前回のポスと ” 接続助詞<て>は超汎用 (Super Versatile) 助詞 ” で、接続助詞<て>に関連して中学生向けの<補助の関係 (補助動詞)>の解説をそのまま紹介した。特に恥ずかしいくはないので、<はずかしながら>とは言わないが、これはこれまで知らなかった。
”
(前略)
A 犬を飼う。
B 犬を飼ってみる。
「みる」以外にも,補助の関係をつくることができる動詞(補助動詞と呼ぶことがあります)として,以下のようなものがあります。
「あげる」・・・勉強を【教えて・あげる】
「くれる」・・・にっこりと【笑って・くれる】
「いる」・・・病気が【悪化して・いる】
「おく」・・・ちょっと【ほうって・おく】
「ある」・・・そこに【置いて・ある】
(以下略、全文は前回ポストで引用)
Wiki - 補助動詞
補助動詞(ほじょどうし)とは、日本語などにおいて、別の動詞に後続することにより文法的機能を果たす動詞で、それ自体の本来の意味は保っていない(前の動詞との組合せで意味を持つ)ものである。類似の補助形容詞などもあるので、合わせて補助用言ともいう。
形式上の補助動詞
普通は、別の動詞(または国文法でいう「助動詞」などが後続したもの)の連用形に、接続助詞「て」を介して後続する動詞を、補助動詞と称する。これは言語学上の助動詞に当たる(国文法でいう「助動詞」とは異なる)。
「知っている」「掛けてある」「笑ってしまう」「見ていく」「変わってくる」「代わってくださる」「行ってもらう」などの太字の部分。
例えば、「行く」は、「途中で彼女と落ち合って行きます」という場合には「どこかへ移動する」という意味で使われる。しかし「これから見て行くように…」という場合には空間的に移動する意味はなく、時間的変化または近未来の行為を示している。後者の「行く」が補助動詞であるが、これはひらがなで「いく」と表記することが多い。この表記によって例えば「箱を開けて見る」(中を見る)と「箱を開けてみる」(試しに開ける)のような異なる意味を区別することもできる。
例
- 状態や動作の態様を表し、時間的意義などを含む(言語学的には相に当たる)「いる」「ある」「いく」「くる」「しまう」「おく」
- 受益表現の「くれる」「やる」「あげる」「もらう」
- その他:「みる」「みせる」
- この他、希望を表す「ほしい」などの補助形容詞も同様の性格を持つ。
<xxている>、<xxてある>、<xxてみる>は はごく最近、<xxておく>、<くれる>、<やる>、<あげる>、<もらう>についても以前に取りあげて書いたことがある。だが<補助の関係 (補助動詞)>は知らなかったので、ばらばらに書いている。
さて、引用が多くなったので、以下にspttの解説を試みる (してみる)。調べてみると、いろいろおもしろい。
ポイントは、上に書いたが
肝心なのは<xxてyy><xxしてyy>と<て>が使われることが条件になっていることだ。単純に<動詞の連用形 + 見る>などでは複合動詞になる。そして、<て>は接続助詞と分類されており、補助動詞の場合はまさしく、<て>の前の動詞と<て>の後の補助動詞を接続している。<動詞の連用形 + 動詞>の複合動詞(無限と言えるほどある、つくれる)との違いはなにか。
<動詞の連用形 + 動詞>の複合動詞では単独で使われた場合と意味が変わるが、意味の
変化は個々の複合動詞次第で様々。例えば
見上げる -これは文通りの<空を見上げる>と皮肉だが<見上げたやつだ>と言った比喩用法がある。
見誤る見かぎる
見下す
見過ごす
など、など、たくさんあり、複合動詞としての新しい意味の構成に特に規則性はない。一方補助動詞の方は
犬を飼ってみる
見る、見せる
<見る>の場合。<見る>の複合動詞は多いが、多いのは
見合う
見上げる
見誤(あやま)る
などのように<見(み) >が前にくる複合動詞動詞だ。これはたくさんある。上の3例は<見>のあとに<あ>から始まる動詞に過ぎない。<見る>が後ろにくるのはすぐには見つからない。これはどうしたことか? <見つかる>も複合動詞だ。
中学生向けの<補助の関係 (補助動詞)>の解説には、試験解答対策として、
”
補助動詞であるかどうか(補助の関係であるかどうか)を見分ける方法としては,ほかの表現や英語に置き換えて考えるという方法があります。
[英語に置き換えて考える例]
(3)勉強を教えてあげる。
(4)プレゼントをあげる。
→(4)の「あげる」は「give」の意味がありますが,(3)は本来の意味が薄れているので「give」ではありません。(3)が補助の関係です。
”
という解説があるので、応用してみる。
補助動詞としての<xxてみる>は<試す>to try to do (動詞の原形あるいは to 不定詞という) の意に近い。<見る >の to see, to look (at) とはまったく関係ない。
<見せる>の場合。
<みせる>は英語では to show で、これも<見る >の to see, to look (at) とはまったく関係ない。<みせる>は
xxしてみせる
やってみせる
書いてみせる
踊ってみせる
などでは<見せる>の意が残っているので補助動詞といえるか。ところが
今回は失敗したが、次は必ずxxしてみせる (やってみせる)
は to show の意味はないので補助動詞といえる。英語でいえば
I failed this time. But I will surely do it well next time.
とでもなるか。
ところで、日本語では、<医者に見せる>、<医者に見てもらう>という独特の言い方がある。
医者に見せる ー to show you (your body) to a doctor
医者に見てもらう ー to let a doctor see you (your body)
上の英語は直訳に近く、英語ではこんな言い方はしない。英語で簡単に
to see a doctor (医者を見る)
中国語も、英語由来なのか、これと同じで
看医生