Wednesday, July 31, 2013
<be interested in xx>=<xx に興味がある>
<xx be interested in yy>英文和訳の問題として出されるとほぼ自動的に<xx は yy に興味がある>と訳すのではないか? だが<xx は yy に興味がある>は考えてみると変な日本語だ。英語は英語教育が徹底されているため少なくとも義務(教育)で<xx be interested in yy>はもれなく学ばさせられる。一方<(あなたは)何に興味がありますか?>はもうさほど変な日本語ではなくなっている。
おもしろい問題が いくつかある。
1)直訳の限界
to interest を他動詞として使った<yy interests xx>という言い方は英語ではごく普通に使われるが日本語では直訳以外まずこの言い方はしない。
Methematics interests Taro (me).
数学は太郎(私)に興味をいだかせる(もたせる、わかす)。
動詞としての to interest は他動詞なのでこの場合日本語では使役形を使った訳になる。一方
Taro is (I am) interested in Methematics.
は他動詞の受身形を使った表現だが、日本語では
太郎(私)は数学に興味がある。
というのが普通で受身形ではない。受身形は上記の使役形の受身形になり<太郎(私)は 数学に興味をいだかさせれれている、興味をもたせられている、興味をわかさせれている>ととんでもない日本語になる。
2) 興味は名詞(体言)
ところで<太郎(私)は数学に興味がある> の<興味>は動詞ではなく名詞(体言)だ。受身形、使役形は<興味>自体にあるわけではない。名詞<興味>を前面に出すと
数学への(に対する)興味が太郎(私)にある。
となるが<太郎(私)は数学に興味がある>とはまた違う。<太郎(私)は数学に興味がある>という表現構造、文構造はいわゆる<象は鼻が長い>に似ており、<太郎(私)は>は主語ではなく、主語は<興味がある>の<興味>だ。<太郎(私)は>の<太郎(私)>は何かというとこれは日本語文法上の大問題だが、一応<主題>ということになっており、<太郎(私)についていえば>という意味だ。助詞<は>は一音節語で<xx についていえば>といった他の語との関係を暗示(to imply)するのでいかにも助詞らしい。上記の2例を比較してみる。
a) 太郎(私)は数学に興味がある。
b) 数学への(に対する)興味が太郎(私)にある。
a) の<太郎(私)は数学に興味がある>は<太郎(私)>が<ある>わけではない。あくまで<興味>が<ある(存在する)>あるのだ。どこにあるのかというと、<太郎(私)に>あるのだ。これが始めにこの表現 (太郎(私)は数学に興味がある)が変な日本語といった理由だ。下記の言い換えは可能だ。
太郎(私)の興味は数学にある。
興味を趣味に変えるえてみる。
太郎(私)の趣味は数学にある。 となるが、どうもおかしい。
3)<太郎(私)は数学が趣味だ>とはいえるが<太郎(私)は数学が興味だ>とはいえない。
興味と趣味は違うようだ。似て非なるものとも言える。おもしろいのは現代中国語では興味と趣味がいっしょになった<興趣>が使われる。
太郎对数学有兴趣。(これは北京語も広東語も同じ。もちろん発音はまったく違う)。
興味は<xx に興味がある>となるのに対して趣味は<xx に趣味がある>はダメで<xx の趣味がある>となる。
太郎(私)は数学に興味がある。
太郎(私)は数学に趣味がある。(ダメ)
太郎(私)は数学の趣味がある。でもいいが少しおかしい。
太郎(私)には数学の趣味がある。このほうが日本語らしい。
どこが違うのか?
a)意味の違い
興味は<何かをもっとよく知ろう>とする心理をあらわすようだ。大げさに言うと人類の発展の源。だがそこは人間対象に<好き嫌い>があり、数学に興味をいだくひとは多数派ではない。<嫌い>なモノ、コトに興味はわきにくい。し たがって、この<好き嫌い>は興味にもまして人類の発展の源、人間社会形成の大きな要因だ。英語の interest は名詞として興味の他に利害、利息(利子)の意があり、特に利害は<好き嫌い>におとらず人間社会形成の大きな要因だ。
一方趣味のほうは興味に比べると、言葉とは裏腹に実際的で<好きなコトをする>のコトのことだ。特に<する>ことが肝心で興味と大きく違うところだ。たとえば<太郎(私)には数学の趣味がある>というと<数学パズルを解くことが好きだ>というようなことが連想される。
b)使われ方違い
すでに上で使われ方の違いは述べたので<興味がある>と<趣味がある>の違いを考えてみる。
<興味がある>は<興味の存在> を示しているようだが、それ以上に<形容詞>的な働きがある。一方<趣味がある>はあくまで<興味の存在>を示している。<興味がある>の<形容詞>的な働きは次のような例がある。
<興味がある>話題、科目、スポーツ
英語で言えば interesting issue, subject, sport。英語の interesting は形容詞扱いだがもとは動詞 to interest の現在分詞で、現在分詞の形容詞(的)用法というやつだ。日本語では動詞の分詞(英語では現在分詞、過去分詞)の形容詞(的)用法は取りざたされないが、似たような言い方は山とある。
<動詞の連体形>がまさしくこれで
<興味がある>話題、科目、スポーツ、の<ある>は動詞<ある>(終止形)の連体形。
<おなかがすいている>犬、<疲れている>花子、の<いる>も 動詞<いる>(終止形)の連体形。
以上は英語の現在分詞の形容詞(的)用法。そのほかにも
<興味があった>話題、科目、スポーツ、は過去分詞の形容詞(的)用法というよりは過去(形)の形容詞(的)用法。
<興味をもたれた>話題、科目、スポーツ、は過去分詞の形容詞(的)用法と言える。
<おなかがすいていた>犬、<疲れていた>花子は、過去(形)の形容詞(的)用法だが、
<おなかがすいた>犬 <疲れた>花子、も過去分詞の形容詞(的)用法と言える。
日本語では、関係代名詞を使った英文と同じで、分詞を使うと文はいくらでも長くなる。
おなかがすいた犬を連れた疲れた花子の興味がある話題は......。
sptt
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