいえることで、個々にあったてみると、分離前綴と不分離前綴がこの意味の違いで明確に分かれているわけではない。このこと(分離前綴と不分離前綴で明確に分かれているわけではない。このこと分離前綴だけのdurch- 動詞、 分離前綴だけのdurch- 動詞だけにいえることではなく、分離前綴と 分離前綴の両方があるdurch- 動詞にもいえるで、言ってみればかなりメチャクチャだ。だがそれだけ人間がいろいろな条件のもとに長い時間かけてしゃべってきた結果があらわれているとも言える。また相良独日大辞典の見出し語はかなり多く、実態はよくわからないがおそらく例外は使用頻度が少ない語が多いだろう。おもしろいことに不分離前 durch- の場合はほぼ例外なく他動詞になり、これは文法法則といえる。

このドイツ語の接頭辞(prefix)シリーズのポストは接頭辞のあるドイツ語動詞の解説というよりは日本語探索が主で、このポストもこれに沿った内容になる。かなり古くなってしまっているが超大作の相良独日大辞典を読んでいくといろいろ発見がある。

相良独日大辞典の接頭辞<durch->がつく動詞の見出し語はなんと400以上もある。実際に使われるのはこんなに多くはないだろう。まして日常よく使われる語はさらに限られるだろう。ちなみにCollins のGerman-English and nglish-German 簡易辞典では約60に過ぎない。

前々回、前回のポストで<ぬく>、<ぬける>について考えてきたので、この辞典のdurch- 動詞の解説のなかで、やたら<通る>の使用が多く、<ぬく>、<ぬける>が少ないように思う。

また不分離前 durch- が他動詞となるため、日本語訳はやっかいだ。他動詞にこだわると変な日本語になってしまう。。


durchdauern (不分離): 凌(しの)ぐ、耐え通す (-->耐えぬく
durchdrängeln (不分離): 押して通る、押し分けて進む (押しのけて進む(行く)
durchdulden (不分離): 耐え通す (-->耐えぬく


 durch には基本的な意味として貫徹-貫(つらぬく)く-の意がある。これは具体的、物理的狭い場所、または両端はあいているがそのほかは閉ざされた空間を一方の端(はし)から他方の端まで移動すること、あるいは空間ではなく実体のあるモノを力を加えて壊してさらに進む、といった意を内包(to imply)している。日本語でも移動するモノが主語の場合は英語と同じく自動詞し扱いだ。だが、これらの移動動詞は自動詞だが<を>をとるので話がややこしくなる。

わが道を行く
遠い道のりを来る
道を歩く
運動場を走りまわる
トンネルを通る
峠(とうげ)を越す
橋を渡る
川を横切る
---

接頭辞durch のある動詞の辞書訳では自動詞の場合<通る>、<過ぎる>が多く使われいる。<ぬける>もけっこう多い。程度の差こそあれ<通る>、<過ぎる>、<ぬける>にはdurch の意が内包されてい。特に<通る>と<ぬける>がそうで<通りぬける>は<durch><durch>になってしまうが、<durch>色が強く出る。これに他の動詞を加えると日本語らしくなる。<ぬける>は<抜ける>と<貫ける>で漢字を見ると<感じ>が違うが、大和言葉では<ぬける>だけで、ある意味で多義語と言える。

通りぬけて行く - 通りぬけて来る
通りぬけて進む - 通りぬけて退く
通りぬけて上がる、上(のぼ)る - 通りぬけて下がる、下(くだ)る
通りぬけて落ちて行く - 通りぬけて落ちて来る
通りぬけて入る、入って行く、入って来る- 通りぬけて出る、出て行く、出て来る

歩いて通りぬける
かけ足で通りぬける
車で(車に乗って)通りぬける
泳いで通りぬける
這(は)って通りぬける

<通る>、<過ぎる>、<ぬける>と相性の悪い動詞がある。代表は<飛ぶ>、<跳ぶ>だ。大和言葉では<飛ぶ>と<跳ぶ>の区別がない。


飛び通る、飛び過ぎる、飛びぬける
跳び通る、び過ぎる、びぬける

以上は<飛び通る>、<跳び通る>とはまず言わない。

相良大辞典では

durchfkiegen - 飛んでぬける、飛んで過ぎる

となっている。
<飛んで(びながら)通る>、<跳んで(びながら)通る>という機会はほぼないだろう。<飛び過ぎる>、<飛びぬける>、<跳び過ぎる>、<跳びぬける>はこの元来の意味の使い方はまれで別の意味になうる。

相性について言えば、 <と(飛、跳)ぶ>以外にも<通る>、<過ぎる>、<ぬける>と相性の悪い動詞がある。

導いて通る(durchführen)
滑って通る(durchgleiten)
泳いで通る(durchswimmen)

<と(飛、跳)ぶ>が<通る>、<過ぎる>、<ぬける>と相性が悪いのは<束縛のない広い空間を動く>という内容が<通る>、<過ぎる>、<ぬける>にそぐわないのだ。また障害物を<打ち破って>、<突き破って>て前に進むの意<durch>とも相性が悪い。<矢が的を飛び通る(過ぎる、ぬける>はダメで<矢が的を射抜く>となる。

意味内容にもよるが、

導いて通る(durchführen)は<導いて行く>
滑って通る(durchgleiten)は<滑って行く>
泳いで通る(durchswimmen) <泳いでいく>、<泳いで渡る>

の方が自然な日本語だ。


他動詞との組み合わせであは

押して(押し分けて)通りぬける
破って(打ち破って)通りぬける

以上は少し長くなるが自然な日本語(大和言葉)で描写にすぐれている-<durch>の感じが出る。

一方他動詞の方は<通す>だけでは<durch>感がやや弱く、<通しぬく>があるが語呂から言うと<抜き通す>がいいようだ。

反対に<通る>、<通す>、<過ぎる>、<ぬける>と相性がいいためか<すき間>、<穴>という名詞(体言)がこの大辞典では繰り返し出てくる。


<通る>はこれに対応する他動詞に<通す>がある。
<過ぎる>はこれに対応する他動詞に<過ごす>があるが、移動動詞として使われた場合は<過ぎる>の単純な他動詞化ではない。

峠(とうげ)、ピーク、を過ぎる。--> 峠(とうげ)、ピーク、を過ごす。(ダメ)
トンネルを過ぎる。 ---> トンネルを過ごす。(ダメ)
5時を過ぎる。 ---> 五時を過ごす。これもダメだが、<(五)時間を過ごす>とは言う。 

<越える>は<越す>はと言うのがあるが、 どちらも<を>をとる自動詞だ。

峠(とうげ)、ピーク、を越える。 峠(とうげ)、ピーク、を越す。
予想を越(超)える人出(ひとで)。 予想を越(超)す人出(ひとで)。

いずれにしても不分離前 durch- の動詞か基本的に他動詞となるのは翻訳者にとってはやっかいな文法ルールだ。

不分離前 durch-の 解説:充満、透徹、歴遊、そこつな行動、時間浪費、について

充満、透徹、歴遊、時間浪費を大和言葉で言いかえてみよう。ただし上に述べたように不分離前 durch- の場合はほぼ例外なく他動詞になるが、これを自動詞の意味に変えるには sich を使った再帰動詞化または受身形化しないといけない。その点日本語の方が、母音変化で他動詞、自動詞がペアになっていることが多い。

充満: 満たす - 満ちる

透徹: します - しみる 
(<しみる>はコンピュータワープロでは漢字の当て字が多い。染みる、滲みる、沁みる、浸みる、凍みる、沁みる、とあるが、基本的な意味は同じだ)

歴遊: 他動詞として<xx を歩き回わす>は変な日本語だ。 - 歩き回る   この場合<歩く>は足で歩くだけとは限らない。  xx(し)まわす-->   xx(し)まわる

時間浪費: むなしくxxする (他動詞)

最後の<時間浪費>は浪費の解釈にもよるが、用例は多くない。<無駄なことをして(しながら)-過ごす>の訳になる用例が主だ。嘆きくらす(durchjammern - 嘆きながら過ごす-->嘆きくらす。durchspielen - 遊んで過ごす-->遊んでくらす。

<そこつな行動>に相当する不分離前 durch- が探したりないせいかこの大辞典のなかの例はごく少ない。

durchblättern: ざっとページをめくる、ざっと目を通す (Blatt は葉、ページの意)

があるが、<そこつな(そそっかしい、軽薄な)行動>と言うほどのことはない。

<(目的もなく)歩きまわる、探し回る>ようなことが<そこつな行動>に相当するのか?
 
分離前綴でdurch- の意味のうちの貫徹、徹底、不分離前綴でdurch- の意味のうちの充満、透徹はやや似たところがある。英語でいえば thoroughly、though out。この意味の日本語(大和言葉)の表現は以外と多い。

1)副詞

すべて
みな
すべてみな
まったく (<まったく xx ない)でよく使われるが、<まったくだ>と言いう。まっすぐ、まっ白、 まっ黒、まっ赤、がある)
あまねく (大和言葉らしいひびきだが、少し古くさい)
したたか(に) (これもやや少し古くさい)

いたるところ(に)
いつまでも
どこまでも
xx までも (<xx>は話題にしている対象のモノすべてのうちの最低のモノ)

2)副詞句では

すみずみまで
すみからすみまで
あくまで 
あますところなく 
くまなく
ぬかりなく 
のこすところなく
満偏なく (マンベンは漢語だが<なし>が加わって日本語化している。<満なく(コンピュータワープロ>)はまちがいで<満なく>だろう。<満ちて偏りない>の意だ。)
念いりに

3)複合動詞(辞書によっては、接尾辞的用法)では

xx きる - 使いきる、xx になりきる、料理が冷(さ)めきっている、売りきる、買いきる、取りきる、言い切る、食べきる、飲みきる、読みきる

xx いる - 恐れいる、恥じいる、寝いる、、痛みいる、見いる

xx わたる - 行きわたる、(風が)吹きわたる、鳴りわたる、響きわたる、冴(さ)えわたる、晴れわたる、澄みわたる

接尾辞的用法の<わたる>はおもしろい。

行きわたる<-> 滞(とどこ)りわたる(ダメ) -->滞りきる、滞りきっている
(風が)吹きわたる<-> (風が)凪(な)ぎわたる(ダメ) -->(風が)ぎきる(あまり聞かないが間違いではない)、(風が)凪ぎきっている
鳴りわたる、響きわたる <-> 静まりわたる(ほぼダメ) -->静まりかえる
冴(さ)えわたる <-> 鈍(にぶ)りわたる(ダメ) --> 鈍りきる
晴れわたる <-> 曇(くも)りわたる(ほぼダメ) --> 曇りきる(あまり聞かないが間違いではない)
澄みわたる <-> 濁(にご)りわたる(ダメ) --> 濁りきる

xx かえる - 静まりかえる、あきれかえる、 しょげかえる

以上は擬態語<すっかり>と相性がいいのが多い。
 
<わたる>は元来自動詞で(<川を渡る>は<を>をとるので他動詞にみえるが、これは<道を歩く>と同じで、<を>をとる移動詞とみなせる)、他動詞は< わたす>だが、この意味(thorough, throughout)ではつかわれず、<xx わたらす>、<xx わたらせる>になる。

行きわたる -> 行きわたらす、行きわたらす、行きわたす(ダメ)
(風が)吹きわたる(durchwehen)-> (風を)吹きわたらす、吹きわたらせる、吹きわたす(ダメ)
鳴りわたる -> 鳴りわたらす、鳴りわたらす、鳴りわたす(ダメ)

これと対照的なのは<つくす>、<つきる>だ。

<つくす>は上記の<きる>と一部重なるところがある。

使いつくす、売りつくす、買いつくす、取りつくす、言いつくす、食べつくす、飲みつくす、読みつくす 

 <一部重なるところ>といったのは全(まったく)く置き換えるわけにはいかないのだ。<きる>と<つくす>の違いは何か?いづれも他動詞だ。意味の違いはわかりにくい。二つをペアにして並べてみよう。

使いきる
使いつくす

売りきる
売りつくす

買いきる
買いつくす

取りきる
取りつくす

言い切る
言いつくす

食べきる
食べつくす

飲みきる
飲みつくす

読みきる
読みつくす

ただ並べただけでは違いがわかりにくい。想像力を相当働かせる必要がある。例をあげてみる。

使いきる  - 有り金を使いきる(OK)、夜空の星を数えきる(少し変)
使いつくす  - 有り金を使いつくす(ダメ)、夜空の星を数を数えつくす(OK)

売りきる - 店にある品をすべて売りきる(OK)、何でもかんでもすべて売りきる(少し変)
売りつくす  - 店にある品をすべて売りつくす(少し変)、何でもかんでもすべて売りつくす(OK)

買いきる - 店にある品をすべて買いきる(OK)、何でもかんでもすべて買いきる(少し変)
買いつくす  - 店にある品をすべて買いつくす(少し変)、何でもかんでもすべて買いつくす(OK)

取りきる  - この池には取りきれないほど魚がいる(OK)、この池の魚であれば何でもかんでも全部取りきる(ダメ)
取りつくす - この池には取りつくせないいほど魚がいる(少し変)、この池の魚であれば何でもかんでも全部取りつくす(OK)

食べきる   - 食卓に出されたものをすべて食べきる(OK)、食卓に出されたものは何でもかんでもすっかり食べきられた(少し変)
食べつくす  - 食卓に出されたものをすべて食べつくす(少し変)、食卓に出されたものは何でもかんでもすっかり食べつくされた(OK)

飲みきる - この大ジョッキのビールは飲みきれない(OK)、半年後には蔵の酒はみな飲みきられていた(少し変)
飲みつくす - この大ジョッキのビールは飲みつくせない(少し変)、半年後には蔵の酒はみな飲みつくされていた(OK)

読みきる - この本を読みきる(OK)、世界の有名な長編小説をすべて読みきる(少し変)
読みつくす  - この本を読つくす(ダメ)、世界の有名な長編小説をすべて読みつくす(OK)

言いきる - 失敗の原因はいろいろあってこれだと言いきれない(OK)、失敗のさまざまな原因は言い切れない(ダメ)、
言いつくす - 失敗の原因はいろいろあってこれだと言いつくせない(ダメ)、失敗のさまざまな原因は言いつくせない(OK)

表面上出てこないが(implied、内包されている)両者の違いは、<定>と<不定>の違いにある。
<xx きる>は対象が特定または<定>、一方<xx つくす>の対象は基本的に不特定または<不特定>なのだ。

また他動詞<つくす>に対応する自動詞に<つきる>があり。<xx つくす>で<すっかり xx する>の意があるが、<xx つきる>は意味が違う。<すっかり xx する>の意の<xx つくす>の自動詞的な意味は受身形になる。

言いつくす (他動詞形) - 言いつきる (自動詞形) - 言いつくされる (<つくす>の受身形)

<言いつくす>(他動詞形)と<言いつきる>(自動詞形)は意味の違いがあるが、気がつきにくいが文法上の大きな問題を含んでいる。

言いつくす - すっかり言う。言えることはすべて言ってしまって、もう言うことはない。
言いつきる - すっかり言う。言えることはすべて言ってしまって、もう言うことはない。
 
これでは同じ意味になる。もう少し踏み込んで考えてみる。

<言いつくすことが(は)できない>と言ういい方があるが
<言いつきることが(は)できない>とは言えないない。

一方<言いつきることが(は)ない>とは言えるが
<言いつくすことが(は)ない>とは言えないない。

だがこれ内容というよりは<言いつくす>が他動詞形と<言いつきる>が自動詞形にということに関連するようだ。だがそうだろうか?

新聞一部の中にで取り上げられている記事の内容(すべて)<言いつくす>ことはできない。
世界の中の貧しい国々の状況(すべて)<言いつくす>ことはできない。

これはいい。

新聞一部の中にで取り上げられている記事の内容(すべて)<言いつき>ている。
世界の中の貧しい国々の状況(すべて)<言いつき>ている。

これは少しおかしい。

対象は不特定または不定とみなせる。<言いつきる>は不定と相性がよくないのだ。

<つくす>の受身形をつかって

新聞一部の中にで取り上げられている記事の内容(すべて)<言いつくされて>いる。
世界の中の貧しい国の状況(すべて)<言いつくされて>ている。

はおかしくない。

この辺はこの意味でのドイツ語の不分離前durch- がほとんど他動詞にであるのと似ていて文法的におもしいところだ。

この意の複合動詞はまだ続きます。

<たつ>(自動詞形)、<たてる>(他動詞形)

煮えたつ
沸(わ)きたつ
たぎりたつ
燃えたつ

以上は意味で共通のところがあり、あるところが一面に一斉(いっせい)に何かがおこることをあらわしている。これは他動詞形<たてる>で言い換えがきかず、<たつ>の使役形ともいうべき<たたす>になる。

煮えたてる
沸(わ)きたてる
たぎりたてる
燃えたてる

煮えたたす
沸(わ)きたたす
たぎりたたす
燃えたたす

一方<<たてる>(他動詞形)も似たような意味がある。

暴(あば)きたてる
言いたてる (これはいくつかちがった意味がある)
書きたてる
取りたてる (これはいくつかちがった意味がある)
はやしたてる
まくしたてる
わめきたてる

以上も意味で共通のところがあり、一斉(いっせい)に何かを徹底して(あますところなく) することをあらわしている。これは反対に自動詞形<たつ>で言い換えがきかず、<たてる>の受身形ともいうべき<たてられる>になる。

暴(あば)きたつ
言いたつ
書きたつ
取りたつ
はやしたつ
まくしたつ
わめきたつ

暴(あば)きたてられる
言いたてられる
書きたてられる
取りたてられる
はやしたてられる
まくしたてられる
わめきたてられる

複合動詞(辞書によっては、接尾辞的)用法は日本語の特徴の一つで、英語やドイツ語では<動詞+副詞>や<動詞+前置詞>に相当する場合が多い。動詞を二つ、または二つ以上続けて使うのは短い音節の動詞が多い、日本語(主に2-3音節)や中国語(主に一音節)の得意とするところだ。

4)接尾語では

私が使用している国語辞典では<接尾語>で分類されているが、次の語も不分離のほうの durch の意味のうちの充満をよく表している大和言葉がある。日本語では接頭語ではなく接尾語なのがおもしろい。

<だらけ>

穴だらけにする(これは相良辞典にある、他動詞 durchlöchern)(なる)
ごみだらけにする(なる)
借金だらけにする(なる)
血だらけににする(なる)
つぎはぎだらけにする(なる)
どろだらけにする(なる)
ほこりだらけにする(なる)
---
うそだらけの報告
キズだらけの青春
失敗だらけの人生
にきび(しわ)だらけの顔
まちがいだらけの答案

<だらけ>はよくないモノ、コトだけにつくようで、

幸せだらけの青春
成功だらけの人生
正解だらけの答案

とは言わない。では何と言うのかというと、

しあわせに満ちた青春、しあわせいっぱいの青春
成功に満ちた人生 、成功いっぱいの人生
正解に満ちた答案、正解いっぱいの答案

とでも言えるが、<に満ちた>、<いっぱい>は接尾語ではない。 <づくめ>というのがある。上で取り上げた<つくす>、<つきる>の関連語だろうが、接尾語とみなせる。

しあわせづくめの青春
成功づくめの人生
正解づくめの答案

と言えそうだがイマイチ。<だらけ>にはおよばない。

さてこの<だらけ>はもう少し durch と関連がある。

<だらけ>は<だけ>由来だろう。<だらけ>と<だけ>は明らかに意味に関連がある。上記の<だらし>を<だけ>で置き換えるてみる。

だけにする(なる)
ごみだけにする(なる)
借金だけにする(なる)
だけににする(なる)
つぎはぎだけにする(なる)
どろだけにする(なる)
ほこりだけけにする(なる)
---
うそだけの報告
キズだだけの青春
失敗だけの人生
にきびだけけの顔
まちがいだけの答案

となる。 意味はどう変わっているか?<だけ>は only の意味に近い。<だらけ>も only の意味があるが、どこか違う。どこが違うのか?ところで日本語には<xx ばかり>という接尾語も only の意味があり、おまけに<ばかり>で置き換えるてみる。

ばかりにする(なる)
ごみばかりにする(なる)
借金ばかりにする(なる)
ばかりにする(なる)
つぎはぎばかりにする(なる)
どろばかりにする(なる)
ほこりばかりにする(なる)
---
うそばかりの報告
キズばかりの青春
失敗ばかりの人生
にきび(しわ)ばかりの顔
まちがいばかりの答案

 しっくりしない表現もあるがまったくダメというわけではない。<だけ>と<ばかり>は前にあるごはよくないモノ、コトだが<だらけ>にくらべ意味的には中立で<だらけ>ほど悪い意味は伝わってこない。これは見えやすいが、見えにくい区別がある。

 以上の<だらけ>、<だけ>、<ばかり>は英語にするとすべて only になってしまいそうだ。<だけ>、<ばかり>を辞書で調べると<限定>という語を使った説明が目立つ。言い換えれば<定>だ。<限り>とか<限りに>という言い方 only の意味があるが、文字通り限定、すなわち<定>だ。一方<ばかり>には<限定>の字がないので<不定>だ。少なくとも<限定>、<定>ではないのだ。

漢語での説明が多くなってしまうが durch には分離前綴で貫徹、徹底、突破の意があり、これらはどちらかというと集中、そして<定>の感じだ。だが不分離前綴の充満、歴遊、そこつな行動、時間浪費は散漫、分散そして<不定>な感じだ。

分離前綴での透徹((しみさす、しみぬけさすの意)、はある特定の狭い場所(穴、すき間)であれば集中、広い範囲にわたって(一面)であれば散漫、分散になる。

したがって、durch は分離前綴の場合は<定>関連の表現が多く、不分離前綴の場合は<不定>の意味の表現が多い、といくことになる。

しかし冒頭で述べたように、相良独日大辞典の表面上の意味(解説)を見る限り分離前綴と分離前で意味が明確に区分されているわけではなく、いわばメチャクチャともいえるのが実情だ。いいかえると、durch は<定><不定>が両立しているが、大まかに言えば、分離前綴の場合は集中で<定>の感じ、分離前綴の場合は散漫、分散で<不定>の感じ、ということになる。

ところで、<だらしがない>という言い方があるが、これは説明がつかない。<だらし>はよくないモノ、コトにつく。それを<ない>で否定しては<だらしがない>の意味にならないのだ。手もとの辞書によると<だらし>は<しだら>を並べ換えたもの、となっているがそこに<しだら>の説明はなく、また<しだら>の見出し語もない。言語上に見られる<二重否定の単純否定>とうややこしいのがあるが、これとの連想で<だらし>のよくないモノ、コト、という否定的意味にひかれて<だらしない>は二重否定になる。ただしこの場合の二重否定は肯定で、<だらし>(よくないモノ、コト、という否定的意味)があることになる。


5)擬態語では

がっぽり
しっかり
じっくり
すっかり
ずっと
ざっくり(えぐる)
どっぷり(つかる)

がある。

sptt











Sunday, March 16, 2014

ぬく、ぬける - 2


前回のポスト<ぬく、ぬける>の第二弾。

 <ぬく>、<ぬける>はともかくおもしろい動詞だ。ひと通りの分析は<すりぬけて>しまう動詞なのだ。まず例をみてみよう。前回もとりあげたが、 <ぬく>、<ぬける>は慣用用法が多い。それだけ純日本語(大和言葉)といえる。まず例をみてみよう(前回分を少し修正、追加)。

1. 慣用用法

垢ぬけた
息ぬき
いちぬけた。
気がぬけない
腰がぬける、腰をぬかす、腰ぬけ
尻ぬけ
底ぬけ 
力がぬける
筒ぬけ
手をぬく (手ぬき工事)
ぬけ穴
抜き差しならぬ
ぬけ目ない
ぬけぬけと
ぬけ道
ババぬき(トランプゲーム)
骨ぬき
まぬけ(<間抜け>は当て字だろう)
目ぬき通り
もぬけの殻(から)
ぬけ殻

複合動詞でももとの意味を残しながらも慣用的言い方がある。

言いぬける
勝ちぬける - 勝ちぬき
切りぬける  
出しぬく
ぬき打ち (この意味の<ぬき打つ>という動詞はほとんど使わない。<打ちぬき>、<打ち抜く>は使うが、意味が違う)
ぬけ駆け (これも<ぬけ駆ける>という動詞はほとんど使わない、<駆けぬける>は使う)
ぬけ出す
見ぬく ( これはいい大和言葉で、英語の insight に近い)

----
2. いくつかの異なった意味

 <ぬく>、<ぬける>のおもしろいところは関連なさそうないくつかの異なった意味があることだ。客観性を高める意味で違いを英語の観点から見てみる。

1) <to pull>、<to pull (out)>; <go off>、<to come off>の意味

漢字では普通<抜 く>、<抜ける>と書くが、これは英語で言えば他動詞<抜く>は to pull (out) の意で、自動詞<抜ける>は to go off, to come off が相当。to be pulled out は受身形で自動詞あるいは自発ともいえる<抜ける>の意にならない。

他動詞<ぬく>

 to pull だけでも<抜く>の意はあるが、<手もとにグイと引く>というような感じだ。<グイがない><手もとに引く>だけだと to draw とか to drag になる。

釘(くぎ)を抜く
白髪(しらが)を抜く
とげを抜く
歯を抜く
ナイフを鞘(さや)から抜く。

以上の例をよく考えると、定位置にあるモノを<引き出す>という意味が共通している。英語では to pull out だ。<抜き出す>という複合があるが、上記の例でこれが使えるのは<ナイフを鞘(さや)から抜き出す>だけ、他は少しおかしい。

釘(くぎ)を抜き出す
白髪(しらが)を抜き出す
毛を抜き出す
とげを抜き出す
歯を抜き出す

は少しおかしい。

<抜き出す>には少し慣用がかった意味があるのだ。

上記の例から共通する意味を抜き出す
完成品の中から特に出来のいいのを抜き出す。(<抜き取る>でもいい)

英語でいえば to choose、 to select、 to pick out (to pick up ではない。この意味の<ピックアップ>は和製英語なので注意)が相当する。したがって<ぬく>にすでに<出す(out)>意味があることになる。

日本では to pull out の<ぬく>と to choose、 to select、 to pick out の<ぬく>は言葉(発音)上の違いはなく、漢字でも<抜く>の<抜>ですましている。抜群とか選抜という漢語(漢字語)(現代中国語にはないようだ)があるので中国語の<抜>にも choose、 to select、 to pick out の意味があるようだ。

抜き取る(抜き取り) - <抜いて取る>という本来の意味もある。
抜き出す
えり抜く(えり抜き)、より抜く(より抜き) - えり(より)抜きの美女たち
書き抜く
引き抜く(引き抜き)

自動詞 <ぬける>

<抜ける>は自動詞だが、日本語では自発の意で使われ、英語の to pull (out) の受身形 to be pulled (out) は受身形 の意にならない。<抜ける>は英語では go off、to come off が相当。

釘が抜ける
髪が抜ける
歯が抜ける

次の例はどうか。

花子の成績はクラスの中でズバ抜けている。
美代子の美貌は会社の中で抜け出てている。
次郎の数学の才能は飛びぬけている。

choose、 to select、 to pick out の意味の<抜く>の受身形(be chosen、be selected、be picked out)にともいえるが、英語で言えば to stand out、to excel のほうに近い。

2)<to take>、<to take out (away)>、<to extracted>、<to exclude>; <to be taken>; <to be taken out (away)>、<to be extracted>、 <to be excluded>、<to go off,>、<to come off>、< to be missed / missing>; without の意味

他動詞<ぬく>

あく(灰汁)をぬく
気をぬく
力をぬく
飛車角をぬく
朝飯(あさめし)をぬく
タイヤの空気をぬく
A君ぬきで(A君をぬいて)

慣用的な言い方では、最初に取り上げた

手を抜く (手抜き工事)
ババぬき(トランプゲーム)
骨ぬき

がこのグループだ。

以上は日本語で言えば<取り去る>、<除く(のぞく)>、<取り除く>の意に近い。<取り去る>、<除く(のぞく)>、<取り除く>前に選択の作業がある場合があるが、選択の過程はあまり重視されいない。

飛車角ぬきで
朝飯(あさめし)ぬきで
A君ぬきで

は英語の without であらわせる。

 自動詞 <ぬける>

 太郎が一番先にA組から抜けた。

 慣用的な言い方では、最初に取り上げた

垢抜けた
いちぬけた。
気がぬけない
腰がぬける、腰ぬけ
尻ぬけ
底ぬけ
力がぬける
まぬけ
もぬけの殻(から)(<も>は辞書によると<裳>の意)
ぬけ殻

この文には主語がぬけている。
次郎はどこかぬけている。

英語で言えば、 <to be taken out (away)>、<to be extracted>、<to be excluded>ので受身形が相当し、自発の意は薄い。

また状態を示す場合は英語では to be missed (過去分詞の形容詞的用法)/ missing (現分詞の形容詞的用法)の意に相当する。

この文には主語がぬけている。
次郎はどこかぬけている。

ここで文法上重要なことは<ぬけている>が単に<ない>の意ではないことだ。 <ぬけている>には<あるべきモノ>が<ない>という意味がある。文法上といったのは<あるべきモノ>は<ぬけている>では明言されて(explicit)おらず <ぬけている>の中に内包されている(implicit、implied)ということだ。

この文には主語がない。
次郎はどこかが(なにかが)ない。

 <ない>と<ぬけている>の違いはあきらかだ。

 <あるべきモノ>が<ない>の意では<もれている>がある。

 この文(に、で)は主語がもれている。
次郎はどこかが(なにかが)もれている。

とも言える。しかしあまりこうは言わない。<ぬけている>、<もれている>はどちらも動詞を使っているが、状態をあらわしている。<ぬける>、<もれる>を比較してみよう。

秘密がぬける。 (秘密がぬけている、は可能だがこうはあまり言わない)
秘密がもれる。 (秘密がもれている)

XX だといううわさがぬけてくる(いく)。 (可能だがこうはあまり言わない)
XX だといううわさがもれてくる(いく)。

風船の中の空気が一気にぬける。
風船の中の空気が一気にもれる。 (かなりおかしい)

すき間から有毒ガスがぬける。 (すき間から有毒ガスがぬけている、はややおかしい)
すき間から有毒ガスがもれる。  (すき間から有毒ガスがもれている)

木の葉の間から日(の光)がぬけてくる。 (あまりこうは言わない)
木の葉の間から日(の光)がもれてくる。 - こ(木)もれ日(これは発音、ko-mo-re-bi、 も意味もいかにも大和言葉らしいいい言葉だ)

<ぬける>、<もれる>の違いはなにか?

a )時間的には<ぬける>は瞬間的、あるいは短時間のできごと、作用をあらあすのに対し<もれる>は継続的、あるいは比較的長時間のできごと、作用をあらわす。

b )場所的には<ぬける>はかなり限られた、狭い場所でののできごと、作用を表すのに対し<もれる>は<ぬける>よりも広がりがある場所でのできごと、作用をあらわす。

c )微妙だが<ぬける>はできごと、作用に目が向いているのに対し<もれる>は<ぬける>より<もれ>たあとの状態にも目が向いている。

 さて話は<ぬけている>の内包された(implicit、implied)意味の話にもどる。他の例では中国語の<未>がある。

未到 - まだ来て、着いて、(到着して)いない。
未完 - まだ終わっていない。

この場合日本語は一種のかかり言葉で<まだ ...... ない>の構造だが、中国語では<未>の一語だ。この<>一語のなかに<まだ xxx  ない>、<すでに xxx ているべきことがまだ xxx てない>の意がある。<未>のなかにこれだけの意味が内包されている(implicit、implied)ということだ。

英語の to miss も<あるべきモノ>が<ない>の意味がある。ところで英語の to miss は自動詞と他動詞の両刀使い。
 
自動詞

この文には主語がぬけている。- A subject is missing in this sentence. 状況によっては The subject is missing. とも言える。

次郎はどこかぬけい。 - Something is missing in Taro. これはごく一般的な言い方で、状況によっては他の言い方もある。

他動詞

Hanako has missed many chances to get married.
I miss you. - 言うまでもないが、<これはあなたがいなくて残念だ>の意。これも<あるべきモノ>が<ない>の意味がかくれている。

自動詞(受身)の<ぬける>の方も without を使って

主語ぬけ文 - A sentence without a subject
太郎ぬけのA組み - Class A without Taro

と言える。

3)through (ドイツでは durch という語がある)の意味

三番目に取り上げるが、これは重要度を示す順序ではない。探ししたりないのかはじめに取り上げた慣用語の中ではこの意味はすくない(切りぬける)。言い換えればもとの意味を強く残していることになる。

他動詞<ぬく>

<ぬく>単独での意味に相当する英語は to get through、 to go though だろうが、日本語では複合動詞が多い。これは日本語の一つの特徴でで、英語で<動詞+前置詞>での表現を<動詞+動詞(まれにさらに+動詞)>で表現するのだ。

打ちぬく -  英語で言えば今はやりの to break through だ。ただし<打ち抜く>には別の意味があり、打ちぬく= to break through ではない。
刺しぬく - to pierce (through)
突きぬく  - これも to break through だ。

 to go though の逐語訳の<行きぬく>は聞かない。

to break through  は中国語では<突破>で表現されている。文字通りでは<突き破る>だ。<突く>自体に through の意があるようだ。日本語では少し長くなるが念入りに<突き破りぬく>はどうか。

生きぬく
考えぬく
探しぬく
知りぬく
耐えぬく 
戦いぬく
守りぬく
やりぬく
読みぬく

以上も最後までXXするで、 through の意があるが、英語では必ず through  を使うというわけではない。またこれらは through からさらに out の意が加わっている場合がある。

生きぬく - to live out (ただしあまり聞いたことがない)
勝ちぬく - to win through  (ただしあまり聞いたことがない)
考えぬく  - to think through でもいいが、to think thoroughly
探しぬく  - to search through、to search thoroughly
知りぬく - to (become to) know thoroughly
耐えぬく   - to go through、to endure
戦いぬく - to fight through
やりぬく - to carry out, to work out

 through と thorough(ly) は同類だろう。

<つらぬく>は漢字で書くと<貫く>になってしまうが through の<ぬく>だ。<つら>は<連(つら)なる> の<つら>だろう。

 自動詞<ぬける>

壁(困難)を突きぬけてついに成功した。 to break through
 トンネルをぬけると雪国だった。    - to go (pass) through
この道を通りぬけて行けば早く着く。   - to go (pass) through

切りぬける - to go through これは慣用的な言い方だ。(<切りぬく>は別の意味なる)
通るぬける - to go through 、to pass though
門をくぐりぬける
 
風が吹きぬける - to blow through
くるまが通りぬける - to go through 、to pass through
くるまで通りぬける - to go through 、to pass through

 through は前置詞、副詞だが、<通(とお)す>、<通(とお)る>、<通(とお)して>、<通(つう)じる>、<通(つす)じて>の意味がある。<通る>はかなり一般化した意味で

通りぬける
通り過ぎる
通り越す

と言える。<通る>と<ぬける>の違いは<通る>が一般化した意味であるのに対して<ぬける>は狭いところ、囲まれたところを<通る>意味を内包(to imply)していることだ。

(狭い)すきまを<ぬけて>行く
(狭い)穴から<ぬけ>出てくる
(狭い)網の目から<ぬけ>落ちる
トンネル(囲まれたところ)を<ぬけて>行く
門(囲まれたところ)をくぐり<ぬける>


4)<ぬいた>、<ぬけた>あとの状態に注意がいく場合。

これは前回のポストでも取り上げたが、気づきにくいが内包的な(implied)意味の上から独立させることが出来る。すでにいくつか取り上げてある。

押しぬく - あまり使わないが、<押しぬき工程>というのがあるだろう。
切りぬく (<切りぬける>は別の意味)
染めぬく
打ちぬく

以上は<ぬく>という作業よりは<ぬい>た後(跡)のほうに目が向いている。抜け殻(がら)はまた別だ。


5)その他

以下は1)-4)の中に組み込むこができそうだが、 とりあえずその他とした。

a ) to pass (over)

太郎は次郎を途中で追いぬいた。 太郎は次郎を途中でぬき去った。

抜群の<群をぬく>の<ぬく>とは関連ありそう。

to pass  は<過ぎる>の意味だが、英語では自動詞、他動詞の両方があり、意味がやや違う。日本語も<XXがすぎる>で自動詞、<XXを過ぎる>は<を>をとるにで他動詞のように見えるが移動関連の動詞は<を>を取る、<を>が取れる自動詞ともみなせる。

道を歩く
のを駆(か)けめぐる
橋を渡(わた)る

上記の例は<ぬく>を<過ぎる>で置きかえられない。

太郎は次郎を途中で追い過ぎた。 太郎は次郎を途中で過ぎ去った。

似通った意味の動詞に<越(こ)す> がある。

太郎は次郎を途中で追い越した。 - OK
太郎は次郎を途中で越し去った。 - ダメ

 <ぬく>、<過ぎる>、<越す>は似通った意味だが微妙に違う。

トンネルをぬけると雪国だたった。
トンネルを過ぎると雪国だたった。
トンネルを越すと雪国だたった。 - これはダメ。
トンネルを通ると雪国だたった。


b )away

すり抜ける - to slip away

c )tricky、cunning  な<ぬく>、<ぬける>

言いぬける - <すり抜ける>と同類だ。

ぬき打ち - 大げさに言えば正義(大和言葉で言えば<すじ>)に反する行為
ぬけ駆(が)け - 上に同じ

抜けあな 
ぬけ出す (<ぬけ出る>は意味が違う>
ぬけ道

以上三つは<ぬける>と<にげる>が重なっているようでもある。


ぬけぬけと - これは tricky、cunning な意はなく shameless だ

----

<ぬかす>という他動詞もあるが<す>から使役のように見えるが<ぬく>とかさなるところがある。<ぬかす>の使役形は<抜かさす>だ。<抜かさす>の受身形は<抜かされる>。この辺はかなり入りくんでいる。

A君を抜かして話を進めよう。-A君を抜いて話を進めよう。
B君はC君に抜かされた。 -  B君はC君に抜かれた。

B君はC君に(わざと)抜かさせた。
A君はB君に(わざと)C君に抜かされるようにと頼んだ。

<バカをぬかすな>という言い方があるが、関連がなくはない。


sptt

Thursday, March 13, 2014

ぬく、ぬける


かなり前のポストで<つく>(突く、着く、付く )について書いた。<着く>、<付く>の反義語について考えてみる。

 <着く>、<付く>の反義語というとまず<離れる>が思いうかぶが、<離れる>はかなり一般化された意味を持つ動詞で、特化された<離れる> がけっこうある。以前に別の場所で書いたので引用する。<Tsuku (つく) and Hanereru (はなれる)> http://spttejd.blogspot.hk/2012/11/blog-post.html

"
つく(着く, tsu-ku) - to arrive. Intransitive verb.
The opposite meaning verb is usually  さる(去る, sa-ru) meaning <to leave>.  はなれる(離れる, hana-re-ru)and わかれる(分かれる, wa-ka-re-ru) can be used but mean more like <to depart>. These are are all intransitive verbs.

つく(付く, tsu-ku) - to attach. Intransitive verb.
The opposite meaning verbs are
1) はなれる(離れる, ha-na-re-ru)meaning <to be taken off (automatically)>, <to be parted>. Intransitive verb. The transitive verb is はなす<ha-na-su>.

2) とれる(取れる, to-re-ru)meaning in general. Intransitive verb. The transitive verb is とる .

3) ぬげる(脱げる、nu-ge-ru)meaning <to be taken off (automatically)> (usually clothes). Intransitive verb. The transitive verb is ぬぐ<nu-gu>.

4) はずれる(外れる, hazu-re-ru)meaning <to be taken off (automatically)>, <to be broken off (automatically)>, <to come off>. Intransitive verb. The transitive verb is はずす <ha-zu-su>.

5) はがれる(剥がれる, ha-ga-re-ru) meaning <to be peeled off (automatically)>. Intransitive verb. The transitive verb is はがす<ha-ga-su>.

6) ぬける(抜ける, nu-ke-ru ) meaning <to be pulled out (automatically)>, ><to come off>.  Intransitive verb. The transitive verb is ぬく<nu-ku>.

Furthermore, and a lot more. No Chinese characters are shown even thought usually used.

1) Diverting from the target - ha-na-su (はなす)(to part, to split) , ha-na-re-ru (はなれる) (to depart), so-re-ru (それる), so-ru (そる)(to bend))、ha-zu-re-ru (はずれる), ta-ga-u (たがう)(to fail to hit).

2) Making something to divert form the target - so-ra-su (そらす), sa-ke-ru (さける), no-ga-re-ru (のがれる).

3) Coming off from the attached thing - nu-ke-ru (ぬける), nu-ge-ru (ぬげる), to-re-ru (とれる), o-chi-ru (おちる), ha-zu-re-ru (はずれる), ha-ge-ru (はげる), ha-ga-re-ru (はがれる).

4) Making something attached come off - nu-gu (ぬぐ)(, to-ru (とる), o-to-su (おとす), ha-zu-su (はずす), ha-gu (はぐ), ha-ga-su (はがす) , so-gu (そぐ)、mo-gu (もぐ), so-ru (そる), ka-ru (かる), no-zo-ku (のぞく), nu-gu-u (ぬぐう), ha-ku (はく), ha-ra-u (はらう), no-ke-ru (のける).

Please note that no-ga-re-ru (のがれる), nu-ke-ru (ぬける), nu-gu (ぬぐ),  nu-gu-u (ぬぐう), no-ke-ru (のける) are regarded as phonetically the same group. nu-ke-ru (ぬける) is an intransitive verb (to come off from the attached thing) and the transitive verb is nu-ku (ぬく), which is one of the important verbs and has eventually versatile meanings.

nu-ku (ぬく)- to pull out, to take off (away), to pass over, go through, to omit.

Also ha-na-su (はなす), ha-na-re-ru (はなれる), ha-zu-su (はずす), ha-zu-re-ru (はずれる), ha-gu (はぐ), ha-ga-su (はがす), ha-ga-re-ru (はがれる), ha-ge-ru (はげる), ha-ku (はく), ha-ra-u (はらう) are regarded as phonetically one group.

"

--引用終わり

nu-ku (ぬく), nu-ke-ru (ぬける) おもしろい動詞で、

漢字では普通<抜 く>、<抜ける>と書くが、これは英語で言えば他動詞<抜く>は to pull (out) の意で、自動詞<抜ける>は to go off, to come off が相当。to be pulled out は受身形で自動詞あるいは自発ともいえる<抜ける>の意にならない。<ぬく>、<ぬける>は to pull (out) 以外の意味がけっこうあり、また慣用的な言い方も多くかなりの大和言葉だ。

息ぬき
勝ちぬき
気がぬけない
腰をぬかす、腰がぬける
尻ぬけ
出しぬく
力がぬける
筒ぬけ
手を抜く (手抜き工事)
抜き差しならぬ
ぬけ駆け
ぬけ目ない
ぬけぬけと
ババぬき(トランプゲーム)
まぬけ(<間抜け>は当て字だろう)
見ぬく ( これはいい大和言葉で、英語の insight に近い)
目ぬき通り
もぬけの殻(から)、ぬけ殻


<抜 く>、<抜ける>は他動詞、自動詞の違い以外に意味上の違いが加わって、かなり複雑。

<ぬく>

<抜く>の意があるもの

釘を抜く
白髪(しらが)を抜く
ナイフを鞘(さや)から抜く。
手を抜く (手抜き工事) 

複合動詞

優秀な太郎をA組から引き抜いた。
完成品の中から特に出来のいいのを抜き取る


抜き取る
抜き出す

えり抜き、より抜き
書き抜く
引き抜く
出し抜く (慣用表現)
見抜く

<抜く>の意がうすいもの

生きぬく
考えぬく
やりぬく
読みぬく

打ちぬく (銃で打ちぬく、型で打ちぬく)
切りぬく
染めぬく

<ぬける>

<抜ける>の意があるもの

釘が抜ける
髪が抜ける
太郎が一番先にA組から抜けた。
花子の成績はクラスの中でズバ抜けている

<群を抜く>(漢字では抜群というのがある)という表現があるが、<抜く>は他動詞になる。だが<手を抜く>の<抜く>とは意味が違う。

複合語

美代子の美貌は会社の中で抜け出ててい。
次郎の数学の才能は飛び抜けている。 

<抜ける>の意がうすいもの

トンネルをぬけると雪国だった。 (<トンネルを>と<を>を使うので他動詞のようだだが<を>をとる移動の自動詞ともいえる)
この文には主語がぬけている。
気のぬけたビール
次郎はどこかぬけいる。
力がぬける、力をぬく
腰をぬかす、腰がぬける(経験がないとどういうことだかわかりにくい)


複合動詞


壁(困難)を突きぬけてついに成功した。
この道を通りぬけて行けば早く着く。 
太郎は次郎を途中で追いぬいた。 太郎は次郎を途中でぬき去った。

言いぬける
駆けぬける、走りぬける (<歩きぬける>という言い方はないようだ)
くぐりぬける
すりぬける
吹きぬける

またいくつかは英語でいえば to miss, missed / missing (形容詞)の意がある。

この文には主語がぬけている。
次郎はどこかぬけいる。
手抜き、ババぬき、まぬけ、もぬけ(の殻)

以上は、英語では with - without の対比があるが、without 相当する。


ま た、<ぬぐ(脱ぐ)>、<ぬげる(脱げる)>は同じ仲間だ。さらには<にげる>、<のがす>、<のがれる>も関連ありそう。またさらに、気がつきにくいが<のこす>、<のこる>も関連ありそう。

たとえば

打ちぬく
切りぬく (<切りぬける>は別の意味)
染めぬく

は<ぬく>という作業よりは<ぬい>た後(跡)のほうに目が向いている。

ぬ く、ぬける、ぬぐ、ぬげる、にげる、(さらには、のがれる, のける)(nuk(u,e)- nug(u,e)-, nige-, noga-, noke-)には何か共通した意味がありそうだ。大まかにいえば(大和言葉の探索ではではこれが肝心)、<何かから離す、離れ る>の意がある。 through の意味合いにしても<なにかを通りぬける>とは時間はかかるが<何かから離れる>ことだ。

さらに、気がつきにくいが<のこす>、<のこる>(noko-)も関連ありそう。


一方<離れる>,<離す>の方も、<はずす>、<はずれる>、<はぐ>、<はがす>、<はがれる>、<はげる> 、<はく(掃く、吐く)>、<はらう>、<はなつ(放つ)>の仲間(haha-, hazu- hag(u,a,e), haku, hara-, hana-)がある。



sptt


Sunday, February 23, 2014

<が>と<は>、a (an) と the - 不定と定


英語では不定と定の区別は名詞の前につける冠詞で区別する。

a (an) -不定
the -定

ただし a (an) は単数の場合で、複数の場合に名詞は the なしの複数形になる。また any も不定を示すが、不定度は a (an) よりも高い。英語になれないうちは a (an)、the が抜けてしまうが、これだといっている内容は不定度がたかまり、なにを言っているのかはわかるが、たよりない(定でないのだ)。

この区別は100%明確ではなく、 a (an) でも the でもいい場合があるが微妙に違う。

一方日本語では a (an)、the の翻訳<ある>、<その>でも不定と定の区別は表せるが、これは借りもので、<が>と<は>の助詞の区別で不定と定の区別を表しており、これはほとんど無意識に行われている。これは英語が母国語の人がa (an) の the を無意識に使い分けているのと同じである。

簡単なテストだが よく使う下記の例考えてみれば、<が>と<は>に区別があるのがよくわかる。

1)金がある。金がない。

2)金はある。金はない。

1)が一般的(不定)な金でるのに対して2)<XXのための>といった特定(定)の金だ。

また、 <金ある(ない)が、、、>とはいえるが<金ある(ない)が、、、>はダメではないが用途が限られる。

<金あるが>旅行でもしようか?
<金ないが> どうする?

後半疑問になっているが疑問は不定だ。

金がある(ない)のを発見して、

i )おお、金がある(ぞ)。
ii )おお、金がない(ぞ)。

i )は不定でいいが、 ii )は(例の)金がない(ぞ)、で不定ではなく定だ。これはどう説明したらいいのか。これは発見という内容がからんでいるようだ。発見は新たな事実をみることで既知のことではない。既知はおおかた定だが、新たな事実は不定だ。発見後の新たな事実は定になる。

なくなった金いくらだ?

<いくらだ?>は疑問で不定だが<なくなった金>は定だ。


sptt






Friday, January 24, 2014

感覚動詞-2)聴覚、臭覚、味覚、触覚 日本語、英語、ロシア語

感覚動詞の第二弾-聴覚、臭覚、味覚、触覚

 聞こえる(自動詞) - 聞く(他動詞)

XXが聞こえる
XXを聞く

<見える>と同じくこれも使用頻度は日常では<聞こえる>がはるかに多い。

3)臭覚

におう(匂う、臭う)、かお(香)る(自動詞) - 嗅ぐ(他動詞)

XXがにおう、XXがかお(香)る
XXをかぐ(ただし、普通はXXのにおいをかぐ、XXの香りをかぐ)

<におう>が悪臭用、<かおる>が芳香(ほうが)用とは限らない。<におう>が一般的で、日常の使用頻度も多い。

4)味覚

(xxの)味がする(自動詞用法)- 味わう (他動詞)

<味がする>は一つの動詞ではない。

5)触覚

触れる(自動詞)- 触れる (他動詞)

XXがYYに触れる(小枝が顔に触れる)
XXにYYを触れる(作品に手を触れないでください)

おもしろいことだが、 <触れる>は自動詞、他動詞の二刀使いだ。


 2.英語、ロシア語


to hear

English -->Russian

hear  

  ( heard    pt, pp  )
      vt   слышать (услышать    perf  )  ,   (lecture, concert)    слушать    (impf)  ,   (LAW, case)   слушать (    impf  )  
to hear about      слышать (услышать    perf  ) о    +prp     
did you hear about the move?      Вы слышали о переезде?   
なぜか<hear about>となっている
to hear from sb      слышать (услышать    perf  ) от кого-н    
hear の目的語がない。
I can't hear you      Вас не слышно  
I've never heard of that book      я никогда не слышал об этой книге  <hear of >だと hear は自動詞になる。
I wouldn't hear of it!      я и слышать об этом не хочу!  


to listen

English -->Russian

listen

      vi  
to listen (to sb/sth)      слушать    (impf)   (кого-н/что-н)  
to listen to sb or sb's advice      слушать (послушать    perf  ) кого-н  
I'm listening out for him      я прислушиваюсь, не идёт ли он  <
I'm listening out for himは可能か?
listen!      послушайте! 




слышать

, -у,-ишь  
      несов неперех   to hear  
      перех     ( услышать    perf  )
to hear  

слышать $ о $      (impf), +prp  
to hear about  

и слышать об этом не хочу      I won't hear of it  
он плохо слышит      he's hard of hearing  
   слышаться  
      несов возв   to be heard



слушать

, -ю  
      несов перех     (музыку, речь)    to listen to,   (ЮР)   to hear  ,   (курс лекций)    to attend   ( послушать    perf  )   (совет)    to listen to   ( выслушать    perf  )   (сердце, лёгкие)    to listen to
слушайте!      разг   listen!  
   слушаться  
      несов возв     ( послушаться    perf  )
слушаться $      +gen  
to obey  
,   (совета)    to follow
слушаюсь!      yes, sir!
----

最後は日本語でも<先生(親)の言うことを聞く>という言い方がある。



sptt

Thursday, January 23, 2014

感覚動詞-1)視覚、<見る>、<見える>、日本語、英語、ロシア語


だいぶ前のポスト<自動詞、他動詞-6 日本語の他動詞、自動詞の作られ方>の中で感覚動詞、五感動詞に簡単に述べた。末尾参照。けっこう複雑なので再度検討してみる。、まずは視覚の<見る>、<見える>について。


見える(自動詞) - 見る(他動詞)

XXが見える
XXを見る

日本人だと気づきにくいが、<見える>と<見る>は発音はかなり似ている。また使用頻度は日常では<見える>がはるかに多い。

英語はどうか?

<見える>に相当する英語は自動詞 to seem が考えられるが、同じではない。to be seen が<見える>に近い。他動詞 to see の受身形だ。また自動詞、他動詞の区別をしなければ to see が<見える>に相当する場合が多い。

あそこに教会が見える。

The church seems over there. - これは間違い。
The church is seen over there. - これは間違いではないがやや客観的、第三者的な感じがする。文法的には、主語は The church で to see の受身形が使われている。
I see the church over there. - 英語ではこれがが普通だろう。<あそこに教会が見える>が相当する日本語だ。<私はあそこに教会が見える>とすると可能の意味を含んでくる。変な日本語だが<私にはあそこに教会が見える>としてもほぼ同じだ。
<I see the church over there.>と発話するとき<私はあそこに教会を見る>とか<私はあそこに教会を見ている>という意識は薄く、あるのは<あそこに教会が見える>の潜在意識だ。<私はあそこ教会を見る>とか<私はあそこ教会を見ている>とも違う。

英語では to see 以外に to look があるが、これは日本語の<見る>に近い。ややこしいのは to see は他動詞だが to look は自動詞で前置詞 at (場合によっては into など)が必要。自他が日本語と逆になる。また<見れども見えず>は<Looking at it but cannot see it>で、英語では動詞が違い、したがって意味に差が出る。日本語の方も<見れ><見え>で似かよってはいるが、<見れども>の<見れ>は他動詞<見る>の仮定形、<見えず>の<見え>は自動詞<見える>の未然形。<見れども見られない、見れない、(見ることができない)>でもよさそうだが、<見れども見えず>だ。<見えず>は<見ることができない>の意味にはなる。


Taro is looking at the church over there. 太郎あそこの教会を見ている。

(注)the church は a church でもいいが意味は違ってくる。

<XXのように見える>という言い方があるが、英語では

to seem XX (or like XX)
to look XX (or like XX)

The building over there seems (looks) like the church. あそこのたてもの(例の)教会らしい。
The building over there seems (looks) like a church. あそこのたてもの教会らしい。

(注)<the> と<a>、<が>と<は>の違いに注意。

英語では<見る>関連に to see、to look 以外に to watch、to view、to regard があるがこれらは他動詞。また<見せる>に相当する英語は to show で話がややこしくなる。 to show は<見せる者>と<見せられる者>の関係があり、<見せられる者>が見ることになる。

いずれにしても日本語では<見る>の関連動詞<見える>、<見せる>ですべてをまかなっており、経済的だが、日本語学習者には難しいところではないか?

日本語や英語にはないが、ドイツ語やロシア語には reflective verb という語法がある。

1)мне привиделся страшный сон.

2)I had a terrifying dream.

3)私は怖い夢を見た。

2)の英語と3)の日本語は文法的に同じ構造。1)のロシア語は直訳すると<怖い夢が私に見えた>となる。мне привиделся の下線部が reflective verb 語法。夢は見ようとして見るものではないので<(私に)夢が見えた>と自動詞を使ったの方が理にかなっているのだが、英語の影響を受けてか<夢を見た>と他動詞を使うのが普通になっている。

----

<末尾>

<自動詞、他動詞-6 日本語の他動詞、自動詞の作られ方>

5. 五感動詞

<わかる> は知覚動詞と言えるが、感覚動詞、五感動詞はどうか? けっこう複雑だ。

自動詞 - 他動詞

見える - 見る。 <見える>の使役は<見えさせる>、<見えさす>だがほとんど使われず<見せる>となる。<見る>の使役は<見らせる>、<見さす>で<見るようにさせる>だがこれらもほとんど使われず<見せる>となる。
また<見える><見る>の未然形<見>+<得る>で可能の意がある。<見る>は他動詞なので自発の意はない。だが古語形<見ゆ>は自動詞(<見える>の意)で<見ゆ>の未然形は<見え>で、<見える>に自発の意が出てくる。被害、迷惑の場合は<見られる>となる。


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